猫の基本の餌の種類「総合栄養食」と「一般食」
猫の餌は、主に総合栄養食と一般食(間食・おやつ・副食)に分かれています。
一般食 = おかず・おやつ
総合栄養食とは、その食事だけで猫ちゃんにとって必要な栄養素が摂れることができる餌です。毎日の食事には、総合栄養食と記されているものを選びましょう。
一般食とは、総合栄養食と一緒に与えることを前提とした、嗜好性の高いもの。おやつなどがこれにあたります。表示の規定の回数や与え方を守り、総合栄養食と併用して上手に与えてくださいね。
子猫の餌の種類は?
◆ミルク
生後4~8週間頃までの子猫には、ミルクが必要です。
授乳ができない場合には子猫用のミルクを与えます。猫の母乳に近い成分でつくられた、猫用のミルクをあげてくださいね。
与える際は、猫用の哺乳瓶に入れて、ゆっくりと子猫のペースに合わせて飲ませてあげましょう。
◆離乳食
生後4週以降から、ミルクと併用して離乳食を進めていきます。
子猫の離乳食にはペーストフードを与えます。最初は指先ですくい、子猫の鼻先へ持っていって食べさせてあげましょう。少しぬるめの温度で与えてあげてくださいね。
徐々にペーストフードの量を増やしていき、ミルクの量を減らしてあげてください。切り替えには1~2週間ほど、ゆっくりと時間をかけます。
◆ドライフード
ドライフードとは、水分が10%以下の固形のフードのこと。一般的にイメージされる、粒状になった固いキャットフードです。
猫が音を立てて食べるので、「カリカリ」と呼ばれることもありますね。
そんなドライフードの特徴を見てみましょう。
◎ 粒が固く、顎の強化に役立つ
◎ 栄養価が高く、バランスがいい
◎ 歯垢がつきにくく、口臭予防や虫歯予防になる
△ 水分補給が別途必要
以上のようにメリット・デメリットのあるドライフードですが、健康的な猫の毎日の食事には、栄養面とコスパに優れたドライフードがおすすめです。
開封して1カ月程度で食べきれる量を選びます。ちなみに、成猫であれば1ヵ月で約2㎏のドライフードが目安となります。
子猫はいきなりドライフードを食べることはできません。そのため、ペーストフードから徐々にドライフードへ切り替えていきます。
生後2カ月頃から、お湯でふやかした子猫用(またはオールステージ対応)のドライフードを与えましょう。
ドライフードをお湯で30分程度ふやかしたあと、子猫が食べやすいように粒を潰します。少しぬるいくらいの温度で、1日数回に分けて与えましょう。
3カ月頃からは、お湯の量を減らし、少しずつ餌を固くしていきます。もしくは、ふやかしたフードの中に固形のフードを混ぜ込んでもいいでしょう。
1~2週間ほどかけて、固形のフードへと切り替えていきます。
フードの移行は、子猫のペースに合わせてあげることが大切です。焦らずに付き合ってあげてくださいね。
◆ウェットフード
ウェットフードとは、水分を多く含んだキャットフードのこと。水分含有量が75%以上のものを指します。
風味豊かで香りが抜群なウェットフードは、嗜好性が高いため、子猫の食いつきも非常に良いです。
◎ 素材の味やにおいがしっかり残っており、嗜好性が高い
◎ 子猫の食いつきがよい
◎ 消化吸収がよい
◎ 水分補給の役割も
△ 開封後の保存は利かない
△ 歯の間に残りやすいので歯垢が付きやすく、口臭や歯周病の原因になる
△ 柔らかいので噛む力が衰える
△ ドライフードを食べなくなることがある
上記のような特徴から、ウェットフードは毎日の食事には不向きですが、補助的な役割で与えたいフードです。
ご褒美にしたり、食欲がないときにドライフードの上へかけたりなど、子猫の食事の楽しみのひとつとして取り入れていくと良いでしょう。柔らかくて食べやすいので、離乳食での使用もおすすめです。
また、猫は水を飲むことが苦手とされていますが、水分不足は病気のもと。ウェットフードにはたっぷりと水分が含まれているので、水分補給にも役立ちます。
子猫の餌の選び方は?
子猫の餌選びはとても重要です。子猫の時期に食の好みが決まると言われていて、成猫になると警戒心が高まり、新しい食事を受け付けなくなることがあるのです。
将来の猫の好き嫌いをなくすため、子猫の時期には様々な味や食感を経験させてあげることをおすすめします。
偏食がない猫ちゃんは、病気になったときにも療法食をきちんと食べてくれますよ。
◆ライフステージに合わせた餌を選ぶ
子猫に与える餌は、
・「オールステージ」「全年齢対応」と記載された総合栄養食
どちらかを選びましょう。
子猫用のものは、子猫の未熟な身体に合わせ、消化・吸収の良いように工夫されたものです。
オールステージのフードは、粒が大きい場合細かく砕いて、子猫が食べやすい大きさにしてから与えてあげましょう。
◆栄養価の高い餌を選ぶ
子猫は育ち盛りのなので、栄養価の高いものがベスト。身体がぐんぐん成長するので、成猫よりもたんぱく質・脂質・カロリーが必要です。
肉や魚を主原料とした、良質な動物性たんぱく質を多く含んでいるものを選びたいですね。たんぱく質30%以上・脂質18%以上のドライフードがおすすめです。
また、炭水化物が少なく、人工添加物の少ないものを選べるとベスト。本来、猫は肉食動物ですので、穀類の消化は苦手です。炭水化物の高い食事は極力控えましょう。
おすすめはグレインフリー(穀物完全不使用)という表記のあるもの。まだまだ消化器官の未熟な子猫の身体にぴったりです。
子猫におすすめの餌5選
身体づくりが必須の子猫の健康を考え、高たんぱく・高脂質・低炭水化物のおすすめ商品をピックアップしました。
◆オリジン
高たんぱく・グレインフリー・無添加のぜひおすすめしたいプレミアムキャットフード。
子猫~老猫まで対応したオールステージタイプで、子猫に必要な栄養がたっぷり!安全性や素材の良さから、多くの愛猫家に人気のフードです。
ラインナップには、お肉メインのレジオナル、お魚メインの6フィッシュ、鶏肉メインのキャット&キティなどが揃っています。
新鮮な素材がふんだんに使用されており、非常に栄養価が優れている一方で、お値段は高め。経済的に問題ない・何よりも子猫の健康と安全が第一という方におすすめです。
まずは340gの少量パックを購入し、子猫の食いつきをチェックしてみると良いですね。
◆ハロー
チキンとサーモンの2種類のお味が用意されたハロー。高たんぱく・グレインフリー・無添加で、おすすめのフードです。
キトン・アダルト・カロリーオフ・エイジングケアとステージごとにフードが分かれているので、キトンを過ぎても、愛猫の健康に応じた食事を準備できます。
子猫時代には高たんぱくの食事はおすすめですが、成猫になってもたんぱく質を摂りすぎると、腎臓に負担がかかり病気になることも。
その点、ハローの年齢に応じたフードのラインナップは成長しても安心ですね。
価格は安くはありませんが、高品質で、年齢に応じたフードが欲しい方へおすすめしたいフードです。
◆MiawMiaw カリカリ小粒タイプ
「a-iペプチド」と「DMHFを含むおいしい香り」がお部屋で暮らす愛猫の心の健康維持をサポート。子猫の健康な成長に配慮して、動物性たんぱく源を増量し健康な筋肉の発達を、DHA・EPAを強化し脳の発達を、カルシウムを配合し健康な骨格の発達をサポート。
また、腸内の善玉菌を増やし健康なお腹の調子を保つ、乳酸菌(EC-12)とオリゴ糖を配合。うすく仕上げた粒で食べやすい、着色料不使用の国産品。
◆ワイルドレシピ
こちらは他のグレインフリーの商品と比べ、比較的安価なところが魅力。キトン・アダルト・エイジングケアとステージごとに商品が揃っており、キトンは鶏肉がメインです。
ただ、あまり勧められないビートパルプの使用や、原産地のわからないもの、内容がはっきりしないお肉が使われていたりと、不明瞭な点もあるため、安全性については少し疑問が残るところ。
価格を抑えて、高たんぱく・グレインフリーに挑戦したい方、年齢に応じたラインナップが欲しい方におすすめです。
◆ロイヤルカナン 成長後期の子猫用
ゆるやかに成長を続ける時期に入った子猫の、健やかな成長をサポートする食事です。
より優れた消化性を実現。腸内細菌による未消化成分の発酵を最小限にするため、消化吸収性に優れたタンパクを使用。フラクトオリゴ糖とビートパルプの補給により理想的な腸内細菌バランスを維持。EPA・DHAにより健康な腸の粘膜を維持。
ドライフードのみで与えるのではなく、ウェットフードとミックスをして与えるのもおすすめです。総合栄養食だからといってウェットフードだけを与えるのはグルメな猫ちゃんになってしまう場合もありますが、水分補給や食いつきのアップという面ではメリットもたくさんなのです。
◆キャット デイリーディッシュ 子猫用 チキン&ツナ
厳選自然素材を使用して作った栄養バランスの良い子猫用フードです。
少量のパウチになっているため、常に新鮮なフードを子猫に与えることができます。
子猫に餌を与える時の注意点
◆子猫に餌をあげる回数は多めに
子猫は胃も小さく、一度にたくさんの量の餌を食べることはできません。餌を与える回数の目安はこちらです。
生後4カ月から ・・・・・・ 3~4回
生後6カ月から ・・・・・・ 2~3回
猫はちょこちょこと少しずつ食事をする生きものですが、置き餌は衛生的によくありません。1日に与える餌の量を小分けにし、1日2~3回は取り替え、清潔に保ちましょう。
お水も新鮮なものを飲めるように、こまめに入れ替えてあげることをおすすめします。
◆子猫に与える餌を急に変えない
環境の変化が苦手な猫ちゃんにとっては、フードを急に変えることもストレスの原因に。里親やブリーダーから子猫を譲り受けるときは、事前に子猫が食べているフードを準備しておきましょう。
フードを切り替えたいときは、食べなれたものに少しずつ混ぜていき、徐々に新しいフードの割合を多くします。1~2週間ほど時間をかけ、子猫の様子を見て切り替えていきましょう。
まとめ
子猫の餌の選び方、おすすめのフードをご紹介してきました。
最後に子猫の餌選びで大切なことをまとめてみましょう。
★ドライやウェット、チキン味やサーモン味など、さまざまな食感と味を経験させてあげよう。
★水分補給もしっかりと。水を飲まない子猫には、ウェットフードを与えるなどの工夫を。
★餌は数回にわけて与えてあげよう。
★はじめての餌やフードを切り替えるときは、少量から与えよう。
フードはたくさんありますが、子猫との相性が大切です。愛猫の好きな味を見つけていくのも、楽しみのひとつ。子猫の体調をチェックしながら、子猫が喜ぶ食事を用意してあげてくださいね。
ライター/七
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