猫の「気まぐれ」な行動にはいろいろな意味がある?
猫の魅力の一つとして自由きままな天真爛漫な行動が挙げられますが、そんな猫の行動にもいろいろ意味があるのをご存知ですか?
特に、猫は飼い主に対してそっけない行動をしたり、表情が露骨に変化するわけではないのでわかりづらいですが、ちゃんと飼い主に対して愛情表現をしています。
愛情表現として代表的なものがボディランゲージになりますが、一見すると「それ、本当に愛情表現?」と思う行動もしばしば。
そこで今回は愛情表現を含めた猫も代表的な行動をご紹介します。
猫の愛情表現 親和行動
猫が飼い主や仲間に対して親愛の情を示す行動を「親和行動」といいます。
親和行動は猫に限らずいろいろな動物でその行動を見ることができます。
猫の親和行動の代表的な例として
互いにグルーミングする(アログルーミング)
互いに体をこすり付ける(アロラビング)
一緒に寝る
長い別離の後のあいさつ
肩を並べて走る
社会的な遊び(ベリーアップ、スタンドアップ、サイドステップなど)
以上が挙げられます。
これらの行動を猫同士で行っている場合、少なくともお互いの関係は悪くないと言えるでしょう。
肩を並べて走る、などは何気なくする行動ですが、実は親和行動の一つであったりします。
それではこの中で人に対しての親和行動はどれに当たるのでしょうか?
– アロラビングは人猫共通 –
人に対する代表的な親和行動としては「アロラビング」が挙げられます。
アロラビングとは猫同士が互いに頭や体をこすり合う行為ですが、飼い主の足に自分の顔や体をこすりつける行為をよく見かけます。
アロラビングは親しみを示す親和行動の一種とされていますので、猫が人間に対して体の一部をこすり付けてきたときは、ある程度親しみを抱いてくれている証拠と考えて間違いありません。
もう一つアロラビングの行動の意味として「優位者へのあいさつ」が挙げられます。
これはどういうことかと言いますと、「こすりつけ行動を受けている側の猫は優位にある」ということです。
実はアロラビングは「メス猫→オス猫」、「メス猫→メス猫」、「子猫→メス猫」という方向性はあるものの、オス猫から自発的に行うこすりつけは見られないとされています。
このことから、「アロラビング(こすりつけ)=地位の低い猫から高い猫へと行うあいさつ行動」ではないかと推察されています。
ではこれを人に当てはめると、人間に対しアロラビングを行う猫は人のことを優位者として認めてくれているということになります。
– アログルーミングは猫だけじゃない? –
アロラビングと並んで猫の親和行動を示す行為に「グルーミング」があります。
グルーミングとは猫の毛づくろいの行為を指しますが、互いにグルーミングすることを「アログルーミング」といいます。
とっても微笑ましい行為ですが、実はグルーミングされている方の猫は、舐めている猫が舌を動かしやすいよう体の向きを微調整しています。
グルーミングをする方もされる方も相手を信頼している証であるとともに、仲間意識を高める効果があるとされています。
こちらを人に当てはめてみると「マッサージ」が例に挙がります。
猫を優しくマッサージすることでグルーミングと同様の効果を得られるといいます。
最初は逃げてしまうかもしれませんが、何度か優しくマッサージしていると、マッサージに合わせて猫が体の向きを微調整してくれるようになります。
こうなれば猫はあなたのことをかなり信頼しているといってもいいでしょう。
さらに仰向けになりおなかを触ってほしいポージングをすれば信頼度はマックス。
弱点であるおなかをさらけ出すとのは、相当の信頼関係を築かなければ成立しません。
猫がおなかを見せてくれたら優しく撫でてあげましょう。
敵対行動
猫の信頼や愛情表現の真逆の行動を「敵対行動」といいます。
その名のとおり相手に対して敵意を示す行動で、その矛先は人であったり猫であったり、また他の動物に対してなど幅広いものになります。
幅広い、と言いましたが一番多く敵対行動が見られるのが雄猫同士のケンカです。
雄猫同士がケンカをする理由は縄張り争いや雌猫をめぐって、という理由が挙げられます。
そのケンカの仕方はまずは、実際の戦闘の前に甲高い声を出して相手を威嚇します。
猫が発情期を迎えると町のあちこちで猫「シャー」という声を聞いたことがあるのでないでしょうか。
猫の敵対行動による攻撃の深刻さを簡単にまとめると
威嚇→前足でのけん制→爪を出さない攻撃(俗にいう猫パンチ)→爪によるひっかき
となります。
実はオス猫同士のケンカは儀式的なものが多く、命に関わるような傷を負うことはまれです。
また、はたから見ているとケンカをしているように見えますが、ただじゃれているだけというときもあります。
本気のケンカとじゃれ合いを見分けるのはなかなか難しいですが、見分ける方法として「うなり声の有無」が一つのポイントになるでしょう。
本気のケンカの場合は実際に攻撃をする前に、甲高い声で叫びあいます。
一方、単なる遊びの場合は、こうした声を発せず、黙々と取っ組み合いをします
本気のケンカでも生死に関わる傷を負うことはまれ、と言いましたがやはり見ている側としては心配してしまいますよね。
しかし下手に手をだそうものならあなたも攻撃対象になるい思わぬケガを負うことも。
どうしても止めたいときは、猫同士の間に割って入るのではなく、物を落としてみるなど、猫をびっくりさせるような大きな音を立てたほうが効果的です。
序列行動
「序列行動」とは簡単にいうと親和行動と敵対行動の中間のような状態を指します。
敵対するほど仲が悪いわけではなく、かといって親和行動をするほど親しくない、というなんとも微妙な距離感です。
なんともいえない微妙な距離感だからこそ、自分と相手の「序列」をはっきりさせる行動とも言えます。
序列行動の代表的なものは下記になります
じっと相手を見つめる
無理に押しのける
優先的に道などを通る
相手を追い掛け回す
爪を出さない攻撃(猫パンチ)のフェイント
相手の動きをけん制する
明らかな怒りの姿勢を見せる
実はこの行動は立場が優位にある猫が、劣位にある猫に対する行動になります。
猫の序列行動は犬などに比べて一貫性がなく、注意深く見ていないと見逃してしまいそうな行動ばかりです。
一対一であれば気づきやすいのですが、多頭飼いしている場合は要注意です。
仮に一匹だけが劣位にある場合はその猫はかなりのストレスを感じているかもしれません。
人の世界でいうところのイジメに近いともいえます。
こうなってしまうと部屋を別々にする、ゲージに入れるなど、飼育環境そのものを見直す必要があります。
猫同士だけで解決するのは難しく、飼い主の責任になるでしょう。
雄猫の場合は去勢手術を施すことも視野に入れなくてはいけませんし、なにより難しいのはあまりに優劣を入れ替えすぎると優位だった猫が急に劣位の立場になる可能性があるということ。
序列行動が頻繁にみられ、猫の体調に変化を感じたら専門家に相談するのも一つの手です。
以上、猫の代表的な3つの行動を紹介しました。
猫は気まぐれですが、その行動には意味があるものが多いので、改めて観察すると新たな発見があるかもしれませんよ。
飼い猫をもっと理解するためにもぜひ行動を理解してください。
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