犬の感情を尻尾で読み取ろう!尻尾を振る=ゴキゲンではなかった?!

2020.04.13

犬の感情を尻尾で読み取ろう!尻尾を振る=ゴキゲンではなかった?!

犬にとって尻尾は、その振り方によって感情を表すだけでなく、コミュニケーションをとったり、平衡感覚を保ったり、様々な働きをする部分です。今回は、犬の尻尾の種類や、その振り方から分かる感情についてご紹介します。

【目次】
1.犬の尻尾の種類
 1-1.オッター・テール
 1-2.ホイップ・テール
 1-3.プリューム・テール
 1-4.ダブル・カールド・テール
 1-5.スナップ・テール
 1-6.リング・テール
 1-7.カールド・テール
 1-8.シックル・テール
 1-9.スクリュー・テール

2.尻尾を振っている=嬉しいは本当?
 2-1.尻尾を振っているのは「興奮」
 2-2.犬に触る時はまず飼い主さんに確認を取ろう

3.尻尾の位置で分かる犬の気持ち
 3-1.最も高く、まっすぐ上に、横から見て約90度に上げている
 3-2.横から見て約45度に上げている
 3-3.横から見て約15度に上げている
 3-4.横から見て水平、ほぼ0度の位置に上げている
 3-5.横から見て15度〜45度ほど下がっている
 3-6.横から見て約90度下がっている
 3-7.尻尾を股の間に巻き込んでいる

4.尻尾の振り方で分かる犬の気持ち
 4-1.小刻みに素早く振る振り方
 4-2.ゆったり大きく振る振り方

5.飼い主に尻尾を振らない犬もいる!?
 5-1.色々なタイプの尻尾の振り方がある
 5-2.年齢や犬種によっても異なる

6.尻尾が振れない?上がらない?「馬尾症候群」
 6−1.馬尾症候群とは?
 6−2.症状が表れた場合はすぐに動物病院へ

7.犬の尻尾の振り方に注目しよう

【掲載:2018.05.18  更新:2020.04.13】

犬の尻尾の種類

尻尾の種類

犬の尻尾は、長いものや短いもの、カーブの形もいろいろで、それぞれに名称があります。お散歩中、いろいろな犬達の尻尾に注目してみるのも楽しいかもしれませんね。いくつかご紹介します。

◆オッター・テール

カワウソの尾に似ていて、根元が太く、だんだん先に細くなり、厚く、短い毛が密集している尻尾。ラブラドールレトリバーなど。

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◆ホイップ・テール

鞭のように長くまっすぐで、だんだん細い。先がとがっており、背線と同じ高さで後方に伸びた尻尾。イングリッシュポインターなど。

◆プリューム・テール

長い羽根のような飾り毛が垂れ下がっている尾。イングリッシュセターやペキニーズなど。

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◆ダブル・カールド・テール

背、または尻の上に二重に巻いた尻尾。バセンジーやパグなど。巻き尾の一種で、ラサアプソなど一重巻きのものもある。

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◆スナップ・テール

鎌のように半円状に巻いた尻尾で、先の方が背に触れている状態。アラスカンマラミュートなど。

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◆リング・テール

根元から高く上げ、輪のように丸くカーブした尻尾。尾先でさらにカーブをつくるアフガンハウンドのようなものもいる。

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◆カールド・テール

背または尻の上に巻いた尻尾。秋田犬など。

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◆シックル・テール

根元から高くあげ、途中から鎌のように半円状に曲げた尻尾。ビーグルやシベリアンハスキーなど。

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◆スクリュー・テール

生まれつきの短く、らせん状にねじれたり曲がりくねったりしている尻尾。ボストンテリア、ブルドッグなど。

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犬の尻尾は上記以外にもまだまだ沢山の種類があります。生まれた時から尻尾が無い、もしくは第1尾椎骨のあたりで断尾されたものは、「ボブ・テイル」と呼ばれます。


尻尾を振っている=嬉しいは本当?

◆尻尾を振っているのは「興奮」

実は、尻尾を振っているからといって、犬が必ずしも喜んでいるとは限りません。尻尾を動かしている時は、基本的には興奮していることが多いので、怒っていたり、嫌がっていることもあります。
尻尾を振っているからといって、見ず知らずの犬に急に手をだすのはやめましょう。場合によっては噛みつかれてしまうこともあります。

犬に触れる時は、その犬の性格や状況を考慮し、気持ちを読み取ることが大切です。

◆触る時はまず飼い主さんに確認を取ろう

自分の犬ではない犬や初対面の犬に出会ったときは、尻尾を振っていたとしても最初から犬を凝視するのは避け、横目でチラ見する程度にするのが犬を緊張させないコツです。
正面から迫ったり、上から手を出して撫でようとしたりすると、犬を緊張させてしまうことがあります。

犬に挨拶したい場合は、まずは犬を見ずに飼い主さんに話しかけ、あなたの愛犬に触っても良いか?触られることは好きか?を尋ねることから始めましょう。了承を得たら、犬に自分の側面を見せて目線を合わせ(膝をつく)、犬が寄ってきてくれたら胸のあたりから撫でてあげる。これが理想の手順です。

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多くの人は、犬は嬉しいことがあると尻尾を振って喜ぶと認識していると思います。確かに犬は嬉しい時も尻尾を振るのですが、それ以外の時でも尻尾を振ることがあるのです。犬の尻尾には一体どのような役割があるのでしょうか。

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尻尾の位置で分かる犬の気持ち

犬 尻尾 位置

犬の尻尾は人間から見ても認識しやすいボディランゲージで、その表現も豊富です。上下の動き、角度からで判断する「尻尾の位置」と、左右の動きで判断する「尻尾の振り方」から、だいたいの感情を読み取ることができます。

ただし、その犬の犬種や骨格、もともとの尾の位置などにより、尻尾の位置と振り方には差がでてきますので、下記はあくまでも目安として考えてください。

◆最も高く、まっすぐ上に、横から見て約90度に上げている

基本的にこの場合は、相手に対する支配性の現れです。状況やほかのボディランゲージ、振り方との組み合わせで威嚇にもなります。

◆横から見て約45度に上げている

自分の優位性の感情を表しています。自分の立場が上だと伝えています。

◆横から見て約15度に上げている

警戒性を表します。知らない犬や人に出会ったときなど、相手の様子を窺いながら挨拶をする際などによく見られます。

◆横から見て水平、ほぼ0度の位置

これは相手、もしくは対象物に対する注目を表します。猟犬が獲物に集中しているときなどによく見られます。

◆横から見て15~45度ほど下がっている

その状況に安心している、または冷静な集中をしていることを表します。

◆横から見て約90度下がっている

相手やその状況に対して、不快な感情や疑問を感じていることを示しています。

◆尻尾を股の間に巻き込んでいる

相手やその状況に対して、不安や恐怖などの感情を示しています。


尻尾の振り方で分かる犬の気持ち

◆小刻みにすばやく振る振り方

相手に対する興奮を表しています。前項にも少し書いたように、興奮には喜びと警戒がありますので、尻尾を振っているからと言って喜んでいるとは限りません。

◆ゆったり大きく振る振り方

親しみや穏やかな喜びを表しています。尻尾と一緒にお尻も大きく振って寄ってくるような場合は、最上級の親愛を示します。
ただし、ゆっくり振る尻尾の位置が下方の場合は、どうしたら良いか戸惑っているときや、相手にお伺いを立てていることが多いです。

以上が、尻尾から読み取れる犬の感情です。

尻尾の位置、振り方だけではなく、その状況や犬の性格、そのほかのボディランゲージと組み合わせて判断する必要があります。尻尾は、振ってさえいれば機嫌が良いというものではなく、位置や振り方によっていろいろな感情を私たちに伝えています。
遊びやトレーニングの中でも、尻尾の振り方に注目することによって、しっかり集中しているか、一度切り上げた方が良いか、などの判断材料になります。


飼い主に尻尾を振らない犬もいる!?

犬 尻尾 振り方

犬といえば、尻尾を振って喜ぶ姿を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、飼い主さんに対してもあまり尻尾を振らない犬もいます。

◆色々なタイプの尻尾の振り方がある

犬の中には、尻尾をブンブン振って振って振りまくる子もいれば、控えめにフリフリする子もいますよね。
前者の振り方の方が喜びの度合いが大きいかと言えば、そうではありません。犬種による違いもありますし、個体差もあります。一般的に、和犬よりも洋犬の方が尻尾を振りやすい犬が多いです。

飼い主に尻尾を振らないからと言って、飼い主が嫌いなわけではなく、あまり喜んでいないわけでもありません。身体を摺り寄せてきたり、アイコンタクトを取ったりするのも大切なコミュニケーションですから、見落とさないようにしてあげてください。

◆年齢や犬種によっても異なる

生まれて間もない犬は、ほとんど尻尾を振りません。母親や兄弟を過ごす中でコミュニケーションを学び、生後1~2か月ほどで尻尾を振るようになります。

また、断尾をしている犬では、尻尾をあまり動かさない(動かしているつもりでもあまり動いていない)こともあります。
かつて、犬たちにはそれぞれにあった仕事が与えられ、それに応じて尾や耳が切られていましたが、今ではほとんどその必要性は無くなりました。尻尾は平衡感覚を保ち、感情を表し、コミュニケーションにも使われる大事な部分で、不要な器官ではありません。

国際的なドッグショーや競技会では、断尾・断耳をしている犬の出陳を禁止する大会も増えてきており、今後は少しずつ断尾・断耳した犬は減っていくでしょう。


尻尾が振れない?上がらない?「馬尾症候群」

馬尾症候群

尻尾を振らないのではなく、病気によって振ることができない犬もいます。

◆馬尾症候群とは?

馬尾症候群とは、脊髄や神経の圧迫から起こる神経系の疾患で、近年の獣医療の発達とともに報告症例が増えてきました。

先天的にも、後天的にも発症し、若いうちから症状が現れます。ジャーマンシェパード、マリノワ、オーストラリアンシェパード、ラブラドールレトリバーなどの中型~大型犬に多く見られ、メスよりもオスの方が頻発します。

◆症状が現れた場合はすぐに動物病院へ

馬尾症候群になると、腰の痛み、それに次いで後肢の跛行が認められます。日常生活の中では、尻尾を振らない、尻尾が上がらない、ジャンプできない、車に飛び乗れない、座るのが遅いなどの症状が見られるようです。
以前と比べて、少しでも異変を感じた場合は、動物病院を受診しましょう。馬尾症候群は、診断自体が困難なこともありますから、診断に納得ができない場合はセカンドオピニオンも必要になるかもしれません。信頼できる先生によく相談してください。


犬の尻尾の振り方に注目しよう

いかがでしたか?
犬はとても社会性のある動物ですから、尻尾を含む身体の様々な部分を使って感情を表し、コミュニケーションをとっています。そしてその社会性やコミュニケーション能力は、生後間もないころの社会化期に培われています。

子犬を迎え入れる方はなるべく早いうちから、多くの家族以外の人に可愛がってもらい、社会性のある犬と触れ合い、たくさんのことを勉強させてあげてください。

そして、愛犬の尻尾が出す情報を正しく受け取り、より良いコミュニケーションを取りましょう。



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harunyan

harunyan

動物の専門学校で看護の資格を取得後、6年間動物病院に勤務しました。5歳のシェルティと4歳の猫、0歳の息子と毎日楽しく過ごしています。ペットと過ごすうえで役に立つ情報をお届けできるよう、日々勉強しております。よろしくお願いします。

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