猫とウサギ、モルモットは一緒に飼える?

2017.03.08

猫とウサギ、モルモットは一緒に飼える?

先日、ママ友から「うち、猫がいるじゃない?なのに、娘がモルモットも飼いたいって言い出したの。一緒に飼うことはできるかしら?」と相談を受けました。結論から言いますと、「絶対に飼えない」ということはないですが、飼育場所などにはいろいろと気を使う必要があります。今回は、猫やウサギ、モルモットを一緒に飼う場合の注意点をまとめました。

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猫は肉食の捕食動物、ウサギやモルモットは被食動物ということを肝に銘じて

ウサギ

そもそも、猫が人間とともに暮らし始めたのは「穀物庫を荒らすネズミを猫が狩ってくれるから」です。そして、モルモットはテンジクネズミ属の一種です。ウサギも、肉食動物に狩られる側の被食動物です。
最近の猫ちゃんはネズミの捕り方がわからないなど、かなり野生を忘れている子も多いですが、そんな猫ちゃんでも「いつ本能で行動するかわからない」ということを念頭に置いてください。

特に、小さなお子さんがいる家では、捕食動物と被食動物を一緒に飼うのはおすすめできません。お子さんや遊びにきたお子さんのお友達が不注意で被食動物をケージの外に出してしまい、猫ちゃんが襲ったような場合、癒せない心の傷をお子さんに与えてしまう可能性が高いからです。

「うち、猫がいるじゃない?なのに、娘がモルモットも飼いたいって言い出したの。一緒に飼うことはできるかしら?」と聞いてきたママ友には、
「飼えないことはないけれど、かわいがっていたモルモットを愛する猫が襲って殺してしまったら、お嬢さんにはものすごいトラウマになるよ。絶対に襲わないよう飼育スペースを分けたり、細かく気を使ったりするのは、結構面倒だよ」と答えたところ、
「そうよね、面倒なのは嫌だわ」と、飼うのをあっさり諦めていました。


一緒に飼う場合、飼育スペースを完全に分けることをおすすめします

モルモット

同居しているご家族が全員分別のある大人な場合、猫ちゃんと被食動物を一緒に飼うのは不可能ではありません。ただし、両者の飼育スペースには十分に気を付ける必要があります。

被食動物は自分の天敵である捕食動物の気配や匂いにとても敏感です。いくらウサギやモルモットをケージの中に入れていて、猫ちゃんは手が届かないからといっても、猫ちゃんとモルモットなどを同じ部屋で飼育すると、被食動物は多大なるストレスを感じます。人間だって、ヒグマの気配を常に感じながら暮らすのは、相当なストレスだと思いませんか?

ケージ越しでも、猫ちゃんとモルモットやウサギを対面させるのは、避けるのが無難といえるでしょう。
猫ちゃんはリビング、モルモットやウサギは寝室などで飼育し、ドアや階段などで居住スペースを隔てて、猫ちゃんとモルモット、ウサギが対面しないよう注意する必要があります。

ペットショップはワンちゃんや猫ちゃん、ウサギ、モルモット、鳥などを扱っていますが、きっちりと飼育スペースを分け、被食動物に捕食動物の気配が伝わらないよう配慮しています。

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野生的本能が強い猫ちゃんの場合はモルモットやウサギと一緒に飼うのはオススメしません

猫

「どこからか虫を狩ってきては、私の枕元に置いて自慢する」という狩り自慢系猫ちゃんの場合は、モルモットやウサギと一緒に飼うのは諦めたほうがいいでしょう。
「大丈夫、モルモットやウサギを触った後は手を洗ってから猫ちゃんに会うようにしているから!」……いえいえ、狩り自慢系猫ちゃんの嗅覚と聴覚をあなどってはいけません。狩り自慢系猫ちゃんは、どうやって隠しても敏感に「被食動物が同じ屋根の下にいる」ことをキャッチします。

狩り自慢系猫ちゃんは、非常に頭が良くてイタズラも大好き。いつか、人間がきっちり隔てたつもりの飼育スペースに侵入し、モルモットやウサギと対面しようと知力を尽くすでしょう。そのような猫ちゃんの場合、モルモットやウサギのケージをひっくり返してこじあけるなど、思いも寄らぬ技を駆使してくることがあります。狩り自慢系猫ちゃんと被食動物の同居はオススメできません。


猫ちゃんとモルモットの性格によっては例外的に対面させることもできます

YouTubeを「Guinea Pig」「rabbit」などの単語と「Cat」を組み合わせて検索すると、モルモットやウサギ、猫ちゃんが楽しく遊んでいる動画がたくさんヒットします。

猫 モルモット
猫 ウサギ

狩猟本能が薄かったり、子猫の頃からほかの動物と暮らしていたりする猫ちゃんは、被食動物と一緒に暮らすことにあまり抵抗がないようです。

もっとも、これは猫ちゃんやウサギ、モルモットの性格を知り尽くした上級者の技で、どなたにもおすすめできる飼い方というわけではありません。ウサギやモルモットはストレスに弱い動物です。また、猫ちゃんがウサギやモルモットと遊んでいる最中に、狩猟本能を急に取り戻したときに備え、猫ちゃんの爪はこまめに短く切るようにしておいたほうがいいでしょう。



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石原美紀子

石原美紀子

青山学院大学卒業後、出版社勤務を経て独立。犬の訓練をドッグトレーニングサロンで学びながら、愛玩動物飼養管理士1級、ペット栄養管理士の資格を取得。著書に「ドッグ・セレクションベスト200」、「室内犬の気持ちがわかる本」(ともに日本文芸社)、「犬からの素敵な贈りもの」(出版社:インフォレスト) など。愛犬はトイ・プードルとオーストラリアン・ラブラドゥードル。

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