- 1.サバンナキャットの歴史
- 2.サバンナキャットの特徴は?
- 3.サバンナキャットの性格は?
- 4.サバンナキャットの値段は?日本でも販売されている?
- 5.日本でサバンナキャットを飼うには?
- 6.サバンナキャットの寿命や気を付けたい病気は?
- 7.まとめ
1-1.手間や時間がかかる野生猫との交配
1-2.様々な研究が続けられる
1-3.猫の血統登録機関「TICA」に登録される
2-1.交配世代によって特徴が異なる
2-2.10kg前後の体重を持つ大型猫
2-3.野性的で美しい体格
2-4.様々なバリエーションの毛色
3-1.社交的な性格
3-2.とても賢い性格
3-3.犬みたいな性格
3-4.甘えん坊で寂しがり屋な性格
3-5.運動が大好きな性格
4-1.サバンナキャットの値段は?
4-2.サバンナキャットは入手が難しい
5-1.サバンナキャットの飼育には許可がいる!?
5-2.サーバルキャットは飼うことができない
5-3.海外輸入の場合は様々な手続きが必要
6-1.サバンナキャットの寿命&注意すべき病気のこと
6-2.飼うなら気をつけたいこと
サバンナキャットの歴史
サバンナキャットの起源は、1986年にベンガルのブリーダーだったジュディ・フランクという女性が、飼い猫のメス猫(ベンガル、エジプシャンマウ、オシキャットなど)と野生猫であるサーバルキャットのオス猫を交配させたのが始まりだといわれています。そのため、それぞれの猫から多くの遺伝子を引き継いでいます。
その時に産まれた子猫の第一世代(F1)の「サバンナ」は、とても多くの人達の関心を引きました。しかし、交配を続けるには多くの問題がありました。
◆手間や時間がかかる野生猫との交配
気性の荒い性格をしている野生猫のサーバルキャットを交配が可能になるまで飼い慣らすことは、手間や時間もかかり、時には危険を伴うこともあります。
また、サーバルキャットには保護条例や飼育規制があるため、基礎となるサーバルキャットを入手することも簡単ではありませんでした。野生猫との交配による倫理観の問題も多くあったようです。
◆様々な研究が続けられる
熱心に研究を重ねた結果、1996年に第二世代(F2)と呼ばれる現在のサバンナキャットの原型が産まれました。その後も、第三世代、第四世代と交配・育種を進めていきました。
第一世代(F1)のサバンナ誕生から10年後の1996年、パトリック・ケリーとジョイス・スルーフという2人のブリーダーにより、サバンナのスタンダード(猫種標準書)が書かれました。しかし、ここでも希少な野生動物の血を飼い猫に入れること、それをペットにすることについての倫理的な問題が起こりました。
猫科の野生種の遺伝子を入れることは、飼い猫と野生猫との遺伝子を広げることにもなります。一方で、異種交配による免疫疾患の出現や希少種の乱獲につながるとの懸念などがあり、多くの話し合いがもたれました。
◆猫の血統登録機関「TICA」に登録される
結果、サバンナキャットは2001年に新しい猫の品種としてTICA(The International Cat Association)に正式に認可されました。キャットショーに正式に出場可能になったのは2012年になってからで、比較的新しい猫の品種になります。
サバンナキャットの特徴は?
◆交配世代によって特徴が異なる
サバンナキャットには、交配世代より第一世代(F1)から第七世代(F7)まであり、サーバルキャットの遺伝子含有率によって決まります。
第一世代(F1)に近いほど野性味が強く残り、体の大きさや顔つきなどはサーバルキャットにとても似ています。一方で、第五世代(F5)になるとサーバルキャットの遺伝子含有率も低く、一般的なイエネコに近い見た目となります。
◆10kg前後の体重を持つ大型猫
サバンナキャットの体重は、オス猫が7kg~13kg、メス猫が6kg~10kgです。メス猫よりオス猫のほうが体は大きめです。
第四世代(F4)以降の体重は10kgを超えることはあまりないようですが、大きいサバンナキャットは14kgぐらいになることもあり、この体重を人と比べると5歳児~6歳児ぐらいの大きさになります。
体長は50cm~70cmぐらいで一般の猫より一回り大きい体格をしています。
◆野性的で美しい体格
体は、細い首で深い胸をしています。足は長く、後足は一目見てわかるほど前足より長く筋肉質です。肩甲骨は盛り上がり、肩を揺らして歩くため、歩く姿は堂々としています。
頭は、逆三角形で小さめです。大きな耳がついているのが特徴です。飼い猫に比べて2つの耳の間は狭く、正面ではなく斜めから横を向いています。鼻筋は太く、目頭から鼻の脇に沿って黒いシャドーの模様が入っています。この黒いシャドーの模様が入っているサバンナキャットが美しいとされています。
目の色は様々な色が認可されています。目の形はアーモンド形でややつり上がっています。
◆様々なバリエーションの毛色
被毛は短毛種です。被毛の色は、ブラウン、シルバーのスポテッドタビー、ブラック、ブラックスモークと多彩です。エジプトシャンマウのブラウン、ベンガルのスポテッドタビーを引き継いだ色合いがあり、独特の毛色のパターンを持っています。
第一世代(F1)・第二世代(F2)などサーバルキャットの遺伝子が多いほど、爪や牙が大きく尖っています。
サバンナキャットの性格は?
野生猫の遺伝子を引きついているサバンナキャットはどんな性格なのでしょうか。
◆社交的な性格
見た目はとても野生的ですが、社交的で人懐っこい性格をしています。飼い主さんとのコミュニケーションを取るのがとても得意で、子どもとの触れ合いも問題なく行うことができるようです。
◆とても賢い性格
サバンナキャットの知能はとても高く、飼い主さんの行動を見ていろいろなことをすぐに覚えます。ドアを開けることや蛇口を開けることもできるようです。とても賢いのでしつけをしやすいといわれています。
◆犬みたいな性格
猫は気ままな性格と思われがちですが、サバンナキャットは犬のような性格をしています。飼い主さんの言うことをよく聞き、飼い主さんに依存してしまうことがあります。
◆甘えん坊で寂しがり屋な性格
飼い主さんに甘えるのがとても好きな性格をしています。飼い主さんにかまってもらえないと、寂しさや嫉妬からいろいろなイタズラをするようになります。イタズラは飼い主さんにかまってほしいサインです。ストレス解消のためにも、日頃からたっぷりと愛情を注いであげましょう。
◆運動が大好きな性格
サバンナキャットは、野生猫の遺伝子が入っているので運動量も豊富です。十分に運動ができるように広いスペースが必要になります。猫には珍しく、水を怖がらないサバンナキャットが多いため、水遊びをすることがあります。
サバンナキャットの値段は?日本でも販売されている?
サバンナキャットは、世界で最も高価な値段で販売される飼い猫として有名です。
◆サバンナキャットの値段は?
サバンナキャットの値段は100万円~300万円になります。第一世代(F1)に近いほど野生猫の遺伝子が濃く、原種の特徴が出て体格や模様などに差が出てくるため、第一世代(F1)に近いサバンナキャットほど高額な値段になります。高い値段では350万円になることもあります。
第五世代(F5)以下のサバンナキャットは、普通の純血猫と同じ値段か少し高めの値段になるといわれています。値段は20~30万円ぐらいで、ベンガルやエジプシャンマウと同じぐらいになるでしょう。
◆サバンナキャットは入手が難しい
サバンナキャットは非常に希少な動物で、日本国内でのペットショップでの販売はありません。野生猫と異種交配種で珍しい猫なので日本国内での繁殖例はあまりなく、国内でブリーダーを探すか、海外輸入になる可能性が高くなるでしょう。珍しい猫の品種であるため、購入の際には血統書の確認は必須です。
日本でサバンナキャットを飼うには?
サバンナキャットは、アメリカの一部では野生動物と認定されているため、ニューヨーク、マサチューセッツ、ハワイ、ジョージアなどの州では飼育が禁止されています。
日本でサバンナキャットを飼うにはどんな飼育制限があるのでしょうか。
◆サバンナキャットの飼育には許可がいる!?
サバンナキャットは、第一世代(F1)~第七世代(F7)までのランクに分かれていて、この数字が小さいほど野生猫のサーバルキャットの遺伝子を濃く引き継いでいることを表します。
サーバルキャットは自治体への飼育許可が必要な「特定動物」に指定されている動物です。
一方で、現在サバンナキャットは「特定動物」には指定されていませんが、自治体によってはサバンナキャットの野生猫の遺伝子が占める割合によって飼育許可が必要になる場合があるようです。
サバンナキャットを飼う前には各都道府県の自治体に必ず問い合わせをしましょう。
※特定動物:人に危害を加える恐れのある危険な動物。特定動物を飼う場合には、動物種・飼養施設ごとに都道府県知事又は政令市の長の許可が必要。また、飼養施設の構造や保管方法についての基準を守らなくてはならない。
◆サーバルキャットは飼うことができない
ちなみに、サーバルキャットは2020年6月1日から動物愛護管理法により、愛玩目的で新たに飼養することが禁止されました。
飼養禁止となった特定動物は、ネコ科では他にチーター、カラカル、アジアゴールデンキャット、ジャングルキャット、オセロット、オオヤマネコ属、ウンピョウ、ヒョウ属、スナドリネコ、アフリカゴールデンキャット、ピューマ属、ユキヒョウです。(環境省HP)
特定動物は飼育条件として、専用のケージを用意しなければならず、家から出すことは原則として認められません。猛獣を飼育するのと同じような条件になります。とても賢く洞察力があるため、簡単な鍵では開けられてしまう可能性があります。飼い主さんは十分に注意し、戸締りや人の出入りに気を配る必要があります。
◆海外輸入の場合は様々な手続きが必要
サバンナキャットは非常に珍しい猫種であるため、ペットショップで見かけることはまずありません。
海外のブリーダーから輸入する場合は、狂犬病抗体確認とワシントン条約遵法などの観点から、輸出国側と輸入国側の両方での手続きが必要になります。また、飛行機で輸送する際の手続きなども必要になります。
サバンナキャットの寿命や気を付けたい病気は?
サバンナキャットを飼うなら健康的に長生きしてほしいものですよね。
飼うときに知っておきたい寿命のこと、気をつけたいポイントについても考えてみましょう。
◆サバンナキャットの寿命&注意すべき病気のこと
サバンナキャットの体は、普通の猫よりも大きめ。筋肉質でパワフルさが感じられます。野生の遺伝子が入っていることを実感できるほど、たくましくアクティブな毎日を過ごすでしょう。
飼育される環境によって若干の違いはありますが、平均寿命データとしては「17~20歳くらいまで生きる」と言われています。
普通の猫ちゃんの多くは15歳前後の寿命なので、比べると高寿命猫と考えていいでしょう。
健康面や食事のサポート、定期的な身の回りのケアを続けていれば、一般的な猫よりも長生きしてくれそうです。
また、サバンナキャットは、野生的な見た目を裏切らず病気にあまり縁がありません。かなり「健康優良“猫”」なのです。
一般的な猫であれば、猫種特有の遺伝子疾患に注意しなければならないものですが、サバンナキャットの場合、そういった遺伝子疾患や感染症による病気などもあまり心配いらないでしょう。
とはいえ、大きなくくりでいえば「猫」。一般的な猫と同じように、泌尿器に関する病気は気をつけた方がいいと言われています。
◆飼うなら気をつけたいこと
普通の猫よりも「たくましい」「寿命が長い」「病気になりにくい」と言われていても、それに甘んじてまったく健康管理をしていないと病気のリスクは高まります。健康を保つうえでベースとなるのが「優良な食事」です。
野生の血を引き運動することが大好きなので、栄養が偏ると体に力が入りません。本来の運動神経の良さを引き出せないでしょう。
“高タンパク”を意識し、体力をつけるため高カロリーのフードを準備してくださいね。
また、食事管理と同じく気をつけたいのが飼育環境です。栄養満点で高カロリーな食事を与えていても、動きが制限されるような狭い環境で飼育するのはNGです。栄養だけしっかり取っても消費できずに肥満になってしまうかもしれません。
そもそも大きな猫なのに、さらに体重が増えると猫自身も体に負担を感じます。将来的に病気で介護が必要になったとき、肥満体型だと飼い主さんも大変ですよね。
それに、「体を動かせない」というストレスから、サバンナキャットの心は不健康になるでしょう。ストレスは、いろいろな病気を引き起こすリスクがあるので注意しなければなりません。
まとめ
サバンナキャットは、一般的な猫種に比べて迎え入れるのに手間や値段もかかります。また、サバンナキャットの鳴き声は大きく、普段の生活音も大きくなってしまうので周りに問題のない生活環境が必要です。大きな猫が走り回っても大丈夫な広いスペース、足場や強度のしっかりしたキャットタワー、おもちゃが必要になります。
一方で、野生的な見た目とは違い、飼い主さんにとても従順で甘えん坊な性格をしていて、そのギャップが魅力的な猫でもあります。
サバンナキャットを迎えたい方は、飼育環境や自治体への問い合わせなど、しっかりと事前に準備するようにしましょう。
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