砂漠で生きる猫「スナネコ」がカワイイ!日本ではどこで会える?

2022.03.24

砂漠で生きる猫「スナネコ」がカワイイ!日本ではどこで会える?

見た瞬間に誰もが「カワイイ!」と思わず言ってしまいそうになる猫ちゃんがいます。「スナネコ」という猫ちゃんですが、皆さんご存知でしょうか。猫界のアイドル…、そんな表現がぴったりのキュートな外見は、見る人の心をときめかせてくれます。「癒される」「キュンキュンする!」との声も多数!!それほどまでに可愛らしい「スナネコ」について紹介していきたいと思います。

focebookシャア
ツイート

スナネコとは…?

スナネコ

スナネコという名前からも分かるように、この猫は「砂」との深い関わりがある猫ちゃんです。英語名は「サンドキャット」と言います。

◆砂漠という砂に囲まれて暮らしている「スナネコ」

スナネコは、日本から遠く離れた砂漠地帯に住む野生の猫です。北アフリカやアジアにある砂漠で、野生で暮らしていると言われる猫です。
でも、砂漠に住んでいると聞くと「暑さは大丈夫なの?」「水は飲めているの?」と心配になってしまいますよね。

実は、スナネコには「砂漠」という土地柄で生きていくための機能が体に隠されています。
それが足の裏の毛。足の裏なのに、長い毛で覆われています。それは足の裏を砂漠の熱さから守るためなのです。

私たちが真夏の海岸で、足にサンダルを履かずに歩くことを想像してみてください。熱さでびっくりしますよね。というか、サンダルなしでは歩くことはできないでしょう。
砂漠の砂は、そのレベルではありません。なんと、砂の温度は摂氏80度にもなるほど激熱なこともあるとか!

足の裏の長い毛は、スナネコの足を守るため、つまりサンダル代わりにもなっているのです。また、足の裏の長い毛は足を守るためだけでなく、砂に足が沈むことを防ぐ役割もあるのです。

◆絶滅の危機にあるってホント!?

スナネコ

野生で一生懸命生きてきた歴史を持つスナネコですが、野生のスナネコは年々減少している今となってはとても珍しい猫となりました。どうして生息数が減っているのでしょうか。

それは、人間がスナネコの暮らしているエリアに入り込み、スナネコが暮らしにくい環境になってきたからだそうです。
スナネコのエサとなるネズミやヘビ、昆虫、トカゲなどの小動物が少なくなっているのです。野生で生きていく猫たちにとって、このような小動物が減ってしまうことは死活問題。食べるものがなければ、生き続けることができずに数が減少していってしまうのです。そんな背景もあり、絶滅危惧種となってしまったのです。

現在では、野生のスナネコの姿はほとんど見られないとのことです。そのため、スナネコを絶滅させないように、「絶滅危惧種」として指定され、動物園で人間の手によって飼育されているのです。

あんなに可愛らしい猫なのですから、人間たちがずっと守ってあげたいですよね。

◆研究チームにより久々に確認された野生のスナネコ

インターネットを通じるとスナネコの可愛らしい姿を写真で見かけることができるので、野生でも見かけることができそうな気もします。しかし、実際にはアラブ首長国連邦ではかなりの年数の間、野生のスナネコの姿は確認されませんでした。

スナネコの生態を守るために発足した研究チームは、2015年に約数か月もの間、研究を続けながら、その姿の撮影を試みました。しかし、警戒心のある野生の猫ですから、撮影する人間の気配を感じるとスナネコは怯えて姿を見せません。

そこで、無人で撮影できる定点カメラを設置しました。周辺に、スナネコが出てきやすいように、食べものも一緒に置いておきました。
すると、なんと約10年ぶりにスナネコの撮影に成功。その可愛らしい姿が確認できたのです。

「スナネコは野生で生きている」そんな事実を知っただけでも嬉しいですよね。スナネコが少しでも生きやすい環境となるように、研究者たちがこれからも環境改善のための研究を続けていくそうです。こんなに可愛らしいスナネコの姿がもっと多くの地域で見られるようになるといいですね。


スナネコの特徴

スナネコ

とにかく「カワイイ」の一言につきます。ネットでも話題の猫ちゃんです。それでは、顔の可愛さだけでなく、その特徴も詳しくお伝えしていきます。

◆スナネコの外見的特徴

スナネコは、たくさんの人が「カワイイ!」と口々に言うほど、その可愛さは誰もが認めています。「砂漠にいる天使」という代名詞があるくらいです。

スナネコは、体長50㎝ほどで体重が2~3キロとかなり小さな猫。大人に成長してもその小ささですから、子猫時代はかなり小さいのでしょうね。野生の猫としては、かなり小さいため、いつも子猫のような感じです。

丸い形の顔で大きな瞳。パッチリとした目が可愛さのポイントです。体の模様は縞だったり、斑点だったりと模様の表れ方はさまざま。ワイルドな雰囲気もありつつ、目がパッチリしているため可愛らしく、まるでぬいぐるみのようです。

また、大きな尖った耳がかなり特徴的。三角形にピンとたった耳は、内側を見ると毛がフサフサと生えていることが分かります。
この耳の中の被毛は、砂漠に生きるための体質です。乾燥している砂漠地帯の砂は、サラサラとしていて風に舞ってしまいますが、その砂が耳の中に入るのを防ぐ役割をしているのです。

◆スナネコはたくましい野生猫

砂漠地帯が生息地と聞くと、過酷な暑さがイメージできます。上から照ってくる太陽、下の砂の熱さなど、とにかく暑そう…。スナネコはそんな厳しい環境を生き抜くたくましさがあります。

砂漠は雨が少なく乾燥しています。それは、日照時間が多く温度が上昇するためです。砂漠地帯と言っても、地域によって差はありますが、40℃や50℃になる地点もあると言われて、体にとっては厳しい気候です。

このように暑いという印象がありますが、実を言うと砂漠地帯は、1日の気温差が大きい地域なのです。太陽が照っている日中は温度が高くなりますが、太陽が沈んだあとの夜間には放射冷却により気温がグッと下がる現象が起こります。

とにかく、スナネコは厳しい環境で生き抜くたくましい野生の猫ちゃんなのです。

◆スナネコは夜行性の猫

スナネコ

スナネコは、日中は基本的にあまり動かない「夜行性」です。日中は岩の陰になっている穴でゆっくり休み、夜に活動するための体力温存といったところでしょうか。

周囲が暗くなった夜に活動し始めます。真っ暗な中、活動するためには、スナネコの外見的特徴で気になった大きな三角形の耳が役立ちます。

この大きな耳をピンとたて、耳を澄まします。耳で音を集めるかのように、わずかな音に反応できるほど聴覚が優れています。地上にいる獲物がいれば、音を感じ取り、すぐさま確保します。
また、砂の中にいる獲物がわずかに動く音も聞き逃しません。「ここか!」という勢いで獲物めがけて飛び付くところは、まさに野生の猫という感じがします。普段のカワイイ姿からは想像できないかもしれません。

夜行性の猫だからという理由もありますが、日中はなかなか姿を見かけることができません。それに、足の裏の毛が足跡を残さないので、どこを通ったかが分かりませんよね。ただでさえ希少な猫ですが、夜行性なので現地の砂漠に行ってもその姿をなかなか見かけることが難しいと言われています。

◆スナネコって何を食べているの?

スナネコは、主にヘビやネズミ、昆虫などを食べるらしいです。ぬいぐるみのような可愛さなので、ヘビやネズミを食べている姿が容易に想像できません。でも、野生を生き抜くためには大事なことです。

また、砂漠なので「水分摂取」が気になるところ。生きていくためには、水を飲まなければなりません。しかし、スナネコは特に水分がなくても生きていけるそう…。
それは、ヘビやネズミといった「獲物」を食べたときに、それに含まれている水分が体に自然に入っていくからです。

「砂漠」という特殊な地域で暮らす野生猫だからこそ、体に生きていくための機能が備わっているのです。

◆スナネコの性格とは

大人になっても小さいスナネコですから、見た目のイメージは「おっとり系」に見えるかもしれません。しかし、その見た目の可愛らしさには反してかなり勇ましい性格だとか!ただ、一般的な野生の猫と比べると、どちらかというと「おとなしい」とも言われています。

また、獰猛な部分もあるとのことですが、それには野生で生きていることが影響しています。
砂漠地帯で生きているスナネコは、常に周囲を警戒しながら生きています。実はとっても臆病。周りを気にするあまり、突然人間がやってきたら「敵か」とビクビクしてしまうのでしょう。

もし、砂漠でスナネコに出会えたとしても、触れることは困難だと思います。そもそも臆病な性格なので、人間の姿を見れば隠れていて出てこないのかもしれませんね。


ペットにしたいほどカワイイ…購入はできる?どこで会える?

スナネコ

スナネコを見た人は、ペットにしたらどんなに幸せかと思うほどカワイイ猫ちゃんです。ペットとして飼うことはできるのでしょうか。

◆ペットとして飼うことはできない

残念ながら、スナネコをペットとして購入することはできません。絶滅危惧種とされている珍しい猫ちゃんなので、世界中で大切に考えてあげるべき動物です。
それに、砂漠地帯で生きるための野生猫ですから、環境の違いから住宅内で飼うことは無理なのです。

◆どこに行けば会えるのか?

猫界のアイドルとも言える可愛さですから、「一目見たい」という方も多いですよね。野生の猫ですから、実際に砂漠地帯に行って探すという方法もあります。

でも、砂漠に行ったとしても「夜行性のスナネコ」ですから、そんなに簡単に見つかるわけではありません。それに、野生のスナネコ自体が絶滅してもおかしくないほど、希少になっている訳です。確率的には、本物のスナネコに砂漠で会うことは難しいでしょう。
また、絶滅危惧種に指定されている大事な猫なので、仮に見つけたとしても「可愛いから」と連れて帰ることはできません。

そこでスナネコを一目見たい人には嬉しいのが「ここに行けば確実にスナネコに会える」という場所があること。それが、「動物園」です。

数年前までは日本で見ることができなかったスナネコですが、今年ついに日本でも飼育を始めた動物園があります。

◆スナネコに会える動物園はドコ?

こんなに可愛いスナネコですから、たくさんの動物園で見ることができたらいいのですよね。しかし、希少な猫のため難しいものです。

現在日本でスナネコに会える動物園は以下の5か所です。(2023年9月現在)

・兵庫県神戸市「神戸どうぶつ王国
・栃木県那須郡「那須どうぶつ王国
・埼玉県東松山市「埼玉県こども動物自然公園
・長崎県西海市「長崎バイオパーク
・沖縄県名護市「ネオパークオキナワ

那須どうぶつ王国・神戸どうぶつ王国の2園では、2020年3月20日に国内初のスナネコの展示が始まりました。
それ以降、今年までに数回スナネコの赤ちゃんが誕生していて既に展示も始まっています。

2020年4月に誕生した4頭のスナネコは既に別の動物園に移送され展示が始まっているようです。
それぞれ長崎バイオパークに1頭、ネオパークオキナワに2頭が移動完了しており、公開もされています。
スナネコに会える動物園が増えたのはとても喜ばしいですね。

更に、現在那須どうぶつ王国・神戸どうぶつ王国では、2022年に入ってから生まれたスナネコの赤ちゃんの公開が始まっているようです。
観覧には様々な制限があり、ゆっくりと自分のペースで見ることはできないようですが、かわいいスナネコの赤ちゃんを一目でも見たい!という方は要チェックですね。

那須どうぶつ王国-スナネコの赤ちゃん3頭を一般公開します
神戸どうぶつ王国-3/25(金)から“砂漠の天使” スナネコの四つ子の赤ちゃん 親子で公開!

世界の中でもスナネコに会える動物園は少なく、海外ではイスラエル、イギリス、アメリカなどにあります。

実際に以下の4つの動物園で飼育されているようです。

・イスラエルのテルアビブ近郊「ラマト・ガンサファリパーク」
・イギリス「ブリストル動物園」
・アメリカのオハイオ州「シンシナティ動物園」
・シカゴ「リンカーン動物園」

◆動いているスナネコをみたい!

写真で見るだけでもこんなに可愛いスナネコ。動いているところを見たくなりますよね。

スナネコに会う方法は、「砂漠に行って探す」や「スナネコのいる動物園に行く」がありますが、会える場所は少なく日本国内でも限られているため、なかなか難しいですよね。

そこで、動いているスナネコを動画で紹介します!

こちらは、先ほど紹介した那須どうぶつ王国で生まれたスナネコの赤ちゃんの動画です。

公開日に向けて、保育器から展示スペースへと移動した時のようですね。
ずっと過ごしていた場所から新しい広い場所へ移動してきたため、周りをキョロキョロと見回しながら探検しています。

ふわふわの被毛と大きな目、小さな体がとってもかわいいですね!!

動画では、スタッフさんたちに見守られながら遊んだり、ご飯を食べたり…最後には疲れて眠ってしまいます。

動いている動画を見ると、ますます「スナネコ」に触れあってみたくなりますね。
“砂漠の天使”の異名を持つだけあって、その可愛さには癒されること間違いなしです。

でも、スナネコは「外見」と「性格」に、ギャップがある猫ちゃん。獲物を前にすると、顔の割に獰猛な様子を見せることもあるようです。

ただ、それ以外はおとなしいところもあります。
野生で暮らしていると、すべてが敵のため、神経質になりがちですが、自分の身を守るためのものと言えるでしょう。

実際にペットとして飼うことは不可能なのですが、飼うことができる時代がやってきたときには、ビクビクさせない穏やかな環境が大事になりそうです。

スナネコは、砂漠のような過酷な環境でも耐えられるたくましい体をもっています。
そのため、長生きできそうなイメージを抱く人も多いかもしれませんね。実際はどうなのでしょう。

スナネコは希少過ぎる動物なので、野生でどのくらい生きられるかの寿命についてはデータ不足。
そもそも野生猫は、飼い猫と比べるとかなり短命なので、スナネコも寿命はそれほど長くないのかもしれませんね。

ただ、動物園で飼育されているスナネコは、飼い猫のように長く生きられる子もいるのだとか。食事や体調を人間に管理してもらえるため、長く生きられる確率も高くなるのかもしれません。

「砂漠」「動物園」と環境の違いから、生後30日までも生きられない子、1年以内に亡くなる子も多いようです。
でも、世界的にも大事なスナネコですから、動物園でも熱心な保護活動が続けられています。スナネコの生態研究が進み、今では動物園で飼育されているうち、早い段階で亡くなるスナネコの数が減ってきているのだとか。

10年以上も生きてくれるスナネコもいるようで、今後ますますスナネコに会えるチャンスが増えていきそうですね。


おわりに

いかがでしたか?

こんなにも可愛らしくキュンキュンする猫、いつまでもその姿を見ていたくなりますね。
しかし、スナネコはその気性の粗さや飼育の難易度からペットとして飼うのは難しく、動物園で生活する様子を見に行ったり園のSNSなどで公開されている写真を見るだけに留めておきましょう。
こんなアイドル的な可愛らしさを持っているのに、絶滅の危機にあるのが信じられません。これからたくさん繁殖が行われて、新たにスナネコの数が増えていくことを願います。

eye catching by Charles Barilleaux



– おすすめ記事 –

・ブサカワ界の新星!?世界最古のヤマネコ『マヌルネコ』はどんな性格・特徴?
・まるで大きな猫!?迫力満点の猫科の動物達に会いに京都市動物園へ行こう!
・マーゲイってどんな猫?くりくりお目目が可愛すぎる!
・世界最小サイズ猫の「クロアシネコ」がめちゃめちゃカワイイ!


focebookシャア
ツイート

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
中岡 早苗

中岡 早苗

可愛い猫ちゃん達に囲まれながら、猫の知識や暮らしを日々学んでいます。 学んだ情報はどんどんお伝えしていきます。楽しいネコライフをおくりましょう。


記事に関するお問い合わせはこちら