猫が猫舌なのか知りたい!熱いものが得意なのは人間だけって本当?

2021.04.17

猫が猫舌なのか知りたい!熱いものが得意なのは人間だけって本当?

熱い食べ物や飲み物を苦手とする人のことを、一般的に「猫舌(ねこじた)」と呼びますが、猫という文字が入っているので、どんな由来でそのように呼ばれるようになったのか、気になったことはありませんか? また、猫自身が猫舌なのかどうなのかも、疑問に感じている方も多いことでしょう。 果たして猫は、猫舌なのでしょうか? 今回はそんな猫の舌についての疑問を、徹底解明していきましょう!

「猫舌」っていうけれど…猫も猫舌?

お茶のニオイを嗅ぐ猫

「猫舌」という言葉には「猫」という文字が使われていることからも、猫自身も猫舌なのだと認識している方も多いことかと思います。

一般的に猫舌という言葉は、人に対して使われることが多いので、猫といった動物の名前が使われていることに、違和感を覚えている方も多いことでしょう。

そもそも猫舌という言葉は、どのようにして生まれたのでしょうか?

◆猫舌とは

「猫舌」とは一般的に、熱い食べ物や飲み物を苦手とする人や、その状態を指します。

人間の舌は舌先ほど敏感で熱さを感じやすく、奥にいくほど熱さを感じにくい構造をしています。

そのため熱々の鍋物やラーメンなどの食事をするときは火傷(やけど)をしやすく、自分が猫舌だと感じている方は、ある程度冷ましてから口に入れる方も多いことでしょう。

高温の食べ物や飲み物を口に入れると、まずは舌先が温度を感知しますので、一度でもそのような経験をして、熱いと感じたことや火傷をした経験がある方であれば、苦手意識を持ってしまうのも当然ですよね。

その上私たち人間は、普段から調理の際に火を使いますので、熱々の料理をよく口にします。

こうしたことからも私たち人間の舌は、温度の高い食べ物や飲み物にも適応し、熱いものを食べられる舌へと進化していきました。

もちろん舌先での温度の感じ方は個人差がありますが、地球上で唯一高温の食べ物や飲み物を口にできる生物と言えるのではないでしょうか。

◆猫も猫舌なの?

私たち人間は進化の中で熱さに強い舌を手に入れましたが、実は地球上に存在する生物のほとんどは猫舌となります。

そしてこの言葉の元となった猫も例外でなく、猫舌であると言えるでしょう。

猫舌の語源については詳しいことはハッキリとしていませんが、おそらく江戸時代頃には使用されていたと考えられています。

この頃には人間の傍で暮らし、身近な動物として親しまれていた猫の、食事をする様子を見て猫舌といった言葉が定着したのかもしれません。

それもそのはず、猫は鼻が良く利くので温度を鼻で感知し、高温のものを口にしないことからも、当時の猫に対しての知識の無い人々は、きっと不思議に感じたことでしょう。

とくに温度を気にせず猫に食事を与えたところ、お腹が空いているはずなのにまったく口にしなかったとしたら、その行動自体に名前を付けたくなる気持ちも分かりますよね。

ありとあらゆる生物の体温は40度前後となりますので、獲物を捕食して生きてきた猫にとって、その温度を超える食べ物は必然的に熱いと感じるのかもしれません。


猫の舌の構造

毛づくろいする猫

猫が猫舌であることが分かってみると、猫の舌がどんな構造になっているのかも気になってきませんか?

猫に舐められると少しチクッとして痛みを感じるように、何か秘密が隠されているのかもしれません。

果たして猫の舌は、どんな構造になっているのでしょうか?

◆ザラザラしている理由は?

猫に舐められると少し痛みを感じるように、猫の舌は表面がザラザラとしています。

このザラザラの正体はびっしりと生えた突起となり、正式名を「糸状乳頭(しじょうにゅうとう)」と呼んでいます。

産まれたばかりの子猫には存在せず、離乳期に突入した子供(成長期)に突入したころから、徐々に糸状乳頭が現れてきます。

糸状乳頭は舌の中央部につれて長く、先端や奥にいくにつれて短くなっており、人間を含んだほとんどの哺乳動物が保有しているそうです。

動物によって食べ物や生活習慣が関係し、数や形が異なるようなので、猫の舌にこのザラザラが多く存在するのは、以下のような理由が挙げられます。

・ブラシの役割
・肉を削ぎ落とす役割
・体温調節をする役割

やはり一番の理由は、猫の日課であるグルーミング時に、ザラザラとした突起がブラシとして役立つことではないでしょうか。

糸状乳頭のひとつひとつに被毛が絡みつきますので、全身を毛で覆われている猫にとって重要度が高いことが分かります。

そして糸状乳頭は先端につれて細くなっているので、骨付きの肉などを食べるときにも役立ちます。

今のようにキャットフードが食事として定着していない頃は、猫も自分で獲物を仕留めて飢えを凌いでいました。

小動物を捕まえて捕食した場合には、骨からより多くの肉を削ぎ落とす必要がありますので、このザラザラとした突起がスプーンの役割を果たし、少しでも多くの肉を舐めとれる仕組みとなっています。

また、糸状乳頭は真ん中が空洞のようになっており、ストローのような役割も担っていることから、舌の使い方にも特徴があることが分かります。

舌先を水に付けた際に、表面張力により水を引き上げ、水柱を作ってより多くの水を口に運んでいると考えられているようです。

飲水量の少ない猫にとって、このような機能も進化の中で定着してきたと考えると、感慨深いものがありますよね。

ほかにも糸状乳頭に空洞があるということは、舌に唾液を多く含ませられますので、夏場の暑いときなどは、グルーミングを頻繁に行うことにより、体温調節をしていることも分かっています。

猫は猫なりにさまざまな方法を駆使して、自分が生活しやすいスタイルが元から身に付いていますので、自由気ままなイメージも定着しているのかもしれませんよね。

◆猫は味を感じている?

猫が生活するにあたって、舌の役割はとても重要なことが分かりました。

そして個体差はありますがフードへの嗜好性が高いことからも、もしかしたら人間以上にグルメなのかも気になるところですよね。

味覚を感じるためには舌にある「味蕾(みらい)」と呼ばれる細胞が関係しており、人間にこの味蕾の数が1万個以上あるのに対して、犬は2000個程度、猫は500個程度と言われています。

猫がもっとも強く感じる味覚は、苦味であるとも言われており、そのほかには酸味や塩味を感じる程度で、ほとんど甘味は感じられないのだとか。

ですがおいしそうにご飯を食べている姿を見ると、人間よりも味覚が劣っていること自体、間違いであるような気にさせられてしまいますよね。

味覚が発達していない分、猫は鼻が利きますので、基本的にはニオイで好みを嗅ぎ分けているのかもしれません。


猫にあたためたものを与える時には

ご家庭で料理をしているときなどに、もし愛猫ができたての食事に興味を示したらどうでしょうか。

とくに手作りのフードを与えている場合は、熱を加えて調理をしているのであれば、粗熱をとってから与える必要がありますよね。

すぐにでも食べたいといって聞かない子には、飼い主さんはどのような対策をすべきなのでしょうか。

◆熱くしすぎない

猫は鼻が利いて嗅覚が優れているといっても、子猫や老猫などは当然注意が必要となりますよね。

もちろん健康な成猫であっても、何かの拍子に熱いものを口に運んでしまえば、口の中を火傷してその後の食生活に差し支えてしまうことでしょう。

とくに寒い季節には、冷たいウェットフードやお水を飲むのが億劫になりますので、飼い主さん的にも温めてあげたいといった気持ちが増すのではないでしょうか。

かといって熱々に温める必要はなく、あくまで人肌程度の状態に温めるだけで問題ありませんので、猫に与えるものは熱くし過ぎないことを心掛けておきましょう。

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◆猫が食べてはいけないものを与えない

できたての料理というのは香りが立ちますので、猫の嗅覚を刺激しやすく、そのニオイに反応して人間の食べ物を欲しがる子はたくさん居ます。

嗜好性の高い傾向の猫ちゃんであれば、人間の食べ物にも敏感に反応する子は多いですよね。

少量なら平気と思って一度でも与えてしまえば、それが癖になって毎回欲しがるようになってしまうので、どんなに欲しがったとしても人間が食べるものを与えるべきではありません。

それが原因で体質が変化し、病気などを引き起こすことがありますので、猫が猫らしく居られるためにも、猫が食べるべきではないものは与えないようにしましょう。

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まとめ

猫舌という言葉は、常に私たち人間の傍で猫が生活してきたからこそ生まれた言葉であり、この言葉が日本で一般的に使用されていることも感慨深いものがありますよね。

それぐらい猫は私たちにとって身近な動物であり、今後も共存していく愛すべき存在であることが再認識できたのではないでしょうか。

そして何よりも猫の舌は機能性が高く、知れば知るほど猫って不思議だな、と感じさせてくれますよね。

猫自体も熱い食べ物や飲み物は苦手なので、猫が口にするものは40度以下を基準として、温度に気をつけながら与えるようにしてください。

また、猫舌は病気ではないので克服する必要もありませんし、熱いものが苦手な方は、自分の舌に合った温度で食事などをした方が幸福度は上がることでしょう。

上手に猫舌と付き合いながら、毎日の食生活を楽しんでみてくださいね。



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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。


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