1.猫が綺麗好きといわれるのはなぜ?
1-1.よく毛づくろいをするから
1-2.汚れているトイレは使わないから
2.猫が毛づくろいをする理由とは
2-1.自分の臭いを消す為
2-2.自分以外の臭いを消そうとする為
2-3.身体を綺麗に保っておく為
2-4.落ち着く為
2-5.体温調節の為
3.綺麗好きな猫に快適な環境を
3-1.トイレの掃除はこまめに行う
3-2.家の掃除も行う
3-3.ブラッシングをしてあげる
猫が綺麗好きといわれるのはなぜ?
猫といえば綺麗好きというイメージが強いのではないのでしょうか。常に毛並みを整え、食後には顔を洗い、トイレの後には排泄物に砂をかけるといった行為を自然に行っている猫ですが、一体なぜここまで綺麗好きなのか、気になったことのある飼い主さんは多いはずです。
単純に猫は綺麗好きな動物ということを知っていたとしても、なぜ綺麗好きなのかを理解している方は案外少ないのかもしれませんね。
猫が綺麗好きと言われる所以には、以下のような理由があると考えられています。
◆よく毛づくろいをするから
やはり一番に挙げられる理由といえば、よく毛づくろい(グルーミング)をしていることが挙げられます。
1日の大半を眠って過ごす猫ではありますが、起きている間にはグルーミングに多くの時間を費やします。ごはんを食べたり、トイレをしたり、遊んだりくつろいだりもしますが、一番時間をかけているのはグルーミングと言えるでしょう。
毎日たくさんの時間を使って自分の身体を綺麗にしている様子を見ると、私たち人間からすれば多少神経質に感じることもありますが。その自然体な姿が「綺麗好きだな」と映るため、猫たちにとっては当たり前の毛づくろい=綺麗といった、イメージが定着していったのかもしれません。
なぜ猫がそんなにも一生懸命毛づくろいをしているのかという点については、様々な理由がありますので、後ほど詳しくご紹介します。
◆汚れているトイレを使わないから
猫は野生の本能から、自分のニオイを色々な場所に残さないように、一定の場所にトイレをするという習性があります。
現在のイエネコと呼ばれるペットの猫たちにもその本能があり、犬のように何度も教えなくてもトイレを同じところでしてくれることがほとんどです。
しかし、そんな猫たちも、汚れているトイレではなかなか排泄を行いません。
ニオイがすることが嫌なのか、自分の身体が汚れるのを避けているのか、実際に猫が考えていることは分かりませんが、現に排泄物が残っているトイレや、ニオイがついてしまっている猫砂の上では排泄することを拒むことが多いようです。
この『汚れているトイレを嫌う』ことが、猫は綺麗好きと言われるもう一つの理由であると言えます。
猫はトイレが使えないと判断をすると、別の場所で粗相したり排泄自体を我慢してしまうこともある為、猫と暮らしているほとんどのご家庭では、一日最低でも1回は掃除をし、清潔な状態を保っていることかと思います。
また、1日の中でこまめにトイレの掃除が出来ないという飼い主さんは、猫のトイレを販売しているメーカーなどから推奨されているように、1頭飼いでも猫のトイレは2つあるということも多いかもしれませんね。
猫がトイレを使わなくなるのには、そのトイレや猫砂が気に入らないということもありますので、気になる方は是非こちらの記事を読んでみて下さい。
その他トイレ関係では、トイレのあとに自分のうんちやおしっこに砂をかける行為をすることも綺麗好きと呼ばれる一つの理由かもしれません。
これは、猫が野生界で生き抜く中で生まれた本能で、自分がいたという証拠を外敵に隠すために、排泄物に砂をかけて、排泄物やそのニオイを隠そうとします。
猫のトイレに関する本能は、「自分のいた形跡を残さない」という部分が強いですが、もしかすると本当にニオイが気になると思っているかもしれませんし、詳しいところは猫にしかわかりません。
詳しい理由は考えずこの行為だけを見てみると、やはり綺麗好きという印象が強くなりますので、猫は綺麗好きな動物と言われるのかもしれませんね。
猫が毛づくろいをする理由とは
猫が綺麗好きな理由として一番に毛づくろいが挙げられましたが、なぜそんなにも猫が、毎日毛づくろいに時間を費やしているのかも気になるところですよね。
猫が常に毛づくろいをしているのは、以下のような理由があるからだと考えられています。
◆自分の臭いを消す為
猫は獲物を捕まえたり敵に襲われたりしないよう、グルーミングをして自分の臭いを消すといった習性を持っています。
臭腺が限られた場所にしかないことからも、猫の体臭はきつくないことで知られてはいますが、それでも獣であることに違いはないため、狩猟本能を備え持った猫は、入念に毛づくろいをして臭いを消すことを心掛けているのかもしれません。
もちろん現代を生きるイエネコは食事の心配も敵に襲われる心配もないため、野生時代の名残として毛づくろいを堪能しているのではないでしょうか。
◆自分以外の臭いを消そうとする為
一方猫は自分の臭いを嗅ぐと安心するといった習性を持ち合わせているため、完全に自分の臭いを消し去るのではなく、グルーミングをして自分以外の臭いを消そうとしているとも考えられています。
唾液によって体に付着した自分以外の臭いを取り除いていき、臭腺から出る臭いを利用して縄張りの主張をします。
臭腺は顔周りやしっぽの付け根付近、肉球などに存在するため、飼い主さんに顔をスリスリするのは、自分の臭いをつけて自分のものだと主張しているのです。
「ニオイ」によってたくさんの情報を得る猫らしさが、グルーミングからも感じ取れることが面白いですよね。
◆身体を綺麗に保っておく為
猫は毛づくろいをすることによってニオイを取るだけでなく、被毛に付着したさまざまな汚れを取り除いているとも言われています。
舌にある突起(糸状乳頭)がブラシの役割を果たし、汚れや抜け毛を絡めとってくれるのです。
唾液には殺菌力があるため、細菌や皮膚を炎症から守る働きもしてくれます。
そのほかにも、グルーミングで目やにを取り除いて視野を広くすることや、ヒゲに付いた食べカスなど、汚れを取って、敏感に反応できるような準備を整えているとも考えられているようです。
◆落ち着く為
グルーミングには身の回りの清潔を保つ以外にも、心の安定を保つ目的で行われることがあります。
猫の舌にある糸状乳頭はブラシのような構造をしているため、マッサージ効果が得られることからも、皮膚を刺激することによって癒されているといっても過言ではありません。
また、飼い主さんに怒られた場合や失敗したときなどにも、急に毛づくろいを始めることがあり、このような行動を「転位行動」と呼びます。
猫自身がいったん気持ちを落ち着かせるためにする行動となるため、相反する衝動が拮抗したのちにグルーミングを始めた場合は、気持ちが落ち着くまでそっとしておくようにしましょう。
◆体温調節の為
全身を被毛で覆われている猫は、体温調節が苦手な動物としても知られています。
とくに夏のような暑い季節には、唾液を被毛に付着させることにより、気化熱を発生させて体温を下げるといった効果が得られるようです。
このような利点があることを本能的に知っているあたり、猫はやはり賢い動物であることを思い知らされますよね。
綺麗好きな猫に快適な環境を
猫の習性をより強く理解したようであれば、愛猫が快適に過ごせるような生活環境を常に整えておきたいものです。
綺麗好きな猫が快適に過ごせる環境を作るには、どのようなことを意識すれば良いのでしょうか。
◆トイレの掃除はこまめに行う
綺麗好きな猫ちゃんのために、トイレは常に清潔を心掛けて、掃除を怠らないようにしましょう。
飼い主さん自身が仕事などで排泄後すぐの掃除が難しいようであれば、最低でも1日1回、可能であれば朝晩2回の掃除を行うようにしてください。
排泄は健康のバロメーターにもなるため、清潔が保てて健康チェックもできるようであれば一石二鳥です。
◆家の掃除も行う
猫ちゃんと一緒に暮らすご家庭では、室内の掃除も頻繁に行うようにし、猫が汚れないように意識しておくことも大切です。
とくに猫の抜け毛はホコリなどのゴミと絡まり合い、部屋の隅などに溜まっていく上に、ダニの繁殖を助長します。
そのようなゴミが猫の体に付着すれば、グルーミングで舐めとった後に体内へ入り込んでしまうため、愛猫の健康を守るためにもこまめな掃除を心掛けてください。
◆ブラッシングをしてあげる
グルーミングを日課とする猫ではありますが、抜け毛を大量に体内へと取り込んでしまえば、体内で毛と毛が絡まり合って毛玉が形成されていきます。
上手に体外へ排出させられれば良いですが、うまく排出できなければ「毛球症」といった病気も懸念されるため、猫自身のグルーミングだけでなく、飼い主さんによるブラッシングといった手助けがあると安心です。
とくに自分でグルーミングができない高齢の猫や、長毛種の猫ちゃんなどは、最低でも1日1回はブラッシングを行うようにして清潔を保ってあげましょう。
猫はお風呂に入れてあげるべきなのか
綺麗好きな猫のために、頻繁にお風呂に入れてあげるべきと考える飼い主さんがいらっしゃるかもしれませんが、被毛が濡れることを猫は嫌がり、ストレスを強く感じてしまうため、お風呂に入れることはほぼ必要ないと言えます。
皮膚病を患っている子や、分泌物が多い猫種、被毛の汚れやすい長毛種の猫ちゃん以外は、極論天寿を全うするまでお風呂に入れなかったとしても問題ありません。
お風呂に入れるか入れないかは、基本的に飼い主さんの感覚の問題となるため、何かしらの理由で汚れたときのみといった、必要最低限のシャンプーを心掛けておきましょう。
まとめ
猫が綺麗好きと言われる理由を考察してきましたが、いかがでしたでしょうか。
現在を生きる猫たちの祖先は、人間と共存せずに単独で生き抜いてきた野生のリビアヤマネコである通り、それらの猫たちが培ってきた知恵や種を守る意識が、本能的に名残という形で残っています。
そのため、完全室内飼いの猫ちゃんであっても、自分自身が過ごしやすいような環境を整え、快適に生活ができるように心掛ける子がほとんどです。
グルーミングをすることや、汚れているトイレを使用しないことも、猫自身が考える快適な環境づくりに大きく関係していることが考えられます。
お気に入りの寝床で眠る際にも、自分自身が汚れや抜け毛が付着したままであれば、寝床が汚れてしまいますし、汚れたトイレで我慢して排泄してしまえば、飼い主さんが掃除をしてくれないことも知っているのです。
快適を保つことは病気をしないことにも繋がりますし、自分自身をキレイに保つことこそが、長生きできることを本能的に理解しているのかもしれません。
猫ちゃんと一緒に暮らしている方は、この機会に改めて生活環境を見直し、さらに清潔で過ごしやすい環境を整えてみてはいかがでしょうか。
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