

猫に指紋はないの?
猫の手をじっと見てください。
ツルツルで柔らかい肉球があるだけで、指紋はありませんね。
でも実は、指紋と同じような個体識別ができる模様が猫の体のパーツにあるのです!
それは「鼻紋(びもん)」。
文字のとおり、猫の鼻にある模様です。
なんと同じ種族や一卵性双生児、クローンであっても個体で差が出るもので、一生変わる事がないそうです。
猫の鼻の粘膜は、衝撃を受けたりキズがついたりするとニオイガ分からなくなってしまいます。
猫にとってニオイがわからなくなると、誤飲、誤食の危険性もありますので、気をつけてあげましょう。
ちなみに他の動物にもある模様で、牛では個体識別に使っています。
それでは、猫の鼻の役割について少しお話しましょう。
~においを感じる役割~
鼻の奥にある臭野で臭いを嗅ぎますが、この細胞が猫には人の2倍あるようです。
さらに猫には、嗅ぎ分ける能力があります。
猫は、家族の臭いのついたものを嗅ぎ分けることができ、家族や家の中のものに体をこすりつけ猫自身の臭いをつけて安心感を得ています。
~呼吸を助ける役割~
冷たく乾いた空気は鼻腔内の粘膜の水分によって加湿されています。
また、鼻腔内を通るうちに温められ、肺や気管への刺激を和らげています。
~温度を測る役割~
猫は、よく「猫舌」といわれておりますが、実際は舌で温度を判断しているわけではありません。
鼻で吸い込んだ空気の温度によって、熱いや冷たいを判断しています。
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~ヤコブソン器官とは~
ヤコブソン器官と呼ばれるフェロモンを感知する器官が鼻腔と上顎との間に左右一対あります。
マタタビやキャットニップを嗅いで酔ったような反応を起こさせるのもヤコブソン器官の働きによるもので、人には感じることのできないにおいなのです。
また、口を半開きにして笑っているような表情をしている猫を見たことがあると思います。これを「フレーメン反応」と呼びます。
鼻と口からフェロモンやにおいの物質をヤコブソン器官に送り込み、においを嗅いでいるのです。
~猫にとって危険なにおいは?~
猫にとってアロマはとても危険です。
精油成分は通常花や口から吸収され、肝臓で代謝されます。
しかし、猫は精油成分に対する代謝が不完全のため、徐々に蓄積されて肝不全を起こしたり、急性中毒を起こす可能性もあります。
もちろん、成分は皮膚からも吸収されるので、アロママッサージやアロマシャンプー、芳香浴など注意が必要です。
~猫が鼻と鼻を近づけるのはなぜ?~
この動作は、互いに敵対心を抱いていないサインです。
特に仲の酔い猫同士の間で頻繁に行われているそうで、鼻と鼻を近づける行為は軽いあいさつに相当するものと考えられています。
人が人差し指を近づけると、ほとんどの猫は指に鼻をつけニオイを嗅ぐ動作をします。これもネコ同士の挨拶同様、猫は気になる対象物を見つけるとまずはニオイを嗅いで判断します。ニオイをかいだあと何もしてこないのは、安心できる相手と判断した証拠です。しかし、嫌いな人や猫には、挨拶すらしません。
初めての猫とコミュニケーションをとる場合、まずは人差し指を鼻に近づけてご挨拶しましょう。
いきなり頭を撫でようとすると猫は叩かれると思い、引っ掻かれたり噛みつかれたりする場合があります。
猫と指と鼻での挨拶をして猫が逃げたり嫌がったりしなければ、まずは猫が喜ぶ喉の下辺りから撫でてみてはいかがでしょうか。
いつもはあまり見ない猫の鼻。
ちょっと注目してみてはいかがですか?
なお、見ようとしてネコパンチされても責任はとれません。



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