キャットフードの選び方!基本からお悩み別まで押さえておきたいポイント

2021.04.25

キャットフードの選び方!基本からお悩み別まで押さえておきたいポイント

愛猫のためのキャットフードの選び方に、悩んでいませんか?各メーカーから様々な種類のキャットフードが販売されているので、どれを選んでいいのか迷ってしまいますよね。ネットの口コミやおすすめランキングも、いろいろありすぎて、どれを参考にすればいいのか分かりません。今回は、キャットフードの選び方を、基本からお悩み別まで、押さえておきたいポイントも含めて詳細に解説しますので、参考にしてみてくださいね。

【目次】
1.キャットフードの選び方【基本】
 1-1.総合栄養食
 1-2.ライフードとウェットフード
 1-3.グレインフリーってどんなフード?
2.キャットフードの選び方①年齢にあったフード
 2-1.子猫用フード
 2-2.成猫用フード
 2-3.中高齢猫用フード
 2-4.超高齢猫用フード
3.キャットフードの選び方②過ごし方にあったフード
 3-1.避妊・去勢後の猫
 3-2.完全室内飼育の猫
 3-3.運動量の多い猫
4.キャットフードの選び方③お悩みにあったフード
 4-1.尿路結石のできやすい猫
 4-2.太りやすい猫
 4-3.胃腸が弱い猫
 4-4.好みが変わりやすい猫
5.キャットフードの選び方④猫種にあったフード
6.キャットフードを選ぶ際に気をつけること
 6-1.療法食を自己判断で変えない
 6-2.給餌量を守る
 6-3.1か月程度で消費できる量にする
7.まとめ

キャットフードの選び方【基本】

猫缶

まずは、キャットフードの選び方の基本から見ていきましょう。

◆総合栄養食

キャットフードは、主食として与えるもの、嗜好性を高めたり栄養の補助的な役割を果たしたりするものなど、いくつかの種類に分かれています。
総合栄養食と食事療法食は、主食として与えるキャットフードです。
一般食や副食、間食(オヤツまたはスナック)やサプリメントなどは、主食と一緒に与えることで、嗜好性を高めたり、栄養や機能を補ったりするためのキャットフードです。
それぞれ、パッケージに記載されていますので、確認して購入するようにしましょう。
総合栄養食は、そのフードと新鮮な水だけで、猫ちゃんに必要な栄養素を摂ることができるものです。
基本的には、それ以外のフード(オヤツなど)を与える必要はありません。
食事療法食は、体調面が優れない場合などに、獣医師さんの診療と指導の下で与えるキャットフードです。
猫の体調や悩みに合わせて栄養成分などが調整されていますが、飼い主さんだけの判断で与えると、逆に予期せぬ体調の悪化につながる可能性もあるので、注意が必要です。

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◆ドライフードとウェットフード

市販されているキャットフードには、ドライフードとウェットフードがあります。
ドライフードは、いわゆる「カリカリ」と言われるもので、水分量が10%以下のフードです。
ドライフードは、水分量が少ない分、長期保存がしやすく、いつでも簡単に与えられます。
開封後は酸化が進むため、密封して冷暗所で保存するようにしましょう。
一方、水分量が10%以上のものは全てウェットフードと分類されますが、ほとんどの場合、水分量は75%以上です。
ウェットフードは、肉や魚などの匂いや食感が残っており、嗜好性が高くなっています。
また、ドライフードに比べて、カロリーが低いのも特徴です。
開封後はすぐに傷んでしまうので、原則1日以内に使い切ります。
どちらを選べばよいか悩むことも少なくありませんが、基本的にはドライフードを主食とすることがおすすめです。
ドライフードはほとんどの商品が総合栄養食ですが、ウェットフードの多くは一般食や副食なので、総合栄養食をきちんと選ぶ必要があります。
ウェットフードは水分量が高いため、あまり水を飲まない猫ちゃんの水分補給に取り入れてもよいでしょう。
総合栄養食のウェットフードは、食欲の落ちたシニア猫や固いものが食べられない子猫、歯周病など口内にトラブルがありドライフードが食べられない子の主食におすすめです。

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◆グレインフリーってどんなフード?

「グレインフリー」のキャットフードを、よく目にするようになりました。
「グレイン」(grain)とは、穀物(穀類)のことで、主にイネ科の小麦や大麦、稲(米)を指します。
グレインフリーとは、原材料に穀物を一切含まないキャットフードのことです。
本来肉食の猫は穀類の消化が苦手なため、グレインフリーのキャットフードが近年注目を浴びています。
しかし、キャットフードに含まれる穀物は適切な加熱処理をされているため、十分に消化でき、また良質のエネルギー源でもあります。
穀物に対する食物アレルギーを持つ猫ちゃんにはグレインフリーのフードがおすすめですが、特にアレルギーなどのない子はグレインフリーでなければならないということはありません。
ちなみに、「グルテンフリー」というキャットフードもありますが、こちらは小麦に含まれるグルテンという網目構造のタンパク質が含まれていないフードのことです。

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キャットフードの選び方①年齢にあったフード

キャットフードの選び方で、次にポイントになるのが愛猫の年齢です。
獣医師からの指示がある場合を除いて、それぞれの実年齢に合ったキャットフードを選びましょう。

◆子猫用フード

子猫とは、生後12ヶ月までの猫のことです。
成長期にある子猫は、骨や筋肉の発育のために、多くのタンパク質やとエネルギーを必要とします。
このため、子猫用のキャットフードは、成猫用に比べてタンパク質やカロリーが高く設計されています。
また、骨を作るためのマグネシウム、カルシウムが豊富です。

生後4ヶ月まで

生後4週間ほどになると、乳糖を消化する能力が低下して、子猫も次第に固形食に興味を示し始めるので、固形食への移行を始めます。
筋肉や細胞の成長と被毛や爪の健康をサポートする11種類の必須アミノ酸などが含まれたキャットフードを与えましょう。
生後12~16週の子猫は、急速に成長して体重もどんどん増加します。
このため、この時期の子猫には、成猫の約3倍という極めて高いエネルギーが必要です。
しかし、消化器系が未熟なため、給与量を増やさずに済むエネルギー密度の高いキャットフードを与えましょう。

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生後4~12ヶ月

この時期の子猫のエネルギーの必要量は次第に低下し始めますが、成猫よりは遥かに多くのエネルギーが必要です。

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◆成猫用フード

成猫とは、生後1歳~7歳の猫を指します。
子猫の時期と必要な栄養素は変わりませんが、エネルギーの必要量は1/3程度に減少します。
成猫の身体は維持期に入っているので、運動量以上の栄養は必要ありません。
このため、成猫用のキャットフードは、健康を保つことを重視して作られています。
栄養素が多く、食いつきの良い製品を選びましょう。

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◆中高齢猫用フード

中高齢期についての明確な定義はありませんが、一般的に寿命の約1/2を過ぎると中高齢期とされます。
猫では、中高齢期は7歳以降とされています。
活性酸素によるダメージなどが原因で、腎臓や心臓、脳など身体の各組織の機能低下や、筋肉量の低下など身体的な変化が現れます。
基礎代謝や活動量が低下する一方、食欲はまだ旺盛なので、成猫期と同じ量を与えると肥満になりやすいです。
体内で糖に変わって肥満の原因となる炭水化物を控えるために、グレインフリーのキャットフードや、成分表示の最初にチキンなど動物性たんぱく質の材料が表示されているものを選びましょう。
抗酸化成分であるビタミンE、C、ルテイン、タウリン、ポリフェノール、β-カロテン、リコピン等を食事で補うことも大切です。
腎臓のダメージを軽減するために、ナトリウムやリンの含有量を調整したものを選ぶことも大切になります。
筋肉維持にはタンパク質やロイシン、関節軟骨にはグルコサミンやコンドロイチン硫酸、関節の痛みを軽減するEPA/DHAも重要です。
さらに、歯石形成の軽減のためのポリリン酸ナトリウムや、脳の健康維持のためのトリプトファンも大切な栄養成分です。
12歳以上になると、ハイシニアと言われます。
メーカーによっては、より細かく年齢を設定しているキャットフードもあります。
この時期は、体重不足になりやすいため、エネルギーが濃縮されたフードを与えることが必要です。
健康維持のため、ビタミンB群、ビタミンEが多く配合されたフードを選びましょう。

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◆超高齢猫用フード

平均寿命よりも長生きの15歳以上は、超高齢猫と言えるでしょう。
この時期は、食欲や消化能力が衰え、痩せやすいので、消化が良く少量で十分な栄養が取れるフードを選びましょう。
ハイシニア期以上に、腎臓や心臓の健康維持に配慮して、ナトリウムとリンの含有量を調整するようにしてください。
ハイシニア期より、ビタミンB群やビタミンEも強化したキャットフードを選ぶとよいでしょう。
関節の健康維持のために、グルコサミンやカゼインホスポペプチドを摂取するのもおすすめです。

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キャットフードの選び方②過ごし方にあったフード

基本的に必要な栄養素は共通ですが、猫ちゃんの過ごし方によって、カロリーの高いキャットフードが良い場合、低い方が良い場合があります。

◆避妊・去勢後の猫

避妊・去勢手術をした猫は、運動不足や食べすぎによる肥満になりやすいです。
一度太ってしまった猫のダイエットは非常に困難なので、肥満にさせないことが大切になります。
避妊・去勢手術後の猫ちゃんには、カロリーが低めのフードを与えましょう。
避妊・去勢手術後用のキャットフードが市販されているので、これらを選ぶとよいでしょう。

◆完全室内飼育の猫

完全室内飼育の猫も、運動不足になりがちです。
基本的に、カロリーが低めの肥満対策のキャットフードを選ぶくらいで、ちょうどいいでしょう。

◆運動量の多い猫

よく遊ぶなど運動量の多い猫ちゃんは、十分なカロリーを必要とします。
カロリーが十分に含まれたフードを選びましょう。

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キャットフードの選び方③お悩みにあったフード

◆尿路結石のできやすい猫

慢性腎臓病と猫下部尿路疾患(FLUTD)は、猫の2大疾患と言えます。
特に、若い猫では猫下部尿路疾患にかかりやすく、突発性の膀胱炎や尿路結石が問題になります。
尿路結石のできやすい猫には、尿のpHを弱酸性に保つことで病気を予防する機能を持たせたキャットフードがおすすめです。
一度発症してしまった場合、動物病院で処方される療法食が必要になることもあります。
かかりつけの獣医師さんの指示に従って、フードを与えるようにしましょう。

◆太りやすい猫

体質的に太りやすい猫ちゃんもいます。
猫でも肥満による生活習慣病が問題になっているので、肥満にならないようなキャットフードを選びましょう。
基本的な栄養バランスが取れていて、カロリーが低めのフードがよいでしょう。

◆胃腸が弱い猫

猫の胃腸が弱い原因としては、キャットフードが体質に合っていないことが挙げられます。
また、食べ過ぎるとお腹を壊すこともあります。
ただし、病気の可能性があるので、一度獣医師さんの診察を受けておきましょう。
そのうえで、繊維と脂質の量に注意し、割合のバランスが良いものを選びます。
また、アレルギー症状としてお腹を壊すこともあるので、アレルゲンが含まれていないものを選ぶことも大切です。
人工添加物もアレルゲンとなりやすいので、無添加のものや自然由来の添加物を使用しているフードがよいでしょう。

◆好みが変わりやすい猫

飽きやすく、フードの好みが変わりやすい猫には、いくつかのキャットフードを与える「フードローテーション」がおすすめです。
フードローテーションとは、猫が食べてくれるキャットフードを複数把握しておき、ある程度食べた後、別のフードに切り替えていき、数種類のフードを一定周期でローテーションすることです。
フードローテーションをする場合にも、フードの切り替えは通常のフード変更と同じく、1週間程度をかけるようにしましょう。


キャットフードの選び方④猫種にあったフード

ゆっくり成長する大型猫や、スコティッシュフォールドなど遺伝的な疾患を起こしやすい猫種では、それぞれの猫種のために調整されたフードがおすすめです。
近年は、猫種の体質や被毛などの特徴に合わせて調整されたキャットフードが市販されているので、愛猫の猫種に合わせてフードを選ぶとよいでしょう。

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キャットフードを選ぶ際に気をつけること

◆療法食を自己判断で変えない

療法食は、持病がある子や、体調がすぐれない子に、獣医師さんの診療と指導のもと与えるものです。
飼い主さんだけの判断で与えると、逆に予期せぬ体調の悪化につながる可能性があります。
また、療法食を与えていて、体調がよくなってきたからと自己判断でやめることもしてはいけません。
必ず、獣医師さんに相談して、指示を仰いでください。

◆給餌量を守る

総合栄養食のパッケージに記載された給餌量を目安に、愛猫の運動量や体質、体調を考慮して、給餌量を調節します。
おやつや一般食を与える場合には、1日に必要なカロリーの20%以内にとどめ、その分、総合栄養食を減らしてください。

◆1か月程度で消費できる量にする

ドライフードは、開封すると酸化が進み、匂いや風味だけではなく、栄養価も劣化していきます。
劣化したフードを与えると、十分な栄養が摂れなかったり、体調を崩したりすることがあります。
ドライフードを購入する際には、1ヶ月程度で消費しきれる量のものを選びましょう。

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まとめ

様々な種類のキャットフードが多くのメーカーから発売されているので、どのフードを選んでよいか迷う飼い主さんも多いでしょう。
大前提として、主食には総合栄養食を与えましょう。
ドライフードは水分量が10%以下で、長期保存が可能であり、ほとんどが総合栄養食です。
一方、ウェットフードは水分量が75%以上で、嗜好性も高く、水分補給にはおすすめですが、一般食や副食が多いので、購入の際には表記を必ずチェックしてください。
さらに、年齢や避妊・去勢手術の有無、愛猫の運動量など、ライフステージや生活スタイルに合わせたフードを選ぶことも大切です。
持病や体調不良がある場合に動物病院で処方される療法食は、必ず獣医師さんの指示のもと与え、自己判断で与えたりやめたりしないようにしてください。
口コミやランキングは参考程度にとどめ、愛猫に合ったキャットフードを選ぶことが、猫ちゃんの健康と長寿につながります。



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SHINO

SHINO

保護犬1頭と保護猫3匹が「同居人」。一番の関心事は、犬猫のことという「わんにゃんバカ」。健康に長生きしてもらって、一緒に楽しく暮らしたいと思っています。


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