猫にしつけはできる?信頼関係を崩さずルールを覚えて貰う方法とは?

2022.02.19

猫にしつけはできる?信頼関係を崩さずルールを覚えて貰う方法とは?

猫は自由気ままなイメージが定着していることもあり、自分の意思をしっかり持って行動する動物と言われていますが、そのような猫にしつけをするのは難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。 しつけをしたとしても犬のように、「待て」や「おすわり」をしてくれるとは思えませんし、それこそ飼い主さんの言いつけを素直に聞くようになってしまえば、猫らしさを失ってしまうような気がしますよね。 果たしてしつけといった行為は、猫にとって本当に必要なのでしょうか? そして、しつけをする場合には、どんなことに気をつけるべきかなどを考えてみました。

猫にしつけはできる?

椅子の上にいる白黒猫

猫と一緒に共同生活をする場合には、ある程度の飼い主(人間)ルールに従ってもらうようにし、気持ちに余裕のある暮らしを心掛けたいものですよね。

お互いがお互いに干渉しすぎるのも良くはないですが、言葉が通じない者同士だからこそ必要最低限のしつけをし、いたずらや問題行動を起こさないようにしてもらう必要があると言えるでしょう。

猫と同じくペットとして人間と共に暮らす犬の場合、やってはいけないことをしたときに「NO」や「ダメ」と繰り返すことによって、様々なことを覚えていき、飼い主に怒られないような行動を心掛けていくと言われています。

犬は群れを作って生活するといった習性を持っているので、その中で社会的役割を担うことにより、自分の立場を認識できる能力を持った動物とも言えますよね。

犬同士間だけでなくほかの動物とも主従関係を築けますので、犬のしつけはそこまで難しいと言われることはありませんが、猫の場合はどうでしょうか。

猫は単独行動を好み我が道をいく動物ではありますが、人間と一緒に暮らす以上ある程度のしつけは必要となりますよね。

猫にも犬のようにしつけをすることは、可能なものなのでしょうか?

◆猫にもしつけは可能

自由気ままなイメージの強い猫ですが、身の危険を感じない環境であれば警戒心を解き、種の違う動物(人間)に対しても従順に馴れていくといった習性を持っていますので、ある程度のしつけは可能と言えるでしょう。

ここで飼い主さんがしっかりと認識しておく必要があるのは、強制的にしつけをして行動の制限をさせるのではなく、人間社会や生活環境に適応してもらうために、飼い主さんが猫に要求(お願い)をしなくてはいけません。

猫からしてみればしつけは基本的に必要のないことを強制されることになりますので、気に入らなければ応じないというのが猫側のスタンスとなります。

そのためしつけをする際には猫の本能や習性をうまく利用し、叱らなくても良いような環境づくりをしながら、様々なことを覚えていってもらうことが大切です。

◆しつけはいつ頃から?

猫のしつけは子猫といった、幼少期からはじめるのが理想とされています。

子猫は生後2ヶ月ほどになれば性格が確立するので、徐々に母猫から離れて別行動をするようになりますし、好奇心のもと様々な物事に興味を抱くので、この時期から自然なしつけができればベストなタイミングと言えるでしょう。

迎え入れたタイミングに母猫が居なかったり、成猫だったりした場合でも、生活する環境が変わること事態が転機となるので、根気よくルールを覚えてもらうように接していけば、自然とその環境でのルールを覚えてくれる子は多いようです。


猫にしつけが必要な所は?

トイレに入ろうとする猫

基本的に猫へのしつけが必要なのは、共同生活をする中で猫だけが使用する物や場所に対してを中心に行っていけば良いので、そこまで難しいものではありません。

一緒に生活する中で飼い主さんが意識してしつけるべきなのは、以下の3つと言えるでしょう。

◆トイレのしつけ

排泄をする場所は人間と猫とでは異なるので、猫用のトイレを用意したのであれば、その場所が排泄する場所ということをまずは教えてあげなくてはいけませんよね。

猫はもともとキレイ好きな動物でもあるので、トイレのしつけは容易とされていますが、設置場所や猫砂選びを間違わなければ、何も教えなくてもすんなりと使用してくれるはずです。

別の場所で粗相をしてしまう場合には、トイレを覚えていないというよりも別の原因が関係していることがほとんどなので、問題の解決を最優先し、そのあとにトイレのしつけを再開するようにしましょう。

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◆爪とぎのしつけ

隔離された部屋の中でストレスを溜めないためにも、爪とぎは猫にとって必須アイテムとなりますよね。

狩猟本能を持ち合わせている猫は、完全室内飼いであっても爪のお手入れは欠かさないですし、何か不満があった場合には転位行動として爪を研ぐことがあるからです。

爪とぎのしつけをしなければ、家の壁紙や柱、ソファやカーテンなどの家具で爪を研ぐようになってしまうので、トイレと同様に心掛けるべきしつけと言えるでしょう。

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◆噛み癖のしつけ

猫の歯は獲物を噛みちぎって飲み込めるように、とても鋭利な形状をしています。

そのためこの歯で噛まれたりすればとても痛いですし、噛み癖のある猫ちゃんであれば、早めにしつけをして噛み癖を直してあげる必要がありますよね。

とくに乳歯が永久歯に生え変わる時期の子猫は、歯がむず痒くて何でも噛んでしまうことも多いのですが、母猫や兄弟猫と一緒に暮らしているのであれば、じゃれたり遊んだりする過程の中で噛み加減を学習することがほとんどです。

そのような経験ができない子の場合は、成猫になっても噛み癖が残っていることがあるので、迎え入れた際に噛み癖があると感じるようであれば、しっかりと噛み癖に対してのしつけを行ってあげてください。


猫のしつけ方法

猫のしつけは飼い主さんがしてほしいことを教えるのではなく、飼い主さんがしてほしくないことを教える機会であることを、飼い主さんが改めてしっかりと認識してから始めるに越したことはありません。

なぜなら猫は都合よく物事を捉えることがあり、学習能力も高いので、場合によってはしつけを行うことで問題行動が増えてしまうことがあるからです。

猫にしつけを行う際にはどんなことに注意をして、やってはいけないことを覚えてもらえば良いのでしょうか?

◆ごほうびを使って褒める

猫は犬ほど社会性が強いわけではないので、言葉で褒められてもあまり嬉しいとは感じません。

現実主義でもある猫に対しての対価は、やはりおやつのような嗜好性の高い食べ物が一番です。

上手にトイレが使えた、上手に爪とぎができたときなどは、言葉でも褒めながらごほうびを与え、「これをすれば美味しい食べ物がもらえる」ということを覚えてもらうようにしましょう。

ごほうびによるしつけは必ず、良い行動をしたときだけに絞り、時間を空けないことがコツですので、その関連性を学習してもらえるかがポイントです。

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◆大きな音を出す

飼い主さんがしてほしくないことを愛猫がした場合には、大きな音を出して行動を止めるのと同時に、「この行動をしたらあの大きな音が鳴る!」ということを学習してもらいます。

とくに噛み癖がある子には、噛まれたタイミングで大きな音を出して行動をストップさせ、その後も噛んでくるようであれば興奮が冷めるまで、おもちゃなどを与えてひとり遊びをさせましょう。

「噛むと大きな音が出る」「噛んだあとは一緒に遊んでもらえない」といったことを学び、次第に問題行動を起こさないようになってくれるはずです。

◆原因を取り除く

飼い主にとっては問題行動と思っても、猫は間違ったことをしているといった認識もなく、本能のまま行動しているので、しつけをしているつもりでも猫には何も響かないことが多々あります。

そして何度も問題行動を繰り返す場合には、飼い主さんのしつけ方法が間違っているというよりは、根本的に別の原因があって問題行動を起こしている可能性が高いです。

トイレをなかなか上手に使えない子の場合は、トイレ本体は狭くないのか設置場所は落ち着く場所なのかなどの再確認が必要ですし、こまめな掃除ができていないのであれば、それはしつけ以前の問題と言えるでしょう。

ほかにも爪とぎを使えない子であれば、素材に問題がないのか、爪とぎとして機能しているのか(劣化していないか)、数は足りているのかなどの見直しも大切です。


猫のしつけの注意点

注意

猫へのしつけは本能や習性を尊重しながら進めていく必要がありますが、前述した通りしつけが裏目に出てしまい、問題行動を助長させる可能性も否めません。

しつけをする際には以下のことにも注意して、しつけが猫のストレスになってしまわないような配慮をしながら、問題行動を減らす工夫をするようにしましょう。

◆体罰をしない

しつけの際に絶対やってはいけないのが、手をあげるといった体罰となります。

飼い主さんにとって問題行動と思っても、猫は本能のまま行動しているだけなので、意味もなく攻撃されたと認識してしまうからです。

そうなってしまうと猫は飼い主のことを危険人物と判断し、避けるようになってしまうので、一緒に暮らしていてもお互いに楽しいと思えなくなってしまいますよね。

体罰により攻撃的な性格になってしまうことや、何に対しても臆病になってしまうこともあるので、絶対に手は上げないようにしてあげてください。

◆時間差で叱らない

猫のしつけは時間を空けずに関連性を学習してもらうことが大切なので、原則的に問題行動を起こしたあとすぐに叱らなければ意味がありません。

時間が経過したところで叱ったとしても、猫は何に対して怒られているのか理解できませんので、飼い主さんへの不信感を募らせていくだけとなります。

そして叱ったあとに愛猫を不憫に思い、ごほうびなどを与えて機嫌を取ろうとすることも厳禁です。

猫は「○○をしたら○○してもらえた」ということをしっかりと覚えているので、飼い主にとって問題行動であっても、猫はこの行動をすれば飼い主に良くしてもらえると解釈することがあるので注意が必要です。

◆名前を呼んで叱らない

愛猫の名前を呼びながら叱ることもNGとなります。

名前というものはコミュニケーションを図るときに必要となり、その音(名前)を聞くことによって、幸福感で満たされるといった気持ちになってもらえるのがが重要となりますよね。

叱る場面で愛猫の名前も呼んでしまえば、その音に悪イメージが定着してしまい、名前を呼ばれても反応しなくなることがあるので、名前はあくまで愛猫との絆を深めるためのツールとして利用するようにしましょう。


まとめ

猫と一緒に暮らす方のほとんどは、自由気ままな性格に魅了され、家族として迎え入れている方がほとんどだとは思いますが、共同生活をする以上はある程度のルール作りは必要と言えますよね。

猫の本能や習性を考慮した中でしつけを行うのであれば、飼い主にとって問題と思うような行動を猫がしないような環境づくりが何よりも大切になってきます。

その中で覚えてもらいたいことだけをしつければ、良い距離感で生活ができるのではないでしょうか。

大切なのはお互いがストレスを溜めないことですので、愛猫としっかりと向き合うようにし、時間をかけてルールを覚えていってもらうようにしましょう。



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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。


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