1.猫を飼いたいと思ったら
1-1.おうちは猫を飼える環境ですか?
1-2.将来のことも考えて
2.猫をお迎えする準備
2-1.準備する用品は?
2-2.お部屋の準備
3.猫のしつけ
3-1.爪とぎのしつけ
3-2.トイレのしつけ
3-3.噛み癖
4.猫の健康管理
4-1.キャットフードの選び方
4-2.ご飯の回数・与え方
4-3.こんな症状に注意
4-4.ワクチンや健康診断を忘れずに
4-5.避妊・去勢手術
4-6.マイクロチップは入れるべき?
5.猫との暮らしで気を付けること
5-1.留守中に気を付けるポイント
5-2.夜間はケージに入れる?
5-3.夏はエアコンを使って温度調節を
5-4.冬の寒さにも気を付けて
6.まとめ
猫を飼いたいと思ったら
「猫を飼いたい」と思った時に、まず考えておきたいことについて、ご紹介します。
◆おうちは猫を飼える環境ですか?
最初に考えておきたいのは、猫を飼うことができる基本的な環境が整っているかどうかです。
家が持ち家なら問題ありませんが、賃貸であれば、ペット可の物件であることが大前提となります。
必ず、賃貸契約書などで確認しましょう。
また、ペット可の物件でも、飼えるペットの種類や数の規定があることが大半ですので、詳細に確認しておきます。
ペット不可の賃貸住宅にお住まいで、それでも猫を飼いたい場合は、ペット可の物件探しから始めましょう。
住居の問題と同様に大切なのが、家族の同意です。
猫が嫌いな家族がいるかもしれませんし、猫アレルギーの場合もあるでしょう。
家族で猫を飼うことについて意見が分かれていると、将来、猫を手放さなければならなくなることもあります。
一度飼われた猫が、その家を出されてしまうことはとても不幸なことです。
家族でしっかりと話し合って、全員一致で猫を飼うと決めることができてから、猫をお迎えしましょう。
◆将来のことも考えて
猫の平均寿命は約15歳ですが、フードや動物医療が進歩した現在、20年以上生きる猫もそう珍しくはありません。
猫に限らず、ペットを飼うということは、その子の最期を看取る覚悟を持つということです。
また、猫も高齢になると介護が必要になることもあります。
中高齢の方であれば、20年後、猫のお世話をできるかどうかを考えておくことは非常に大切です。
若い方であれば、20年の間に、ライフスタイルが変わっていくであろうことを考えましょう。
例えば、結婚したり子供ができたり、引っ越しの可能性もあります。
その場合にも、飼い続けることができるかを考えておかなければなりません。
さらに、猫と暮らすには少なくないお金がかかります。
経済面でも、20年飼い続けることができるかを検討してみてください。
猫をお迎えする準備
猫と暮らす環境が整ったら、お迎えの準備を始めましょう。
◆準備する用品は?
お迎えする前に準備しておかなければならない必需品をご紹介します。
キャリーバッグ
最初に猫を迎えに行くときに必要であるほか、動物病院への通院にも必要なアイテムです。
布製のソフトキャリーやリュックタイプ、洗いやすいプラスチック製など、様々なものが市販されています。
猫を入れるとかなりの重量になることを考慮して選びましょう。
ソフトキャリーは、底がしっかりしていて安定感のある物がおすすめです。
ケージ
お迎えしたばかりの猫、特に子猫の場合は、猫自身の安心感や安全のためにケージで過ごさせることから始めることをおすすめします。
また、病気やケガで安静にさせたいときにも必要となります。
普段使いをするなら2段以上のもの、普段は使わないなら折りたたみのできるものがよいでしょう。
ベッド
猫が日常的にくつろげる場所として、ベッドを用意してあげましょう。
皮膚にやさしい綿素材のものや、丸洗いできるものがおすすめです。
トイレ
猫の頭数プラス1個が必要です。
容器に砂を入れて使うもの、砂とシーツを使用するシステムトイレなど、様々なタイプがあります。
猫の好みを優先して選ぶのがおすすめです。
最初はいくつか並べて、どのタイプを好むか試してみるのがベストです。
猫砂
猫砂は、鉱物系、紙製、木製、おから製、シリカゲルなど、様々な素材があり、固まるものと固まらないものがあります。
猫によって、好む素材や砂粒の大きさが異なるので、いろいろ試して好みのものを探してあげましょう。
一般には、自然の砂に近い鉱物系の猫砂が好まれるようです。
捨てるときにはお住いの自治体のルールに従わなければならないので、あらかじめ公式HPなどで確認しておくことをおすすめします。
食器
フード用と水用を用意しましょう。
傷がつきにくく菌が繁殖しにくい陶製、ステンレス製、ガラス製のものがおすすめです。
猫は、ヒゲが食器に触るのを嫌がることが多いので、形状や大きさも考慮するとベターです。
爪とぎ
爪とぎは、猫にとって本能的な行動で、自分のニオイをつけることでテリトリーであることを示しています。
自分の居場所であると認識できれば、猫も安心して過ごせるので、ぜひ用意しておいてあげましょう。
また、家具や壁、柱などで爪とぎをされることを防ぐためにも、お迎え前に準備しておくとよいでしょう。
はかり
子猫の場合、順調に発育しているかどうかを日々確認する必要があります。
2kgまでのはかりで十分なので、1つ用意しておきましょう。
成猫でも体重管理は必要ですが、抱っこして人間用の体重計で量るとよいでしょう。
歯磨きセット
歯周病は、口の中の健康だけではなく、全身的な健康に影響を及ぼします。
猫の多くは歯磨きを嫌がるので、子猫の時から習慣づけておきましょう。
徐々にそろえていってもOKなアイテム
おもちゃやブラシ、コーム、爪切りなどは、お迎え後に必要に応じて揃えていっても大丈夫です。
迷子防止のために、首輪やハーネス、迷子札も用意していきましょう。
ハーネスは必須ではありませんが、動物病院に連れて行くときに便利なアイテムです。
◆お部屋の準備
猫は、いろいろなものをおもちゃにしたり、齧ったりしてしまいます。
猫が飲み込めるような小さなもの、齧って壊してしまうものは、誤飲の恐れがあるので片づけておきましょう。
また、家電やパソコンなどの電源コードを齧ることも多いです。
感電や火災の原因になる恐れがあるので、コード類にはカバーをつけましょう。
猫は、上下運動を好み、高い所に登りますし、物をおもちゃにして落としてしまうことも少なくありません。
壊されて困る物や割れて危険な物は、猫の届かない場所に置きましょう。
観葉植物の中には、猫にとって有害なものもあるので、気をつけてください。
賃貸の場合、室内での爪とぎで壁や柱を傷つけることがないよう、爪とぎ防止用シートを貼るなど対策をしておきます。
フローリングや畳も、走りまわることで傷がつくので、カーペットやマットを敷いておくとよいでしょう。
猫のしつけ
猫には、犬のようなしつけはできません。
してほしくないことは、「できないようにする」のが基本です。
◆爪とぎのしつけ
まず、爪を研いでほしくない場所には、シートを貼ったり家具を置いたりすることで、爪とぎをできないように対策をしておきます。
猫が爪を研ぐ素振りを見せたタイミングで、爪とぎ器のところに連れて行ったり、前足を優しく持って爪とぎ器に触らせたりすると、徐々に爪とぎ器で爪を研ぐことを覚えます。
◆トイレのしつけ
猫は、本能的に砂のある場所で排泄をするので、トイレを用意してあげれば自然とトイレで用を足すようになります。
子猫の場合、室内をウロウロして何かを探す様子を見せたり、部屋の匂いを嗅ぎまわったりすると、排泄をしたいサインです。
この時、猫を優しく抱き上げてトイレに乗せてあげると、猫自身が砂の感触を確かめて排泄します。
◆噛み癖
猫の前で手をひらひらさせるなど、人の手足を使って遊ばせると、噛み癖に繋がります。
必ず、おもちゃを使って遊んであげましょう。
猫の健康管理
◆キャットフードの選び方
毎日の食事は、総合栄養食を与えます。
フードは、離乳期、成長期、成猫、シニアとライフステージに合ったものを選びましょう。
あまりに安価なものは質の良くない原材料を使っていたり、添加物が多かったりするので、ある程度の価格のフードがよいでしょう。
諸説ありますが、少なくとも1kg当たり1,000円以上のものが良いとされています。
◆ご飯の回数・与え方
ご飯は、1日に2~3回に分け、時間を決めてあげましょう。
1日に必要な量は、パッケージに記載されている量を目安に調整します。
量は、目分量ではなく、キッチンスケールなどを使って正確に計量しましょう。
ドライフードを置きっぱなしにする「置き餌」をすると、フードの量を管理しづらいので、あまりおすすめできません。
◆こんな症状に注意
気になる症状があれば、早めに動物病院に相談しましょう。
・フードが飲み込みづらい、飲み込めない
・嘔吐
・正常に歩かない、体に触ると嫌がる、動かないなど
・トイレ以外で粗相をする
・排泄の際に、声を出す、うめく、りきむなど
・尿の色、回数、量の変化
・発熱、低体温
◆ワクチンや健康診断を忘れずに
健康状態を把握し、病気を早期に発見するために、成猫であれば年1回、シニアになれば半年に1回、健康診断を受けるようにしましょう。
また、感染症の予防のために、また他の猫に対する感染源とならないためにも、必ずワクチン接種を行います。
◆避妊・去勢手術
猫は、非常に繁殖力の強い動物で、理論上1組の猫から1年で20匹に増えると言われています。
繁殖を望まない場合は、最初の発情を迎える生後6ヶ月前後には避妊・去勢手術を受けましょう。
また、避妊・去勢手術を受けることで、将来的に生殖器官の病気にかかる確率を下げることができます。
◆マイクロチップは入れるべき?
マイクロチップは、メリットとデメリットを比較して、入れるかどうかを決めるとよいでしょう。
メリットは、迷子になったときに飼い主さんの元に戻る確率を上げることができる点です。
また、盗難に遭った時には、首輪や迷子札は外されてしまいますが、マイクロチップを外すことは難しいです。
大規模な災害では迷子になるペットが少なくありませんが、飼い主さんを特定するためにも役立ちます。
デメリットは、装着時に注射の痛みがあること、情報を読み取るリーダーの設置場所が少ないことなどです。
ただし、現在マイクロチップの装着は努力義務となっておりますので、できる限りは装着した方がよいでしょう。
猫との暮らしで気を付けること
◆留守中に気を付けるポイント
飼い主さんの目が届かない留守中は、特に事故が起きないように気をつけましょう。
台所や風呂場など危険な場所に入れないように、ペットガードなどを活用するとよいでしょう。
また、誤飲しそうなものを置きっぱなしにしないよう、片づけには特に気を配ってあげてください。
◆夜間はケージに入れる?
夜、ケージに入れることは必須ではありませんが、事故を防止するために、人の目の届かない時間はケージに入れることも検討しましょう。
特に、子猫の場合は、思わぬ事故に遭いやすいので、ケージに入れることをおすすめします。
◆夏はエアコンを使って温度調節を
猫は、一般に暑さに強い動物と言われていますが、適温は18℃~26℃とされています。
暑すぎると、猫も熱中症になる恐れがあるので、エアコンを使って適切な室温を保ちましょう。
◆冬の寒さにも気を付けて
暑さには比較的強い猫ですが、寒さは苦手です。
冬でも、室温は20℃~23℃に保ってあげましょう。
まとめ
猫は非常に魅力的な動物です。
一緒に暮らせば、きっと豊かな生活を送ることができるでしょう。
そのためには、猫についてよく学んだうえで、猫をお迎えしてあげてくださいね。
猫初心者さんには、猫の飼い方についての本を読むことをおすすめします。
インターネットにはたくさんの情報があふれていますが、本が1冊あれば網羅的に猫について知ることができます。
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