【獣医師監修】要注意!猫がトイレに出たり入ったり…考えられる病気と対策、予防

2022.01.16

【獣医師監修】要注意!猫がトイレに出たり入ったり…考えられる病気と対策、予防

愛猫がトイレに出たり入ったりしていると、病気じゃないかと心配になりますね。トイレに出たり入ったりしているのに排泄できていない場合には、泌尿器系や消化器系に何らかの異常があると考えられ、なるべく早く動物病院を受診した方がいいでしょう。一方で、トイレが気に入らなくて排せつを我慢している可能性もあります。今回は、猫がトイレに出たり入ったりする場合に考えられる病気と対策、予防についてご紹介します。

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猫がトイレに出たり入ったりしている

トイレに入っている猫

猫がトイレに出たり入ったりしているのに気づいたら、まず次のことを確認してみてください。

◆排泄はできているか

トイレに出たり入ったりしていても、排せつができていれば、あまり心配はいりません。猫はきれい好きで繊細な動物なので、排せつ物を隠すとき、猫なりに納得ができるまで、トイレに繰り返し入って砂をかけることがあるからです。納得いくまで隠そうとしている様子があるなら、排せつ物を速やかに片付けてあげましょう。
一方、何度もトイレに出入りして排せつのポーズを取るのにおしっこもうんちも出ていないなら、深刻な病気の可能性も大きく、一刻も早く病院へ連れていきましょう。考えられる病気については、後述します。

◆トイレが汚れていないか

前述した通り、猫はきれい好きです。そのため、汚れたトイレで排せつすることを嫌います。トイレでしゃがむこともなく、ただ出たり入ったりを繰り返している場合は、トイレ自体にストレスを感じている可能性が高いです。
飼い主さんの目にはきれいに見え、特にニオイを感じないトイレでも、嗅覚のすぐれた猫にはニオイがしている場合があります。
トイレに頻繁に行っていても普段通り元気や食欲があるようであれば、一度、トイレを丸洗いして、猫砂をすべて新しいものに交換してみましょう。

◆ストレスの原因は無いか

猫は、ストレスを感じた場合にもトイレに出たり入ったりを繰り返したり、排せつする素振りを見せたりすることがあります。
例えば、

□雷が鳴った
□地震があった
□部屋の模様替え
□知らない人が訪ねてきた
□引っ越し
□いつもと違うことがあった

など環境の変化や普段と違うことがあったために、ストレスを感じて、落ち着いてトイレができなくなっているかもしれません。
ストレスの原因を探り、可能であれば取り除いてあげましょう。


猫がトイレに出たり入ったりするときに考えられる病気

おしっこが出ない排尿困難の場合、猫に多い病気である「泌尿器症候群」が考えられます。これは泌尿器系の病気の総称で、膀胱や尿道が炎症を起こして血尿が出たり、尿道に結晶が詰まって尿が出にくくなったりします。
うんちが出ない場合、結腸が拡張肥大化して宿便がどんどん溜まっていく「巨大結腸症」という病気の可能性があります。
ここでは、それぞれの病気の具体的な症状などについて、解説していきます。どの病気も、放っておくと命に関わることもあるので、24時間まったく排せつがない場合には、すみやかに動物病院を受診してください。

◆膀胱炎

膀胱炎とは、尿が溜まる膀胱に炎症が起きた状態のことです。猫の場合、尿道から入った細菌による「細菌性膀胱炎」と原因不明の「突発性膀胱炎」があり、突発性膀胱炎が多く見られます。細菌性膀胱炎は、尿道の短いメスに起こりやすいです。
膀胱炎になると、残尿感があるため、トイレに出たり入ったりを繰り返します。
症状としては、

□食欲不振
□水を飲む頻度の増加
□トイレの回数の増加
□おしっこの色が濃くなる
□おしっこのニオイがきつくなる

などが見られます。成猫は、平均で1日に2~3回排尿をします。個体差もあるため、日頃の排尿の回数を把握しておくと良いでしょう。
炎症を抑える消炎剤の投与のほか、細菌性の場合には抗生剤を投与し、療法食で治療を行います。

◆尿路結石

尿路結石とは、「尿路」(腎臓、尿管、膀胱、尿道)に結石ができる病気です。
猫は、おしっこが濃くて少ないため、おしっこの中の成分が凝縮して結石ができやすいのです。
排尿時に痛そうにうずくまったり、陰部をしきりに舐めたりしている場合、尿路結石の可能性があります。また、結石が粘膜を傷つけておしっこに血が混じること(血尿)も多いです。血尿は、赤いとは限らず、オレンジ色や茶色、錆色の場合もあります。また、おしっこの一部に血が混じっている場合もあります。
症状としては、

□トイレに行く回数の増加
□トイレ以外でのおしっこ
□トイレでうずくまっている
□落ち着きがなくなる
□おしっこの表面にキラキラしたものが見える
□血尿が出る

などが見られます。
血尿は、重症化していることを示しています。すぐに病院に連れて行ってください。

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◆尿道閉塞

尿道閉塞は、尿道が結石や腫瘍、異物などで塞がった状態のことです。特に、尿道が細くて長く、カーブしているオス猫がなりやすいです。また、肥満の猫もなりやすいので注意しましょう。
膀胱にはおしっこが溜まっており、尿意もあるのに、全く出ないか、出ても1滴ほどしか出なくなります。トイレ以外でもぐったりして、元気や食欲もなくなります。

◆尿毒症

丸1日以上おしっこが出ないと、老廃物や有害物質が血液中に溜まる「尿毒症」になり、短時間で命を落とす恐れもあります。
尿毒症は、徐々に悪化していきます。また、泌尿器系の病気にかかっていると尿毒症になりやすいです。
症状としては、

□嘔吐
□ぐったりする
□脱水症状
□食欲不振
□痙攣や昏睡状態

などが現れ、痙攣や昏睡状態になった場合には、かなり症状が進行しています。すぐに病院に連れて行ってください。

◆巨大結腸症

巨大結腸症は、便秘が続くことが原因で結腸が異常に拡張肥大化して、宿便がどんどんたまっていく病気です。
排尿姿勢とは異なり、しっぽを後ろに持ち上げて、両方の後ろ足を浮かせた姿勢を取ります。肛門の周囲に粘液のようなものが付着する場合や、ゼリー状の下痢便が出る場合もあります。また、お腹が膨らんで見えることもあります。
便秘の症状が長く続いて、長期に滞留しているうんちが水分を吸収されて固くなり、さらに排せつできなくなる悪循環から結腸が巨大化するため、「重症化した便秘」とも言われます。巨大化した結腸は、蠕動運動が弱くなるため、さらに悪循環に陥ります。
うんちに粘液や血が混じる、うんちが極端に乾燥している、うんちがコロコロしている場合も、便秘と考えられます。
便秘が続くと、

□嘔吐
□食欲不振
□体重減少
□脱水症状

などの症状が見られます。
巨大結腸症の一番の症状は、うんちが出なくなることです。健康的な成猫は、少なくとも1日に1回以上の排便があります。2日連続でうんちが出ない場合には、動物病院を受診した方がよいでしょう。
症状に応じて、内科的または外科的な治療を行います。
巨大結腸症は、一度発症すると再発しやすいとも言われています。


猫を泌尿器系の病気にしないために

猫のケージの中にあるトイレ

泌尿器系の病気を予防するために、飼い主さんができることをご紹介します。

◆トイレ周りを清潔に保つ

前述の通り、猫はきれい好きなため、トイレが汚れていると排せつを我慢してしまいます。排せつを我慢すると、泌尿器系の病気のリスクが高まります。泌尿器系の病気の予防には、まずトイレ周りを清潔に保つことが大切です。
猫トイレは少なくとも1ヶ月に1回は丸洗いをして、猫砂もすべて新しいものに取り換えます。消臭や除菌の効果も期待できるので、専用の洗剤やクエン酸、重曹などを使うことをおすすめします。

◆トイレの数と設置場所

トイレの数は、猫の数+1個が必要です。特に、多頭飼いをしている場合には、トイレは頭数より多く用意してあげてください。
また、猫が落ち着いて用を足せる場所で、かつ飼い主さんの目の届くところに設置しましょう。ドアの近くなど人の行き来する場所は避け、冬場は寒くなる洗面所なども避けた方がよいでしょう。トイレが寒い場所にあると、猫も寒くてトイレに行きたがらなくなり、我慢してしまいます。

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◆いつでも新鮮なお水を飲めるようにする

猫は、あまり積極的に水を飲まない動物です。そのため、おしっこが濃く、腎臓に負担がかかりやすいです。また、便が硬くなりがちで、便秘にもなりやすいと言えます。
猫が1日に必要とする水分量は、体重1kgあたり20~45mlです。体重4kgの猫ちゃんであれば80~180mlと、意外と多く必要なことが分かります。一般的なドライフードの水分量は5~10%なので、ドライフードだけを与えている場合には、最低でもドライフード1gにつき水を2mlは飲んでほしい計算になります。
飲水量を増やすために、室内に水の容器を複数置き、こまめに水を交換していつでも新鮮なお水を飲めるようにしてあげましょう。動くのが億劫になりがちな冬場やシニア猫のためには、お気に入りのベッドや居場所の近くに水入れを置いてあげると良いでしょう。
水の容器の形状や材質によって飲水量が増える場合もあるので、愛猫の好みの入れ物を探してあげるのもおすすめです。温かいお湯を好む猫ちゃんには、35℃程度のお湯を用意してあげましょう。

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◆動物病院で定期的なおしっこチェック

猫の採尿は難しい面もありますが、泌尿器の異常がないかどうか、定期的に動物病院で尿の検査をしてもらうようにしましょう。泌尿器系の病気の早期発見・早期治療につながります。多くの病気は早期治療で改善されるので、定期的なチェックをおすすめします。
採尿できれば、猫ちゃんを連れて行かずに検査だけをしてもらうことも可能です。病院に行くことが強いストレスになる猫ちゃんの場合には、獣医師さんに相談してみてください。

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まとめ

愛猫がトイレに出たり入ったりしている場合には、泌尿器系や消化器系の病気になっている可能性があります。排せつの有無や、排せつ時の様子をよく観察しましょう。
排せつのポーズを取るのに排泄できていない場合や、排せつ時に唸りながら鳴くような場合には、何らかの異常があると考え、早めに動物病院を受診してください。
病気の可能性くらいで病院に行ってもいいのか、気が引けるかもしれませんが、「何もなければヨシ」と考えて、気になる様子があれば、その都度受診することをおすすめします。深刻ではない場合に病院に行くことに慣れておけば、重大な病気の時に猫ちゃんが感じるストレスを軽減することもできます。
猫トイレを常に清潔に保ち、水を十分に飲ませる工夫をすることで、泌尿器系の病気や便秘を予防することが可能です。日頃から生活環境を整え、大切な猫ちゃんを病気から守ってあげてくださいね。

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※
●記事監修
drogura__large  コジマ動物病院 獣医師

ペットの専門店コジマに併設する動物病院。全国に16医院を展開。内科、外科、整形外科、外科手術、アニマルドッグ(健康診断)など、幅広くペットの診療を行っている。

動物病院事業本部長である小椋功獣医師は、麻布大学獣医学部獣医学科卒で、現在は株式会社コジマ常務取締役も務める。小児内科、外科に関しては30年以上の経歴を持ち、幼齢動物の予防医療や店舗内での管理も自らの経験で手掛けている。
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SHINO

SHINO

保護犬1頭と保護猫3匹が「同居人」。一番の関心事は、犬猫のことという「わんにゃんバカ」。健康に長生きしてもらって、一緒に楽しく暮らしたいと思っています。

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