うちの猫に「ベル(呼び鈴)鳴らし」を覚えてほしい!どうやって教えるの?

2023.07.01

うちの猫に「ベル(呼び鈴)鳴らし」を覚えてほしい!どうやって教えるの?

猫がベル(呼び鈴)を鳴らすと、ごはんやおやつが出てくる…という動画を見たことはありませんか?芸達者な犬とは異なり、猫に芸を教えるのは難しいと思うかもしれません。しかし、トレーニングをすれば、猫も「ベル鳴らし」ができることが多いのです。この記事では、猫への「ベル鳴らし」の教え方について、ご紹介します。

猫のベル(呼び鈴)鳴らしとは

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猫のベル(呼び鈴)鳴らしとは、猫が手でベルを「チン」と慣らすことです。ベルを鳴らした後は、飼い主さんから、ごはんやおやつなどの「ご褒美」がもらえることが多いです。
近年では、SNSや動画サイトなどで、様々な、猫のベル鳴らしの動画を見ることができます。過去にはテレビCMでも、話題になりました。初めてベルを見た猫が、おそるおそる手を出してベルを鳴らす様子や、ベル鳴らしを徐々に覚えていく様子、ご褒美のごはんやおやつを嬉しそうに食べる様子などは、とても可愛らしいですね。


猫に芸を教えることはできるのか

犬は、人とのコミュニケーションに優れており、「お手」「おすわり」「待て」「ハウス」など、様々な芸やしつけを覚えることができる、芸達者な動物です。それに対して猫の場合は、マイペースで、少々気まぐれな性質があり、芸を教えるのはなかなか難しい動物というイメージがあるかもしれません。
確かに、そのような一面もありますが、繰り返しトレーニングをすれば、猫に簡単な芸を教えることはできます。実際に「猫にベル鳴らしを覚えさせることができた!」という方もいるようです。ベル鳴らしは、ごく一部の特殊な能力を持つ猫だけができるというわけではないようですね(※とはいえ、個体差があると思いますので、全ての猫が可能とは言い切れません)。
「うちの猫にもベル鳴らしを教えてみたい!」という方は、ぜひ、無理のない範囲でトレーニングをしてみてはいかがでしょうか。

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猫は基本的に自由気ままで気分屋な動物なので、犬のように「お手」や「お座り」などの芸を覚えてくれないと思いますよね。自由気ままなところが猫の良さでもありますが、芸を覚えてくれたらより一層可愛いですし、コミュニケーションを取れるので一石二鳥です。実は、犬と同じように猫も賢いので、芸を覚えることが出来るんです。 今回は、実際に猫がお手をしている動画、猫にお手を覚えさせる教え方を紹介していきたいと思います。

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猫にベルを鳴らす教え方

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以下では、猫へのベル鳴らしの教え方の一例を解説します。似たような方法が、インターネット上でもいくつか紹介されています。その方によって、多少、教え方が異なるかもしれませんので、参考程度に見ていただき、おうちの猫ちゃんに合った方法を見つけていただければと思います。
猫は、飽きっぽいところもあるので、長時間行おうとすると、ストレスがかかってしまいます。一日あたりの時間は短めにして、繰り返し行う方が良いでしょう。猫が慣れるまで、決してあせらずに長い目で見てあげることが大切です。

◆①ベルを猫の前に置く

まず、ベルを猫の前に置きます。ベルは、ごく一般的な商品であれば、100均の店舗などでも購入できるようです。他に「ペット専用」のベルもあり、「トレーニングベル」とか「コールベル」などの名称で、インターネットなどで販売されています。ペット専用のベルは、一般的なベルよりもボタンの部分が軽く、人間に比べて力の弱い犬や猫でも、押しやすいように作られています。このような商品は、数百円~千円程度で購入できるようです。

◆②腰を軽く押してオスワリの体勢を作る

腰を軽く押して「オスワリ」の体勢を作ります。このときに、ごはんやおやつ、おもちゃなどをうまく活用すると、スムーズに誘導ができるようです。

◆③猫の手を持ち、ベルを押すように誘導する

猫の手を軽く持ち、ベルを押すようにゆっくりと誘導します。猫が嫌がっているときや、ご機嫌が悪いときは、無理に行うことは避けましょう。ベル鳴らしは、飼い主さんと猫とのコミュニケーションの一環ですので、猫の気持ちに十分に配慮することが望ましいです。愛する猫との信頼関係を崩さないことを第一に考えたいですね。

◆④できたらおやつを与えて褒める

ベルを押すことができたら、ごはんやおやつなどのご褒美を与えて褒めてあげると良いです。初めてベルの音を聞いた猫は、ちょっとびっくりした様子を見せるかもしれません。ベルを押すと、ご褒美がもらえるということを、何度か繰り返すと、猫は「ベルを押すこと」を「良いことが起こる合図」として理解するようになります。

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他のトレーニングやしつけにも応用できる

猫との生活では、基本的には、お部屋の中で自由気ままに過ごさせていることが多いと思います。一般的に、飼い主への忠誠心が強い傾向がある犬とは対照的に、気分屋でなかなか思い通りに動いてくれないところが、猫の大きな魅力でもあります。とはいえ、猫の健康や安全の観点から、最低限のトレーニングやしつけを覚えさせておいた方がよい場面も多くあります。
例えば、決まった場所でトイレをする、定期的に爪切りをする、来客時などにケージに入れる、動物病院への通院時に、抱っこをしてキャリーバッグに入れる…などです。また大きな災害があり、猫と同伴避難した際には、他の人や猫と同じ部屋で、数日を過ごさなければならないことがあるかもしれません。このような場面で、猫と全く意思疎通ができないと、飼い主さんもきっと困ってしまうことでしょう。
今回ご紹介したように、ある行動の結果、ご褒美を与えて、猫にそれを「好ましい行動」だと理解させる方法は、ベル鳴らしに限らず、その他の芸や、しつけにも応用ができます。
この方法は、少し専門的な言い方では「オペラント条件づけ」の「正の強化」と呼ばれています。オペラント条件づけには「正の強化」「正の罰」「負の強化」「負の罰」という4つのタイプの分類があります。「正の強化」とは、行動の結果、良いことがあると、自発的にその行動をとるようになるというもので、簡単に言うと「ほめるしつけ」のことです。
必要に応じ、「ほめるしつけ」を利用することで、猫との生活がより安全・快適で楽しいものになるかもしれませんね。


猫と人との歴史:現代の猫はコミュニケーション力が高い?

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猫(イエネコ)の祖先は、野生のリビアヤマネコです。古代エジプトでネズミ退治のために飼われるようになったのが、人との共生の始まりだと言われています。日本での歴史は、6世紀ごろ、仏教の経典と共に中国から渡来したのが始まりです。その後、平安時代の貴族の間でペットとして可愛がられるようになり、時代とともに庶民の間にも広がっていきました。
昭和の時代までは、猫を外で飼う、いわゆる放し飼いも多く見られました。しかし現代では、猫の健康面・安全面への意識や、地域環境保全の意識が高まり、国(環境省)としても室内飼育を推奨しています。その結果、現代の多くの猫は、昔のような屋外の過酷な環境下で「狩り」をする必要はなくなり、安全で快適な室内で、飼い主さんから与えられるごはんだけで生活ができるようになりました。
このような環境の変化により、猫と人との関わり方も少しずつ変わってきており、人とのコミュニケーション力の高い猫が増えている、という説もあります。実際、ベル鳴らしの他にも、猫に「お手」や「おすわり」を教えたという方もいらっしゃいます。昔では、あまり考えられないことでしたね。


猫がベルを鳴らす際の注意点

◆ご飯以外の時間は、ベルを隠す

猫がベル鳴らしを覚えた後は、ごはん以外の時間には、ベルを隠すように注意しましょう。
猫が「ベルを鳴らすとごはん(おやつ)が出てくる」と記憶すると、お腹がすくたびにベルを鳴らし続けてしまう可能性があります。
猫の年齢や体重によって、一日あたりの適切なごはんの量(給餌量)の目安は決まっているものです。この量を超えて、餌を与えてしまうと、肥満や病気に繋がってしまう恐れがあります。猫の健康管理を一番に考え、飼い主さんが適切な給餌量をコントロールするようにするとよいですね。

◆ベルの音は周りに響くので注意する

使用するベルの種類にもよりますが、ベルの音(「チーン」とか「リーン」という鐘のような音)は、静かな環境の中では意外と響くものです。集合住宅にお住まいの場合は、早朝や夜間にベル鳴らしを行うと、周りのお宅に音が響いて迷惑になってしまうことも考えられますので、十分に注意しましょう。


まとめ

猫のベル(呼び鈴)鳴らしの様子はとても可愛らしいものです。
猫は、犬のように多くの芸を覚える動物ではありません。しかし、一定の方法でトレーニングをすれば、「ベル鳴らし」を教えることができるようです。猫にベル鳴らしを教える際は、「ご褒美」を使って、ベルを鳴らすと良いことが起こる、と理解してもらうことが大切です。決して無理をさせず、少しずつ繰り返し行いましょう。
猫のベル鳴らしは、成功すると、とても楽しいものです。しかし、楽しくてつい、ご褒美のごはんやおやつを与えすぎると、猫の健康を害することに繋がってしまいますので、飼い主さんが一日あたりの給餌量をきちんと管理することも必要です。
猫のベル鳴らしにご興味がある方は、ぜひ、挑戦してみていただければと思います。
この記事が、「ベル鳴らし」を通じた、飼い主さんと猫とのコミュニケーションの参考になれば幸いです。



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SONAERUわんにゃん

SONAERUわんにゃん

元保護猫の白茶トラ「ダニエル」と生活しています。 ライターの他に、犬と猫の「切り絵」の制作、ペット保険の仕事もしています。 1級愛玩動物飼養管理士試験合格。


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