猫パンチとは?
猫パンチとは、猫が前足のうちどちらかを使って、ボクシングのパンチの様にして叩いてくる行為です。
◆様々なパターンを持つ猫パンチ
猫は、片方の前足だけを使って猫パンチすることもありますし、連続でパンチをすることも出来ますし、興奮した時には両方を使ってパンチ、なんて場合もあります。
猫パンチをする時には両足で立つこともあり、猫のすばらしいバランス感覚が見られます。
◆猫の前足はかなり器用
猫は、手のひら(肉球部分)を内側に向けることが出来ます。また、指も内側に曲げられますので、爪を出せばぎゅっと対象物に引っ掛けることが出来ます。
このように、猫は前足をうまく使って様々な行動をすることが出来ます。そのため、相手に対しての行動は、見る、匂いを嗅ぐと行った他に、前足でも行っているのです。
猫パンチをする意味は?威力は?
猫パンチは、いつも同じものではなく、状況や猫の気持ちによって違いがあります。爪のあるなし、スピード、そしてパンチの威力で、猫パンチの意味を知ることができます。
猫パンチには、大きく分けて3つの意味があると考えられます。
・かまって欲しい猫パンチ
・不快な時の猫パンチ
・攻撃の猫パンチ
– 猫パンチの意味①かまって欲しい猫パンチ –
猫が遊んで欲しかったり、興味を持って欲しかったりする時に、爪を出さないでする猫パンチです。甘えたり、おねだりしたりする気持ちの意味があります。
◆猫パンチの威力はかなり弱い
この時の猫パンチの威力の程度としては、低いものと言えます。
人が誰かを呼ぶのに「ねぇねぇ」といった感じで肩をたたくように、「トントン」といった程度のやさしい強さでしょう。パンチというよりは、押さえる、触るといった感じのパンチになることもあります。
◆おねだりやじゃれあいの意味が強い
飼い主さんにごはんをおねだりしたり、きょうだい猫とじゃれあったりする時にも、この爪を出さずに触れ合う程度の猫パンチをすることがあります。
また、子猫がおもちゃにじゃれる時にも、このような軽いパンチで遊ぶことがあります。
猫は前足が器用で、指を開いたり、手首が内側に展開したりするので、ものを両手で挟んで引き寄せたりすることも出来ます。力としての威力はありませんが、かわいさの威力は計り知れないものがあります。
◆初めて見たものへの興味の意味も
爪を出さない程度の猫パンチという意味では、見たことがないものや、初めて会った猫などの相手に対する時に、軽いパンチで安全かどうか確認していることがあります。
このような爪の出さない、威力の弱い猫パンチは、相手に対して、敵対心や強い攻撃の気持ちはないということになります。
– 猫パンチの意味②不快な時の猫パンチ –
猫が不快に思った時にしてくるパンチです。パンチの威力の程度は、中から強といった感じです。
この時は、爪を出さない時もありますし、猫が興奮したり怒ったりしていれば、爪が出ていることもあります。
◆触られたくない、近づいてほしくない
具体的には、撫でられて欲しくないところを触られたり、嫌いな相手が近づいてきたりした時に、「やめて欲しい」「こっちに来るな」といった意味でしてくる猫パンチです。
猫には触って欲しくないとされる場所があり、背中やお腹、尻尾の付け根、手足の先など、猫によって個体差もあって様々です。
相手に対する好き嫌いもありますので、猫パンチをすることで、それ以上はしないで、という意思表示をしているのですね。
嫌がっているのに、無理矢理に触ったり追いかけたりすることのない様に気をつけてくださいね。
◆猫同士の遊びがエスカレート
猫同士で遊んでいるうちに、エスカレートしてパンチが強くなったという状況もあります。
この時の猫同士の猫パンチは、手を出すと怪我をする恐れもありますので、気をつけるようにしましょう。
◆猫自身が怪我をしている場合も…
怪我をしていたり、具合が悪かったりする時に、触ろうとすると嫌がってパンチをしてくることもあります。
飼い主さんは猫の様子をよく見て、猫の体に異常がないか確認するようにしましょう。
– 猫パンチの意味③攻撃の猫パンチ –
猫が本気の喧嘩の時や、身を守るためにする猫パンチです。または、鳥やネズミといった獲物を捕まえる時にもこの猫パンチをします。
◆相手が怪我をするほどの威力
パンチの威力は強く、爪を出しています。もしひっかかれれば、怪我をする可能性が高いと言えます。
野良猫同士で喧嘩をする時の最終的な状態では、この本気のパンチが繰り出されていることでしょう。
また、獲物を捕まえる時の猫パンチは、容赦ない強い威力のもので、小動物が死んでしまうほど強いものだと想像されます。
そのため、飼われている猫が飼い主さんにこのように攻撃することはめったに見られないでしょう。
◆身を守るために攻撃的になることも
動物病院に連れていくためにケージに入れようとしたり、他のペットに恐怖心を感じたりした場合には、思いがけない力で暴れるかも知れません。この時に、身を守るためやパニックのため、強い威力の猫パンチをすることがあります。
また、怪我をして痛みがあったり、触られることで恐怖を感じたりした場合にも、身を守ろうとして猫パンチをしてくることがあります。
動物病院に行った時は、猫キャリーに入れて、待っている間に不用意に猫を触らないように気をつけた方が良いでしょう。
◆威嚇の意味の猫パンチ
攻撃のための猫パンチの前段階として、威嚇の猫パンチというものもあります。猫同士の喧嘩の時に、これ以上すると本気になるぞ、といった意味でする猫パンチです。
強さは中からやや強い程度の威力です。
他には、噛み付いて来るような獲物に対して威嚇したり、猫じゃらしなどおもちゃに対しても同じ様に威嚇したりする時に、強めのパンチをすることがあります。
猫パンチされる時の対策は?
あまり威力が強い猫パンチの場合は、飼い主さんが怪我をする恐れもあります。
以下のような点に気をつけ、対策をとりましょう。
・猫が嫌がる時には触らない
・遊ぶ時には手を使わない
・怪我や病気の場合には動物病院へ連れていく
◆猫が嫌がる時には触らない
一緒に暮らして、慣れていると思っている飼い猫でも、機嫌が悪かったり、触られたくなかったりする時に触られると、猫パンチをしてくることがあります。
そのような時には、一旦猫との距離を置きましょう。猫だって、静かにしていたい時や触られたくない時があるのです。
特に、面白がって何度も触ることや、猫パンチされたことで猫を強く叱ったりすると、猫との信頼関係が崩れてしまいます。
猫の気持ちが回復することを待って、そっとしておきましょう。
◆遊ぶ時には手を使わない
猫がじゃれついてきて、猫パンチをすることがあります。これは遊びの中でのパンチなので、やめさせたり、叱ったりしない方が良いと考えられます。
やめた方が良いのは、手で遊ぶ癖をつけてしまうことです。これは猫が飼い主さんの手を、遊び相手や獲物のかわりと認識してしまうためです。
飼い主さんの手を獲物がわりにしてしまうと、何もしていなくても手にじゃれついて、猫パンチをしたり、かみついたりしてくるようになってしまいます。
さらに、抱っこしたり撫でたりする時にも猫パンチをしてくるようになる可能性があり、普段の猫との生活にも支障が出てしまいます。
猫と遊んであげる時には、猫じゃらしや紐など、手ではないもので遊んであげるようにしましょう。
◆怪我や病気の場合には動物病院へ連れていく
触ったり抱っこしたりした時、いつもと違う様子で、猫パンチをしてきた場合には、体調に異常がある可能性もあります。怪我をしていて痛いところに触られたくないために猫パンチをしていることがあるからです。
普段、触っていても平気だったのに、嫌がって猫パンチをしてくるようであれば、動物病院に連れていくことをお勧めします。
病院に連れていく時にも、暴れるのを防ぎ、猫パンチで攻撃されるのを防ぐために、バスタオルなどで包んでキャリーに入れてくださいね。
野良猫の猫パンチは要注意!
野良猫を保護したり、事故にあった猫を保護したりする時にも、パニックになった猫パンチをされる可能性があります。この時に注意したいのが、感染症の危険性です。
◆野良猫にひっかかれたら病院へ
猫パンチされて引っかかれた場合には、放置しないで、人間も早めの処置と治療が必要です。
特に外猫や野良猫は様々な病原菌を持っている可能性があるため、引っかかれた傷から感染症になってしまうかも知れません。
まずは皮膚科に行き、猫に引っかかれたことを伝えて治療してもらってくださいね。
猫パンチのまとめ
猫のしぐさの中でも、猫特有の動きが見られる猫パンチ。ただし、威力のある猫パンチをされると、怪我をすることもあります。
飼い猫が繰り出して来る猫パンチの威力から、どんな気持ちなのか、どんな意味があるのかを想像することが出来ます。
じゃれついてきた場合や、ごはんが欲しい、遊んで欲しいといったおねだりならかわいいですが、強い猫パンチの場合には少し注意が必要ですね。
爪を立て、飼い主さんに本気で猫パンチして攻撃してくる時には、まだまだ信頼関係が出来ていないのかも知れません。
猫パンチからも、猫の気持ちがわかるようになれるように、よく観察していてあげてくださいね。
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