猫の老衰の症状5つ。老猫の最期にしてあげたいこととは?

2022.03.03

猫の老衰の症状5つ。老猫の最期にしてあげたいこととは?

猫の老衰について考えたことはありますか。いずれやってくる悲しい別れ。こればかりは、どうすることも出来ない運命です。最近、衰えてきた愛猫を見て、今後を考えてしまうことがあるかもしれません。 今回は、猫の老衰についての定義と、老衰が見え始めた時に何が出来るのか、してあげられるのか。そして、愛猫の最後に出来ることについてお伝えしていきます。

【目次】

猫の老衰とは?

上を向く猫

健康であろうとも、いずれはやってきてしまう悲しい別れ。老衰は必ずしも平等にやってきます。

そもそも、老衰とは何を持って判断するのか、そして、猫の老衰の年齢について見てみましょう。

◆猫の老衰の定義は?

よく、「寿命がきた」「寿命を全うした」と言われることもある老衰。人間の場合は、死亡診断書に亡くなった原因として「老衰」と書かれることもありますね。
老衰とはどのような状態のことを言うのでしょうか。

老衰とは、老化により細胞や組織、また運動を含む能力が低下していくことです。食などが細くなり、水を取ることも少なくなって臓器不全などを引き起こし、生命活動の停止に至ると「老衰死」となります。

猫の場合も、年齢と共に運動能力、食欲の低下、毛艶のパサツキなどが見られます。7歳を過ぎたあたりから人間で言うおじさんおばさん世代になり、10歳を過ぎれば立派なおじいちゃんおばちゃん猫になっています。

◆猫の老衰が始まる年齢

確実にここからが老衰と言えるゾーンはありません。ただ、だいたい7~8歳を過ぎたあたりから老化が始まっていると考えておきましょう。

猫によって老化が出てくる、目に見てくる年齢は様々です。8歳でも人間のように若々しい猫ちゃんもいれば、貫禄が出て渋さが増す猫ちゃんも。同じ年齢でも、種類などにもよって変わってきます。

猫の寿命は飼い猫の場合、16年程度と言われており、オスよりもメスの方が1年長生きするというデータもあります。野良猫はもっと短く4年程度なので、ペットとしての猫は野良猫よりも長生きであることがわかります。

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猫はどのくらいの寿命なのでしょうか?ひとくちに猫の寿命とはいっても、飼い猫や野良猫、猫の種類、オスかメスかによっても違います。特に飼い猫には長生きしてほしいものですが、寿命が伸びる方法があるのであれば、実践したいですよね。
猫の寿命について、猫によってどのくらい違うのか、猫の最高年齢、そして猫に長生きしてもらうにはどうしたら良いのかについてご紹介します。

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◆人間と猫の年齢の違い

猫と人間の成長スピードが違うのは、みなさん知っての通りだと思います。人間と同じスピードで毎年1歳を取っていくわけではなく、ライフステージによって成長スピードは変わってきます。

生後6ヶ月までの子猫期では、3ヶ月で4歳、6ヶ月もすれば10歳に。壮年期である1歳から、一年に4歳ずつ歳を取っていきます。

猫ちゃんの7歳は、人間にすると約44歳。おっと、そろそろ身体のいたるところが…という感じでしょうか。細胞・運動能力や免疫力なども7歳あたりから低下してくるので、このあたりからが老化の始まりにあたります。

ペットフードの質の向上や飼い主の接し方、考え方の変化により、年々寿命は伸びている傾向にあり、元気に過ごしている老猫さんもたくさんいます。


猫の老衰の症状は?

眠る猫

だいたいの老衰の始まりが7歳以降であることがわかりました。しかし、猫によって様々であることも確かです。人間と同じように若々しい猫もいれば歳相応な猫も猫それぞれです。

では、身体やしぐさから見える老衰の症状をチェックしてみましょう。

◆老衰の症状①毛のパサつき、毛艶が悪くなった

一番目に見えて分かるのが、毛の変化です。老衰により臓器の機能が低下し、毛艶が悪くなったり毛がぱさつくようになります。

また、歳をとることで人間と同じく、白髪のように毛が白くなってきます。
元々が白い猫では毛の色の変化はわかりにくいかもしれませんが、年齢と共に毛のパサつきなどを感じた場合は、老衰が始まってきているのかもしれません。黒い猫の場合、段々と毛艶が悪くなってきたなと感じたらそちらも老衰の初期段階かもしれません。

◆老衰の症状②運動能力の低下

運動能力の低下もわかりやすい老衰の症状です。

今まで出来たことが出来なくなった、活発に動いて走り回ったり、ソファやテーブル、キャットタワーに登ったり、一番上から飛び降りたりしていたのができなくなった、ためらうようになった場合、老衰による運動能力の低下といえるでしょう。

運動能力の低下という老衰の症状により、一箇所にとどまることが増え、運動量の低下から太りやすくもなってきます。人間と同じですね。

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◆老衰の症状③寝ている時間が増えた

猫はよく寝る生き物だからと思うかもしれませんが、老衰の場合は目に見えて眠っている回数が増えます。

運動能力や聴力などの低下により、情報がうまく捉えられなくなり、寝ている時間が長くなります。

帰ってきた時には起きてきた猫も、老衰が始まると起きてこずに寝ていることが増えてくるかもしれません。そんな時も、寂しく思わず「あぁ、歳をとったな」と思ってくださいね。

◆老衰の症状④大きな声で鳴くようになった

突然、大きな声で鳴き出したり、夜中にずっと鳴いたり完全に昼夜が逆転してしまっている場合も、老衰による脳の機能の低下が始まっているのかもしれません。

人間で言う痴呆のような症状に近く、物事がうまく判断できていない可能性があります。同時にトイレの失敗も増えてきます。

この場合も、老衰以外の可能性も見られるのでかかりつけの獣医師に相談してくださいね。

◆老衰の症状⑤呼びかけに反応しない、反応が鈍い

老衰の症状は、運動能力だけではなく、視力・聴力や脳の機能にも影響を与え、これらの能力も低下していきます。

呼びかけに反応しにくくなった、ワンテンポ遅れる、トイレなどを失敗するようになったなどの場合も、原因として老衰が挙げられます。歳と共に耳の聞こえが悪くなる、目が悪くなるのも人間に似ていますね。

見えにくくなったことで、ぶつかったり場所がわからなくなったりすることもあるので、危ないものなどは片しておいてくださいね。

老衰のような年相応の行動ではなく何か病気が隠れている可能性もあるので、7歳を過ぎたら半年に一回は健康診断として定期的に獣医さんに見てもらうことをおすすめします。

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猫が老衰した時に考えることは?

撫でられる猫

お別れのその時まで、老衰死を迎えるまでに私達には何が出来るのでしょうか。

今現在老衰の症状が出ていない場合にも、いつかは必ず猫との別れが待っています。愛猫にとって何がベストな方法か、できるだけのことはすべきなのかを一度考えてみましょう。

◆最後の過ごし方について考えておく

愛猫に老衰の症状が強く出てきた場合、治療などをどうするべきなのか考えておきましょう。

老衰の症状が進むに連れて、身体にもその症状が顕著に表れてきます。そうなってくると「そろそろなのかな」と思ってしまいますよね。

老衰が考えられるような年齢の猫であれば、腎不全やその他の病気を発症する可能性も高く、その場合は脱水や嘔吐などの症状が出てきます。飼い主としては、辛くどうにかしてあげたいという気持ちになりますよね。

残りの時間を、どうするかが飼い主としての選択を迫られる時もやってくるかもしれません。

痛みの緩和や延命治療を視野に入れて動物病院で診てもらいながら過ごすのか、慣れ親しんだ家でゆっくり安らかに過ごさせるのか。とても苦しい判断になってきます。

愛猫の具合が本格的に悪くなる前に、どうするかを頭の隅ででも考えておき、愛猫が老衰による病気や老衰死が近くなった時には、治療方針や最後はどうしたいのかをかかりつけの獣医師と相談し話し合っておくと良いかもしれません。

◆猫の老衰は必ずやってくるもの

愛猫のケアが一番大切ですが、老衰による最後に病院か家かどちらを選んでも「愛猫のために悩んだ。愛猫を思って考え、悩み決めた」という事を決して忘れないでください。

一緒に過ごした大切な家族を思って悩んで決めたことです。それに間違いは無いのです。その悩んだ時間も愛情です。そして決断したことも、愛猫を思ってのこと。

人であれ猫であれ、長い時間を過ごした、その最後の決断を下すのはとても苦しいことです。ですが、老衰や老衰死は歳を取れば、必ずやってきてしまいます。

きっと、愛猫を思って下した決断だということは愛猫にも届いているはずです。


老衰した猫の最期にしてあげたいことは?

愛猫が老衰し最期が近づいて来た時、何をしてあげられるのでしょうか。

◆そばにいて声を掛けてあげる

老衰し最期が近づいてきた、そんなサインはいくつかあります。このような症状が出た場合は覚悟をしておいてください。

一番、覚悟してほしいのは意識をなくしてしまうことです。意識がなく、口呼吸をしている、呼吸が浅いもしくは深くゆっくりになってきた時は、その時が近いサインです。また、心拍数が下がった時もお別れが近いのかもしれません。

最後の時が近づいて来たら、声をかけてあげてください。好きだと伝えるのも、感謝を伝えるのでもなんでもいいです。思い出を語ったり、いままでの感謝やお礼を伝えたりたくさん声をかけてあげてください。

そして、たくさん優しく撫でてあげてください。最期の時に、大好きな家族に囲まれて声をかけてもらう事で、猫も安心します。

大切な家族の一員である猫と別れるのは辛く悲しいことです。だからこそ、思いを伝えてあげてください。きっとその思いを受け取って、猫も安らかに眠ることが出来るのではないでしょうか。

◆看取った後に忘れないでほしいこと

愛猫の最後を看取ったこと、老衰の段階で悩んだり決断を下したこと、愛猫のためを思った時間を忘れないでください。

「ああすればよかった。こうすればよかった」と後悔してしまうことがあるかもしれません。悲しく辛い出来事で、心が潰れそうな思いをするかもしれません。

ただ、あなたが愛猫を思って決めたこと、思い悩んだ時間は、間違いなくとても深い愛情に満ちたものです。決して自分を責めないであげてくださいね。

一緒に過ごした時間は、愛猫にとっても楽しく素敵な時間だったと思います。ご飯をくれた、遊んでくれた、一緒に眠ったなど。その思い出に間違いはありません。

愛猫との思い出も思い悩んだ時間も、老衰の時や最後に下した決断も、すべては愛猫への愛情です。それだけは忘れないでください。

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まとめ

猫の老衰の時にどうしていくべきか、最後の時には何が出来るのかをお伝えしました。

猫の老衰は7歳あたりから徐々に見え始め、だんだんと能力低下、免疫力低下による諸症状が現れ始めます。お別れが近づく頃には、それらの症状が顕著に出ていることもあります。

お別れの時が本格的に近くなってきたときにはいくつかのサインがあり、その時にはできるだけ声をかけてあげ、出来るようでしたら優しく触れてあげてくださいね。

老衰による症状や最後の時は、誰にでもやってきてしまいます。下した決断も悩んだ時間も愛情だということを忘れないでください。愛猫は最高の家族だったと、感謝の気持ちを最後に伝えられるといいですね。



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ユーチカ

ユーチカ

動物が大好きで、幼少期から動物と一緒に生活しています。今は、柴犬と猫2匹(元野良)と暮らしています! ペットと楽しい日々を送れるような役立つ情報を皆さんとシェアして行きたいと思います。


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