ロシアンブルー目の色の秘密 どうして色が変わる?

2019.12.24

ロシアンブルー目の色の秘密 どうして色が変わる?

ロシアンブルーは気品ただよう美しさが特徴です。毛はビロードのような短く密集した綺麗なシルバー、目はまん丸で透き通ったグリーン。口元に「ロシアンスマイル」という微笑みをたたえている、とても優雅な猫です。しかし、ロシアンブルーの子猫を探すと、なぜか目がグリーンではなくブルーです。 今回の記事では、成長とともに色が変わるロシアンブルーの目の秘密に迫ります。

【目次】

ロシアンブルーの目が鮮やかな理由

ロシアンブルー

そもそも、ロシアンブルーの目はなぜあんなにも鮮やかなグリーンをしているのでしょうか?日本で見かける猫の目は、茶色が多いとは思いませんか?

秘密は日差しの強さにあります。日差しが強い地域ではメラニン色素の量が多く、逆に日差しが弱い地域ではメラニン色素の量が少なくなります。これはメラニンが紫外線などを吸収してDNAが傷つくのを防ぐ働きを持っているためです。

そのため、ヨーロッパが減産の猫は青みがかった目をしている猫種が多く、逆にアジアではアンバー(琥珀色)やカッパー(銅色)の猫種が多くなります。

◆ロシアンブルーの原産国はロシア

ロシアンブルーの起源は諸説ありますが、名前の通りロシアが原産とされています。

ロシアンブルーと名前が定着する前は、アルハンゲルキャットと呼ばれていました。これはロシアのアルハンゲル島を起源とするという説や、アルハンゲル港からイギリスや北欧に輸送されたとの説が元になっています。

ロシアはアジアに比べて日差しが弱く、メラニン定着量が少なくなったため、ロシアンブルーの目はグリーンになったと考えられます。人間でもブルーやグリーンの目を持つ人はヨーロッパの方が多いですよね。

◆絶滅の危機を救ってくれたシャム猫とブリティッシュブルー

実は、ロシアンブルーは第二次世界大戦時代に絶滅の危機を迎えています。戦時中は食料難で、ロシアンブルーだけでなく猫全体の数が減っていきました。

戦後、イギリス・アメリカでシャム猫やブリティッシュブルーと交配させて絶滅を回避、かつてのロシアンブルーの美しい姿を取り戻したのです。

シャム猫の目はキレイなブルーをしていますが、ロシアンブルーの見た目が一時期シャム猫に寄りすぎたことから、戦前の姿に戻そうと審査基準が書き換えられています。「ロシアンブルーはグリーンの目」と強調されるのは、ここから来ているのかもしれません。


ロシアンブルーの子猫の頃の目の色

ロシアンブルーの子猫

出典:ペットの専門店コジマ

ロシアンブルーの目の色が鮮やかな理由がわかったところで、子猫の目がブルーである理由に迫ります。

◆ロシアンブルーの子猫の目は「キトンブルー」

ロシアンブルーの子猫の目は、キトンブルーと呼ばれる淡い青色をしています。キトンブルーは元々和製英語で、「キトン=産まれたばかりの子猫」、「ブルー=青」を意味します。

ロシアンブルーだけでなく、他の猫種の子猫もキトンブルーの目をしています。どの子猫も、産まれたばかりの頃は空のような透き通った青色をしているのです。

◆子猫の目はなんでキトンブルーなの?

猫の目の色は虹彩にあるメラニン色素の量で色が決まるとご紹介しました。虹彩とは真っ黒な瞳孔をぐるりと囲んでいる、色のついた部分です。猫は白目が見えづらいですが、人間と同じように瞳孔(黒)・虹彩(カラー)・白目があります。

虹彩の色はメラニンの量が多いと黒、茶など濃い色になり、メラニンの量が少ないと青、緑、琥珀色などの薄い色になります。

子猫はメラニン色素が極端に少なく、また定着が進んでいないために、目の色が青色に見えるのです。

実はこのキトンブルー、青の色素で発色しているわけではありません。子猫の虹彩はほとんど透明です。実は、子猫の虹彩にあるメラニン色素が光を乱反射させることで青く見えているのです。

これは、空が青く見えている現象と同じ仕組みで「レイリー現象」と言います。キトンカラーは青の中でも「空色」という訳ですね。

◆目の色がブルーに見えない子猫もいる

光の加減やメラニン色素の量によって、キトンブルーでも薄いグレーから鮮やかな青まで色の見え方は様々です。

「うちの子猫は目が青じゃない…」との声をたまに耳にしますが、気にすることはありません。動物なので個体差があるものなのです。

出会いは一期一会ですので、飼っているロシアンブルーをいつも通り可愛がってあげてくださいね。

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大人になったロシアンブルーの目の色

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ロシアンブルーは成長するにつれて芽の色がグリーンに変化します。グリーンの目の色についても詳しくご紹介します。

◆スタンダードは「グリーンのみ」

ロシアンブルーのスタンダードは「目の色がグリーンのみ」とされています。ただし、子猫の頃は目の色が定まっていないため、グリーンでなくても考慮されます。

◆グリーンでも、発色はさまざま

ショーで優勝するような血統書付きの成猫のロシアンブルーは、はっきりとした濃いグリーンの目を持っていることが多いです。

一方で、目の色が薄いグリーンをしているロシアンブルーや、瞳孔の周りだけグリーンになるロシアンブルーもいます。エメラルドグリーンのような鮮やかな色にならなくても、それも個性として飼い猫を可愛がってあげてください。

◆ロシアンブルーの目の色は生後2か月から変化する

子猫の頃のキトンブルーから、早いと生後3か月程度でグリーンに変化します。

変化とは言ってもいきなりブルーからグリーンに変わるわけではなく、グラデーションのように徐々に変わっていくイメージです。グリーンに変わり切るのは生後8か月が目安とされています。


ブルーとグリーン以外だと猫の目は何色?

ロシアンブルーの目の色は、子猫時代のキトンブルーから大人になるにつれてグリーンになるとご紹介しました。それでは、他の猫の目はどんな色をしているのでしょうか?

色を決める要因である、メラニン色素の量に注目しながらご紹介します。

◆ブルー

ブルーはメラニン色素の量が一番少ないタイプです。通常であれば成長とともにメラニン色素が増えますが、キトンブルーから変わらずブルーが定着することで現れます。ヨーロッパ原産の猫に多いことが特徴です。

また、白猫がブルーの目を持ちやすいとされています。これは色素細胞を欠乏させて、毛の色を白くする遺伝子が入っているためです。この遺伝子が目の色の決定に関わっているため、白猫とブルーアイの組み合わせが多いのです。

●ブルーの目を持つ猫種

ラグドール
バーマン
ペルシャ
バリニーズ
シャム
・カラーポイントショートヘア 等

◆グリーン

グリーンは2番目にメラニン色素の量が少ないタイプです。真緑ではなく、エメラルドグリーンや薄黄緑のような色をしています。

ブルーと同じく、緑の色素がある訳ではなく「レイリー現象」によってグリーンに見えています。ブルーアイの猫種はかなりたくさんいますが、グリーンアイは猫の中でもかなり珍しいタイプです。

●グリーンの目を持つ猫種

・ロシアンブルー
ベンガル
エジプシャンマウ

◆ヘーゼル

ヘーゼルは3番目にメラニン色素の量が少ないタイプです。ヘーゼルナッツのような、薄茶色です。

また、ヘーゼルは単色ではなく、グリーンとイエローのグラデーションになっています。あまりグリーンが強く発色しないため、パっと見ると薄茶色1色に見えることもあります。

◆アンバー

アンバーは4番目にメラニン色素の量が少ないタイプです。日本語では琥珀色と言います。

やや薄めのアンバーはイエロー、やや濃い目のアンバーはゴールドなどとも呼ばれます。ヘーゼルと似ていますが、色味が強く猫らしい目をしています。日本の猫でも多いタイプです。

ヘーゼルと間違えられることもありますが、グラデーションか?単色か?に注目すれば違いがわかります。

◆カッパー

カッパーは最もメラニン色素の量が多いタイプです。金属の銅のようなブラウンをしています。

日差しの強い地域ではメラニン色素の量が多くなる傾向にあり、日本でもカッパーの目を持つ猫が一番多いです。


珍しい!こんな目を持つ猫もいる

中には、ご紹介した以外の珍しい色の目を持つ猫もいます。

◆レッドアイ

虹彩が赤く輝くレッドアイは、メラニン色素が全くなく、目の血管の色が浮き出ることが赤く見える理由です。メラニン色素が作れないのは遺伝子疾患で「アルビノ」と呼ばれます。

白うさぎや白ネズミなどアルビノの動物も同じくレッドアイを持っている個体が多いです。

◆オッドアイ

オッドアイは左右で目の色が違うことを意味します。虹彩の色が違うため「虹彩異常症」と呼ばれます。色の組み合わせは片方がブルー、もう片方はグリーン、ヘーゼル、アンバー、カッパーになります。

日本ではブルーとイエロー(薄めのアンバー)の組み合わせを「金目銀目」と呼び、縁起の良いものとして重宝してきた歴史もあります。

オッドアイの見た目は神秘的で美しいですが、ブルーの目を持つ方の耳に聴覚障害を持っている可能性が高いとのデメリットもあります。発症率はおおよそ30%~40%です。

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◆ダイクロイックアイ

ダイクロイックアイは1つの目の中に複数の色を持つ状態を意味します。オッドアイと同じく、「虹彩異色症」の一種です。

扇形のように目の半分、もしくは一部に異なる色が入っている場合は「扇型虹彩異色症」、瞳孔をぐるっと囲むように色が入っている場合、または虹彩を縁取るように色が入っている場合は「中心型虹彩異色症」と呼びます。

ダイクロイックアイの猫が生まれる可能性は0.1%またはそれ以下と言われています。ダイクロイックアイがいかに珍しいのかわかりますね。


大人になって目の色が変わると、病気かも?

ロシアンブルーの目の色はグリーンですが、光の加減や見る角度によっては「少し黄色も入っているかな?」と思うことがあります。これは見え方が異なるだけですので問題ありません。

ただし、成猫になっているにも関わらず普段の目の色と違いがハッキリと違う、という場合は病気の可能性があります。必ず獣医に診てもらいましょう。

◆肝リピドーシス

猫の脂肪肝です。脂質代謝に異常を発することで肝臓に脂肪がたまり、肝機能障害を起こしてしまいます。

肝リピドーシスになると元気がない、食欲が低下する、下痢になる等の症状が出ます。

また、悪化すると黄疸が見られるようになり、目や口の中が黄色くなります。虹彩が銅色になったり、白目部分が薄黄色になったりします。

◆結膜炎

まぶたと眼球をつないでいる結膜に炎症が起こることを指します。猫も人間と同じように結膜炎になりますが、白目が見えづらいため発症していても気づくまでに時間がかかることが多いです。

白目の部分の色が赤くなったりする場合、結膜炎の可能性があります。

また、猫の目やには涙と一緒に流れるので、健康であればあまり見る機会はありません。もし目やにが出ていたら結膜炎やその他の症状を疑いましょう。

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おわりに

ロシアンブルーの目の色の変化についてご紹介しました。

子猫が大人へと成長する過程で、メラニン色素が増えることにより、目の色がブルーからグリーンに変化します。

もし、大人になってから白、緑、黄色などになったら病気の可能性がありますので、早めに獣医に相談しましょう。ロシアンブルーがいつまでも健康で優雅に暮らせるよう、普段からチェックをすると良いですね。

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中岡 早苗

中岡 早苗

可愛い猫ちゃん達に囲まれながら、猫の知識や暮らしを日々学んでいます。 学んだ情報はどんどんお伝えしていきます。楽しいネコライフをおくりましょう。

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