1.そもそもオッドアイって?
1-1.どうしてオッドアイになるの?
9.オッドアイに黒猫がいないって本当?
9-1.オッドアイになりやすい猫種は?
10.オッドアイは薄命なの?
10-1.白猫は目立つ
10-2.野生の猫は危険が多い
10-3.皮膚が弱い
13.飼うときに注意すること
13-1.紫外線に注意する
13-2.聴覚障害がある場合は脱走に注意する
13-3.ストレスがたまらない環境を整えよう
そもそもオッドアイって?

オッドアイとは「虹彩異色症」(こうさいいしょくしょう)のことをいいます。
片方の目が青、もう一方の目が黄色、だいだい色、茶色、緑のどれかである場合が多く、日本では青色と黄色の組み合わせが多いことから、「金目銀目」と呼ばれることもあります。
たまに目の中の色が2色の猫がいますが、これもオッドアイの一種で、「ダイクロイックアイ」と呼ばれています。
◆どうしてオッドアイになるの?
オッドアイは人間にも見られますが、猫や犬のほうが多く、その原因は先天的なものと後天的なものの2つに分けられます。
先天的な場合は、遺伝子の突然変異によって起こるのが一般的です。
それ以外に母猫の胎内で色素異常が発生した場合もオッドアイになることがあります。
後天的なケースとして、キトンブルーと言われる子猫の青い目は、成長するとメラニン色素によって本来の色に変化しますが、片目だけ青色のまま成猫になってしまう猫もいます。
それ以外にも、緑内障などの目の病気や老化、事故で目が傷つくなどして虹彩の色が変わり、後天的にオッドアイになる可能性があります。
猫の目はどんな色があるの?
先ほども記載した通り、ほとんどの子猫の目の色はキトンブルー(kitten=子猫)と呼ばれる青色をしています。やがて成長していくと、数か月後でイエローやゴールドに変化します。
猫がもつメラニン色素の量は遺伝によって決まるため、日光の少ない地域に住む猫は色素が少ない薄い目の色になり、日差しが強く温暖な地方の猫は濃い色の目をしていると言われています。
青:サファイアブルー ブルー アクア
緑:グリーン ヘーゼル(グリーンからイエローのグラデーション)
黄:イエロー ゴールド
褐色:オレンジ カッパー
(例外)オッドアイ
また、色素細胞をもたない「アルビノ」の場合は、血液の色が透けてみえるため、赤い目の色をしています。
猫の目が変化する理由
猫の黒目は時間や場所によって、まん丸になったり、細長くなったりします。
それはなぜでしょう?
◆瞳孔の働き
瞳孔は目に必要な光を取り込む役割があります。暗いところでは、多くの光を取り込むために瞳孔が開いてまん丸になり、明るいところでは細くなります。そのため、暗いところから明るいところへ移動したり、夜になったりすると猫の目が大きく変化します。
なんと最小に狭まったときと最大になったときの目の面積の差は約300倍!
人間も明るい場所では瞳孔が縮みます。これは紫外線で網膜が傷つくのを防ぐため。しかしその差はせいぜい約15倍。猫の20分の1程度なのです。
猫の目で気分がわかる?
目の変化でそのときの気分や感情を表していると言われています。
●満足しているとき:目を細める
●緊張しているとき:左右の目が大きく異なる
●興奮しているとき:明るいところでも目が大きくなる
●眠いとき:目が垂れて瞬膜(眼球を保護する膜)が目を覆う
●集中しているとき:目を細めたり、大きくしたりして目の焦点を合わせる
おうちの猫の目をよーく観察してみてくださいね♪
猫の目はなんで光るの?
猫の目が光る秘密は目の構造にあります。
夜行性である猫は、暗闇の中でも物体を確認できるよう、網膜の外側に「タペタム」と呼ばれる反射板の役割を持った層があります。
暗闇の中で猫の目が光って見えるのは、このタペタムに反射した光が見えているからです。
猫の目には、光の少ない環境で物を見るときに働く細胞(杆体細胞)が人間の約6倍もあるため、網膜に直接あたる光と、タペタムによる反射光とで光を増幅させることにより、暗闇の中のわずかな光でも視覚の感度を上げ、周囲を見ることができます。
オッドアイの猫の視力はどのくらい?

オッドアイだからといって、ほかの猫よりも視力が悪いということはないです。
しかし、色素が弱い眼球は、光を調節する力が弱いと言われています。取り込む光を調節できず、一般の目をもつ猫よりもまぶしく感じることが多いため、視力が弱い状態になることが多いそうです。
そもそも猫の視力ってどうなの?
暗闇の中を歩いたり、獲物をすばやく捉えることのできる猫の視力はどのくらいなのでしょうか?
実際の猫の視力は、人間の1/10程度と言われています。
しかし動いているものを捉える「動体視力」は非常に優れていて、1秒間に4mmという僅かな動きでも察知できるそうです。
猫が暗いところで行動できるのは、猫の目の構造に秘密があります。
動物の網膜には、「桿体(かんたい)」と「錐体(すいたい)」という2タイプの光受容体があります。
桿体は色を区別することはできませんが、わずかな光でも感知して形を捉えることができます。錐体は明るい場所で色や形を認識できますが、暗いところでは働きが低下します。猫の目には桿体がたくさんあるため、光を感じる能力は人間の6倍ほどあると言われています。
そのため、猫は暗い場所でも十分に行動することができるのです。
猫は色を識別できるの?
人間は赤・青・緑の3色を認識しています。しかし猫は赤を認識することができません。そのため緑と青の組み合わせしか認識することができず、赤いものはくすんだ灰色に見えます。
オッドアイに黒猫がいないって本当?
オッドアイは白猫、黒猫、サバトラ、キジトラなどどんな猫にも見られますが、特に白猫に見られることが多いです。白猫の中では約25%の確率で生まれてくると言われています。
そもそも猫はメラニンを作るメラノサイトという色素細胞の量によって毛色や目の色が変わります。白猫はこのメラノサイトの量が少ないので、真っ白な毛色をもって生まれてきます。つまり、白猫はメラノサイトが欠乏しているから毛の色も目の色素も薄く、オッドアイになりやすいのです。
そのためメラノサイトの多い黒猫が、オッドアイになる確率は非常に低いです。
◆オッドアイになりやすい猫種は?
ターキッシュバン、ターキッシュアンゴラ、ジャパニーズボブテイル、メインクーンなどです。猫の種類に関わらず、先天的にオッドアイになりやすいのは白い被毛の猫です。オッドアイに出会いたい場合は、白い被毛の多い猫の種類を探せば確率は高いということです。また、白い被毛の猫にはオッドアイだけではなく赤い目をもつアルビノの猫も見られます。
オッドアイは薄命なの?
左右の目の色が違う猫は薄命なのでしょうか?
決してそうとは言い切れません。環境次第では20年生きた猫もいるそうですが、なぜ薄命というイメージをもたれているのでしょうか?
◆白猫は目立つ
オッドアイは白猫に多いと言われています。目の色が違うから薄命というよりも、白色の被毛が目立つため、狙われやすいのです。草むらの中に身を潜めても、毛色が原因で紛れることができず、危険が高まるということです。
◆野生の猫は危険が多い
目の色が違うと、視力や聴力に問題がある可能性も出てきます。
野生の世界で敵から身を守る、獲物を捕獲する能力もほかの猫より衰えることがあります。危険を察知できない、視力が低下していればかなりのハンデを行います。そのことから、外の世界で生き抜くには命を落とす危険性も高くなるのかもしれません。
◆皮膚が弱い
白い被毛が多いために紫外線に弱く、皮膚病や皮膚がんに注意が必要です。
オッドアイの猫は聴覚障害が多い?
オッドアイの猫は青い目の方の耳に聴力障害が3~4割の確率で起こると言われています。
その場合、反対側の濃い目の方の聴覚は正常のようです。
聴覚障害のすべてのケースが先天性というわけではなく、5~6歳になってから聴覚障害を抱えるようになった猫もいるため、日々注意が必要です。
オッドアイの猫は高額なの?
やはり珍しい種類なのですごく高そう…、そう感じる方も多いと思います。
「オッドアイの猫に見つめられたら、幸せを手にすることができる」なんていう言い伝えもあり、実際、海外ではオッドアイの猫はマニアの間では通常よりも高値で取引されているそうです。オッドアイの猫に魅了される人は多く、中にはわざわざオッドアイの猫を探し出して飼う人もいるくらい魅力のある猫なんですよ。
ですが、日本のペットショップでは品種や性別、生まれた月などで管理されているため、オッドアイだからといって高値になるわけではありません。
また、日本ではオッドアイを基準で猫が欲しいという人が少ないため、ほかの猫と同じ値段のことが多いそうです。
品種によってもオッドアイの猫の生まれやすさがあるので、オッドアイの猫のお値段は品種によっても異なります。数万円で飼うことができる猫もいれば、品種によっては20万円以上する猫もいるのです。
オッドアイの猫は希少性がありますが、聴覚障害などのハンディキャップを背負っているので、そこまで破格のお値段にはならないのです。
飼うときに注意すること

オッドアイの猫と暮らすときにはいくつかの注意点があります。
◆紫外線に注意する
オッドアイのブルーの目は、メラニン色素が少ないため、紫外線の刺激にとても弱いです。強い紫外線は、目にダメージを与え、白内障や緑内障などの病気になってしまうこともあります。室内飼いだからと油断せず、猫がお気に入りの場所はチェックし、直射日光が当たりすぎてないか確認しましょう。
猫が長い時間を過ごすベッド周辺は特に注意しましょう。
もしも直射日光が当たりすぎていると感じたら、適切な位置へと移動しましょう。ベッドの設置場所を動かせない場合には、時間帯に合わせてカーテンやブラインドで対策する事が大切です。
◆聴覚障害がある場合は脱走に注意する
聴覚障害がある猫でも、あまり不自由がないように暮らしているように見えますが、それは家の中だけです。万が一、脱走してしまったときには、車やほかの動物など危険がいっぱいです。
猫を飼う際の脱走対策は当然のことですが、聴覚障害がある猫は特に対策をきちんと行いましょう。
◆ストレスがたまらない環境を整えよう
目や耳に障害を抱えている猫は、身を守るために臆病になりがちです。
騒がしくて落ち着けない状況の中では、ストレスが溜まり、ゆったりと過ごすことができません。
見えにくい目のほうから近づいたり、聞こえにくいからと言って大きな音を出したりすることは避けて、できるだけ安心して過ごせるような環境をつくってあげてくださいね。
まとめ
オッドアイは色素細胞の欠乏によって起こる「虹彩異色症」のことで、先天性の場合も、後天性の場合もあります。また、メラニン色素の量で毛の色が変わるため、メラニン色素の多い黒猫にオッドアイが生まれる確率は非常に少ないということがわかりましたね。
さらに、オッドアイの猫は片耳に聴覚障害がある確率が高いということと、紫外線や脱走に注意しなければならないということを記載しました。
オッドアイの猫は希少性が高いので、高価そう…に感じますが、決してそういうわけでもなく、その他の猫と同じくらいの価格で飼うことができます。
オッドアイの猫は「招き猫よりも縁起がいい」と言われているため、もし出会えたときには運命の出会いと言えるでしょう。ぜひかわいがってあげてくださいね♪
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