猫の気持ちはしっぽを見ればよく分かる!猫のしっぽの役割について

2017.05.22

猫の気持ちはしっぽを見ればよく分かる!猫のしっぽの役割について

「目は口ほどに物を言う」ならぬ、猫の場合は「しっぽは口ほどに物を言う」というほど、しっぽを見れば猫が今どのような気持ちを抱いているのか一目瞭然です。猫のしっぽがどのような役割をし、どれほど重要であるのかご紹介いたします。

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猫のしっぽはとっても敏感!

猫 しっぽ

猫のしっぽの神経は、太い脊髄と直接つながっているために非常に敏感です。よって、ほとんどの猫は、しっぽを触られることを嫌がります。
また、人間は腕で血圧を測りますが、猫はしっぽで量ることが出来ます。しっぽの腹側に正中尾動脈という血管が流れているので、そこから測定します。

猫のしっぽは、私たち飼い主から見るとチャームポイントであり、それぞれ長さや太さ、模様など猫によってさまざまな形をしています。
とてもかわいらしい猫のしっぽですが、色々な役割があるのをご存知でしょうか。

今回は、猫のしっぽのから分かる猫の気持ちやその役割についてご紹介します。


猫のしっぽの役割は?

猫のしっぽの役割は、「バランスを取る」ことと「気持ちを表現する」に大きく分かれます。またその他、実はマーキングをするときにも重要な役割を果たしているのです。

◆しっぽの役割①バランスを取る

猫 しっぽ

猫は高くて細い板の上でも平気で渡ることが出来たり、そこからジャンプしても全く平気です。どうしてこんなことが軽々と出来るのか、それは、しっぽが大きく関わっています。

1998年に行なわれた実験では、しっぽのない猫としっぽのある猫では板の上から落下する確率が明らかに差があったそうです。
このことから、研究者たちは、猫のしっぽはバランスを立て直すのに、役に立っていると結論付けました。

◆しっぽの役割②気持ちの表現

猫のしっぽの動きから、猫の気持ちを読み取ることができます。

– しっぽをピーンと立てている時 –

しっぽをピーンと立てて、猫が近づいてくるときは、向かう先に好意を示している気持ちの表れです。

例えば、子猫が母猫に近づくときに見られる行動で、子猫は母猫にお尻を舐めてもらい、排泄を促してもらったり、舐めてもらうことで、清潔に保ってもらいます。この時、子猫はピーンとしっぽを立て、母猫に身を委ねます。よって、信頼している仲間、親子間でなければ、この行動はしないのです。

こちらがしっぽを立てて近づくと相手側もしっぽを立てて対応する、いわば挨拶のようなものだと考えられます。

– しっぽを足に巻き付けている時 –

しっぽを前足に巻き付け、座っている時があります。腰を下ろし、しっぽを巻きつけている状態では、すぐに動くことは出来ませんよね。つまり、リラックスしている気持ちの表れなのです。

しっぽを巻きつけに入ったら、ちょうど良いお昼寝スポットが見つかったのかもしれませんね。

– しっぽをゆっくり振っている時 –

猫が飼い主さんや外の風景など何かを眺めていたり、飼い主さんに撫でてもらっている時に、しっぽをゆったりと振っていることがあります。こちらもリラックスしている気持ちの表れです。

同時に表情も目を細めていたりするので、機嫌がいい時の気持ちは分かりやすいかもしれません。

– しっぽをパタパタと動かしている時 –

犬のしっぽがパタパタと動いている時はうれしい時の感情表現ですが、猫の場合は犬とは真逆でイライラしている気持ちの表れです。人間で言うと、貧乏ゆすりに近い行動かもしれません。

イライラしている時の猫をふいに触ったりすると、爪で思いっきり引っ掻かれることがあります。
パタパタとしっぽを振っている状態は犬とは真逆の感情なので、くれぐれも注意しましょう。

– しっぽを下げている時 –

猫のしっぽが下に下がり、足と足の間に閉まっている状態の時は、恐怖のために萎縮している気持ちの表れです。

自分より明らかに強い猫に出くわしたときによく見られる行動ですが、猫の中には雷の音が怖くてしっぽが委縮するときもあります。しっぽを足の間に挟んで自分を小さく見せるという行動は、「負け」を本人も認め、服従しますという表現です。

もし、飼い猫がイタズラをし、飼い主さんに怒られている時にこの行動をしたら、もう怒るのはやめてあげましょう。

– しっぽを膨らませている時 –

他の猫とばったり出くわしたときなどにしっぽを膨らませるのは、威嚇の気持ちの表れです。これは、しっぽを膨らませることで自分を大きく見せようとしていて、相手の猫より自分の方が強いんだというアピールなのです。

しっぽを膨らませての威嚇行動は、言わば「ハッタリ行動」なので、この膨らました「タヌキしっぽ」を作っている猫は、本当に相手を攻撃しようとしているのか、もしくは怖さを隠すために怒ったふりをして相手に退散してもらおうとしているかのどちらかなのです。
猫だって好きでケンカをしているわけではなく、出くわしてしまたから仕方なくケンカをするので、出来たら何もせず相手が立ち去ってくれる方がいいに決まってます。

この状態の時も興奮していますので、ふいに触ったりしないよう注意しましょう。

– 飼い主さんの呼びかけにしっぽを振る時 –

猫の名前を呼んでも、聞こえているはずなのに返事をしない時ありますよね。
でもこの時でもよく見てください、実は猫はしっぽで返事をしています。名前を呼び、しっぽを2~3度ゆっくり振っている行動は「聞こえているけど、今はそっちに行かないよ」という気持ちの表れなのです。

猫はとてもアマノジャクな生き物です。こちらが忙しい時などは構ってオーラ全開で向かってくるのに、いざ呼んでみると自分の気持ちが最優先、甘えたいのは今ではないとこの返事をするようです。

◆しっぽの役割③マーキングでのしっぽの役割とは

猫のしっぽは「バランスを取る」ことと「気持ちを表現する」ことの他に、マーキングにも用いられます。

猫の体には至るところに臭腺と呼ばれる、自分と固有の匂いを発する器官があります。この臭腺がしっぽにも存在しているのです。

猫が足元にやってきて、体をスリスリしてくるとき、しっぽも巻き付けるようにすり寄ってきますよね。これは、しっぽにある臭腺から自分の匂いをこすり付けているのです。


猫のしっぽは大切!猫ふんじゃった症候群とは?

猫を飼う上での注意事項として、「しっぽを引っ張ってはダメ」と教わりませんでしたか?
これは、猫のしっぽに通る神経が傷つくと、しっぽだけでなく様々な部位に障害が発生する恐れがあるからです。

猫の神経には「馬尾(ばひ)」と呼ばれる細い神経の束がまるで馬の尻尾のように伸びています。この神経の束は、膀胱、肛門、後ろ足の神経などを連結しているため、しっぽを引っ張ったりすると、他の部位にも障害が発生することがあります。

このように、一部分に加わった外力が遠く離れたほかの部位に影響を及ぼしてしまう状態の事を「猫ふんじゃった症候群」と呼びます。

◆猫ふんじゃった症候群で見られる主な症状

・しっぽを触ると痛がる
・自力でオシッコが出来ない
・排便のコントロールが出来ず垂れ流す
・後ろ足の動きがおかしい
・骨折や脱臼でしっぽが曲がっている
・しっぽが動かない、感覚がない など


耳も猫の気持ちを量るバロメーター

◆しっぽ同様、耳の動きで猫の気持ちがわかります

猫 耳 気持ち

何かに興味を示したり、好奇心が高まっている気持ちの時の耳は、ピーンと立っていて、興味のある方向を向き、じっとしています。

また、周りを警戒したり、獲物を探している状態の耳は横に向けています。前後左右どちらからでも音を逃さないように細心の注意を払っているのです。

相手を威嚇しようとしたり、臨戦態勢に入りいつ喧嘩をしても準備完了な状態の耳は後ろに反れています。

◆猫の耳は性能もすごい!

猫の五感には人間と同じで視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚がありますが、その中で一番優れている感覚が聴覚です。
なんと、猫の聴覚は犬の2倍、人の8倍もあり、人や犬が聞き取ることが出来ない超音波を聞き取ることができます。だから、土の中にいる、モグラやネズミのかすかな音も見逃すことなく、狩りが出来るのです。

また、猫の耳は左右に動かすことで、音の出ている場所の距離を測ることが出来ます。
猫を観察していると、天井あたりをじっと見つめていることがよくあるかと思いますが、あれは、耳を立てて「音」を聞き、その距離を測っているのです。

◆猫にとって大切な耳、お手入れもしっかりと!

猫の耳の中をよく見てみると、黒い垢がべったりと耳の周りについている子いませんか?

猫の耳は人間の耳より複雑な構造をしているため、綿棒などであまり奥まで入れてしまうのは危険ですが、見えている範囲内で汚れていたら掃除をしてあげましょう。
耳の汚れは耳ダニが原因の場合もありますので、異常に痒がるなどしたときは、早めに動物病院へ連れて行ってあげましょう。

猫は痒いと後ろ足で掻いてしまうので、どうしても爪で耳を傷つけてしまう事もあります。子猫のうちから、耳掃除と爪切りは覚えさせ、免疫を付けておくことが大切です。


まとめ

いかがでしたか?

猫は犬に比べ大きな感情表現をしないので、猫と接触しない人の中では猫の気持ちを読み取れないと思っている人がいるようです。

しかし、猫を知れば知るほど、体全体で気持ちを表現し、うれしい時や怖い時、怒っている時など表情は様々です。
顔の筋肉が人間ほど発達しておらず顔で表現することが出来ない分、しっぽや耳など体で気持ちを表現してくれるので、道で会った猫などちょっと観察してみるのも面白そうですね。

猫の気持ちがわかるようになれば、家で飼っている人はより深く、飼っていない人でも道を歩いている猫ともっと交流できるかもしれません。



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nanatsu

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猫は子供の頃からずっと一緒で、大人になった今でも猫を4匹飼っております。保護猫活動のお手伝いもしておりますので、一日が猫に始まり猫で終わるという生活になりつつある今日この頃です。


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