ペルシャは長寿?長く一緒にいるためにかかりやすい病気と対策を知ろう

2020.05.20

ペルシャは長寿?長く一緒にいるためにかかりやすい病気と対策を知ろう

美しい長い毛が特徴のペルシャ。その見た目のかわいらしさから飼いたいと思っている方も多いのではないでしょうか。そして、動物を飼うなら必ず気にしていきたいのは健康のことですよね。せっかく家族になったペットとは長く一緒にいたいものです。 今回はペルシャの平均的な寿命や病気に関する対策、飼う上で気をつけたいポイントなどをご紹介していきます。

ペルシャの寿命は16~18歳

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ペルシャの寿命は16~18歳です。猫の一般的な平均寿命が15歳程度ですから、ペルシャがかなり長いことがよくわかりますよね。
中には20歳以上までいきたペルシャも多くいるそうですよ!びっくりですよね。
健康面をしっかりと管理してあげれば、長く一緒にいられるところもペルシャの魅力かもしれません。

◆何歳で成猫?

当たり前ですが、猫の成長は人間よりも早いですよね。ではペルシャにおける成猫とは何歳のことをいうのでしょうか。
一般的に猫は生後1カ月で人間の成人くらいの年齢になると言われています。それ以降は1年で人間の4歳分、年をとっていきます。ですから、成猫とはだいたい成長が終わる1歳を過ぎたころのことを言います。
ですが、ペルシャはほかの猫に比べて少し成長がゆっくりです。個体差はありますが、ペルシャの子猫は1.5歳くらいまで成長が続き、中には3歳くらいまで毛が伸び続ける子もいます。
1歳になったからとキャットフードを成猫のものに変えるというよりは、体重や見た目の変化をよく観察して、成長が止まるまでは高たんぱくで栄養たっぷりの子猫向けのえさをあげるようにしてください。

もし、飼い主さんの判断だけでは不安だという方は、近くの動物病院で健診の際に相談してみるといいかもしれませんよ。やはり、プロに見てもらうのが確実ですからね。

◆老猫は何歳から?

では逆に老猫、高齢期とはいつからなのでしょうか。
一般的な猫の高齢期は7歳くらいからと言われます。この頃から体の衰えが出てくるようになります。

一方でペルシャは健康に過ごせていれば長寿ですので、衰えが出てくるのも10歳くらいからと少し遅めです。ですが長生きだからといってお世話を適当にしてはいけません。人間と同じでペルシャもいつ何が起こるかはわからないので、こまめに栄養管理や健康チェックをしてあげてくださいね。

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ペルシャがかかりやすい病気

猫種ごとにかかりやすい病気というのも変わってきます。
ペルシャは一般的に長寿と言われていますが、かかりやすい病気もあります。せっかく長寿なペルシャです。きちんとかかりやすい病気も知って対策をしてあげたいですよね。
ペルシャがかかりやすい病気は4つあります。

◆白内障

ペルシャの瞳の中にある水晶体が白く濁り、視力が低下していく病気です。
白内障は猫よりも犬のほうがかかりやすいと言われていますが、ペルシャは遺伝疾患として先天性白内障の報告もあります。

この白内障の主な原因は先ほどお話した遺伝疾患のほかに、怪我がきっかけになること、
結膜炎やそのほかの目の病気が原因になることもあります。
症状としては、視力が下がることから行動的でなくなる、物によくぶつかる、壁を伝うように歩くことが挙げられます。見た目では、目が白く濁る症状が見られます。

これらの気になる症状が見られたらすぐに動物病院へ相談するようにしましょう。
手術に耐えられる年齢や体力であれば、手術によって視力を取り戻すことができます。手術の場合は、水晶体を摘出する外科手術と、白内障で濁った水晶体を超音波の振動で砕き吸引して取り除く方法のどちらになります。

また、手術を受けられないペルシャでも、点眼薬などで症状を遅らせることもできます。どちらの場合も早期の発見に越したことはありません。

日頃からできる対策としては、ペルシャは目やにが出やすい猫種でもあるので目やにをこまめとり、清潔の保ってあげるといいでしょう。
また目を怪我したかなと思ったらすぐに病院へ行き、治療をしてあげることが大切です。ちいさな傷が原因にもなりかねません。また、健康でも定期的に健康診断を受けさせてあげてくださいね。

◆心臓病

心臓に関わる病気もペルシャに多いと言われています。かかりやすい心臓病は3つあります。
<肥大型心臓病>
負荷圧・ホルモン性の刺激などの心臓肥大の原因に関係が無く、心臓が肥大してしまう病気です。 左心室にある心臓の筋肉が肥大して、血流が入りづらくなり、結果全身に回る血液量が減少して動脈血栓症が起こりやすくなる病気です。

<拡張型心筋症>
心室内房に空洞ができて、心室の収縮機能が低下してしまう病気です。

<拘束型心筋症>
心筋が繊維化を起こして、心室の拡張機能が低下してしまう病気です。

いずれも原因としては、遺伝疾患のほかに、食生活の乱れや肥満などがあります。症状としては、ペルシャに何となく元気がなくなったり、食欲がなくなったり、ひどい場合では呼吸こんなになってしまいます。

早い段階で気づいて病院に行ければ、内服薬での治療で済むことも多くあります。しかし、病気が進行してしまった場合は外科手術を行う必要が出てくるのでペルシャへの負担も大きくなります。

日頃からできる対策しては、遺伝疾患を避けるために親猫の情報を飼う前にチェックしておくといいかもしれません。また、肥満を予防するために適度な運動をさせる、ペルシャが遊びやすい環境を整えてあげることも有効です。食事面では、バランスをとることや特に減塩を意識してあげることが対策になりますよ。

◆毛球症

毛球症は長毛種の猫によくある病気です。飲み込んだ毛が胃の中で溜まってしまう病気です。原因は猫がよくやる毛づくろいです。
ペルシャは特に毛が長くふさふさとしているので絡まりやすくなっています。

症状としては、食欲が減る、便秘や下痢が目立つ、吐きそうになったり嘔吐をよく繰り返したりする、おなかを触ろうとすると嫌がるなどが挙げられます。

軽度の場合は、毛球除去剤という薬を投薬しておなかに詰まっている毛玉を便とともにからだの外に出します。重度の場合は、手術でおなかを切って毛玉を摘出します。

日頃からできる対策としては、こまめにブラッシングをして抜けた毛を取り除いてあげることが大切です。また、毛玉をカットするのも効果的です。食事面では、毛玉対策のキャットフードもあるのでそちらを利用してみるのもいいでしょう。

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◆多発性のう胞腎

聞きなれない病気ですよね。これは腎臓の内部に水のう胞(球状の袋でなかに液体が溜まっているもの)ができる病気です。特にペルシャに多い病気と言われています。

原因は遺伝疾患です。親猫のどちらかがこの病気を患っていた場合は50%という高い確率で子供の猫にも発症すると言われています。進行すると腎不全になり、最悪の場合死に至ってしまう恐ろしい病気です。

この病気の怖いところはほとんど無症状というところです。悪化して腎不全になると、異常に水を飲んでトイレに行く、口臭が目立つ、体重が減っていくことが症状として見られます。
治療も現時点ではこれといった治療方法がないので、腎不全の症状に対する治療が行われます。

日頃からの対策としては、先ほどもお話したように無症状であることが多く気づきにくいので、早期発見のために定期検診を受けることが大切です。また、この病気は遺伝疾患が主なので、ペルシャを飼い始める際に親猫がこの病気を患っていないかを確認しておくこといいでしょう。


ペルシャが長生きするために気をつけること

たくさん病気についてお話したことで飼うことが怖くなってしまった方もいるかもしれません。ですがこれは可能性のお話ですので、きちんと健康管理してあげれば他の猫より長生きしているペルシャがたくさんいます。
その長生きを最大限にしてあげるために、気をつけることや健康のコツをお伝えしますね。

◆栄養をバランスよく与える

食べ物がペルシャの体をつくります。えさ選びにはぜひ気をつかってあげたいものです。
ポイントとしては、子猫であれば高カロリーで高タンパク質なものを選びましょう。原材料で肉がはじめに記載されているものがいいでしょう。からだをつくっていく時期なので、栄養満点のフードがおすすめです。
年齢を重ねてきたら低脂質、高たんぱくを目指しましょう。少ない量で高品質なたんぱく質が取れるといいです。チキンが原材料に使われているフードがおすすめです。
また、美しい毛を維持するために、ビタミンB群、アミノ酸、不飽和脂肪酸を含むものもおすすめです。

気をつけてあげたいのは、塩分糖分を控えることです。特に人間の食べているものにはそれらがたくさん含まれています。ついねだられてあげてしまわないように心を鬼にしてペルシャの健康を守りましょうね。

◆適度な運動をさせる

運動量が少ないペルシャですから、飼い主さんが誘ってあげないとなかなか遊びや運動をしません。そうなってくると肥満やそれによる病気が心配ですよね。
気ままなところもあるので無理に誘うのはよくないですが、猫じゃらしを振ってみて興味を示すようであれば少しペルシャを動かしてあげましょう。ペルシャが気に入るおもちゃを探してあげるのも手です。
毎日少しでいいので遊びの時間を設けてみると運動不足解消になりますよ。

◆ストレスをためさせない

しつけの際にどなったり、たたいたりするのはNGです。おとなしい性格のペルシャにとってはかなりのストレスになってしまいます。
そしてこれもペルシャの性格上ですが、頻繁に声をかけたり、遊びに誘ったりすることもストレスに感じます。ついかわいくてかまいたくなりますが、寝ているところを邪魔することも嫌がるのでやめましょう。

環境としては、ペルシャがひとりで落ち着ける隠れ家みたいなところがあるといいです。賢いですからそういった場所を見つけると、かまわれたくないときはそこにいて、気が向いたり寂しくなったりすると出てきますよ。

また、適切な時期に避妊(去勢)手術を行ってあげることも大切です。縄張り意識などの性的なストレスから解放してあげることができます。

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◆定期的な検診をしよう

運動や食事、環境面でどんなに気をつけていても病気は突然やってきます。
そうなったときに大切なことが早期発見、早期治療です。そのために普段から健康診断をこまめに受けるといいでしょう。また、信頼できるかかりつけの病院を1つ決めてすぐに相談できるようにしておくことも大切です。
頻度としては、猫の体長や年齢にもよりますが、3カ月に1回~少なくても1年に1回は受けることをおすすめします。日頃からペルシャの体質を知っておくことで対策にもつながりますよ。

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まとめ

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ペルシャも人間も同じでどんなに元気にしていたとしても、突然病気にかかることがあります。ペルシャやほかの猫もそうですが、病気の対策をとってあげられるのも、日常の些細な変化に気づいて対処してあげられるのも飼い主さんしかいません。
ペルシャの病気や体質を知っておくことで、普段から気をつけてあげられることが増えます。ペルシャは長寿だから大丈夫、と放っておくのではなく長寿を最大限にできるよう対策をとってくださいね。



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中岡 早苗

中岡 早苗

可愛い猫ちゃん達に囲まれながら、猫の知識や暮らしを日々学んでいます。 学んだ情報はどんどんお伝えしていきます。楽しいネコライフをおくりましょう。

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