【獣医師監修】愛犬の唇にできものがあったら…考えられる病気や治療法を解説します!

2022.01.16

【獣医師監修】愛犬の唇にできものがあったら…考えられる病気や治療法を解説します!

「愛犬の顔を観察していたら、唇にできものを見つけた」という飼い主さんはいらっしゃいませんか? 愛犬の異変に気づいたら、痛みを感じているのではないか、なにか重大な病気なのではないか、どう対処したらいいのか等、何かと不安になりますよね。 この記事では、犬の唇にできものができた際の考えられる原因や病気について解説していきます。 ぜひ参考にしてください!

犬の唇にできものができる原因

犬の口

そもそも犬の唇にできものができる原因とは一体何なのでしょうか。
考えられる原因として代表的なものは以下の2つです。

◆口腔内腫瘍

犬の口にできものを発見した際、最も懸念されるものが腫瘍です。
口腔内にできる腫瘍は悪性の可能性が多いと言われていますが、口腔内は日頃観察しにくいため、体にできる腫瘍と比べて発見が遅くなる場合があります。
そのため、発見した時にはすでにかなり進行していたというのも一般的です。

◆口腔内の炎症

犬の口にも歯周炎や潰瘍ができることがあります。
そして炎症が慢性化すると歯肉組織が増殖し、しこりのようなものができるのです。
口腔内の炎症を放置すると犬の食欲が低下したり、歯茎が化膿して他の病気を誘発したりする可能性があります。
早めに対処してあげましょう。


犬の口にできものができる病気

ここからはより具体的に、犬の口にできものができていた時に疑うべき病気についてご紹介します。
にきびやイボなど、できもののことを重大なものではないと自己判断してしまうことはとても危険です。
ここで以下の病気の可能性があるという知識を身につけておけば、いざというときに愛犬を守ってあげられます。
ぜひ参考にしてくださいね!

◆メラノーマ

メラノーマは悪性黒色腫とも呼ばれる病気で、メラニン(色素)をつくる細胞メラノサイトが何らかの原因で腫瘍化したものです。
口内の粘膜に発生することが多く、少々見つけにくいでしょう。
また、進行が早いという特徴があるため、見つけた時にはすでにリンパ節や肺に転移していたというケースも珍しくはありません。
肺に転移すると呼吸困難、リンパ節に転移すると顎や首周りが腫れるといった症状がみられます。
ぜひ転移によって重症化してしまう前に気付いてあげたい病気です。

メラノーマは診断時の状態によって4つのステージに分けられ、ステージ3以降は余命3ヶ月とされています。
口内にできものを発見した時点ですぐにメラノーマを疑い、動物病院を受診するようにしましょう。
参考として、体表の皮膚にできるはっきりしたできもの(腫瘍)は比較的良性であることが多いのに対し、口内や肢端部にできるできものは悪性であることが多いようです。

他の病気と同様に高齢になるほど発症するリスクが高まるだけでなく、メラノーマは黒色の毛並みを持つ犬に高い発症リスクがあると言われています。
愛犬が黒い毛並みを持つなら、必ず押さえておきたい病気です。

◆エプリス

エプリスは歯肉にできる腫瘍で、腫瘍といっても犬においては比較的多くみられる良性腫瘍です。
歯周病が慢性化したときに生じる病変の1つであり、なにも症状が現れないことが一般的で、転移の恐れもありません。
単純に「犬の口にできものができている」という認識だけで十分な病気だといえます。

エプリスには骨性、線維性、棘細胞性という3つの種類があり、主にみられる先の2つ骨性、線維性はできものを切除すれば問題のない良性腫瘍です。
それに対し最後の1つ棘細胞性の場合は良性腫瘍とはいえ、発生した場所の骨にまで浸潤してしまうため、できものを切除する時には骨も一緒に切断することが必要なる可能性があります。
一般症状が現れない病気なので、食事の際に邪魔にならないなど、口腔内のできもののある場所が特別悪くないのであれば無理に切除する必要はないかもしれません。
かかりつけの動物病院を受診し、獣医師と相談しながら治療法を決めることをおすすめします。

また、エプリスは一般的な良性腫瘍よりも活発で、次にご紹介する扁平上皮癌と口腔内での見た目が似ていることもあるようです。
治療法を相談するだけではなく、正しい病気の判断をするためにも、愛犬の口にできものを見つけたら早めに動物病院を受診しましょう。

◆悪性腫瘍

腹部の皮膚や陰部の粘膜、口腔内の粘膜などに発生する悪性腫瘍は「扁平上皮癌」と呼ばれます。
皮膚に発生した場合は脱毛や皮膚のただれ、潰瘍などの症状がでるほか、細菌が2次感染したときには強い痒みを発生させ、犬が身体中を引っ掻く様子もよくみられるようになり、皮膚病と勘違いされることもあるようです。

膀胱の粘膜に発生した場合は頻尿などの症状が現れますが、愛犬がオスの場合にはマーキングとして日頃からおしっこをする回数が多く、気付きにくいこともあるでしょう。
トイレの回数をなんとなくでも把握しておくこと、なにか異変がないか様子を観察することなど日頃から愛犬の健康管理を意識して生活することが求められます。

また、悪性腫瘍が口腔内で発生した場合には、歯肉にできものが発見されることが多いようです。
歯肉にできた悪性腫瘍は浸潤するスピードが速いという特徴があるため、発見した時には病変が骨にまで達していたということもよくあるようです。
早期発見の大切さと難しさがよくわかります。

ちなみに、口腔内で発見したできものの色が黒や紫などの暗い色の場合は、悪性腫瘍の可能性が高いと言われています。
愛犬の命に関わるため安易な自己判断は非常に危険ですが、1つの目安として覚えておくと良いでしょう。


その他に現れる症状

犬の唇にできものができている場合、先に述べた病気に関わる症状以外にも以下のような症状がみられます。
症状について知っておくことで、できもの自体の発見はできなくても、異変に気づき、動物病院に連れていくなどの対応が早期にできるはずです。
ぜひ覚えておいてくださいね!

    ・歯肉や口から出血がある
    ・以前と比べて口臭が急にきつくなった
    ・頻繁によだれを垂らしている
    ・口の周辺を触られることを嫌がるようになった
    ・食欲がなくなった

上記の症状は唇にできものができている以外にも、病気のサインとして考えられるものです。
とにかく少しでもいつもと様子が違うことがあれば、動物病院を受診するように心がけましょう。


対処法と治療法

犬

犬の口にできたできものが全て悪いものであるという訳ではありません。
しかし、病気によっては愛犬の命に関わるため、できものの見た目や愛犬の様子だけで自己判断するのは危険です。
万一のことを考えて、なるべく早く動物病院を受診し、愛犬の検査をしてもらうようにしましょう。

飼い主さんが心掛けるべき対処法は以下の2つです。

①日頃から犬の唇をめくったり、口の中をチェックしたりする習慣をつける
②できものを発見したら、様子を見ることなどはせず、すぐに動物病院を受診する

動物病院で行われる検査と治療費は、人間の検査よりも少々お値段がかかるかもしれませんが、犬も大切な家族の一員です。
日頃からもしもの時のために使えるようにと「犬のための貯金箱」を設けるなど、工夫をしておくといいかもしれません。

また、上記の検査で口腔腫瘍と診断された場合には、できものを切除する外科手術を基本としながら犬の状態や飼い主さんの希望を踏まえて治療法を決定していきます。
一般的には、放射線治療や抗がん剤治療、免疫療法などを組み合わせることが多いようです。

リンパ節への転移など病気の進行がみとめられる場合には、下顎を切断するといった愛犬の顔立ちが大きく変化してしまう治療が必要になることもあります。
繰り返しになりますが、早期発見と早期受診は非常に大切なことです。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。
この記事では、犬の唇にできものを発見した際に考えられる病気やその対処法・治療法について解説しました。
愛犬の健康管理は飼い主さんの果たすべき責任の1つです。
食べるものの質や運動量などの健康面には日頃から気を配ることができていても、「口内のできものの有無」というのは見落としがちな部分なのではないでしょうか。

愛犬が歳を重ねるにつれて様々な病気のリスクが高まっていきます。
定期的な健康診断や口の中も含めた全身チェックの習慣化など、できるところから生活を変えていくようにしましょう。
ぜひ、この記事を参考にして、大切な愛犬の健康を守りましょう!

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※
●記事監修
drogura__large  コジマ動物病院 獣医師

ペットの専門店コジマに併設する動物病院。全国に16医院を展開。内科、外科、整形外科、外科手術、アニマルドッグ(健康診断)など、幅広くペットの診療を行っている。

動物病院事業本部長である小椋功獣医師は、麻布大学獣医学部獣医学科卒で、現在は株式会社コジマ常務取締役も務める。小児内科、外科に関しては30年以上の経歴を持ち、幼齢動物の予防医療や店舗内での管理も自らの経験で手掛けている。
https://pets-kojima.com/hospital/

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