- 1.カラカルってどんな動物?
- 2.カラカルの生息地域はどこ?
- 3.見た目は猫だけど…そもそもカラカルは猫?
- 4.カラカルの特徴・性格について
- 5.カラカルは人間と暮らせるのか?
- 6.カラカルは日本で飼える?
- 7.まとめ
1-1.個体差がある体の大きさ
1-2.個性的な尖った三角形の耳
1-3.眉毛が生えている?!目の周りの黒い毛
1-4.短毛でスリム体型
3-1.壁画にも描かれた神聖な動物
3-2.カラカルは「猫」ではない
4-1.素早いスピードで駆け抜けるカラカル
4-2.ビックリするくらいのジャンプ力!
4-3.向かうところ敵なしレベルのカラカルのハンター能力
4-4.カラカルは夜型動物
4-5.保護されているカラカル
6-1.現在、日本では新たにカラカルを飼い始めることはできない
6-2.日本でカラカルに会える場所
カラカルってどんな動物?
まずはカラカルの見た目についてお話ししていきます。
◆個体差がある体の大きさ
カラカルの体長は55~90㎝くらい、体重は8~23キロほどと小さかったり大きかったりと個体差が少しあるようです。
生活環境によって成長後の体の大きさは変化します。
◆個性的な尖った三角形の耳
カラカルの耳はかなり個性的で、小さな顔の割に耳は大きいです。三角に尖っている耳の先端には、フサフサした黒い毛が生えています。大きな耳で黒い毛が生えているのが、カラカルを見分ける大きな特徴でしょう。
実は、黒い毛のことを意味するトルコの言葉「カラカル」が名前の由来になっているのだそうです。
◆眉毛が生えている?!目の周りの黒い毛
カラカルの黒い毛は、耳だけではありません。顔にも黒い毛が生えていて、目の上には短い眉毛のような黒い部分が目立ちます。黒い毛は、鼻の下周辺まで続いています。
◆短毛でスリム体型
カラカルの体は、「赤茶っぽい」「黄色っぽい茶色」で野生の風景の雰囲気に合う被毛カラーです。お腹の周辺は白い色、そして体全体も濃くなく薄い色です。全体的に薄い色ですが、耳と目の周辺が黒くアクセントになっているところがチャームポイントにも見えますね。
カラカルの脚は長くスリムで、運動神経がよさそうな外見です。
カラカルの生息地域はどこ?
ネコ科動物のカラカルは、主にアフリカ大陸の野生で生息しています。そのほか、サウジアラビア、イラン、アフガニスタン、インドなどの乾燥している草原や森林で姿を確認されています。
サハラ砂漠などを除いた平地で暮らすことが多いのですが、標高3000mもの高い山や岩場などでも姿をキャッチされたこともあります。
カラカルはアフリカ大陸に広く分布して生息していますが、その数は自然の開発などが原因で年々少なくなっているのだそうです。
「個体数の減少」「夜行性」「警戒心が強い」と三拍子揃っていることもあり、野生に住むカラカルを見たくても簡単に出会うことは難しく、現地でも「幻のネコ」と言われるほど、珍しいネコ科動物なのです。
見た目は猫だけど…そもそもカラカルは猫?
◆壁画にも描かれた神聖な動物
カラカルは、古代エジプトの頃から存在していて、「神聖な動物」と考えられていたと言われています。そのことは、カラカルが描かれた壁画や絵などが当時のものから発見されたことから実証済み。守り神としてエジプトの人々の生活のなかで重要な存在として崇められていたのです。
そんな背景を知ってからカラカルの写真や動画を見ると、神秘的で不思議な雰囲気を改めて感じますよね。
猫のように思えるカラカルですが、実際のところどうなのでしょう?
◆カラカルは「猫」ではない
猫の種類として登録されているのは100種ほどですが、カラカルはそれには属しません。見た目がまるで猫なので「猫」と言ってしまいそうですが、生物学上の分類では「ネコ科動物」とされている動物です。
ネコ科動物の分類は8系統あり、カラカルが属しているのは「カラカル系」という系統です。
カラカル系のネコ科動物はカラカルのほか、サーバル、アフリカゴールデンキャットが属しています。これらのネコ科動物は、細くて長い脚を武器にジャンプ力が高いのが特徴です。
「ネコ科動物」ですが、ほとんど猫のような姿ですよね。
カラカルの特徴・性格について
カラカルの特徴や性格についてお話ししていきます。
◆素早いスピードで駆け抜けるカラカル
個性的ではありますが、だまっていればまるで猫のような可愛らしい見た目のカラカル。
そのため、ついつい忘れてしまいそうになりますが、カラカルはネコ科の野生動物です。厳しい大自然のなかをたくましく生き抜く強靭な力を持っていて、カラカルの身体能力にも表れています。
自分よりも大きな野生動物が逃げてもあっと言う間に追いつくスピードをカラカルは持っています。体の大きさや年齢など、個体によって出せるスピードは違いますが、速い場合には時速80キロという猛スピードで駆け抜けることもできると言われています。
◆ビックリするくらいのジャンプ力!
カラカルは、地上で暮らす動物以外も捕獲のターゲットにします。空を飛んでいる鳥たちも追い詰めジャンプして捕獲します。そのジャンプ力は驚異的!!なんと、地上から3m程度の位置にいる鳥も捕獲できるほどです。
そして、俊敏に空を飛んでいる鳥の群れを襲うことができる瞬発力もあります。反射神経抜群なので、「ココだ!」という瞬間にジャンプし鳥に突撃、あっと言う間に数羽単位でゲットできるのだとか…!
◆向かうところ敵なしレベルのカラカルのハンター能力
飛んでいる鳥さえも逃げられないカラカルのハンター能力は、百発百中にも近い成功率…と言っても過言ではないかもしれませんね。
野生で暮らしているカラカルは、自分よりも大きい動物にだって負けません。
ハイエナやジャッカルなどの強い動物が狙っているのと同じ獲物も捕まえようとします。獲物を取りあう闘いが勃発しても「負けるものか」と立ち向かい、結果的に横取りすることもあるなど「獰猛」なところがあります。
百獣の王などと自然界で恐れられているライオンに立ち向かうなど、結構凶暴な姿も見られます。
とにかくハンターとしての気質は他の動物には負けない気迫があります。カラカルに睨まれた動物は必死で逃げようとしますが、最終的に捕えられることになるでしょう。敵に回したら恐ろしく強いネコ科動物として、自然界では恐れられているのかもしれませんね。
◆カラカルは夜型動物
カラカルは基本的に単独での行動を好むと言われています。警戒心がかなり強く、周囲が暗くなったころに活動を始めようとします。
また、カラカルは、自慢の大きな耳を獲物捕獲のときに使い、ちょっとした音も聞き逃しません。どちらの方向に獲物がいるのか、自分からどのくらい離れた距離に獲物をいるのか…、そんな細かい情報をカラカルの大きな耳はキャッチします。
絶妙なタイミングで獲物を仕留めないと食いはぐれてしまうので、絶対的なチャンスを逃さない頭脳派なところがあります。まるでレーダー並みの優れた能力ですね。そんな優れた能力と獲物を仕留める賢さを持っているので夜でも動けます。基本的に日中は目立つ行動はあまりしません。
◆保護されているカラカル
カラカルが生息している森林などの自然の開発が近年進み、少しずつ森林が少なくなっているため年々野生で暮らすカラカルの数は減ってきているのが現状です。
しかし、極端に減っているわけでもなく、またワシントン条約で保護されているネコ科動物なので、野生動物によくある「絶滅」の心配はなさそうです。
カラカルは人間と暮らせるのか?
カラカルの野生のハンター能力はビックリすることばかり。大きな動物にも立ち向かうなど、獰猛なイメージを持つと人間と一緒に暮らせるのだろうかという疑問も起こりますよね。
カラカルはネコ科動物で外見的には凛々しく勇敢な表情をしているものの、体を全体的に見ると「猫」と雰囲気は一緒です。しかし、獰猛なハンター気質を備えた野生のカラカルを家で飼うことは難しいでしょう。
ただ、インド、イランなどの海外では、カラカルをウサギ狩りや鳥の猟のために飼っていた話もあります。その場合は、幼少時代から人間に慣らすことが前提だそうです。
野生化しないうちに人間との生活に慣れてくれれば、そのように狩猟猫的に飼うこともできるのですね。
カラカルは日本で飼える?
カラカルの幼少時代はキュートです。小さいカラカルを見ていると、「猫」と見間違うほどの可愛さがあります。尖った耳や顔の黒い部分など神秘的なところもあるので、ワイルドで個性的な動物が好きな人なら飼いたいと思うかもしれませんね。
◆現在、日本では新たにカラカルを飼い始めることはできない
令和2年6月1日から、カラカルをペットとして飼うことは動物愛護管理法で禁止されてしまいました。
令和2年5月31日以前から飼育している人については、居住の都道府県知事または政令指定都市の長の許可を受ければ引き続き飼うことができます。
その「許可」についても、カラカルの脅威のジャンプ力対策をはじめとする、カラカルを飼育するにあたって適切な環境を整備しなくては受けることができませんでした。
◆日本でカラカルに会える場所
カラカルをペットとして飼えなくなった今、日本でカラカルに会える場所は飼育環境が整った動物園となります。
ただ、カラカルは日本の動物園でも希少な存在。なかなかお目にかかれないものの、以下の動物園などでは会うことができるようです。
http://www.oouchiyama-zoo.com/
・兵庫県姫路市「姫路市立動物園」
http://www.city.himeji.lg.jp/dobutuen/
・広島県福山市「福山市立動物園」
http://www.fukuyamazoo.jp/index.php
国内でカラカルを見ることができる動物園は3カ所と、残念ながら多くない状況です。
しかし、動物園ではTwitterやInstagramといったSNSで日ごろの動物の様子を発信している所もありますので、カラカルの写真や動画を飼育員さんならではの距離感で撮影したものを見ることができますよ。
これらの動物園以外にも、過去カラカルの飼育がされていた所がいくつかありました。しかし、寿命を迎えて天国へ旅立ってしまうケースで見られなくなるなど、日本でもカラカルに出会える動物園が少なくなってきました。
今カラカルがいる動物園でも、高齢化や病気にかかるなどで展示が不可能になるケースも考えられます。カラカルに会ってみたい!と思っている方はぜひ近くの動物園に会いに行ってみてください。
まとめ
少し神秘的でワイルドな特徴もありますが、カラカルは猫のように愛嬌のある表情をします。だまっていると可愛らしく家庭でペットにできそうな気もします。
でも、カラカルは「ネコ科動物」で一般的なイエネコとは違い、そもそも野生で生きるため「狙った獲物は逃がさない」「自分より大きな動物にも屈しない」などの獰猛な気質があります。人間に慣れてくれさえすれば、ペットでも飼うことができますが、クリアしなければならない条件も多いです。
現地ではなかなか出会えない幻の猫とも言われていますが、日本ではいくつかの動物園でもお目にかかることができそうなので機会があったら是非見てみたいですね。
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