部位別!猫が撫でられて喜ぶ撫で方5つ
猫にリラックスしてもらうために、まずは猫が撫でられて喜ぶ場所を知っておきましょう。それぞれの撫で方のポイントについても合わせてご紹介します。
◆猫が喜ぶ撫で方①顎の下
猫にとって顎の下は、撫でられると喜ぶポイントのひとつです。
顎の下には猫が臭いを出す臭腺があります。この臭腺を対象物にこすりつけることでマーキングをするのですが、顎の下の臭腺は、皮脂や汚れが溜まりやすく、むず痒くなりやすい部分なのだそうです。
それに加えて顎の下は自分でグルーミングできない部分ですので、撫でられるととても気持ちが良く、喜ぶ猫が多いのです。
顎の下は、軽く掻くような撫で方が好まれます。臭腺によって自分の臭いを飼い主さんにつけることもできるため、猫にとっては安心感もあります。
顎の下の臭腺は、汚れが溜まるとぽつぽつとニキビのようになることがあり、これは「痤瘡(ざそう)」または「アクネ」と呼ばれ、ひどくなると炎症を起こすこともあります。
これを無理に擦ると、汚れが広がったり毛穴に入り込んだりして悪化することがありますので止めましょう。
清潔なガーゼやコットンで軽く拭き取ったり、温めたタオルを当てるなどして、毛穴を広げてから拭き取ると汚れが落ちやすくなります。
顎の下を撫でるついでにアクネをチェックし、汚れがひどくなる前に少しずつお手入れするのが良いでしょう。
◆猫が喜ぶ撫で方②顔や頭
猫は自分で自分の顔や頭を舐めることが出来ない為、前足を舐め、その手で顔を洗います。舌で直に舐めてキレイにする部分に比べると、どうしても毛づくろいが不十分になりがちです。
更に、顔や頭は子猫の頃に母親によく舐められていた場所なので、撫でられるとリラックスし、喜ぶ猫が多いです。
そのため、顔や頭を人間の手やブラシなどで撫でてあげましょう。手で撫でるだけでも猫は十分喜んでくれますが、ブラシを使うと更に効果が上がります。
撫で方は、頭や鼻筋、頬、目と耳の間などを毛並みに沿って手やブラシでこするだけ。ブラシの場合、ザラザラした感触が母猫の舌を思い出させるため、リラックス効果が格段に上がります。
最初はブラシそのものに警戒してしまう猫もいますが、少しずつ慣らしていきましょう。無理強いをすると逆効果ですので、嫌がるそぶりを見せたらすぐに止めるようにしましょう。
◆猫が喜ぶ撫で方③しっぽの付け根
しっぽの付け根は、多くの猫が撫でられると喜ぶポイントです。
しっぽの付け根を触られて喜ぶのは、特にメスの猫の方が多い様です。臭いの分泌腺があり、さらにツボも集中している為、撫でることでマッサージ効果が発揮されます。
撫でるだけではなく、軽くポンポンと叩くような撫で方をすると喜ぶ猫が多いです。
ただ、中には嫌がる猫もいますので、最初は慎重にした方が良さそうです。頭の方から背中まで撫で、軽くしっぽの付け根に触れる程度の撫で方から始めましょう。
しっぽの付け根にはマーキングのための分泌腺があるため、顎の下と同じように汚れが溜まったり、炎症を起こしたりしやすくなっています。
しっぽの付け根の部分の毛だけ脂っぽく湿ったようになっている猫もいます。これは「スタッドテイル」と呼ばれ、軽度でれば自宅ケアが推奨されます。
こまめに拭いたりブラッシングをするなどして清潔に保つように心がけると、症状が改善することがあります。
しっぽの付け根を撫でるときに、合わせてチェックする習慣をつけておくと良いかもしれません。
◆猫が喜ぶ撫で方④首後ろ~肩
後頭部や肩甲骨のあたりは、身体の柔らかい猫でも自分で手入れしにくい場所です。猫は身体がしなやかで柔らかいですが、首後ろから肩、特に肩甲骨周辺は、疲れやコリが溜まりやすい部分ではあるようです。
自分から疲れやコリをアピールする猫はいませんが、軽いマッサージのような撫で方をすると喜ぶかもしれません。
猫の肩甲骨の間に指を入れ、コリをほぐすようにくるくると円を描くようにマッサージしたり、皮を軽く引っ張ってあげると気持ちよさそうに喜ぶ猫が多いです。
人間の力は猫にとってはとても強いので、力を入れ過ぎないように撫で方に注意してください。
◆猫が喜ぶ撫で方⑤背中
背中も撫でられると喜ぶポイントのひとつです。ブラッシングする時も重点的にしてあげると喜びます。
撫で方は、毛並みに沿ってゆっくりと上から下に。手のひら全体を使って撫でてあげると喜ぶ猫が多いです。
ただ、気持ちよさそうだからと言ってブラッシングをやりすぎると、背中の毛が薄くなってしまう事がありますので注意しましょう。
猫が撫でられて嫌がる場所は?
逆に、猫が撫でられて嫌がる場所もあります。無理に触るとストレスにもつながりますので、猫を撫でる際は気をつけるようにしましょう。
◆猫が嫌がる場所①足先
足先を触られることを嫌がる猫は多い様で、特に前足よりも後ろ足を触られることを拒絶します。
足先は神経が集中していて敏感なことや、動きを拘束されることを嫌がることが理由ではないかと言われています。
猫の肉球はとても魅力的ですが、猫自身が触られるのを嫌がるようであれば無理強いはしない方が良いでしょう。
◆猫が嫌がる場所②お腹
猫が無防備にお腹を出して寝ている姿はとても気持ちよさそうで、思わず顔をうずめたくなってしまいますよね。しかし、猫のお腹には内臓がつまっていて、本来は急所であるため、触られるのを嫌がる猫は多いです。
稀に喜ぶ猫もいますが、見知らぬ人にはほぼ触らせてくれません。中には飼い主さんにだけは触ることを許してくれる猫もいます。
もし猫がお腹を触らせてくれたら、飼い主さんのことを信頼してくれているのかもしれません。
◆猫が嫌がる場所③しっぽ
体の先端というのは神経が集中しやすくなっており、しっぽは特に敏感な部分です。猫のしっぽには、バランスをとったり感情を表現したり、色々な役割がありますが、沢山の神経が通っているおかげで、猫はしっぽをしなやかに動かすことが出来ます。
敏感なしっぽを触られるのを嫌がる猫は多く、おとなしく触らせてくれる猫もいますが、喜ぶ猫はほとんどいないでしょう。
日本の猫は、しっぽの細長い猫や短い猫、折れ曲がっている猫など様々で魅力的ですが、初対面の猫のしっぽは、触らないのが無難かもしれません。
猫を撫でる時のポイントは?
猫を撫でる時には、次のようなことに気をつけてあげるようにしましょう。
◆ポイント①優しく声をかけてから近づく
撫で方だけでなく、撫でるまでの動作も大切です。猫だけではなく動物たちの多くが、相手に凝視されたり真正面に立たれることを嫌います。
猫を緊張させないためには、優しく声をかけながら横や後ろからゆっくりと近づくことがポイントです。
◆ポイント②なるべくゆっくり撫でる
撫で方のポイントは、なるべくゆっくりと触ることです。手のひらよりも手の甲の方が猫に圧迫感を与えず、摩擦も少ないため、恐がりの猫や初対面の猫には、最初は手の甲を使った撫で方が好まれるかもしれません。
恐がりや初対面の猫を撫でる前には、手や指を差し出して臭いを嗅がせ、挨拶をするのを忘れないようにしましょう。
◆ポイント③猫が気に入る撫で方を見つける
ゆっくりと長いストロークの撫で方はリラックスを促し、喜ぶ猫が多いですが、猫によっては短くソフトに触られるのを好む猫もいます。
その場合は、猫同士が舐め合うように指先でちょんちょんと撫でてあげると良いでしょう。
猫によって色々な好みがありますし、撫でる場所によっても好みの撫で方は変わります。猫の機嫌をよく観察しながら、お気に入りの撫で方を探してあげましょう。
◆ポイント④猫の方から近づいてくるのを待つ
人間の方から近づいて撫でるのも良いですが、猫の方から人間に寄ってくるとき、猫は構ってほしい場合が多く、触られることをほとんど嫌がりません。このチャンスは逃さないようにしましょう。
特に自分の猫ではない猫を触る場合には、自分からは動かず猫が近寄ってくるタイミングを待つことも大切です。
猫が身体を擦り寄せてきたとき、膝に乗ってきたとき、甘えてきたときなどは、撫でるのに適したタイミングです。
◆ポイント⑤猫がリラックスしている時を狙う
猫がリラックスしてまどろんでいるときやウトウトしているときにそっと近づいて撫でるのも良いでしょう。
この時、真正面から急に近づくと緊張感を与えてしまう事がありますので、横や後ろから優しく声をかけながらゆっくり近づいてください。大切なのは、人間が猫を撫でたいタイミングではなく、猫自身が撫でられたいタイミングを見極めることです。
◆猫がリラックスしている時の「ゴロゴロ音」
猫は気持ちが良い時にゴロゴロという音を出します。ゴロゴロという音は動物が出すにしては珍しい音で、声帯が筋肉によって振動させられる事によってこの音が鳴ります。息を吸う時は短く大きく、吐くときは長い音になります。
ゴロゴロという音は、一般的には猫が喜んでいるサインだと知られていますが、最近の研究では、何らかの要求を伝えていると考えられています。ゴロゴロと小さく喉を鳴らすことで、身近な相手に、何かをしてくれ、またはそのまま続けてくれと頼んでいるようです。
ちなみに、最初は子猫が母猫に授乳をせがむときのシグナルとして鳴らすものだといわれています。
ただ、怒っている時に喉を鳴らす猫もおり、大きな苦痛を感じている時や死の直前にもゴロゴロと喉を鳴らす猫がいることが知られています。未だに、この音のはっきりとした目的は分かっていません。
見極めが難しいところではありますが、目を細めてリラックスしている表情である、しっぽをゆったりと振っているなど、機嫌がいい時の猫のしぐさと合わせてゴロゴロ音が聞こえてくるようであれば、猫が喜ぶ撫で方ができていると考えていいでしょう。
猫の喜ぶ撫で方まとめ
猫は一人で行動することを好むと思われがちですが、本来社会性が強く、飼い主さんと一緒にいることを好む猫は沢山います。
現代の猫は完全室内飼育が一般的になってきており、家庭以外で他の猫と触れ合う機会が全く無い猫が増えてきました。猫と一緒に過ごす時間は、遊びや触れ合いの時間を大切にしてあげたいですね。
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