- 1.猫からゴロゴロ音が聞こえるのはなぜ?
- 2.猫がゴロゴロ鳴く理由6つ!
- 3.猫のゴロゴロによって気持ちを見分けられる?
- 4.医学的な意味からゴロゴロ鳴くことも!
- 5.猫のゴロゴロ音による癒しの効果とは?
- 6.猫のゴロゴロ音についてのまとめ
1-1.猫のゴロゴロに関する4つの説
1-2.声門を振動させてゴロゴロ鳴いている
1-3.様々な猫科動物のゴロゴロ音
2-1.子猫から母猫へのコミュニケーション
2-2.母猫が子猫を安心させるため
2-3.リラックスしている状態になっている
2-4.嬉しい、満足している
2-5.飼い主さんに何か要求がある
2-6.不安や不快な思いをしている
5-1.ゴロゴロ音で安心したり、落ち着く
5-2.ゴロゴロ音の低周波が影響している
猫からゴロゴロ音が聞こえるのはなぜ?
「猫が喉をゴロゴロ鳴らしている」と言いますが、あのゴロゴロやぐるぐるといった音はどうやって出しているのでしょうか?
◆猫のゴロゴロに関する4つの説
猫がどのようにして、ゴロゴロ、ぐるぐるといった音を出しているのか(鳴いているのか)は、長い間はっきりとわかっていませんでした。
猫がゴロゴロ出すしくみとしては、次の4つが可能性として考えられていました。
理由②:腹部から胸部へ静脈血が入る時に、血流が胸の中で反響して鳴るという説
理由③:動脈の血管の壁に血液が強く当たることで音が鳴るという説
理由④:喉頭の筋肉が痙攣して、声門を振動させるためにゴロゴロと鳴るという説
◆声門を振動させてゴロゴロ鳴いている
ゴロゴロ音の正体としては、最後の「喉頭の筋肉が痙攣し、声門を振動させることでゴロゴロ鳴いている」という説が有力なようです。
これは、筋肉の収縮を測定する筋電図によって、猫がゴロゴロ鳴いている時は、喉頭の筋肉が細かく伸縮を繰り返していることが明らかになったためです。1990年代の研究で、猫の神経発振器が収縮と弛緩を繰り返すことで、声門を動かす喉頭筋を動かしているということがわかりました。
◆様々な猫科動物のゴロゴロ音
同じネコ科の動物でも、大型のネコ科のライオンやトラ、ヒョウやジャガー、ピューマは喉を鳴らすことはほとんどないか、出来てもうまくは鳴らせないようです。
一方で、チーターやオセロットなど中型のネコ科動物は、猫のようにゴロゴロと喉を鳴らすことができるようです。
さらに、野良猫よりも飼い猫の方がゴロゴロと鳴くことが多い傾向があるということも分かっています。
猫がゴロゴロ鳴く理由6つ!
ゴロゴロ音のしくみがわかりましたが、猫はどんな時にゴロゴロ鳴くのでしょうか。
◆子猫から母猫へのコミュニケーション
子猫は生まれて2日ほどで、このゴロゴロぐるぐる音が出せるようになります。ゴロゴロ鳴くタイミングとしては、母親のミルクを飲む時などが多いようです。
これは、母猫に自分の安心感を伝えるためや、母猫に誤って踏みつぶされないようにするためだと言われています。また、母猫と離れている時にこのゴロゴロ音を出して、母親にそばに来てもらうためだという理由もあります。
ぐるぐる鳴くことで、音だけでなく、振動でも自分の存在を伝えることができるということですね。
◆母猫が子猫を安心させるため
逆に、母猫の方が子猫に近づく時や、授乳中などにもゴロゴロと鳴いていることがあります。
母猫が近づく時に子猫を安心させたり、自分がそばにいることを伝えたりするほか、母猫自身もリラックスしている時にゴロゴロと鳴きます。
ゴロゴロ、ぐるぐる音は、母猫と子猫とのお互いのコミュニケーションとしての音とも言えるでしょう。
◆リラックスしている状態になっている
猫はリラックスしている時にも、ゴロゴロ、ぐるぐると鳴きます。猫を飼っている人の多くも、なぜ猫がゴロゴロ鳴くのかと聞かれると、このリラックスしている状態だと認識していることでしょう。
子猫の授乳期にゴロゴロと鳴くので、成猫になってゴロゴロと無く時には、気持ちが子猫の頃のようになって、安心感や幸せを感じているということになります。そのため、「子猫がえりのゴロゴロ音」という言い方をされることもあります。
成猫が、毛布などやわらかい物の上で、両前脚を踏み踏みしながら、ゴロゴロと鳴いていることもありますね。この時にも、授乳していた頃の安心した気持ちになっていると言えます。
◆嬉しい、満足している
室内飼いで留守番させている猫だと、外出していた飼い主さんが帰って来た時、ゴロゴロと鳴いてすり寄ってくる猫も多いことでしょう。
これは、飼い主さんがいない間寂しかったけれど、帰ってきてくれて嬉しいと感じている理由のためだと考えられます。寂しさをより長い時間感じた猫の方が、より大きくゴロゴロ音を出した、という実験結果もあります。
猫が満足してゴロゴロ鳴く場面は多く、飼い主さんに撫でられている時、きょうだい猫が近づいてきて身を寄せた時、飼い主さんが食事の用意をし始めた時など、リラックスしたり嬉しさを感じたりしている時です。
◆飼い主さんに何か要求がある
要求がある時のゴロゴロぐるぐる音は、猫が飼い主に対して何か要望を抱いている場合によく発すると言われています。お腹が空いているのでご飯が欲しい、眠いので暖かいところで眠りたい、外に出たいなど、猫によって飼い主さんへ要求する理由は様々です。
この音の中には、高周波の声が含まれていることが、要求がある時のゴロゴロ音の特徴です。
なぜか私たち人間は、この高周波が含まれた猫のゴロゴロ、ぐるぐる音を聞くと、緊急性を感じると言われています。猫好きの人や猫を飼っている人はもちろん、猫を飼っていない人が聞いても、何か落ちつかない、要求を聞いてあげなくては、という風に聞こえてしまうとのこと。
そして、リラックスしている時の猫のゴロゴロには、高周波は含まれていないのです。
猫の気持ちでゴロゴロぐるぐる音も変わっているということになるのですね。
◆不安や不快な思いをしている
猫が不安だったり、または何か痛みを感じたりしていることが理由で、ゴロゴロと鳴くことがあるという説があります。猫が怪我や骨折をした時などに、ゴロゴロと鳴いていることがあるということです。
また、不快という状態を超えてしまいますが、死期が迫っている猫も、ゴロゴロと鳴くことがあるそうです。
猫のゴロゴロによって気持ちを見分けられる?
私たち人間が、ゴロゴロ、ぐるぐる音の違いで聞き分けて猫の状態を判断するのは難しいと考えられます。
ただ、ゴロゴロ鳴いている時の猫の様子を見れば、リラックスしているのか、痛みがあってつらそうなのか、猫好きの人であれば判断できる場合もありますね。
例えば、手足を伸ばしたりせず、うずくまったり、小さくなったりして、猫が緊張しているようであれば、リラックスとは違うゴロゴロ音なのかも知れません。
また、怪我や骨折までとはいかなくても、猫が嫌な思いをしている時にもゴロゴロ鳴く場合があるとされています。これは、猫が嫌な状況に置かれたので、不安を解消しようとしているために、ゴロゴロ鳴いているという説です。猫が自分自身で、気持ちを落ち着かせようと発しているゴロゴロ、ぐるぐるだということですね。
医学的な意味からゴロゴロ鳴くことも!
猫の気持ちや状態だけでなく、全く別の医学的な意味から、猫のゴロゴロ鳴くことについての説があります。
猫のゴロゴロが持つ周波数の25ヘルツは、骨に刺激を与えて新陳代謝を活性化するだけでなく、破損してしまった骨の治癒を促進してくれる周波数だということが、2003年に行われた研究でわかりました。
可能性として、猫のゴロゴロやぐるぐるは、骨に含まれる骨芽細胞や破骨細胞を活性化して、骨密度を高く保つようにしているということです。
猫が、骨のことを考えているかどうかはわかりませんが、猫がゴロゴロぐるぐる鳴いている時には、猫の体にとって良い状態にしようとしている、ということが言えそうです。
怪我をした場合にもこのゴロゴロぐるぐる音を発することがわかっていますので、猫は本能的に体の治癒力を高めているのかも知れません。
猫のゴロゴロ音による癒しの効果とは?
◆ゴロゴロ音で安心したり、落ち着く
猫のゴロゴロ音は、猫同士ではコミュニケーションに使われるほか、幸せな時に発するとされていますが、人間にも癒しの効果があるということがわかっています。
人間が猫のゴロゴロ、ぐるぐる音を聞いていると、安心したり、幸せな気持ちになったり、落ち着いたりできるというのです。
◆ゴロゴロ音の低周波が影響している
ゴロゴロで人間が癒されるということには、しっかりと科学的根拠があります。
猫のゴロゴロぐるぐる音は20~50ヘルツの低周波なのですが、この音域は、人間の副交感神経を優位に立たせる効果があることがわかっています。
副交感神経が優位になると、人間の緊張をほぐす、ストレスを減らす、不眠を改善させる、不安を取り除くといった癒しの作用があるということです。
さらに、猫のゴロゴロぐるぐる音には、人間の持っている免疫力を高める効果もあることが確認されています。
フランスでは、アニマルセラピーの中でもゴロゴロセラピーというものが存在していて、本も出版されているほどです。
猫のゴロゴロ音についてのまとめ
猫好きな人にとっては、ゴロゴロ、ぐるぐると鳴くことも魅力のひとつですよね。
猫がゴロゴロと鳴理由の多くは、子猫がえりであったり、リラックスして満足していたり、何かを要求したりといった、どちらかといえば良い意味のことです。
中には成猫になってゴロゴロ鳴かない猫もいるということで、全ての猫がゴロゴロぐるぐる鳴いてアピールをしてくれる訳ではないようです。一緒に暮らしているうちに、ゴロゴロと鳴くようになる猫もいるとのこと。
撫でてあげたり、声をかけたりして、猫がリラックスして落ち着けるように接してあげることも良いでしょう。
ただ、猫がゴロゴロ鳴いても、もしあまり鳴かなくても、猫を大切にしてかわいがってあげてくださいね。
そして猫がゴロゴロと鳴いている場合には、今どんな気持ちで、どんな状態なのかをよく観察してあげることも大切です。
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