シャム猫は今のように猫種がそれほどなかった時代から飼い猫として人気があった猫で知名度もあります。シャム猫は、外国からやってきた「優雅な猫」というイメージが強く、今でも日本をはじめ世界各国で人間とともに暮らしている猫です。
シャム猫の見た目の大きな特徴は、そのスタイルの良さ。古い時代には、貴族の中でペットとして暮らしてきたため、外見はクールでどこか気品が溢れています。昔からイメージとして定着してきたシャム猫のセレブな雰囲気は、今も変わることはありません。
シャム猫は見た目がクールなことから、賢くおしとやかなイメージがあるかもしれません。確かに見た目通り、上品で優しいところもありますが、実は好奇心が強く活発な猫です。人間に対しても「人見知り」をあまりせず、基本的には社交性が高く人間とも上手く一緒に暮らしていけると言われています。
飼い始めた最初の頃には、クールで知的な気難しい一面が色濃く感じられますが、それは「警戒」の表れ…。環境に慣れないので、猫もおそらく戸惑っていることもあるでしょう。次第に慣れてくると、自分の「素」を見せるようになってきます。シャム猫が「素」をさらけ出せるのは、飼い主さんを信頼してきたから。喜ぶべきことですよね。
飼い主さんには、甘えたりすることも多いです。でも、その甘えがいつしか「ワガママ」になることもあります。巷で言われる「猫=ツンデレ」をまさに持ち合わせている猫なのかもしれませんね。その「甘え」の部分がとても可愛いとシャム猫に魅了される愛猫家さんも多いでしょう。
シャム猫とバリニーズって何が違うの?バリニーズの歴史について
シャム猫と比べると、バリニーズは全体的に毛を長くしたようであることが分かります。実は、シャム猫を長毛化させた猫種が「バリニーズ」なのです。そのため、特徴的には似ていると考えてもいいでしょう。
「バリニーズ」は今でこそ独立した猫種となっていてその魅力に多くの人が惹かれていますが、実はバリニーズは短毛種のシャム猫の突然変異により生まれた長い毛の猫。
そもそも時々、シャム猫からは長い毛の猫が生まれていたと言いますが、「シャム猫が完成されずに劣ったもの…」と不完全なシャム猫扱いとなっていたとか。バリニーズの元となった猫は公式には認められず、そのため価格も安く人気もなかったという訳です。王族や貴族のそばで暮らしてきた長い歴史のある高貴な短毛のシャム猫の方が注目されていたんですね。
しかし、1940年以降になると長い毛のシャム猫が急に注目され出します。バリニーズに魅力を見出したブリーダーたちの活動があったおかげで、1970年代に現在の「バリニーズ」となったのです。
シャム猫とバリニーズとの違いについてですが、短毛種と長毛種という違いはあるもののその特徴は大きく似ています。
バリニーズの特徴
さきほども少し触れましたが、バリニーズはシャム猫とほぼ同じ外見です。シャム猫を長毛種にした感じで外見的特徴はだいたい同じです。
◆スリムでカッコいい猫「バリニーズ」
バリニーズはスリムでスマート、とてもカッコいい猫です。細いながらも美しい筋肉が適度についている足での立姿はかなり優雅です。
また、小顔という小さなパーツの中に輝く、サファイアブルーのアーモンド形の美しい瞳が印象的です。尖った三角形の耳がピンッとたった状態も、とても凛々しく「カッコいい」という表現がぴったりです。
実は、バリニーズという名前の由来は、バリ島の踊り子さんが関係しているとのこと。伝統的なバリの踊り子さんのように、スッとした外見で動作が美しいことから名前がついたのです。
◆バリニーズのロングヘアーはツヤツヤで美しい毛並
バリニーズのチャームポイントは、そのツヤのある毛の美しさ。触り心地はとても良く、ふさふさの長い毛はとても柔らか。特に尻尾のふさふさ感がとても魅力たっぷりです。
バリニーズの「長い毛」には個体差があり、他の長毛種の猫と比較すると、それほど長いという訳でもありません。セミロング程度の長さで柔らかな被毛なので、一緒に暮らしていると「撫でたい」という気持ちが頻繁におきそうですね。
バリニーズは長い毛…ということもあって、シャム猫と比較すると毛のお手入れはしっかりと行う必要があるかもしれません。
◆バリニーズが成長したら体重は何キロ?
バリニーズは大人になっても3~4キロと結構小型。一般的な猫と比較すると、それほど大きくないので抱っこもしやすいかもしれませんね。
ただ、体重については個体差があります。生まれた時から成長する過程でどのくらい体重が増えていくのか…。これは飼い主さんのバリニーズに対する食事管理と生活環境という要因がもたらす結果です。
そのため、成長すると小型の可愛らしい猫だと思っていたバリニーズが、食事の与え過ぎが原因となり5キロを超えてしまうこともあります。
スリムでダンサーのような優雅さが魅力のバリニーズが、いつの間にか「ぽっちゃりさんになっていた…」ということにならないよう、太り過ぎには注意しましょう。
バリニーズってどんな性格?
バリニーズとシャム猫は、毛の長さをのぞくと外見的にはほぼ同じような特徴があります。それでは、内面的な性格についてみていきましょう。
実は、性格という内面についてもおおよそシャム猫と同じ。人間に対しても愛情を示してくれる人懐こい特徴を持つのがバリニーズです。
ただ慣れるまでは若干警戒する気配もあります。「この人は信用できるのか?」とバリニーズの方で考えているとあまり近寄ってこないですし、好奇心もグッと我慢されているはず。様子見の状態ですので、無理に飼い主さんの方から近づいていかないようにしたいものです。しつこくして嫌われてしまいたくないですよね。
そのうち慣れてくると、バリニーズは本来持っていた好奇心旺盛で活発な面を出してきます。基本的に人見知りがあまりなく、懐きやすい性格と言われています。シャム猫よりは若干穏やかな面もあります。慣れてくると、自己中心的な行動をすることもあります。
猫特有のツンデレな部分も持っていますが、「ワガママ&甘えっぷり」を交互に発している感じがバリニーズの愛すべき魅力。飼い主さんとの遊びも大好きで、甘えてくることもあるでしょう。バリニーズの甘えは信頼の証でもあるので、一緒にたっぷり遊んであげましょう。飼い主さんの愛情が伝わり、喜んでくれるはずです。
バリニーズを購入するなら気になる価格
シャム猫と違ってバリニーズは歴史も浅く、珍しい猫種の類に属します。いったいどこから手に入れることができるか気になりますよね。
◆バリニーズの入手先はどこ?
バリニーズを飼ってみたい!と思ってペットショップを覗いてみても、その珍しさゆえ、店頭で見かけることはないものです。
バリニーズを飼いたいなら、ブリーダーさんを探すというのが一番です。ただ、日本でバリニーズを扱っているブリーダーさんは極めて稀だとか…。数少ないなかから、見つけるのは難しいかもしれませんが、まずは日本のブリーダーさんに聞いて見るのがいいでしょう。ブリーダーさんを通じて、全国各地のバリニーズを購入できることもあります。
また、どうしてもバリニーズを販売している日本のブリーダーに出会うことができなければ、海外のブリーダーさんに直接聞く方法もあります。
ただ、海外のブリーダーさんとの直接のやり取りは「どうやって交渉すべき」かという不安もつきまといます。猫を海外から連れてくるということは、「輸入」となります。そのため「ただ連れてくる」という単純なものではなく、手続きなど難しい点も多いです。
そこで、個人でのやり取りが難しいと感じたら海外猫輸入サービスを利用して、手続きなどすべてを代行してもらう方法もあります。
◆バリニーズの値段ってどのくらい?
バリニーズを日本のブリーダーさんから購入することができれば、10~20万円ほどの予算を考えておくといいようです。
また、日本以外から輸入した方法で購入することも考えられます。その際は、どうしても輸送費や手数料の部分で金額が多くなってしまいます。猫自身の値段は日本で購入するよりは比較的安くなるでしょうが、その他の部分で高めとなることを把握しておく必要があります。全体的に30万円近くのお値段となるケースが多いようです。
事前にどのくらいかかるかについては、きちんと確認しておくようにするといいですね。
バリニーズと一緒に暮らす注意点とは?
「クールで優雅な外見」と「甘えん坊で社交的」な面を併せ持つ、魅力的なバリニーズ。愛猫として迎えるならば、大切に長く暮らしたいものです。迎え入れる時に飼い方としての注意点をいくつか紹介します。
◆運動量への配慮が大切
バリニーズの大きな魅力がそのスレンダーなスタイル。細身のスタイルがダンサーのようにカッコいいもの。そのスレンダーなボディをキープして魅力を最大限に引き出してあげたいものです。
しかし、甘えん坊で可愛いあまりたくさん食事を与えてあげると、太ってしまうリスクがあります。
食事の管理も大切ですが、活発にたくさん動き回れるようにバリニーズの運動スペースを広めにとってあげましょう。運動不足解消のために、バリニーズが楽しめるキャットタワーを準備してあげるのもおすすめ。飼い主さんが一緒に遊べない時でも、キャットタワーがあれば自分で楽しむことができます。
ただ、バリニーズは飼い主さんと遊ぶことは本当に大好きなので、一緒にたくさん遊んであげてくださいね。
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◆被毛の美しさを守るためにブラッシングは重要
バリニーズはロングヘアーの猫ですから、その美しさをキープするには飼い主さんの定期的なブラッシングが重要です。ブラッシングは猫の毛を整える意味だけでなく、肌を健康的に保つ役割もあります。コミュニケーションの一環として、遊びながらブラッシングを習慣にすれば猫もきっと喜ぶでしょう。
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◆適切な健康管理で幸せな毎日を…
バリニーズが若いうちは、活発に動き回って元気な印象が大きいです。しかし、人間と同じように年齢を積み重ねていくものです。見た目が小さくて可愛らしいので、昔と変わらず接してしまいそうですが、年齢とともに体の老化が始まっていることもあります。
言葉を発せないため、飼い主さんの日々の様子のチェックが大事となります。シニア期になると遺伝性の病気を発症することもあります。
シニア期に突入したら、健康管理はさらに真剣に取り組むといいでしょう。愛猫の様子を常にチェックしておき、少しでもいつもと違った様子が見られたら獣医に見せるようにしたいものです。そのためには、普段からコミュニケーションを取ることが大事です。
シャム猫と似ている部分が多い「バリニーズ」。一緒に暮らせば暮らすほど、その愛らしい魅力のとりこになりそうです。
バリニーズは長くてふさふさの被毛が特徴的ですから、日々のお手入れは大切です。そして、飼い主さんの愛情溢れる気持ちでたくさんコミュニケーションをとると、長生きの秘訣にもなります。
eye catching by Carol VanHook
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