1.ぶち猫ってどんな猫?
2.ぶち猫になるのは何故?
2.ぶち猫にするのはS遺伝子
2.色の入り方の法則
2.白い部分を持つのはペットならでは
2.白猫の警戒心が強いのは何故?
3.ぶち猫の模様の種類
3-1.タキシード
3-2.ハチワレ
3-3.牛柄
4.ぶち猫の性格
4-1.黒の部分が多いぶち猫の性格
4-2.白の部分が多いぶち猫の性格
5.ぶち猫の飼い方
6.ぶち猫の迎え方
7.まとめ
ぶち猫ってどんな猫?
辞書で「ぶち猫」を引くと、漢字では「斑猫」と表記され、「地色と異なる色があちこちに入っている猫。まだら模様の猫」と定義されています。
このため、ぶち猫には、黒と白の毛を持つ猫のほか、茶色と白、グレーと白の毛色を持つ猫も含まれますが、こちらは主に「バイカラー」(bicolor)と呼ばれ、ぶち猫は、主として、黒と白の猫を指しています。
バイカラーとは「2つの色を持つ」という意味ですが、3色の被毛を持つ猫も含まれることがあります。バイカラーは、1/2~1/3が白色であることが条件とされます。
ぶち猫は別名「ホワイトスポット」とも呼ばれ、また、黒×白の猫を「黒ぶち」、茶色×白の場合を「茶ぶち」と呼ぶこともあります。ちなみに、猫に限らず、白色と他の色からなる被毛を持つ動物は、「パイボールド」(piebald;まだら)と呼ばれます。
ぶち猫になるのは何故?
では、ぶち猫になるのは、何故でしょうか?
これには、猫の毛色や柄を決める遺伝子の一つ「S遺伝子」(SPOT)が関与しています。
◆ぶち猫にするのはS遺伝子
ぶち猫というと白地に黒のまだらが入っているイメージですが、実は黒猫に白地が入った猫と言ってもいいかもしれません。
S遺伝子は、毛色を部分的に白くする遺伝子です。遺伝子は父猫と母猫から1つずつ受け継ぎ、Sが1つだけであれば白の部分が小さく、2つあれば大きくなります。
◆色の入り方の法則
色の入り方には法則があり、母猫の体内で子猫の表皮が作られていくとき、背中側からソースを垂らすように色がついていきます。その途中、S遺伝子が「この先は色付けを止める」という指令を出すことで、色がついていくことが止まります。
早めに表皮が作られる頭や背中、しっぽなどは色がつきやすく、遅めに作られるお腹や足先は白くなりやすいです。このため、背中側が白くてお腹側に色がついた猫がいないのです。この法則は、白い部分を持つ猫に共通です。
この基本的な法則はありますが、それ以外の色のつき方はランダムで、個体によってさまざまな模様になります。
◆白い部分を持つのはペットならでは
部分的に白色が表れるのは、人に飼育される動物ならではの特徴とされます。これを「家畜化の表現型」と言います。
分かりやすい例としては、牛の毛色があります。原種の牛には白い部分がなく、ホルスタイン種は白黒のまだら模様です。
ロシアで数十年前から行われている実験では、人懐こいキツネ同士を掛け合わせていくと、人懐こい親から生まれた子はさらに人懐こくなり、数世代後には人にじゃれつき、しっぽを振るようになったそうです。
この人懐こさと同時に、外見にも変化が表れたと言います。人懐こい個体には白い部分が表れ、世代を重ねると、白い部分がだんだん大きくなっていきました。他にも、顔の骨格が丸くなったり、しっぽがくるんと巻いたり、垂れ耳になったりと、犬にも多く見られる特徴が表れたそうです。
部分的に白い被毛があるのは家畜化の印と言うことができ、白い部分が多いほど人懐こいという関連性があると考えられます。
◆白猫の警戒心が強いのは何故?
白い部分が多いほど人懐こくなるとお伝えしましたが、一般に白猫は警戒心が強いと言われています。
これには、やはり遺伝子が関与していると考えられます。全身を白くする遺伝子は「W遺伝子」であり、ぶち猫に関わるS遺伝子とは異なるのです。
人懐こさに関係しているのは、S遺伝子なのかもしれません。
ぶち猫の模様の種類
さて、ぶち猫の色のパターンはランダムなため、それぞれの猫が個性的な模様を持っていますが、模様の種類は大きく3つに分けることができ、それぞれにユニークな呼び方がついています。
◆タキシード
タキシード(燕尾服)を着ているように見える、黒×白のぶち猫に特有の模様です。ぶち猫の中で黒い部分が一番多く、顔の部分もほぼ黒で、白い部分は手足の先とお腹だけという子が多いです。
顔がほぼ黒いため、一見、黒猫のように見えることもありますが、顎から首にかけて白い毛が続いていることが多いです。
足の先が白い子は「靴下猫」とも呼ばれ、手(前足)の先が白い子は「手袋をしている」と言われたりもします。英語では、「Mitted」(ミテッド;手袋をつけた)と言います。
◆ハチワレ
ハチワレとは、鼻筋を境に「八の字」のように黒い部分が分かれている模様のことです。最初は、頭の周囲を表す「鉢」から「鉢割れ」と呼ばれるようになったのですが、後に縁起の良い「八」の字が当てられるようになったと言われています。
英語では、黒い部分が顔にかかるものを「Mask」(マスク)、かからないものを「Cap」(キャップ)と呼びます。
本来、ハチワレは黒×白の場合を指しますが、最近はグレー×白、茶色×白などについても言うことがあります。
ハチワレは顔の部分の模様を指すため、体の部分の模様は個体によって異なり、黒の部分が多い子、白い部分が多い子など、さまざまです。
◆牛柄
牛柄は、その名の通り、牛のように黒いまだら模様(ブチ)が入っている猫のことで、白い部分が比較的多いです。英語でも、「cowcat」(カウキャット)と呼ばれることがあります。
牛柄は、特に個々の猫で模様がいろいろで、まだら模様がハート型になっていたり、動物の形に見えたりと、非常にユニークです。
顔の部分は、ハチワレの場合もありますが、そうではない場合もあります。
ぶち猫の性格
ぶち猫は黒×白の猫を主に指していますが、黒の部分が多いと「黒白猫」、白の部分が多いと「白黒猫」と呼ばれることもあります。
猫の性格は毛柄によって異なる傾向があるとされ、ぶち猫の場合は、黒と白の割合によって違いがあると言われています。
◆黒の部分が多いぶち猫の性格
黒の部分の多いぶち猫(黒白猫)は、黒猫の性格が強く表れていると言われます。
黒白の子は、明るく、マイペースで、甘えん坊です。一見クールに見えるため、性格とのギャップが魅力ともいえます。
人懐っこくて遊ぶことが大好きな黒白猫は、慣れてくると、名前を呼んだら寄ってくるようになるとも言われています。フレンドリーなので、飼いやすい猫です。
また、甘えん坊なので、喉をゴロゴロ鳴らしながら甘えてくることも多いです。甘えてきたときには、いっぱい甘えさせてあげると、きっと喜びますよ。
猫は総じてマイペースですが、黒白猫も、やはりマイペースな面があり、普段は明るく人懐っこくても、気分が乗らないと全く遊ばなかったり、呼ばれても来なかったりします。
◆白の部分が多いぶち猫の性格
白の部分の多いぶち猫(白黒猫)は、白猫の性格が強く表れていると言われています。
白黒猫は、総じて冷静で、気が強いです。黒い部分が多いぶち猫とは、対照的ですね。
基本的におとなしく、冷静に周りの様子をじっと見ているようなところがあり、頭がよいという印象も受けます。
しかし、突然、気の強い一面を見せることもあります。また、白猫の性質を受け継いでいることから、優雅で繊細、神経質で臆病とも言われます。
一方で、前述のように、白い部分が多くなればなるほど人懐こいとも言われており、白黒猫では、どちらの性格が強く出るかは、個体によるのかもしれません。
ぶち猫の飼い方
ここでは、ぶち猫の飼い方についてご紹介します。
ぶち猫であっても、飼うときの注意点は、他の毛柄の猫と基本的に違いはありません。病気やストレスに気を配り、快適な生活環境を用意してあげましょう。
ただし、白い部分の多いぶち猫は警戒心の強い傾向があるため、特に落ち着いた環境を整えてあげた方がよいでしょう。また、人の出入りが激しい家庭には、向いていないかもしれません。警戒心が強い分、慣れるまでに時間がかかることもあるので、根気よく接してあげてください。
ぶち猫の迎え方
純血種にもぶち猫がいないわけではありませんが、多くは雑種です。
雑種の猫を迎える場合、保護団体から譲り受けたり、里親募集サイトや譲渡会で探したり、保健所の収容猫の譲渡を受けたりと様々な方法があります。自分で、野良猫を保護するケースもあるでしょう。
ぶち猫は、個体によって模様が異なり、それぞれが個性的です。好みに合った模様の猫を見つける楽しみがあるとも言えます。
黒と白の割合によって性格が違う傾向もあると言われるので、実際に会ってみて、相性が合うかも確かめてみてくださいね。
まとめ
ぶち猫とは、地色と異なる色があちこちに入っている、まだら模様の猫のことです。主に、黒×白の猫を指しますが、茶色×白、グレー×白の子も、ぶち猫と言われる場合があります。
ぶち猫の模様には、燕尾服を着たようなタキシード、鼻筋を境に黒い部分が「八の字」のように分かれているハチワレ、牛のように白地に黒いまだら模様が入っている牛柄があります。
ぶち猫になるのは、部分的に色を白くするS遺伝子によります。
白い被毛を持つのは、人間に飼われる動物ならではのもので、白い部分の多い個体ほど人懐っこいと言われます。
しかし、ぶち猫の場合、黒が多い子の方が甘えん坊で明るく、フレンドリー、白が多い子の方が冷静で警戒心が強い傾向にあるようです。これは、それぞれ、黒猫、白猫の性格を受け継いでいるからだと考えられています。
ぶち猫であっても、飼い方は基本的に他の毛柄の猫と同じですが、警戒心が強い面があるため、慣れるまでは気長に接してあげてくださいね。
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