水槽掃除の名人!サイアミーズ・フライングフォックスの特徴や飼い方

2021.07.24

水槽掃除の名人!サイアミーズ・フライングフォックスの特徴や飼い方

自由に泳ぐ魚を見ると気持ちが和みますよね。 アクアリウムがある生活は素敵ですが水槽内のコケが悩みという人も…。 今回は、コケ対策として知られる「サイアミーズ・フライングフォックス」についてまとめました。

【目次】
1.おうちがまるで水族館~アクアリウムの魅力

2.水槽掃除の名人として大注目
 2-1.水槽内には“コケ”が発生する
 2-2.コケが発生する理由について
 2-3.そんなコケを掃除してくれるのがサイアミーズ・フライングフォックス
 2-4.コケ掃除能力には個体差が…
 2-5.成長するとコケを食べてくれない可能性も

3.サイアミーズ・フライングフォックスという魚について
 3-1.タイ生まれの魚
 3-2.成長すると結構大きい
 3-3.活発と温和を兼ね備えた性格

4.サイアミーズ・フライングフォックスを飼いたい!飼い方や注意点を知ろう!
 4-1.成長すると大きくなることを想定しておく
 4-2.極端な水温の差に注意する
 4-3.人工のエサの与え過ぎは要注意
 4-4.水槽から飛び出さないような配慮を
 4-5.混泳で気をつけたいポイント

5.まとめ


おうちがまるで水族館~アクアリウムの魅力

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アクアリウムに興味があるけど、そもそも言葉の意味についてはっきり分からないという人もいるのではないでしょうか。

“アクアリウム”にはたくさんの意味がありますが、生物を飼育するためのガラス張りの人工的な水槽…とイメージするといいかと思います。

広い意味で考えると、水族館も含まれるかもしれませんが、個人の家にある水槽も「アクアリウム」と言うことが多いです。

熱帯魚や金魚などを泳がせるコンパクトな水槽もあれば、大型の水槽を設置し、まるでプチ水族館のような本格的さを楽しむ人もいます。

「インテリアとして設置したい」
「魚の飼育をしながら生態を身近に感じたい」
「自然のなかの雰囲気を堪能したい」
など、アクアリウムには人それぞれの世界観があるのではないでしょうか。

緑の水草のなかを自由に泳ぎまわる魚を見ていると、ストレスが和らぐリラックス効果があると言われています。

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水槽掃除の名人として大注目

透き通った綺麗な水中で泳ぐ魚が見られるアクアリウムも、コケが大発生して汚れていると癒し効果も半減ですよね。

そこで大事なのが、コケ対策。

さまざまなコケ対策があるなかで、水槽掃除の名人として注目されているサイアミーズ・フライングフォックスを飼う方法も注目されています。
いったいどういうことなのでしょうか…?

◆水槽内には“コケ”が発生する

まずは、水槽の“コケ”について考えてみましょう。

アクアリウムを楽しむとき、魚を水槽に入れるだけでは寂しいですよね。

インテリア性を持ちつつ、魚自身にも「自然の川で泳いでいるよう」に感じてもらうには、できるだけ自然界の雰囲気を出すことが必要。
そのためのアイテムが、水草や流木、岩などです。

しかし、いろいろと入れることにより、水槽内のあちこちに「コケ」が発生します。
アクアリウム愛好家にとっては悩みのタネにもなっているでしょう。
コケが大量発生すると美観も損なわれ、そのなかで泳ぐ魚もどことなく元気がなさそうに感じるかもしれませんね。

◆コケが発生する理由について

水槽で魚を育てていると「コケ問題」は避けて通れません。

そもそもコケはどうして発生するのでしょうか。

・養分が過剰になる

水槽のサイズ感を無視して魚を大量に入れると、水槽内の養分が増える可能性があります。
コケは、魚のエサの食べ残しや排泄物などの養分を吸収して発生します。
つまり、「魚が大量⇒食べ残しや排泄物が大量⇒コケが大発生」という流れです。

・日光があたり過ぎ

コケはそもそも植物の一種なので、日光にあたると育ちます。
水槽に光があたる環境だと、グングン成長して大発生する可能性があるでしょう。

・外から持ち込まれたかも

水槽内のコケを減らす方法のひとつに「水草」があります。
水草があれば、水槽内に余分となった養分も吸収してくれるからです。

しかし、水草を取り入れる時点で、すでに水槽に付着していた可能性も考えられます。
そのコケが水槽内の養分を吸収してグングン成長すると、水質も悪くなってしまいます。

◆そんなコケを掃除してくれるのがサイアミーズ・フライングフォックス

サイアミーズ・フライングフォックスには、コケを食べる習性があります。

そもそもコケにはいくつかの種類があり、見た目も発生する理由も異なります。
代表的なのが

・黒いふさふさした“黒ひげゴケ”
・糸状の“糸状ゴケ”
・ぬめぬめとした茶色の“茶ゴケ”
・ガラスに斑点のように付着する“斑点状ゴケ”

などです。

なかでも、黒いひげのようなものが水槽内に発生している「黒髭ゴケ」は、見つけたときはギョッとするかもしれません。
見た目も悪いので、早々に取り除きたいものの、硬い箇所にびっしりと付着しているので除去は難しいです。
コケのなかでもひときわ厄介なのが「黒髭ゴケ」
そんな面倒な黒髭ゴケを食べてくれるのがサイアミーズ・フライングフォックスです。

コケを食べる魚はほかにもいますが、黒髭ゴケに関しては、サイアミーズ・フライングフォックスが唯一と言えるほど。
黒髭ゴケに悩んだときには、サイアミーズ・フライングフォックスを水槽に入れるというのがひとつの対策として注目を浴びています。

ちょっと気になるのは「黒髭以外のコケ掃除は?」という点。
サイアミーズ・フライングフォックスは、黒髭ゴケに限らず、ほかのものも食べてくれます。

◆コケ掃除能力には個体差が…

サイアミーズ・フライングフォックスのコケ掃除能力は、個体差があります。
せっせとコケ掃除に熱中する個体もいれば、「黒髭ゴケよりもほかのコケが好き」という個体もいるでしょう。

◆成長するとコケを食べてくれない可能性も

サイアミーズ・フライングフォックスは、若いときほどコケを食べてくれるようです。
そのため、成長すると以前よりコケ掃除をしなくなるかもしれません。


サイアミーズ・フライングフォックスという魚について

掃除名人のイメージが先行してしまうサイアミーズ・フライングフォックス。
そもそも、どんな特徴を持つ魚なのでしょうか。

◆タイ生まれの魚

サイアミーズ・フライングフォックスは、タイやマレーシアなどの東南アジアに分布している魚です。

タイの昔の国名の「シャム」という意味が含まれる「サイアミーズ」が名前に用いられた説があります。

また、「フライング」がつけられたのは、水槽を飛び出るほどアクティブに泳ぐ習性も関係しているようです。

◆成長すると結構大きい

サイアミーズ・フライングフォックスは、幼魚のときには2~4センチ程度の小ささです。
小さな体で動く様子は可愛らしく、目の保養にもなりそうですね。
実は成長するともっと大きなサイズになります。
飼育環境によってサイズ感はさまざまで、12センチ程度にまで育つこともあります。
個体差や環境によって寿命は変わりますが、だいたい10年ほど生きるでしょう。

◆活発と温和を兼ね備えた性格

サイアミーズ・フライングフォックスは、コケ掃除の名人であることからも分かるように活発で俊敏に動き回る性格をしています。
それでいて、ほかの魚と揉めることもなく、温和系な部分もあります。

ただ、注意したいのが成長にともなって「縄張り意識」が強くなる点。
若いときには周りに攻撃性がなかったのに、成長すると「こっちに来るな!」とほかの魚を追い回すこともあるでしょう。
年齢とともに頑固で気が強い性格になる傾向です。


サイアミーズ・フライングフォックスを飼いたい!飼い方や注意点を知ろう!

サイアミーズ・フライングフォックスの飼い方や覚えておきたい注意点も見てみましょう。

◆成長すると大きくなることを想定しておく

数センチ程度の小さめの体をしている幼魚のサイアミーズ・フライングフォックスも、成魚になれば10センチを超えることも珍しくありません。
「小さめの水槽」でコンパクトな飼い方をすると、成長はある程度抑制されます。
でも、大きい水槽で飼うと成長が促進されるケースもあるようです。

そのため、「コケを掃除してもらおう」と同時にたくさん飼うと、幼魚のときは気にならなくても、成長した後に体の大きな成魚ばかりで水槽内が混雑するかもしれません。
大きくなったときのことを考えて、1~2匹程度に留めておくことも考えましょう。

◆極端な水温の差に注意する

サイアミーズ・フライングフォックスはどちらかと言えば体は丈夫な方です。
そのため、水に関しての管理はそれほど難しくなく、初心者でも飼育がしやすい魚と言われています。

20~27℃ほどの水温を保っていることが理想ですが、注意したいのが温度変化です。
冷たくなったり温かくなったり…など水温が急激に変化するのが苦手。
ふだんから一定水温を保つための工夫をしましょう。

水温は人間の感覚だけでは分かりにくいので、水温計できちんと計ることが重要です。
夏場は、エアコンのかかっていない室内は温度が上昇しやすく、水槽の水温も上がるかもしれません。
窓から日光が入らないようにカーテンを閉めるのも水温上昇を防ぐ方法です。

夏なら水槽用の冷却ファン、冬ならヒーター…というように、時期に合わせた水温キープ方法を考えてみてくださいね。

◆人工のエサの与え過ぎは要注意

サイアミーズ・フライングフォックスは、コケがあると好んで食べます。
しかし、コケだけで生きるのは難しいでしょう。
雑食なので、人工的な魚用のエサをあげると喜んで食べてくれます。

ただし、注意したいのが与え過ぎです。
人工的なエサで満腹になれば、あえて「コケを食べよう」とはなりません。
そのため、人工的なエサも与えつつ、「もっと食べたいな」とコケを進んで食べてくれるようにしましょう。

◆水槽から飛び出さないような配慮を

名前の“フライング”からもイメージできるように、サイアミーズ・フライングフォックスはジャンプが得意。
ただ、意識的に「ジャンプしよう」としているわけではないようです。
成長して体が大きくなるとダイナミックな動きができるようになり、その弾みで水槽の外へ飛び出してしまうケースがあるのだとか。

気付かないうちに水槽から脱出されると、魚は命の危険にさらされますよね。

サイアミーズ・フライングフォックスの俊敏な動きは習性ですから止めさせることはできません。
そこで、飼い主さん側が何らかの対処をすることが必要になってきます。

主な対策として「水槽の上部にフタを設置する」「水面を下げておく」「高さのある水槽を選ぶ」などがあります。

◆混泳で気をつけたいポイント

先にお伝えしたとおり、サイアミーズ・フライングフォックスは年齢を重ねるとちょっぴり頑固系に性格が変化します。
若いときは無邪気に自由気ままに泳ぎを楽しみ、ほかの魚との共存も上手です。
しかし、大きくなってくると自信満々で気が強くなるでしょう。

相性がよくないのが「泳ぐ箇所が似ている魚」「同じような性格の魚」など、似たもの同士です。

サイアミーズ・フライングフォックスはコケ掃除名人で低層付近をウロウロすることが多いく、同じような範囲で動く魚を見ると「邪魔だ」と追いかけるかもしれません。

さらに、お互いに縄張り意識を強く持ち過ぎることで、ケンカが絶えない可能性も。
のびのび泳ぐ魚の姿を見たいのに、相性の悪い者同士を水槽に入れると、ケンカで傷つけ合っている姿ばかりを見なければならないことも考えられます。

また、サイアミーズ・フライングフォックスよりも小さいサイズの魚にとっては、自分よりも大型のサイアミーズ・フライングフォックスを見ると、存在自体が“プレッシャー”となることも。
混泳そのものは可能ですが、成長時期や相性などもじゅうぶん考慮しておきましょう。


まとめ

サイアミーズ・フライングフォックスは、厄介な黒髭ゴケを掃除してくれる習性を持つ魚です。
「アクアリウムで癒しを求めたいけれどコケが心配」というときの頼れる存在となるでしょう。

ただ、能力の期待のし過ぎは禁物です。
個体差があるので、コケを食べてくれない個体もいます。

また、水面から飛び出るような勢いで泳ぎを楽しんでいるサイアミーズ・フライングフォックスを見ると元気をもらえますが、飼育するには気を付けなければならないこともたくさんあります。

迎え入れるときにはまずはどんな特徴を持つ魚かをしっかり知るところから始めましょう。



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