猫は何日留守番できる?
旅行に行く時、「猫に留守番をさせる」ことを前提にして、果たして猫だけの留守番は何日まで可能なのでしょうか?
猫はもともと縄張りを持ち単独行動を好む動物なので、家で留守番をすることになっても比較的平気でいられます。
しかし、さすがに何日も放置しておくことはできません。普段から人間と暮らしている猫は、野生の本能の力が低下し、猫としての単独行動を好まなくなっている可能性があるからです。
◆猫の留守番は何日まで?
長い間人間と暮らし、飼い主さんに世話をしてもらい、遊び相手にもなってもらっている猫。飼い主さんが目の前から長時間いなくなるということは大きなストレスになります。
旅行などで飼い主さんが留守にする場合、個体によって留守番の得意・不得意の差は当然あるでしょうが、基本的に2日までは家で留守番をさせ、不在が丸3日以上になるようでしたら、その他の方法を考えましょう。飼い主さんも猫のことが気になって、せっかくの旅行も楽しめなくなってしまいますよ。
ただ、暑さが厳しい夏の期間は、熱中症にかかる可能性やフード・水が腐ったりなくなったりする可能性も頭に入れて留守番させるかどうか考えましょう。
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◆飼い猫で注意したい「分離不安症」
飼い主さんが何日もいなくなることは猫のストレスにつながります。中には飼い主さんとの結びつきが強すぎて「分離不安」という症状を示す猫がいます。
分離不安症とは、飼い主さんが側にいないと不安になって頻繁に鳴いたり、物を壊したり、粗相をしたりする状態のことを言います。
猫の分離不安症の症状には以下のような症状があります。
・トイレを引っ掻き回す
・落ち着きを失い、うろうろしたり飛び跳ねたりする
・逃げ出そうとドアを引っ掻いたり、窓に体当たりをする
・トイレでない場所で粗相する。特に飼い主さんの布団にする傾向がある
・留守番の間、ずっと鳴いている
・元気がなくなる
・食欲の低下
・隠れて出てこない
・嘔吐、下痢
・脱毛
・過剰なグルーミング
・自分の尻尾をかじったりする、自傷行為
このような分離不安の症状を起こす猫には次のような傾向が認められます。
・トイレやお風呂にまでついてくる
・ドアの向こう側で大きな声で鳴く
・飼い主さんの視界に割り込んでニャーニャー鳴く
・帰宅時の出迎え方が異常なほどに熱狂的
・家の中で一人になりたがらず、同じ場所にいたがる
・一緒のベッドで寝る
・すぐ膝に乗ってくる
また猫が分離不安になってしまいがちな環境もあります。
・子猫の時、兄弟猫と遊ぶ時間が少なかった
・母猫から生後3か月以内に離された
・子猫のころからずっと人と暮らしていた
・飼い主さんが長時間、家を空けることがあまりない
以上のことがいくつか当てはまる場合は、猫だけで留守番をさせると分離不安の症状を引き起こしてしまう可能性があります。
猫だけで留守番させる可能性がある場合は、日頃から少しずつ飼い主さんのいない状況に慣らすなど、事前に下準備が必要です。
旅行に行く時の3つの選択とその方法!
家族全員で旅行に行く場合、猫にはどのようにして待っていてもらうのが良いのでしょうか?
旅行先に一緒に行けない猫には、以下のような選択肢があります。
1. 猫に留守番をしてもらう
旅行が2泊3日までなら、準備をしっかりしておけば猫だけの留守番は可能です。
ただし真夏の締め切った家での留守番は、エアコンの故障など、万が一のことを考えると避けた方が良いと思われます。
猫に留守番をしてもらうための方法は次の通り。
– 食事・水について –
・食事と水をたっぷりと準備しておく(食事はドライフードを使用)
・水は猫がひっくり返してしまう可能性があるので、離れた場所にいくつか用意しておく
・ひっくり返される心配のない給水器を使用する
・可能であれば風呂場の水を少量出しっぱなしにし、いつでも新鮮な水が飲めるようにする(浴槽に貯める方法は、猫が溺れてしまうかもしれないので危険)
・定刻になったら自動的にフードを出してくれる給餌器を使用する
– 室内環境について –
・夏場に留守にする際は、猫が熱中症にかからないよう、日光の入りやすい窓のカーテンは閉め、エアコンの除湿モードで室温を28度くらいに設定しておく(エアコンの故障、停電などのトラブルを考慮する必要あり)
・冬場に留守にする場合は、電気カーペットなどの電化製品は猫がコードで感電した時に対処する人間がいないので、電気を用いない防寒具を用意する
・トイレは普段よりも多く設置する。頭数と一日の回数で必要なトイレの数より多く用意しておく
・普段から猫が遊んでいるおもちゃを用意しておく。ただし誤飲事故を避けるため、小さいものや壊れやすいものは避けるよう注意する
・飼い主さんの匂いのする毛布や洋服を出しておくと、猫が安心する
帰宅したら、猫としっかりコミュニケーションをとることも大切です。
2. ペットホテルに預ける
ペットホテルとはペットを一時的に預かる宿泊サービスをしてくれる施設のことです。全国に6000以上も施設があります。
ペットサロンや動物病院がペットホテルを兼ねているなど、様々な形態があります。また、1頭1頭をケージに分けて個別に管理するタイプ、全頭を広い場所に集めて一緒に遊ばせるタイプ、管理人と一緒に過ごすタイプなど、ホテルでの過ごし方も様々です。
ペットホテルに預けるにあたって、飼い主さんは事前に1泊あたりの料金やどんなサービスがあるのかは把握しておきたいですね。
・早目に予約する。お盆・夏休み、年末年始、ゴールデンウイークなどの連休はかなり混み合うため、かなり早目の予約が必要
・犬・猫・フェレットは、ワクチン接種証明書が必要(猫3種、犬5種以上)。ワクチンの有効期間は接種後1年間なので、有効期間内の証明書が必要
・ノミ・ダニ予防の証明書が必要。有効期間が短いため、投与後2ヶ月以内程度の証明書が必要。ペットホテルによって対応が異なる事があり、1ヶ月以内の証明書が必要なケースもある
・飼い主さんが帰宅したら、すぐに迎えに行く
ペットホテルの平均的な宿泊料は1泊3,500円~6,000円が相場です。
宿泊以外に無料で受けられるペットホテルのサービスには「爪切り」「散歩」「報告メール」などがあります。動物病院が経営しているホテルであれば、緊急の時の診察をすぐに受けることができます。
最近は、Webカメラを使ってインターネット上で猫の様子を見られるようにしているホテルもあるようです。
3. ペットシッターに預ける
ペットシッターとは、人間の子どものお世話をするベビーシッターと同様に、飼い主さんから依頼されてペットの日常のお世話の代行を担当する人たちのことです。
ペットシッターのメリットは飼い主さんの留守の間に、必要なことを代行してくれることです。店舗によってサービスの違いはありますが、郵便物の取り込みはほとんどの店舗が無料で行い、なかには無料でペットをケアしている状況の写真のメール送信や、わずかな追加料金でムービーを送ってくれるところもあります。
また、定期的に動物病院へ連れていかなければならない場合はケアの時間内で動物病院に連れていってくれたり、ペットのための買い物を代行するサービスを提供しているところもあります。
利用方法はペットシッターを紹介してくれるサイトや、店舗に連絡を取るところから始まります。
・見積もりを取る
・預けることが決まったらシッターさんと事前打ち合わせを行う
・料金を支払い、合鍵を渡す(基本的に料金は前払いのところが多いようです)
・依頼当日はシッターさんが合い鍵を使い訪問、ケアを行う
・飼い主が帰宅後、合鍵を返却して終了
料金は猫の場合、2頭まで同料金のところが多く、1時間2000〜3000円に出張費プラス交通費が加算されます。初回利用時に登録料が必要な場合もあります。
猫を預ける時に伝えておくこと・注意点は?
ペットホテルやペットシッターに猫を預ける際には、猫の状態を正確に伝えないと、適切なお世話をしてもらえず猫に大きなストレスを与えてしまう場合もあります。よく考えて自分の猫にぴったりなペットホテルやペットシッターを選びましょう。
◆ペットホテルに預ける場合
・契約書の内容をよく把握しておく
・キャットタワーなどの昇降スペースがあるホテルは猫の性質をよく理解している。スペースを広く使うため1泊あたりの料金は高くなるが、猫のストレスなどを考えると安心。一方で、キャリーバックを置くスペースしかないというホテルは少し不安
・犬と猫のスペースがしっかりと隔離されているか確認する
・体調不良時や持病を持っている、子猫、老猫の場合は預けることを断られる事があるので事前に確認する
・いつも食べているフードや使っている毛布、猫砂などを持参しても良いか確認する
・飼い主さんの身分証明書が必要な場合がある
・可能であれば、旅行前にお試しで数時間預けて様子を見る(ケージに馴染めない猫もいる)
◆ペットシッターに預ける場合
・事前打ち合わせの時に、猫の体調や性格、持病の有無、苦手なもの、好きな食べ物や遊び方等をできるだけ詳しく伝える
・食事の与え方、投薬の方法など、シッターさんにケアして欲しいことを的確に伝える
・猫の体調が悪くなった等、不慮の出来事への対処法をあらかじめ伝えておくと、万が一の時もスムーズに対応できる
・かかりつけの病院の連絡先を伝えておく
・不安点としてあげられるのが防犯のこと。信頼できるシッターさんを選び、貴重品などはしっかり管理する
・ペットに関する仕事を開業するにあたっては、事前に「動物取扱業」という届け出を行うことが法律で義務付けられているため、これを満たしているシッターさんを選ぶ
・シッターさんの情報がホームページやブログ等で発信されている場合もあるので確認してみる
まとめ
いかがでしょうか?
旅行に限らず、長期のお出かけで猫ちゃんを置いていかなければならないことは、どなたにもあり得ること。猫ちゃんにとっては飼い主さんの不在はとても心細いものでしょう。
ペットホテルが全く平気な猫もいれば、体調を壊してしまうほど嫌がる猫もいるでしょう。ペットシッターに預ける場合も自分のテリトリーである自宅に全く知らない人が入ってくることをとてつもない恐怖に感じる猫もいるでしょうし、逆にシッターさんにとても懐いてしまう猫もいるようです。
旅行中の猫をどうするか?まずは自分の愛猫をよく観察して、猫ちゃんにとって最適の方法を選択したいものですね。
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