1.猫の保険とは
3.猫の保険に加入する2つのメリット
3.医療費の軽減
3.特約や割引がある
5.猫の保険を選ぶ時の注意点
5-1.通院頻度に合わせて補償範囲の検討を
5-2.通院が多いときは窓口精算が便利
5-3.猫がなりやすい病気のリスクを踏まえて検討を
猫の保険とは
猫の保険とは、家庭で飼育されている猫を対象とし、ケガや病気により発生した診療費を補償するペット保険の一種です。猫が動物病院にて通院・入院・手術などの診療行為を受けた場合に、かかった診療費を限度額や一定割合の範囲内で補償します。
現在、存在しているペット保険会社のほとんどは猫を補償対象としています。
猫の保険はいらない?必要?
猫のペット保険の加入は年々伸びていますが、日本におけるペット保険普及率は、調査主体によって数値が異なるものの、おおよそ6%程度と試算されています。
それに対して、ペット保険の先進国であるイギリスでは20%以上、スウェーデンにいたっては80%とも言われています。一方、米国での普及率は5%以下と、意外にも日本より低いのが現状のようです。
加入率が低い理由として、ペット保険の加入経路として多いペットショップでの加入が少ないからと考えられています。猫の入手経路はペットショップ以外にもありますが、その際は加入を勧められず、ペット保険を知らない人も中にはいると思います。さらに、完全室内飼いが進み、ケガや病気をしないと考えられていることも大きな理由です。
猫の保険に加入する2つのメリット
◆医療費の軽減
猫には私たちの健康保険が適用されないのはもちろん、そもそもそういった公的な制度もありません。したがって動物病院で治療を受けた場合の費用は全額が自己負担です。
もし猫の治療費が家計を圧迫してしまう原因になると、ケガや病気をしても動物病院に連れていくのをためらうことになります。結果、辛い思いをするのは他でもない猫です。
しかし、ペット保険に加入することで、通院費・手術費・入院費といった費用負担を軽減することができます。高額になりがちなペットの医療費であっても、安心して通院させることができます。
◆特約や割引がある
保険会社によりますが、「ガン追加補償」「ペットセレモニー費用特約」「移動用補助器具費用特約」といった様々な特約を用意しています。
仕事で出張に行く時や、旅行先にどうしても猫を連れていけない場合も、その時のペットホテルの宿泊費を補償してくれる会社もあるようです。
どれも飼い主さんにとっては魅力的ですが、本当に必要かどうかをよく検討したうえで契約しましょう。
また、特約のほかに、「割引制度」が導入されているペット保険もあります。
健康割増引制度
保険の利用回数に応じて、翌年の保険料が割引になったり、割増になったりする制度。
多頭割引
何頭か一緒に保険に加入している場合、保険料が割引される制度。契約者の氏名、連絡先、住所が一致している場合など、条件がある。
マイクロチップ割引
マイクロチップを入れているどうぶつに適用される割引制度。
無事故継続割引
契約期間内で一度も保険金請求がなかったなど、保険会社が定める「事故」がなかった場合に適用される割引制度。
インターネット割引
加入申込方法には、一般的に書類かインターネットを利用してのオンライン加入がある。オンライン加入の場合、書類よりもコストがかからないため、一定程度割引が適用される場合がある。
猫の保険を選ぶ5つのポイント
①補償内容をチェックする
ペット保険では、保険の対象になる治療費の割合が決められています。
多くの保険会社では補償割合を50%や70%に設定していますが、会社によっては治療費の100%を対象としているところもあります。ポイントとして、補償割合が高くなると保険料が上がるという点は頭に入れておきましょう。
また、希望する補償内容になっているかどうかもチェックしておきたいところです。
保険によっては、下記の補償があります。
-
・通院だけを補償するもの
・手術と入院を補償するもの
・通院、入院、手術の全部を補償するもの
補償される内容は、保険会社や商品によってプランも異なり、「〇〇疾患は補償されない」など、対象の病気が細かく決められている場合もあります。
さらに、多くの保険では支払限度額(1日あたりで支払われる保険金の限度額)や支払限度日数(年間を通して保険金が支払われる日数)が設定されていますのでチェックが必要です。
②加入条件をチェックする
ペット保険には、いくつかの加入条件があります。
特に確認しておきたいのは下記の点です。
-
・対象になるペット
多くのペット保険は犬と猫を対象にしています。
・契約可能年齢
・更新可能年齢
・加入したいペットの健康状態
ペット保険に加入する際、重要なポイントとなるのが、契約可能年齢と更新可能年齢です。保険によっては高齢のペットは加入できないものがあります。新規で契約できる年齢を確認しておきましょう。また、ほとんどのペット保険は保険期間が1年で、2年目以降は自動更新となっています。しかし、保険によっては高齢になると更新できなくなるものもあります。一生涯、補償してくれる保険を希望するときは、更新可能年齢を確認し、補償が終身になっているかどうかチェックしておきましょう。
人の医療保険では、すでにかかっている病気については保険対象外となっています。ペットの場合も同様で、かかったことのある病気での補償は受けられません。また、治療中のケガや病気も保険の対象にならない場合があります。
基本的に、ペットが若く健康なうちに、加入を検討しておくことが大切です。
③加入したいペットの保険料を調べる
ペット保険での保険料は、動物の種類と品種、年齢によって設定されています。
保険料は基本的に毎年上がり、年齢が上がるにつれ高くなり、小型の品種よりも大型の品種のほうが高くなるのが一般的です。さらに、高齢になってから保険料が一気に上がるケースもあります。
保険料は現時点だけでなく、先々の金額をチェックしておくことが不可欠です。
④付いている特約を確認する
ペット保険の中には、さまざまな特約付きのものがあります。
代表的なものが、“ペット賠償責任特約”です。これは、ペットが他人や他の動物にかみついてケガをさせたり、身体的障害を負わせたりしたとき、あるいは他人の物を壊したときに、飼い主さんが法律上の損害賠償責任を負わなければならない場合の賠償金を補償する特約です。いざというときに役立つ特約ですが、飼い主さんが加入している自動車保険や火災保険、その他の損害保険に特約として“個人賠償責任保険”を付けている場合は要チェックです。個人賠償責任保険は、ペットが他人にかみついたときにも対応できる可能性があります。ペットの損害でも対応できるものであれば、あえてペット賠償責任特約を付けなくてもよいでしょう。
この他にも、ペット用車イス費用特約、葬儀費用・火葬費用特約、ガン手術保険金特約、診断書費用保険金特約といった特約が付いている保険もあり、希望する特約がある保険を探してみましょう。
⑤治療費の支払い方法を確認する
ペット保険は、加入しているものによって治療費の支払い方法が異なります。
その方法は、下記の2つです。
・窓口精算
・一旦、窓口で支払って、後日保険会社に請求
普通、後日請求のペット保険の場合、一旦治療費の全額を窓口で支払う必要があるため、まとまったお金を準備しなければなりません。それに保険金を請求する際は、診断書や領収書など必要書類を揃えなければならないため、少し手間がかかるかもしれません。その点、窓口精算の場合は、保険の対象とならない分を窓口で支払うだけなので、まとまったお金を準備する必要がなく、金銭的負担が軽くなります。
猫の保険を選ぶ時の注意点
ペット保険に加入するときには、いくつかの注意点があります。
あとから「しまった!」とならないように、事前に注意点を押さえておきましょう。
愛猫のために、ペット保険を選ぶ際には、猫特有のリスクにも注目しておくとよいでしょう。
◆通院頻度に合わせて補償範囲の検討を
一般的に、猫は犬に比べて通院する回数が少ないようです。
猫が病院に行くリスクがそれほど高くないと考えるなら、おもに入院や手術など、重大な病気やケガをしたときに備えてペット保険を検討してもよいかもしれません。
◆通院が多いときは窓口精算が便利
通院するたびにペット保険を利用すると、請求の手間も煩雑になります。
そんなときには、窓口精算ができるタイプのペット保険を選ぶのもポイントです。
「窓口精算」に対応しているペット保険は、動物病院の窓口で保険の加入者証を提示すると、保険からおりる保険金額を差し引いて請求されます。つまり、病院にかかった時点で支払う医療費の金額が少なくて済むことになります。ペット保険を使うならできるだけ立替えをしたくない、保険の請求手続きの手間を省きたい人に便利でしょう。
◆猫がなりやすい病気のリスクを踏まえて検討を
また一般的に、猫は腎臓病にかかりやすいともいわれています。また、膀胱炎や胃腸炎も多く、猫たちには消化器系の病気のリスクが高い傾向があります。
これらの病気のリスクは高齢になるにつれて高くなり、重症化すると命にかかわることもある病気です。早めに動物病院に連れていってあげることを想定して、ペット保険を検討しておくと安心です。
猫がかかりやすい病気について知る
猫の種類によってかかりやすい病気の傾向もあるようです。たとえば垂れ下がった耳がかわいらしいスコティッシュフォールドは、折れている耳の内部に湿気がこもりやすいことなどから外耳炎にかかりやすいなど、体格などによって病気のリスクに特徴が出ることもあります。
また、猫は犬よりも特に下痢をしやすい生き物です。原因は食事や、環境の変化によるものと考えられています。もっとも注意してあげなくてはいけない症状のひとつです。
下痢と同じく環境によるストレスが原因で毛が抜け、皮膚炎を起こしやすいともいわれています。ノミやダニなどが猫の毛に紛れて、皮膚を傷つけることがありますので注意が必要です。
ひどい症状の場合は毛が抜けるだけでなく、皮膚がタダれてしまい血がにじみ出てくるまでになり、こうなると治療に時間がかかり、その上治療費が大きく負担となることがあります。
犬と違って、毎月シャンプーをするわけではないので、ブラッシングをしたり、かゆがっていないかどうかよく観察してあげましょう。
大切なペットの病気やケガのときに上手に活用できるように、猫のリスクや特徴に合わせてペット保険を選びたいですね。
まとめ
病気やケガは、いつ愛猫の身にふりかかるかわかりません。
ケガを負ってから、病気になってからでは遅いのです。何があっても、納得のいく治療をしてあげるためにも、いざというときのペット保険は安心です。
愛猫の健康と長生きのために最適なペット保険を選択して下さいね。
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