猫の肉球にかさぶた?!肉球にできた角の正体とは!

2023.10.29

猫の肉球にかさぶた?!肉球にできた角の正体とは!

猫の身体にはかわいらしいパーツが多くありますが、その中でも肉球が大好き!といった方は多いことでしょう。 そんなかわいい肉球ですが、普段から地面(床)に接触する部位となるため、意外とトラブルに遭いやすい部位であることをご存じでしょうか。 万が一、愛猫の肉球にかさぶたのような硬いものができていた場合、原因は何なのか、かさぶたのようなものの正体は何なのか、追究したいといった飼い主さんは多いはずです。 猫の肉球にできやすいかさぶたのようなものとは、一体何なのかをご紹介させていただきます。

猫の肉球を見てみよう!

猫の肉球

猫の肉球はプニプニとして柔らかく、ポップコーンの香りがすると表現する方が居るほど、猫好きの方には人気な部位とも言えますよね。

しかし、肉球は猫のかわいさを助長するためのお飾りではなく、しっかりとした役割を担っています。

意外と知っているようで知らない、肉球の役割などをまずは見ていきましょう。

◆猫の足裏の名称

よく聞きなれた「肉球」という言葉ではありますが、肉球とは主にネコ目(食肉目)といった動物の、足裏部分に見られる無毛で盛り上がった肉質部分を指します。

正式名称を「蹠球(しょきゅう)」と呼び、「蹠」という漢字は訓読みで「あしうら」と読みますが、英語では「paw pad(パウパッド)」と呼ばれているため、さまざまな呼び名があるとも言えますよね。

猫の指は前足と後ろ足で数が異なり、前足は5本、後ろ足は4本の指が生えそろっています。

そして、私たちが肉球として認識している、プニプニした部分にもそれぞれ名前がついていることをご存じでしょうか?

前足の指にあたる、上部4本に付着した肉球を「指球(しきゅう)」と呼び、親指といった5本目の指となる狼爪(ろうそう)の斜め下にある肉球を「手根球(しゅこんきゅう)」と呼びます。

これらの小さな肉球の中心にある大きな肉球は「掌球(しょうきゅう)」と呼ぶようです。

同じような見た目の後ろ足の肉球も呼び名が異なり、指の部分についている肉球は「趾球(しきゅう)」と呼ばれ、4本をまとめる場合は「趾球底(しきゅうてい)」などと呼ばれることがあるそうです。

そして、後ろ足の指の下にある大きな肉球は「足底球(そくていきゅう)」と呼ばれます。

◆肉球の役割

それぞれ細かい名称に分けられている肉球ではありますが、ただかわいいだけのお飾りではなく、しっかりとした役割を担っていることをご存じでしょうか。

猫の肉球はたくさんの脂肪とさまざまな繊維で構成されており、血管が少ないといった特徴を持っています。

プニプニと柔らかいことからも、表面の皮膚がさぞ薄いのかと思いきや、肉球はほかの皮膚よりも厚く頑丈になっており、摩耗しにくい構造となっているようです。

このような構造のおかげで凹凸の荒れた地面や、ツルツルとした滑りやすい地面であっても、足裏を傷つけずに痛めることなく、器用に歩いたり走ったりが可能となっています。

そして、高い場所から飛び降りたとしても、衝撃を分散させるクッション効果が備わっており、足音を立てずに狩りができるため、野生で生活していた時代には、必要不可欠な機能であったことが分かりますよね。

また、足裏の肉球には汗腺が集中しているため、滑り止めといった機能や、マーキングにも役立つことが知られています。

猫の肉球にはしっかりと感覚があるため、人間と同じように痛みや熱さなどを感じ、センサーのような働きもするそうです。

◆猫の肉球ケアについて

露出していてとても敏感な部位となる猫の肉球ですが、感覚がある以上飼い主さんも、ケアをする際には細心の注意を払わなくてはいけません。

肉球の皮膚が分厚く頑丈だと言われてはいますが、柔らかさは年齢や環境で変化するため、厳しい外の環境で生活を続けてきた猫ちゃんに比べて、完全室内飼いのイエネコの肉球は成猫になってもある程度の柔らかさをキープしています。

室内では肉球を駆使するシーンはほぼありませんし、このようなことからもイエネコの肉球はとてもデリケートです。

とくに乾燥に弱いといった特性を持っているため、室温や湿度の調節が適温適湿でなければ、肉球はカサカサに乾燥してひび割れが起きてしまうことでしょう。

温度などの調節に合わせて、ペット用(猫用)の保湿クリームで優しくマッサージしてあげると、適度に保湿されて美しい肉球を維持することが可能となります。

その際、保湿クリームをたくさん塗ってしまうと、床などで猫ちゃんが滑りやすくなってしまうため、適量を肉球に擦り込むようにし、日常的なケアを心がけておきましょう。

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猫の肉球のできものの正体は「皮角」

敏感でかわいらしい肉球となりますが、その肉球に触れてみたときに、かさぶたのような硬いできものがあった場合、知らぬ間に怪我をしてしまったのかと、心配になってしまう飼い主さんは多いはずです。

猫の肉球にできるかさぶたのようなできもののことを、「皮角(ひかく)」と呼びますが、人間でいうところのタコのようなもので、皮膚の角質が角化し、かさぶたやイボのようになってしまう状態を指します。

猫ちゃんの中にはかさぶた状ではなく、爪のような形の皮角ができることもあり、別名「肉球爪状物質(にくきゅうそうじょうぶっしつ)」とも呼ばれています。

愛猫に皮角ができていた場合、飼い主さんは何が原因なのか不安になってしまうことかと思いますが、どのようなきっかけでできるのか。それは以下の通りです。

◆皮角が出来る理由

皮角はできる部位が決まっているわけではなく、猫ちゃんによってできる肉球の部位は異なります。

基本的には皮膚の一部分の角質が、必要以上に多く角化しまうことが原因と考えられており、猫よりも犬に多く見られる症状だと言われているようです。

明確な原因は解明されていないものの、肉球の皮膚細胞が何かしらの原因により、異常増殖していることに違いありませんが、一説では猫白血病ウイルスや、エイズウイルスが関与している場合があるとも考えられています。

◆皮角が出来た時の対処法

かさぶたのような皮角ができていると、不安になってしまう飼い主さんは多いことかと思いますが、一過性のできものといった場合が多く、とくに処置は必要ないケースが多いようです。

その理由として、皮角ができても痛みやかゆみがともなうわけではなく、ほとんどの場合は自然消滅するため、猫ちゃんが普段通り元気であれば、経過観察でも問題ありません。

皮角によって歩行が困難そうであれば、角質化した部分を爪切りで切ってあげても構いませんし、猫ちゃん自身が噛みちぎってしまう場合も多いため、猫ちゃんの様子を見ながら経過をみていくことが一番です。

しかし、稀に良性ではなく悪性の場合があり、できものの正体が「扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)」という可能性もあります。

できものが大きい場合や、シニア期の猫ちゃんに発症した際には注意が必要です。

◆皮角の予防法はある?

皮角は乾燥を防ぐことによって、ある程度の予防が可能となります。

常に柔らかくてプニプニとした肉球を維持できれば、皮膚の一部が角質化することはまずないと言えるでしょう。

飼い主さん自身が皮角の判断が難しいようであれば、定期的に健康診断を受けるようにし、その都度肉球に異常がないかを確認してもらってください。

悪性かどうかはできものを病理検査に出せば分かるため、飼い主さんの不安要素を取り除くためにも、定期的な健康診断は欠かさないようにしましょう。


猫の肉球のかさぶた「皮角」以外の可能性は

愛猫の肉球にかさぶたのようなできものが現れた際、皮角以外の可能性があるのかも知っておきたいところですよね。

肉球にできることがあり、皮角と間違えやすい疾患は以下のようなものとなります。

・形質細胞性皮膚炎
・好酸球性肉芽腫

「形質細胞性皮膚炎(けいしつさいぼうせいひふえん)」は、白血球の一部が増えて免疫異常を起こすといった病気となり、肉球が腫れて痛みをともないます。

「好酸球性肉芽腫(こうさんきゅうせいにくげしゅ)」は、アレルギーが原因となって発症し、かゆみをともなう炎症性のしこりができる病気です。

そのほかにも、切り傷や擦り傷が進行してかさぶたになっている場合や、過剰なグルーミングによって肉球を傷つける、爪が伸びすぎて肉球に刺さるなどの症状も見過ごせないため、少しでも愛猫の肉球に異変を感じた場合は、原因解明のためにも早めに動物病院を受診するようにしましょう。


まとめ

かわいらしい形をしていて、触り心地も抜群な猫の肉球ではありますが、ふと触れたときに硬いかさぶたのようなものができていたとき、その正体は何なのか、病気が関係しているのかなど、不安になってしまう飼い主さんは多いことでしょう。

その原因が皮角と呼ばれる角質の塊であれば、良性の場合がほとんどのため、経過観察で問題ありませんが、皮角によって歩行困難などのトラブルが生じている場合には、早急に処置をしてあげなくてはいけません。

猫用の爪切りで切り落とすこともできますが、飼い主さん自らで処置をするのが不安なようであれば、動物病院を受診して獣医師さんに処置をしてもらってください。

猫の肉球は被毛もなく、常に床と接触する部分だからこそ、飼い主さんは日常的なケアを心がけ、柔らかくて美しい肉球を維持できるように心がけておきましょう。



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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。


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