アメリカンショートヘアの基本情報
名前のとおり、アメリカ生まれの猫種です。元々ねずみを狩る「ワーキングキャット」として活躍していました。
肩や腰幅が広く筋肉の多いガッチリした体形で、運動量が多いことが特徴です。からだの大きさは猫の中では中ぐらい、胴、脚、しっぽが長めのセミコビーにあたります。
また、短い毛がびっしりと生えているため寒さや雨でもからだが冷えない仕組みになっています。日本猫に比べてさわり心地の良い毛並みをしています。
アメリカンショートヘアの性格は明るく、親しみのある猫です。温厚で他の猫や動物にも動じないため、多頭飼いに向いている猫でもあります。
◆標準体重
アメリカンショートヘアは産まれたばかりの時はたったの100グラム前後しかありません。それが約1年と短いあいだに4~6kgにまで増えます。
成猫になると、オスは4~7kg、メスは3~6kgが標準体重で、猫のなかでは中くらいの大きさです。
・生後6か月:2~3kg
・生後9か月:3~4kg
・成猫:4~6kg
◆アメリカンショートヘアは筋肉タイプ
昔から働きものだったアメリカンショートヘアは骨太・筋肉質が特徴の猫です。標準体重も筋肉が付いた状態の指標です。
しかし、同じ体重でも脂肪が多ければ肥満となります。肋骨が触れるかどうかを1つの指標にしましょう。
また、アメリカンショートヘアは「ルーズスキン」という皮のたるみが目立つ猫種です。上からみてお腹が横に膨らんでいるかどうかも、肥満を見分ける指標になります。
アメリカンショートヘアのえさの選び方
まず、人間の食べ物は与えないようにしましょう。これは、人用の食べ物には塩分が多く含まれていて、アメリカンショートヘアが食べると内蔵に大きな負担をかけてしまうからです。また、手作りのえさで栄養バランスをとるのも大変ですよね。
基本的には、あらかじめ猫が食べることを前提に作られた「総合栄養食」と書いてあるキャットフードを与えるようにしましょう。
◆高たんぱく質、低炭水化物が基本
筋肉質なアメリカンショートヘアには、たんぱく質が欠かせません。キャットフードの中でも動物性たんぱく質が豊富なものを選びましょう。
また、炭水化物が大好き!という方もいらっしゃるかもしれませんが、アメリカンショートヘアにとっては炭水化物が多いと体調を崩す原因となってしまいます。消化機能が低下し、下痢や嘔吐をすることがあります。これは、猫が元々肉食動物であるためです。
たんぱく質は35%以上、炭水化物は30%以下が目安です。
◆脂質も高い方が良い?
肥満に気をつけるときは脂質をカットした方が良いと思いますよね。実際に体重を減らすためにダイエットフードは脂質を減らしてカロリーを抑えています。
しかし、食欲旺盛なアメリカンショートヘアには高脂質がオススメです。高脂質のキャットフードは満腹感を与えやすく、えさの食べ過ぎ予防になるためです。また、猫にとっては消化吸収も良いというメリットもあるのです。
脂質が低いエサを適量与えたはずが食後におかわりをねだってくる、そんな時は脂質が高めのキャットフードも検討してみてくださいね。きっと満足してくれるでしょう。
脂質は20%前後が目安です。
えさの種類
えさは大きく2つに分けられます。カリカリと呼ばれるドライタイプと、缶詰などに入ったウェットタイプです。どちらが良いというわけではなく、それぞれ一長一短です。年齢や体調に合わせて臨機応変に合わせましょう。
◆成猫にはドライタイプ
ドライタイプは水分量が10%以下のえさを指します。ドライタイプは保存性が高いため、開封後も長期保管することができます。商品によって前後しますが、開封後おおよそ1ヶ月は使い続けることができます。
また、ウェットタイプと比べて歯垢が付きにくいメリットもあります。むしろカリカリの固い部分が歯に当たって歯垢や歯石を落としてくれます。
しかしその反面、水分不足になりやすいというデメリットがあります。ドライタイプのえさを与える際は、必ず十分な量の水も一緒に出すようにしましょう。
◆子猫・シニア猫にはウェットタイプ
水分量が10%以上のえさは全てウェットタイプに当てはまります。パテのようなものから、具がゴロゴロと入ったものまで様々な商品があります。香りも良いため食いつきが良いです。そのため、カリカリだけでは食べない場合はドライタイプとウェットタイプを混ぜて与えることもあります。
ウェットタイプは開封しなければ長期保管ができますし、なによりアメリカンショートヘアの食いつきが良いことが特徴です。
病気で胃腸が弱っているときや、子猫・シニア猫など噛む力が弱いアメリカンショートヘアにはウェットタイプがオススメです。
えさの量
成猫は1日に50~75kcal程度必要と言われています。しかし、アメリカンショートヘアにも個体差がありますし、からだの状態によっても必要なカロリーは変わってきます。
◆必要なカロリーっていくら?
カロリーは主に体重によって左右されます。まずはアメリカンショートヘアが何kgあるか測っておきましょう。それから、下の計算式にあてはめます。
1日のカロリー=30×(測った体重kg)+70
4kgのアメリカンショートヘアなら、次のようになります。
1日のカロリー=30×4+70=190kcal
◆からだの状況に合わせて、必要カロリーを再計算
アメリカンショートヘアが子猫なのか成猫なのか、また妊娠中か去勢済みか等によって必要なカロリーを計算しなおします。状況に合わせて〇に数字を当てはめてみてください。
本当に必要な1日のカロリー=1日のカロリー×〇
・成猫 :1.2
・シニア猫 :1.1~1.4
・肥満気味 :1
・妊娠中 :2
・去勢、避妊済み:1.2
先ほどの4kgの猫が成猫の場合は、次のようになります。
本当に必要な1日のカロリー=190kcal×1.2=228kcal
◆キャットフードのパッケージ裏を確認
キャットフードによってグラム当たりのカロリーは異なります。与えるキャットフードが100g何カロリーあるか確認しましょう。確認後、次の式にあてはめます。
1日のキャットフード=本当に必要な1日のカロリー÷キャットフード100gあたりのカロリー×100
たとえば、100gあたり400kcalあるキャットフードを与える場合、次のようになります。
1日あたりのキャットフード=228kcal÷400×100=57g
◆体重の測り方
計算は慣れれば素早くできるようになりますよ。あとは体重を上手に測るだけです。
動物用の体重計は50g単位など、人用の体重計に比べて精度が高いものが販売されています。
人間にとっては微々たる体重でも、からだの軽いアメリカンショートヘアにとっては大きな変化となります。できるだけ動物用の体重計を使うと良いでしょう。
肥満対策
アメリカンショートヘアは食欲旺盛な猫のため、カロリーに気をつけていても体重が増えて肥満気味になることがあります。そうならないよう、日頃から肥満対策を行いましょう。
◆食事管理が基本
食べたえさからしか太りません。つまるところ、食事管理が肥満にならないための超重要事項なのです。
食事の量は計算して出すよう心がけたり、おやつを与えすぎないよう注意しましょう。おやつを多くあげてしまった場合は夕方のえさで調整してくださいね。知らないうちに家族がおやつをあげていた、ということもありますので、家族間連携もこまめに行いましょう。
また、肥満になってしまった場合には肥満対策用のキャットフードもあります。獣医さんの判断のもと処方されますので、万が一肥満になってしまったかも…と思った場合は病院に行ってみましょう。
◆適切な運動で筋肉を鍛える
食べたら動きましょう。とアメリカンショートヘアに言っても動きません。飼い主さんが一緒に遊んであげる、または猫だけでも運動できる環境を整えてあげることが大切です。
たとえば、飼い主さんとアメリカンショートヘアが一緒に遊ぶ際には、ねこじゃらしやレーザー光線がオススメです。アメリカンショートヘアはねずみ狩りをしていたワーキングキャットですので、動きまわるものが好きなためです。
ねこじゃらしは消耗品ですので、羽が付いたもの、ねずみのぬいぐるみが付いたもの、毛玉が付いたものなどバリエーションを楽しんでみてはいかがでしょうか。
また、猫は上下運動が好きな動物です。キャットタワーを設置するなど、一匹でも遊べるといつでも運動できる環境になり、体重キープに繋がります。
かかりやすい病気・ケガ
・関節炎
軟骨がすり減り、炎症が起こるのが関節炎です。重いからだを支えるために関節には大きな負担がかかります。
また、猫は高いところから飛び降りられる生き物ですので、着地の際にはより大きな負担がかかってしまいます。
・糖尿病
アメリカンショートヘアは猫の中でも糖尿病にかかりやすい猫種です。水をたくさんのむ、たくさん食べる割には体重が増えない、毛艶が悪くなるなどの傾向がみられる場合は獣医さんに相談しましょう。
1日2回とえさの回数を決めてしまうと、どうしても1回に食べる量が増えてしまします。そうすると血糖値が急激に上がってしまいます。糖尿病を避けるのであれば、えさは1日複数回に分けて少量ずつ与えましょう。
・肥大型心筋症
心臓の筋肉が厚くなる病気です。初期は無症状のことが多いですが、重症化すると元気や食欲がなくなります。
・脂漏性皮膚炎(しろうせいしっしん)
皮膚のべたつき、かゆみ、フケ、体臭などが現れ得る皮膚炎です。猫の皮膚にいつもいるマラセチアという菌によって引き起こされます。
遺伝的な場合やシャンプーが合っていない場合など、原因は複数あります。もし発症してしまった場合は獣医さんに診てもらいましょう。
まとめ
明るくて親しみやすいアメリカンショートヘア。その性格が人気の所以でもありますが、可愛がる=えさをたくさん与えるになってしまうと危険です。もともと筋肉がたくさんついている猫種なので、たくさん食べる分太りやすいためです。
肥満になると健康が害されると理解して、いつまでも健康な状態で共に生活できるようにしてくださいね。
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