マレーネさんはドイツ、ベルリンに住む女性で、庭で野良猫たちに餌をやっていました。その野良猫たちの中に、ある日ふらりと現れたのがロケットでした。
ロケットの親や生まれは、保護主であり現在の飼い主であるマレーネさんも知りません。しかし、幸いというべきか分かりませんが、ロケットの後ろ足は事故や虐待で失われたものではなく、どうやら生まれつき欠損していたようでした。
見ればまだ生まれてひと月も経たないであろう幼い子猫です。けれども、子猫はその小さな体で、しかも後ろ足がないにもかかわらず、他の猫たちと全く変わりない様子で走り回っていました。
マレーネさんは子猫を保護しようとしてみましたが、最初、子猫はすさまじい勢いで逃げてしまったのだそうです。
猫用の餌を使って何とか子猫の信頼を得られた後、マレーネさんは、子猫を家に連れて帰り、ロケットと名付けました。
元気な子猫も、慣れない環境には戸惑ったようです。「最初の夜はずっと鳴いていたわ。だから私は彼のそばにいて、ずっと話しかけていたの」とマレーネさん。
その甲斐あって、ロケットは彼女の愛情を受け入れ、そして彼もまたマレーネさんに全幅の信頼と愛情を示すようになりました。元気に後を追い、甘え、寝転がって撫でてとせがむ姿は、他の子猫と何ら変わりありません。
誰にならったふうでもないのに、ロケットは他の猫ができることは大抵、誰の力を借りることなく一人…いえ、一匹でやり遂げてしまいました。それどころか、ロケットは後ろ足の欠損を補って余りある能力を持っていました。
走れば他の子猫たちよりも早く走ることができましたし、
前脚のジャンプ力とよじ登る力だけで椅子にもよじ登ることができます。
人間のベッドも大好きで、マレーネさんと一緒に寝るために自分で登っているそうです。
しっぽも杖のように使い、前脚と組み合わせて走ったり立ち上がったりすることができるバランス感覚には、ずば抜けたものがありました。マレーネさんの先住猫との関係も、子猫ならではのちょっかいを出しては喧嘩しながらも、うまく行っているようです。
保護されて1年がたち、おそらく1歳くらいであろうロケットの身体は、先住猫とそう変わらない大きさになりました。顔もきりりと大人びて、若猫のはつらつとした雰囲気を漂わせたロケットは、立派な美猫というだけでなく、更にエネルギッシュに遊びまわっているそうです。
後ろ足の欠損は、ロケットにとってはプラスでもマイナスでもありません。彼はただ無いものを嘆くことなく、あるものを最大限に活用しているだけなのでしょう。
<参考サイト>
lovemeow.com
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