1.猫は麦茶は好き?
2.麦茶はどんなお茶?
3.猫に麦茶を与えても良い?
3-1.麦茶の栄養成分と効果
3-2.アレルギー
4.猫に麦茶を与える方法
5.猫に麦茶を与える時の注意点
5-1.飲み水の代用品として与えない
5-2.添加物が入っている麦茶は与えない
5-3.麦茶パックを与えない
6.麦茶以外で飲ませてはいけないお茶
7.まとめ
猫は麦茶は好き?
自宅でコップに麦茶を注ぎ、テーブルなどに置いたまま席を外し、戻ってくると愛猫がコップの中に顔を突っ込んで飲もうとしている…!
そんな姿を目撃したことのある飼い主さんは、意外とたくさんいらっしゃるのかもしれません。
それぐらい猫は麦茶に興味を示しやすい動物としても知られていますので、飼い主さんの中には少し与えたことがあるという方も、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
別のお茶には興味を示さないのに、麦茶にだけ反応するといった場合、猫が麦茶のどんな成分に反応しているのかが、知りたくなってしまいますよね。
実は猫が麦茶のどの成分に反応しているのか、詳しくは分かっていないそうなのですが、一説には麦茶がイネ科の植物であることから、猫が好んで飲みたがると言われているようです。
猫が好きな「猫草」もイネ科の植物なので、猫草を好んで食べている子であれば、そのわずかな香りを嗅ぎつけて、これは安全だと本能的に見抜いているのかもしれません。
また、鼻が利く猫は新しく開いたばかりのキャットフードやおやつなど、酸化していない食べ物のニオイを嗅ぎ分けることも得意です。
そのようなことからも、常に芳ばしい香りを放つ麦茶は、新鮮で安全な飲み物だと確信を得ているのではないでしょうか。
麦茶はどんなお茶?
最近では1年中コンビニのペットボトルコーナーや、自販機などでも麦茶の購入が可能なので、汗をかいてミネラルが不足していると感じたら、迷わず麦茶を選ばれる方も多いことでしょう。
日本において麦茶は、冷蔵庫でしっかりと冷やして夏の暑い日に飲むのが風物詩となっていますが、その理由として原材料となる大麦の収穫期が初夏であることが挙げられます。
麦茶の歴史は平安時代頃から貴族に飲用されていたと言われており、一般的には香ばしくて風味が豊かな「六条大麦」が使用され、ほんのり甘くてまろやかな「はだか麦」や、スッキリとして濁りのない「二条大麦」などが使用されることもあるようです。
原料の大麦を殻付きのまま焙煎するので、麦茶独特の香ばしさが生まれ、熱湯で煮出すよりも、じっくりと時間をかけて水出ししたほうが、雑味の少ないスッキリとした味わいになると言われています。
「チャの木」の葉っぱや芽を加工乾燥していない麦茶ですが、原材料が大麦なのに「茶」と呼ばれていることを不思議に感じたことはありませんか?
お茶は古くから飲み物の代表として考えられていたこともあり「茶」という名前を流用しているので、広義的な意味を持つようです。
猫に麦茶を与えても良い?
麦茶のことを知っていくと、猫に与えても問題がないような気もしますが、麦茶の栄養成分や効果への理解を深めた上で、安心して愛猫に与えたいといった方も多いことでしょう。
麦茶を飲むことによって、どんなことが期待できるのでしょうか?
◆麦茶の栄養成分と効果
麦茶にはミネラルが豊富に含まれているイメージが先行していますが、添加物を入れていない純粋な麦茶の場合、ミネラル成分(マグネシウムやカルシウムなど)は微量に含まれている程度です。
臓器や細胞の活動をサポートする効果や、歯や骨の育成に重要な働きをしてくれますが、猫がミネラル成分を過剰に摂取してしまうと、尿路結石といった病気が懸念されることでしょう。
一般的に体重4kg程度の成猫であれば、個体差はありますが、1日に摂取可能なマグネシウム量は70~100g程度、カルシウム量は1~2g程度と言われています。
市販されている麦茶の成分表示には、商品により多少の差はあるものの、100ml中マグネシウム量が0.5mg程度、カルシウム量が0.32mg程度と、ほぼ猫の体に影響をもたらさないことがうかがえますよね。
そもそも猫は飲水量も少ないので、一度に100ml以上の飲み物を摂取することはなく、麦茶のミネラルに関しての心配は不要と言えるのではないでしょうか。
ほかにも胃の粘膜を保護し、生活習慣病である糖尿病の合併症を防ぐ効果や、炎症などを抑える効果が期待できるそうです。
麦茶の中に抗酸化作用が含まれていることが発見されたこともあり、かつて成人病と言われた、ガンや脳卒中などの予防効果も期待できると言われています。
◆アレルギー
麦茶はカフェインが含まれていないお茶となるので、猫がカフェイン中毒を起こすようなことはありませんが、猫ちゃんの中にはカフェインが含まれていない麦茶であっても、アレルギー反応を起こしてしまう場合があるようです。
麦茶を飲んでから下痢や嘔吐、皮膚を痒がることや目が充血しているなどの症状が見られれば、動物病院を受診し、どれぐらい麦茶を飲んだかを明確に伝えるようにしましょう。
猫に麦茶を与える方法
もし愛猫が麦茶を欲しがるようであれば、少量でしたら飲ませてあげても問題はありません。
しかし、アレルギーなどの懸念もありますので、与える際には必ず、水で薄めてから猫用の容器に入れて与えてあげてください。
猫ちゃんが普段から問題なく水を飲んでいるのであれば、積極的に麦茶を与える必要はないので、麦茶しか飲まないといった状況を作ることだけは止めておきましょう。
猫に麦茶を与える時の注意点
猫に麦茶を与える際には、水で薄めつつ少量を与えることが望ましいですが、ほかにも気をつけておくべき注意点などは存在するのでしょうか?
◆飲み水の代用品として与えない
普段お水を猫があまり飲まないからといって、飲水を麦茶で置き換えることはおすすめできません。
いくら体に影響が出ないぐらいのミネラル量だったとしても、日常的に摂取するようになってしまえば、話が変わってきてしまいますよね。
体外に排出されなかったミネラル分は、どんどん体に蓄積されていってしまうので、毎日与えるようなことはせず、熱中症対策などで水分の摂取が必要な場合にのみ、少量を飲ませてあげるようにしましょう。
◆添加物が入っている麦茶は与えない
市販で売られているペットボトルの麦茶の中には、ミネラル成分を多めに添加し、熱中症対策などを謳う商品などが多く販売されています。
私たちには有難い効果となりますが、猫にとっては過剰摂取に繋がってしまうので、猫に麦茶を与える際には、必ず無添加のものを選ぶようにしましょう。
◆麦茶パックを与えない
家庭で煮出したり水出ししたりする麦茶は、小分けされたパックに大麦が入っているのでとても便利ですが、麦茶の香りに反応する子であれば、パックを破って口にしてしまう子が居るかもしれません。
麦茶パックをかじって飲み込んだ場合に、消化されずにうまく体外に排出ができなければ、胃や腸に残って腸閉塞を起こすことや、手術で取り出す必要性が出てくることも否めませんよね。
猫ちゃんの手の届かないところに保管することはもちろんですが、万が一麦茶パックを飲み込んでしまった場合は、無理に取り出そうとせず、すぐに動物病院へ連れていくようにしましょう。
麦茶以外で飲ませてはいけないお茶
麦茶はカフェインが含まれていないので、少量であれば猫に与えても危険が及ぶことはありませんが、カフェインが含まれているそのほかのお茶は、猫に与えることを避けてください。
カフェインは猫の中枢神経を刺激して、強い興奮作用を起こしてしまうので、カフェイン中毒となり体調を崩してしまいます。
緑茶や紅茶、ほうじ茶や烏龍茶などの、普段私たちが口にしているようなお茶は、猫に危険が及ぶ可能性が高いので、絶対に与えないようにしてください。
とくに茶葉をそのまま使用する、緑茶の一種となる玉露は、カフェインの含有量も緑茶に比べるとはるかに多くなるので、玉露を粉末にして使用したお菓子なども、猫に食べられないように注意しておくようにしましょう。
まとめ
夏の水分補給には欠かせない麦茶ですが、少量であれば猫が飲んでも問題がないので、飲水量の少ない猫にとっては、利便性の高い飲み物であると言えますよね。
麦茶にはミネラル成分がたくさん含有されているイメージが強いですが、添加物としてミネラル成分を追加していない麦茶であれば、猫に影響が出る可能性は低いので安心です。
しかし猫ちゃんの中には麦茶ばかりを欲しがる子や、麦茶に対してアレルギーを持っている子などが少なからず居るはずですので、愛猫に与える際には細心の注意を払って与えるようにしてください。
そして私たちが日常的に飲むお茶の中には、危険なお茶がたくさんありますので、それらのお茶類に猫が興味を示さないような、対策も欠かさないようにしましょう。
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