猫にとって引っ越しは大きなストレス?
猫は、飼い主だけに懐く性格も持っていますが、生活する環境にもとても繊細に反応します。猫は環境の変化を嫌う習性があるということは、よく言われることです。
例えば、住んでいる部屋に違う家具が増えたというだけでも、猫は警戒して普段の動きをしなくなることもあるのです。もちろん、部屋の模様替えをしたり、家族が増えたりすることでも環境が変わることになります。
猫は自分のなわばりを大切にしますので、少しの環境の変化も「なわばりに異変が起きた」と判断すると考えられます。
特に引っ越しは劇的に生活環境が変わるものなので、猫にとっては大変なストレスを感じることになるのです。
物陰に隠れて出てこないということは、慣れない環境に警戒したり怖がったりしているのですね。
引っ越しする前の準備、当日の対応は?
引っ越しの際に愛猫になるべくストレスをかけないようにするためにも、事前の準備はとても大切です。
◆なるべく変化を与えない環境が◎
引っ越しする前には、荷造りすることですでに普段と違う環境になっていますね。
早めに準備する場合には、出来るだけ猫が過ごしている部屋と、荷造りした部屋を分けておいて、あまり変化を感じさせないようにすると良いでしょう。
荷造り品がどうしても猫の目に触れる場合には、一箇所にまとめて布をかけるなどして、あまり大きく部屋の変化を感じさせないようにします。
◆前もって猫の居場所を決めておく
猫は、引っ越す前も引っ越し後も、フードや水、トイレ、そして滞在する場所が必要です。また、慣れない移動でも、出来る限り普段の生活がおくれるような準備が必要です。
引っ越す日にどのような行動をするのか、前もって決めておくと良いでしょう。この時に猫はどうしているのか、といったことを決めておくと、当日に焦らないで済みます。
◆引っ越し当日は脱走に注意
引っ越しの荷物を運び出したり、引っ越し業者さんが入ったりするなど、猫に気がいかず、逃げてしまう可能性があります。引っ越し業者さんにも、猫がいるから逃さないようにして欲しい、と伝えておきましょう。
引っ越し先で逃げてしまうと、慣れない場所で猫もどこに行けば良いかわかりませんし、飼い主さんも探しにくいものです。そんな事のないようにしっかりと猫のお世話をしてあげましょう。
◆安全な状況で運ぶようにする
猫の脱走がないように配慮することに加え、出来る限り安全に移動が出来るようにすることが大切です。
ケージに入れて運ぶ時にも、ケージに入っている時間が短く済むようにしてあげましょう。また、外の様子が見えないように布をかけて、不安にさせないようにしましょう。
◆出る時は猫が最後、入る時は猫が最初
飼い主さんが自分の車で移動できる場合には、猫は一緒に連れて移動することが望ましいでしょう。
引っ越しの段取りにもよりますが、荷物と一緒に運ぶ場合、最後に車に積んで、新居に一番先に下ろすことが出来るようにしてあげてください。
猫を先に引っ越し先に入れたら、部屋に水やトイレと入れてしっかり鍵をかけておくなど、逃げないようにしっかり対策をしましょう。
猫が引っ越し後に出てこない時の対応は?
引っ越しをした当初、猫が物陰に隠れてなかなか出てこない、ということがあります。その時には、まずあまり心配しないことが大切です。
◆引っ越し後は猫が探る時間を大切に
生活環境が変わり慣れない場所に来た事で、猫は警戒しており、不安な気持ちでいるはずです。隠れて出てこないということがその証拠です。
自分の今までのなわばりでもなく、部屋の形も違っているし、匂いも違っているし、家具など部屋にあるものも違います。猫にとって全く知らない、新しい場所に来たわけですから、敵がいないか、どんな場所なのかを探っているのです。
慣れない場所で普段どおり動くほうが難しいものです。猫の様子を見守りましょう。
◆隠れている場所から無理やり出さない
まず、無理矢理隠れている場所から引っ張り出すことはしないようにしましょう。無理矢理出しても、また隠れてしまう可能性が大ですし、より恐怖心を与えることにもなりかねません。
猫のペースに合わせて、自分から慣れて出てくることを待つ方が良いでしょう。自分で匂いを嗅いだり探ったりしながら、徐々に新居を自分のなわばりにしていくのです。
◆安心できる環境を作ろう
自分から出て来やすいような環境を作っておくことは大切です。フードや水、トイレは近くに置き、出来れば使っていたおもちゃや猫ベッドも置いてあげましょう。
フードと水については、ちゃんと食べたり飲んだりしているかを確認しましょう。なかなか引っ越し当日は食べないかも知れませんが、それこそ無理に食べさせることは出来ません。
◆いつも通り優しく声をかける
出てこないからといって、猫を放置しておいて良いわけではありません。飼い主さんが声をかけてあげることも大切です。
普段と同じように、ごはんだよと声をかけたり、猫の名前を呼ぶなどして、飼い主さんはちゃんといるという事を伝えてあげましょう。
猫に新居に慣れてもらう方法は?
猫ちゃん自身が引っ越し先に慣れるためには時間が必要ですが、室内の環境を工夫することでより慣れやすくすることもできます。
◆なるべく慣れた家具を使う
引っ越し前から考えておくべきことですが、「新居の家具を全て新しいものにする」ということはやめた方が良いと考えられます。
出来れば、以前もあった家具を出来る限り使ってあげると、猫も落ち着きます。猫トイレや猫ベッドなど、猫の匂いがついているものがあれば、新居でも使いましょう。
キャットタワーやおもちゃなども、前の家で使っていたものを新居でも使うということが、猫の安心につながるでしょう。
◆家具を新調する時はゆっくりと
家具を変えたい場合には、猫が新居の生活に慣れたころに、少しずつ変えていくようにしましょう。
飼い主さんも、引っ越しをして慣れない家に来たわけですから、気持ちが高ぶっているかもしれません。ですが、出来る限り落ち着いて、猫にも以前のように声をかけてあげながら、猫が徐々に慣れていくことを待ちましょう。
◆落ち着ける場所を作る
引っ越し後、新しい場所に来たばかりの猫には、居場所がないと感じています。前からの猫ベッドや、匂いのついた毛布などを、落ち着ける静かな場所に置いてあげましょう。
また、隠れられる狭い場所をあえて作ってあげるのも、猫にとって良い事です。
新居に慣れないうちは、少し偵察した後にまた隠れて落ち着く、ということが見られます。怖い時や不安な時に隠れられる静かな場所があると、猫は安心出来ます。ゆっくり眠れる自分の匂いのする場所を用意してあげることで、猫もリラックスすることが出来ます。
引っ越し後には、新居もちゃんと飼い主さんがいて、フードと水もあってトイレも快適な場所ですよ、ということを猫にわからせてあげましょう。これからまた一緒に長い期間を暮らす場所になるのですからね。
引っ越し後の猫のストレス解消法は?
生活している場所が変わった事で、猫は何らかのストレスを感じていることでしょう。なるべくそれ以上ストレスをかけないよう、ストレスを解消してあげましょう。
◆飼い主がスキンシップをとる
まず名前を呼んだり、なでてあげたりするなどして、慣れない場所に来て不安になっている気持ちをやわらげてあげましょう。
知らない人がいるというだけでも猫は警戒し、不安になります。飼い主さんは今までと変わらず接しているよ、という態度をしっかり見せてあげましょう。
◆環境を前の家と似せる
以前の家と変わっている点があれば、出来るだけ似せた環境にしてあげる方法もあります。
前の住まいと同じ家具を使う、外が見えていたならば、新居でも外が見えるようにしてあげるなどです。
そのためにも、キャットタワーや猫ベッド、いつも登っていたソファなど、引っ越し前に使っていた猫のお気に入りを新居でも使ってあげることで、新しい環境に慣れやすくなります。
家具が変わっていても、以前と同じような配置にしてあげるだけでも、猫は居場所を見つけて落ち着けることもあります。
◆運動をさせる
猫にとって上下運動は大切なので、キャットタワーで遊んであげることも良いでしょう。
前の住まいで使っていたおもちゃも、捨てずに新居で使って遊んであげることで、警戒せずに遊んでくれる可能性があります。慣れない新しいおもちゃより、よく使っている匂いのついたおもちゃのほうが、猫も安心出来ます。
◆おいしい餌をあげる
ご褒美であげているおやつを飼い主さんの手からあげるなど、少し甘えさせることも、猫にとって良い時があります。
猫と引っ越し後のまとめ
猫が引っ越し後に、隠れて出てこない時には、猫のペースを尊重して見守りましょう。
環境が変わることで不安なので、前と変わらずに過ごせないこともあります。慣れるまでは安全と感じるところに隠れて、呼んでも出てこないことも十分あり得ます。飼い主さんの方も、引っ越し後でいつもと違う環境になり、慣れない場所での生活で、落ち着けないこともあるでしょう。猫もそんな飼い主さんの気持ちを敏感に感じ取ってしまいます。
猫にも気を配って、どちらも早く新居に慣れていけるようにしましょう。
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