1.妊娠した猫の見分け方は?
1-1.妊娠した猫の見分け方(体の変化)
1-2.妊娠した猫の見分け方(行動の変化)
4.猫が妊娠した時の出産準備は?
4-1.獣医さんに猫を連れて行く
4-2.猫の出産場所を作ってあげる
4-3.出産場所に落ち着かない場合
5.猫の妊娠について考えること
5-1.安易に妊娠させない
5-2.妊娠を希望しない場合は避妊手術を行う
5-3.妊娠した猫を保護した場合
妊娠した猫の見分け方は?
メス猫がオス猫と交尾して妊娠すると、2ヶ月ほどの妊娠期間で子猫が生まれてきます。人間が見た目で猫の妊娠に気づくのは、妊娠してから20日ごろからと考えられます。
◆妊娠した猫の見分け方(体の変化)
妊娠した猫の体の変化は、次のような見分け方があります。多くは、乳房やお腹の状態によって見分けることができます。
・猫の乳房が膨らむ
妊娠して20日ほど経つと、猫の乳首がピンク色になり、いつもと違うなと気づくほどになります。妊娠して30日ごろには、乳房が明らかに膨らんで目立ってきます。
・お腹が膨らむ
妊娠して30日ごろには、お腹が膨らんできて、赤ちゃんが育っているのがわかります。妊娠した猫の見分け方としては、お腹が出て来て初めて気づくということも多いでしょう。
動物病院での診察で、お腹の中で胎子が動く、胎動がわかることもあります。出産間近では、見た目にもお腹の中で子猫が動くのがわかるようになります。
・体重が増える
妊娠して30日から45日ごろになると、猫はあまり動かなくなります。食欲が増して、よく餌を食べ、欲しがるようになり、体重も増えます。
・お乳が出る
出産があと数日というところまで近くなると、おっぱいが出てくるようになります。
◆妊娠した猫の見分け方(行動の変化)
妊娠した猫の行動の変化としては、以下のようなものがあります。
・あまり餌を食べなくなる
妊娠初期の猫は、餌を食べない期間があります。実際には妊娠して20日ごろで、その期間は1週間ほどです。
・餌をいつもより食べる
妊娠の初期の頃が過ぎて、お腹の中で子猫が育ってくると、母猫はたくさんの栄養を必要としますので、餌をたくさん食べるようになります。
・じっとして過ごす
お腹が目立つようになって、出産が近づいてくると、餌を食べたりトイレに行ったりする以外は、座ったり寝転がったりして過ごす時間が増えます。
分娩する場所を探してうろうろすることもありますが、心地よい場所を見つけると、ずっと動かずに過ごすようになります。
出産が近づいた猫の見分け方は?
出産が近くなると、猫は分娩のために普段とは違う行動をするので、見分け方の1つとなります。出産が近づいた猫は、以下のような行動をとるようになります。
・攻撃的になる
・人を避ける、または飼い主を呼ぶ
・猫ベッドや毛布などを掘るしぐさをする
・トイレの体勢をするが排泄しない
そわそわとして気が立って、触ろうとすると怒って攻撃的になったり、または逆に飼い主さんに向かって鳴いて、そばにいてほしい態度をとったりします。
また、出産をする場所を探したり、布などを持って来たりして場所を作る「営巣行動」をとるようになります。
陣痛が来ると、猫ベッドなどでじっとして、出産に入ります。猫の行動は、苦しそうに息をしたり、転がったりしますので、飼い主さんも気になることでしょう。
ただ、基本的に正常な出産であれば、人間が猫のために手助けする必要はありません。
逆に出産の途中に人間が手をだすことで、自然なお産の流れを妨げ、母猫がうまく出産を続けられなかったり、育児をしなくなったりすることもあります。
出産が始まって子猫が生まれて来るまで、何か異常がない限りは、自然にまかせて見守っているようにしましょう。
猫の妊娠から出産までの流れは?
メス猫がオス猫と交尾して、妊娠が成立します。妊娠期間は60日から68日ほどで、約2ヶ月です。
妊娠してから2週間から20日ほどすると、メス猫の乳房が膨らみ、目立ってきます。日が経つごとに、ひとつひとつの乳房が大きくなってきます。
少し乳首が目立つ程度の変化は、メス猫の発情期にも見られますので、妊娠が確実にわかるわけではありません。
妊娠してから1ヶ月ほど経つと、お腹も大きくなって目立つようになってきます。母猫の食事量が増えて、妊娠以前のように活発に行動することが減ってきます。
妊娠した時のお腹の膨らみは、明らかにお腹の下部分が大きくなり、妊娠期間の後期になれば背骨が少し湾曲したようになるので、肥満とは違った膨らみ方となります。
妊娠してから50日ほどになると、お腹の中で子猫が動くのが見てわかるようになります。
出産の数日前になると、母猫の乳房から母乳が出るようになります。妊娠が成立してからだと、60日ほど経ったころで、出産間近です。
子猫を産むために子宮が収縮して、痛みを感じる時期です。この時間は、数十秒から1時間程度とされています。
陣痛の期間が長い時には、難産の可能性があるので、場合によっては獣医さんに指導や診察をしてもらう必要があります。
開口期は、子宮が収縮することで胎子が産道を通過して、膣の開口部で一時的に止まっている時期です。
子猫を包んでいる羊膜が破れてきますが、母猫が舐めとったりすることもあります。
産出期は、膣の開口部まで出て来た子猫が外に完全に出される時期です。一匹のお産で15分から30分ほどの間隔で、次々と子猫が産出されます。
母猫は子猫についているへその緒を噛み切り、子猫の体を舐めて呼吸をうながします。
後産期には、お産のあとの処理を母猫が自分でします。子猫と共に体内から出て来た胎盤を母猫は食べます。これは栄養補給や、産んだ場所を汚さないためであって、問題はありません。
産んだ子猫の数だけ胎盤が出て来るので、数が合わなければ母猫の体内に残っていることもあります。
胎盤が体内に残って出ないのは、感染の原因になるなど良くないので、獣医師に診てもらう必要があります。
猫が妊娠した時の出産準備は?
猫が妊娠した時、飼い主さんがしてあげることは、「獣医さんに猫を連れて行く」「猫の出産場所を作ってあげる」です。
◆獣医さんに猫を連れて行く
妊娠期間には、安全な出産を迎えることができるように獣医さんに相談し、診察を受けて、経過を診てもらうようにしてください。エコーや触診などによって、胎子が何匹いるか、心臓の音を聞いて正常かどうかをある程度判断できます。
飼い主さんが母猫のお腹を触ったり押したりすることは、やめた方が良いでしょう。診察は、獣医さんにまかせてくださいね。
◆猫の出産場所を作ってあげる
妊娠期間の後半となって出産が近づいたら、母猫を外に出さないようにしましょう。
理想的な猫の出産場所としては次のような条件があげられます。
・周囲が気にならない
・じめじめしていない
・静かである
・柔らかい布などを敷いてある
母猫が妊娠期間を過ごし、子猫を産んだ後も子育てをする場所なので、母猫が安全だと思えるようなところが必要です。
柔らかくて清潔な布を床に敷いて、箱を置いたり、パーテーションで囲ったりして、母猫が落ち着けるような場所にしてあげてください。
また、近くに餌と水を置いて、トイレもあまり遠くない場所に設置してあげてください。
◆出産場所に落ち着かない場合
妊娠期間の後半になると、母猫が出産場所を探して動き回ることがあります。もし作った場所が気に入らないと、母猫は自分で落ち着けるような場所を探すでしょう。
用意してあげた場所に入らない時には、無理に母猫を入れようとせずに、見守るようにしてください。
また、何かあった時にすぐに獣医さんに連れて行けるような準備をしておきましょう。キャリーを置いて布を敷き、すぐに使えるようにしておいてください。
子猫を妊娠している期間はもちろん、産んだ後も、母猫は多くの栄養を必要としますので、妊娠期や授乳期に適した餌を与えてください。
猫の妊娠について考えること
◆安易に妊娠させない
もしメス猫を飼っていて、子猫が欲しいと思っている時には、まず子猫を育てられるのか、といったことをよく考えましょう。
猫は多くの場合、一度に複数の子猫を産みます。興味本位や考えていなかったということだけで、メス猫が妊娠してしまうと、生まれた子猫をどうするのかという問題が出てきます。
猫を捨てたり、保健所に連れていったりすることは、猫の命を奪うことになりますので、安易な気持ちで猫の妊娠をさせないようにしましょう。
◆妊娠を希望しない場合は避妊手術を行う
猫は発情期が概ね1年に2度あり、早春と早秋頃にピークを迎えます。
発情期には大声で鳴いたり、スプレー行為を行ったりといつもと違った行動がみられることが多いようです。
猫に妊娠をさせたくない場合は、早期に避妊手術を行うことをおすすめします。
避妊手術は望まない妊娠を避けることができることはもちろん、乳腺腫瘍や子宮蓄膿症などといったメス猫特有の病気の発生率を下げることができます。
避妊手術は生後5ヶ月程度から行うことができますので、希望する場合は獣医さんに相談をしてみましょう。
◆妊娠した猫を保護した場合
もし妊娠している猫を見つけて保護したという場合には、まず獣医さんの診察を受けさせてください。母猫が落ち着いて過ごし、安心して子猫を出産できるようにしてあげましょう。
妊娠期間の間に、里親を見つけておき、生まれた子猫が幸せになるよう考えてあげてください。
妊娠した猫の見分け方を知っておくと、猫を保護した時にも適切な準備ができますね。
妊娠した猫の見分け方のまとめ
妊娠した猫の見分け方を知っておくと、飼っている猫が妊娠した時に、早く気づいて色々と準備をしてあげられます。母猫のお世話だけでなく、生まれてくる子猫のことを考えることもできますね。
妊娠が分かった時点で獣医さんに母猫を診せるようにして、安全な出産ができるように準備をしておきましょう。
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