1.猫の「サイレントニャー」とは?
1-1.様々な猫がするサイレントニャー
1-2.鳴き声を使い分けている猫
2.サイレントニャーをする意味は?
2-1.意味①子猫が母親に甘えている
2-2.意味②不安な気持ちの時
2-3.意味③眠い時
2-4.意味④声を出すのが面倒な時
2-5.意味⑤子猫が母猫を呼ぶため
2-6.意味⑥何か要求している時
2-7.意味⑦何かに夢中になっている時
3.サイレントニャーが聞こえない理由は?
3-1.鳴いていないため
3-2.高周波で鳴いているため
4.サイレントニャーではない場合もある
4-1.鳴きすぎて声が出ない
4-2.猫風邪にかかった
4-3.喘息(慢性気管支炎やアレルギー性気管支炎)にかかった
4-4.ストレスのため
猫の「サイレントニャー」とは?
猫のサイレントニャーとは、猫が口を開けて鳴く動きをしているにもかかわらず、鳴き声が聞こえないという鳴き方です。
◆様々な猫がするサイレントニャー
サイレントニャーは、生まれて間もない子猫でも、成猫でも、老猫でも発することがあります。また、飼い猫が飼い主さんに向かってするだけでなく、猫同士でも、野良猫でもサイレントニャーをすることがあります。
ただ、サイレントニャーをする猫もしない猫もいるため、飼い主さんによっては全く見たことがないという人もいます。
◆鳴き声を使い分けている猫
サイレントニャーをする猫も、もちろん普段は普通に聞こえる鳴き声を出します。サイレントニャーの鳴き方をしたからといって、猫の声が出なくなったわけではなりません。
鳴き声が聞こえないからといって、口を少ししか開けないわけではなく、大きく口を開けて鳴く動きをすることもあります。
また、サイレントニャーは、口だけでなくちゃんとお腹も動いていることもあります。
サイレントニャーをする意味は?
なぜ猫はサイレントニャーをするのでしょうか?
◆意味①子猫が母親に甘えている
子猫が母猫と一緒にいて、甘える時や呼ぶ時に、サイレントニャーをすることがあります。
これは母猫に対する愛情表現とされていますので、飼い猫が飼い主さんに向かってサイレントミャーをする時にも、愛情表現の意味があると考えられます。
サイレントニャーで鳴かれることは、飼い主さんや猫好きにとっては、最高の甘えた鳴き声で信頼されている証拠だという説があります。
◆意味②不安な気持ちの時
猫が不安な気持ちを表す意味で、サイレントニャーで鳴くことがあります。
例えば、飼い主さんが見えないところから声をかけて、どこにいるかわからないけれど返事をしている、といった時などです。また、室内にいる猫が、外で野良猫の声が聞こえた時に、反応するけれども声を出さないといった場合もあります。
不安もあり、何か期待をしている気持ちもあるといった、不安定な気持ちを表していると考えられます。
◆意味③眠い時
猫が眠い時、またはすでにうとうととしている時、サイレントニャーをする時があります。サイレントニャーをするかと思ったらあくびだった、ということもあるようです。
まるで寝言を言うように口を動かして、鳴いたようでも声が出ていないサイレントニャーは、夢の中では鳴いているのかも知れません。
◆意味④声を出すのが面倒な時
猫が飼い主さんに返事を返す時、鳴くのが面倒で口だけ動かした(ように見える)時もあります。簡単な返事の意味でサイレントニャーをしれくれた、ということですね。
猫が呼びかけに対して尻尾を動かして反応することもあるように、最小限の動きで猫が反応してくれた、ということになります。
◆意味⑤子猫が母猫を呼ぶため
人間には聞こえませんが、実際には鳴いているという場合があります。
猫は高周波で鳴くことができ、主に子猫が母猫を呼ぶ時に発せられるとされています。
これは、危険を感じた子猫が鳴いても、敵に知られないで母猫に伝えることができるという意味があると考えられます。
猫は可聴域が広く、高音域もよく聞き取ることができるので、母猫が子猫のサイレントニャーを聞きとることができるということです。
◆意味⑥何か要求している時
例えば、猫が飼い主さんにもっと撫でて欲しい時、餌が欲しい時、部屋から出たいので戸を開けて欲しい時など、何か要求している意味がある場合もあります。
このような場合には、飼い主さんに対してとても信頼しているという状態なので、飼い主さんは喜んで良いでしょう。
猫同士のコミュニケーションでも、サイレントニャーで鳴いていることがあるようです。
◆意味⑦何かに夢中になっている時
猫じゃらしを追っていたり、猫同士で遊んでいたりして、夢中になっている時、このサイレントニャーで鳴くことがあります。
サイレントニャーが聞こえない理由は?
サイレントニャーが聞こえない場合、どんな理由があるのでしょうか。
◆鳴いていないため
猫が声を出していないため、全く聞こえないという場合があります。ニャーという声は聞こえないけれど、空気が発せられることがわかるサイレントニャーもあります。
猫が大きい声を出すつもりがなくてそのようになったか、またはとても小さい声で鳴いていて聞こえにくいだけ、という場合もあります。
◆高周波で鳴いているため
実際は鳴いている時のサイレントニャーが聞こえないのは、なぜなのでしょうか?
猫が聞こえる音の範囲=可聴域は、25~75,000ヘルツくらいだと言われています。それに対して、人間の可聴域は、20から20,000ヘルツです。サイレントニャーがどのくらいの高周波なのかは定かではありませんが、猫同士であれば聞こえているような周波数で鳴いていると考えられます。
サイレントニャーは、猫であれば聞こえるのですが、人間には聞こえていないということになります。
サイレントニャーではない場合もある
サイレントニャーは、猫が故意に鳴いているものですが、まれに声がうまく出なくなる病気になっていることもあります。
猫の声がうまく出なくなる状態については次のようなものです。
◆鳴きすぎて声が出ない
猫も鳴きすぎると、喉を痛めて声がかすれてしまいます。長時間、大きい声で鳴き続けていたりすれば、その後に声がよく出せなくなってサイレントニャーのようになることがあるかも知れません。
何かを要求して鳴き続けていたのであれば、飼い主さんはできるだけ猫の希望を聞いてあげて、鳴き続けずに済むようにしてあげてください。
体調が悪かったり、どこか痛かったりして鳴き続ける場合もあるので、猫の体調もチェックしてあげてください。
◆猫風邪にかかった
猫風邪は、咳や目やに、鼻水が出て、くしゃみをすることもあり、人間の風邪のような症状が出ます。
原因には、猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、クラミジア感染症などがあり、猫がどの風邪にかかったかにより症状も異なり、治療法も違ってきます。
猫の鳴き声がかすれることもあるので、サイレントニャーのように見えることがあるかも知れません。
鼻水が出たりくしゃみをしたり、食欲がなくなって元気もないといった状態であれば、動物病院に連れて行きましょう。
◆喘息(慢性気管支炎やアレルギー性気管支炎)にかかった
猫が喘息になると、ゼェゼェと息をするようになったり、咳をしたりするようになります。症状が悪化すると、息が荒くなり、呼吸が苦しそうになります。
喘息の原因はよくわかっていませんので、アレルギーを起こす物質を猫から遠ざける必要があります。
◆ストレスのため
猫はストレスを感じることでも、声がうまく出なくなることがあります。
引っ越しや、新しいペットが増えた、模様替えをした、など、様々なことが猫のストレスの原因になることがあります。
サイレントニャーは、多くの場合は猫がリラックスしたり落ち着いたりしていて、相手を信頼している時に出す鳴き声です。病気などで体調が悪い時には、飼い主さんであれば気づくことなので、動物病院でできるだけ早めに診てもらうようにしましょう。
サイレントニャー以外の猫の鳴き声の意味は?
猫は、猫同士や、人間に対して様々な声でコミュニケーションを取ります。
猫の鳴き声について、意味については、次のようになります。
ニャー 長めに鳴く |
挨拶や返事、餌が欲しい時の要求、甘える時など。 | ニャオ 短めに鳴く |
挨拶や返事の意味。 | ニャッ 短く強く鳴く |
不満や軽い警告の意味。 | ミャー、ミャオ 高く強さがある |
親猫が子猫を呼ぶ、子猫が親猫を呼ぶ、相手の確認をする時など。 | ウー 唸り声 |
怒っている時や相手への威嚇、攻撃の意味。 | シャー 蛇の威嚇のような音 |
相手への威嚇、警告の意味がある。恐怖を感じていることもある。 | アオーン、ウワーン | 喧嘩の時に鳴く声。 | アーオ、ニャーオ | 発情期の時に出す声。相手を探したり呼んだりしている声。 | ンー、ムー 口をあまり開けずに鳴く |
餌が欲しい、遊んで欲しいなど不満がある時に相手に対して鳴く声。主に人間相手が多い。 | ケケケッ・カカカッ 短く小さく続けて鳴く |
小鳥など、手が届かないものを見ている時に短く繰り返し鳴く。クラッキングと呼ばれています。 |
猫が、ニャー、ニャオ、などの要求の泣き声を出してアピールするのは、主に人間が相手だと言われています。猫同士では、母猫と子猫の間でのやりとり、また敵対する猫とのやりとりで鳴くことが多いと言えるでしょう。
人間に飼われることにより、鳴くと人間が反応して餌をくれたり撫でてくれたりすることから、鳴いて何かを要求することを覚えたと考えられます。
猫のサイレントニャーのまとめ
猫のサイレントニャーは、子猫が母猫に対して鳴くように、信頼した相手に対して見せる愛情表現の意味があるとされます。
猫の気持ちははっきりとわかりませんが、不安があったり、声をしっかり出してなく気持ちがなかったり、眠かったり、適当に返事をしていたり、という場合もあるようです。
基本的にサイレントニャーは、猫がリラックスしていたり、安心したりといった状況で発せられることが多いと考えられます。サイレントニャーはなかなか見られないものとされているので、サイレントニャーで鳴いてくれたら、飼い主さんにとってはとても嬉しいことでしょう。
どのような意味でサイレントニャーをしてくれたのか想像しながら、猫とコミュニケーションを深めていってくださいね。
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