猫ちゃんの前足・後ろ足
猫ちゃんは後ろ足の親指が退化しており、前足には他の4本指から離れたところにピョコッと親指があります。そのため、前足の指の合計は10本、後足の指は合計8本、全部で18本となっているのです。
なぜ後ろ足の親指が退化してしまったのかというと、恐らく木などに登るときの木を抱え込んで登る動きに後ろ足があまり関係が無かったためと考えられます。
前足の親指も、普段生活をしている分においてはほとんど役に立つことはありませんが、木などを登る時は木の幹を抱え込むため、この親指が表面に食い込むことで体重を支えているのです。そのため、前足の親指は生き残り、後足の親指は退化したものと思われます。
猫ちゃんの器用な前足
猫ちゃんがよく自分の前足をなめ、顔をくしゃくしゃ掻いて顔を洗っている様子を見たことはありませんか?
この前足をなめる際の、前足をねじって親指を外側に向ける動きのことを「回外」(かいがい)と言い、猫ちゃん特有の得意技です。人間では当たり前に出来る動きですが、実は霊長類以外の動物はあまり得意ではないのです。身近な例として、ワンちゃんがあの動きをしているところを見たことが無いですよね。しかしネコ科動物だけは自分の前足の爪を噛む仕草からもわかるように、自力で親指を外側に向けることができます。例外的な猫ちゃんのこの技もまた、木の幹などにしがみつく際に大いに役立っているのです。
また、もうひとつ爪の先端を木の幹などに効率的に食い込ませるときに役立つ技として「グリップ」があります。猫ちゃんの肉球をプニプニ触っていると、手を握り締めてぎゅっと丸めることはありませんか?これが「グリップ」です。このように猫ちゃんは、この技によって指と爪の角度を自在に変えることができるのです。
この猫ちゃんの得意技を可愛く使いこなしている動画を発見しましたので、ちょこっとご紹介♪
水を前足につけて飲む動き、これこそ猫ちゃんの得意技「回外」を惜しげもなく使った飲み方といえます。このポッケちゃん24時間いつでも飲めるように専用のお水入れがあるにも関わらず、水道から垂れている水やグラスに入った水には目がないそうです。我慢できなくなって顔を押し込む姿も、ポッケちゃんのかわいい得意技といえるかもしれませんね♪
指の多い猫ちゃん
世界の猫ちゃんの中には通常より多くの指を持つ猫ちゃんも存在します。
カナダの東部やアメリカの北東部に生息するポリダクティル・キャット(Polydactyl Cat)は、前足の指だけが左右一本ずつ多い20本というパターンが多く見られます。後ろ足の指だけが多いと言うケースは珍しく、また前後の足全ての数が多いというケースは更にまれですがあるそうです。カナダの「ジェイク」という名の猫は、1本の足に7本ずつ、合計28本の指を持っていたとしてギネス記録に載っています。
こうした多指猫は手先が器用だといわれ、転がるものを上手に片手でキャッチするなど、普通の猫ちゃんには出来ないようなことができてしまう個体もいます。そのため昔の船乗りたちは、船の中でネズミをつかまえる「船猫」(ship cat)として、多指猫を好んだという逸話もあるそうです。
いかがでしたでしょうか。まだまだ謎の多い猫ちゃん。
今回のように猫ちゃんにしか出来ない得意技だと知ると、この動きを見たとき少し嬉しくなったりします。
次回もまだまだ猫ちゃんの謎に迫ります。
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