1.猫は鶏肉を食べても大丈夫?
1-1.特に問題なし!加熱して与えよう
1-2.鶏肉のゆで汁もおすすめ
3.鶏肉の与え方
3-1.食べやすいように細かくして与える
3-2.冷ましてから与える
4.猫に鶏肉を与えるときの注意点
4-1.生では与えない
4-2.少量を与えるようにする
4-3.骨は取り除く
4-4.味付けはしない
4-5.病気によっては与えることを断念する
猫は鶏肉を食べても大丈夫?
スーパーや精肉店などで安価な値段で購入できる鶏肉は、お肉の中でも特に重宝する使い勝手の良い食材となりますよね。
鶏肉を使ったメニューを調理していると、どこからともなく愛猫がやってきて、自分もお裾分けしてもらえるといった、期待に満ちた表情をされてしまうと、少しだけなら与えても大丈夫と、考える飼い主さんは多いことかと思います。
人間用にスーパーなどで購入した鶏肉は、猫に与えても平気なのでしょうか?
◆特に問題なし!加熱して与えよう
「鶏肉(チキン)」はキャットフードの主原料となることもあり、良質なタンパク質としても知られているので、猫に与えても問題ありません。
鶏肉は牛肉や豚肉などの肉類よりも脂肪分が少ないので、高タンパクでありながら低カロリーという部分も、安心して猫に与えられる要因となっています。
飼い主さんが鶏肉を調理している際に猫が欲しがることは、肉食動物としての本能によるもので、生であってもわずかなニオイを嗅ぎ取っている証拠ですよね。
しかし、肉食動物だからといって生のまま与えるのはNGです。
猫に与える際には必ず加熱してから与えるようにし、安全に食べさせてあげるようにしましょう。
◆鶏肉のゆで汁もおすすめ
ご家庭で鶏肉料理を作る際に、ゆで汁が残るときがありますよね。
とくに骨付きの手羽先や手羽元などは入手しやすく、骨の部分からダシが出るので、煮込み料理などにも重宝されることでしょう。
このゆで汁には鶏肉の旨味がたっぷりと詰まっているので、塩などの調味料を加えてスープを作ったり、冷やして固まった油を炒め物に使ったりと、使い勝手が良いのも魅力的です。
旨味や栄養分が溶けだしたゆで汁は、何も味付けをしていない状態だと味気なく感じますが、猫ちゃんにとってはご馳走スープとなります。
ゆで汁であれば水分補給も促せますし、一石二鳥と言えますよね。
猫にゆで汁を与える際にはアクを取り除き、冷ました状態でそのまま与えるか、キャットフードにかけて与えるようにしましょう。
鶏肉の栄養価
鶏肉はキャットフードの主原料に使用されることからも、猫にとって栄養豊富で健康的な食材であることがうかがえますよね。
鶏肉に含まれる動物性タンパク質は、消化されることによりアミノ酸へと分解され、効率よく体内に吸収される働きをしてくれるので、筋肉や皮膚の健康を保ち、猫に必要なエネルギー源となってくれます。
そしてカリウムやナトリウム、リンなどのミネラル類も含まれているので、細胞機能の維持や、丈夫な骨や歯を作ってくれる効果が期待できるでしょう。
ほかにも皮膚や粘膜を健康に保ち、角膜を守りつつ視力を保ってくれるビタミンA(レチノール)、抗がん作用や老化防止に役立つセレン、細胞と細胞を結ぶ働きをするコラーゲンなど、猫にも嬉しい栄養素が豊富です。
また、鶏むね肉には疲労回復効果で注目されている成分の、「イミダペプチド」も含まれており、愛猫の健康を気遣う上で、是非取り入れてみたい食材と言えるのではないでしょうか。
鶏肉の与え方
鶏肉は部位によって栄養価が多少異なりますが、脂身の多いもも肉や皮、レバーなどを猫に与えるよりは、脂質が低くヘルシーな鶏ささみや鶏むね肉をおすすめします。
与える際には加熱が必要不可欠と前述しましたが、そのほかにはどんなことに注意して安全に与えれば良いのでしょうか。
◆食べやすいように細かくして与える
スーパーなどで売られている鶏肉は、部位別に切り分けられていたとしても、その一つ一つは大きいので、そのまま猫に与えることはおすすめできません。
唐揚げ用や親子丼用として、一口サイズにカットされたものも販売されてはいますが、人間の一口サイズなので猫には大きすぎますよね。
愛猫に鶏肉を与える際には細かく切り、猫が食べやすい一口サイズを心掛けてあげるようにしましょう。
生肉のうちに小さくカットしてしまうと、茹でた際に旨味や栄養素がゆで汁に多く流れてしまうので、できれば塊のまま茹でたのち、手で小さ目に裂くか、包丁などで小さくカットしてから与えるようにしてください。
◆冷ましてから与える
加熱をしたあとには必ず、冷ました状態の鶏肉を与えるようにしましょう。
鶏肉を塊のまま調理した場合、表面の温度が下がっていたとしても、中心部の熱が冷めきっていないことがよくありますよね。
猫舌と言われている猫は食べ物に顔を近づけた際に、鼻で温度を感知していますので、熱いと感じればどんなに腹ペコであっても、食べることを躊躇するはずです。
美味しいものを目の前にしてお預けさせてしまうのは、自由奔放な猫にとっては酷となりますので、完全に熱が取れて冷たくなってから、フードのトッピングやおやつとして与えてあげてくださいね。
猫に鶏肉を与えるときの注意点
鶏肉が好物な猫ちゃんには、できるだけ新鮮な状態の鶏肉をお裾分けし、一緒に食事を楽しむことが一番です。
しかし、普段キャットフードを与えている場合、鶏肉を与えすぎてしまえば肥満に繋がってしまいますし、鶏肉だけを主食にするには栄養面も心配になってしまいますよね。
猫に与えても安全な食材だからこそ、与える際の注意点は飼い主さんがしっかりと把握しておくに越したことはありません。
細かくカットし冷まして与える以外には、どんなことに気を付けておくべきなのでしょうか。
◆生では与えない
こちらの記事で何度かご紹介している通り、生の鶏肉は猫に与えるべきではありません。
加熱していない状態の鶏肉には大腸菌やサルモネラ菌、カンピロバクターといった有害の菌が潜んでいるので、感染すれば激しい下痢や嘔吐などの中毒症状に見舞われ、心身ともに辛い思いをさせてしまうことでしょう。
また、生肉には病原菌だけでなく、トキソプラズマなどの寄生虫が潜んでいる可能性もあるので、このようなことからも加熱は絶対と覚えておくようにしましょう。
◆少量を与えるようにする
鶏肉は低カロリーで高タンパクな食材ではありますが、鶏肉だけで1日の摂取カロリーや栄養を補うことが難しく、主食として与えるのはおすすめできません。
手作りご飯は愛情たっぷりで愛猫も喜ぶはずですが、総合栄養食のようにバランスのとれた食事内容にするためには、素人では至難の業となり、長くは続けられないはずです。
愛猫の健康維持のためにも鶏肉はトッピング程度を心掛け、1日の摂取量はスプーン1杯程度の少量に留めておくようにしましょう。
◆骨は取り除く
骨付きの鶏肉は加熱をすると骨がもろくなるので、猫に与える際には骨ごと与えるようなことはせず、どんなに小さくても必ずすべての骨を取り除くようにしてください。
鶏の骨は縦に割れる性質を持っているので、猫に与えて噛み砕けば鋭利な形となり、飲み込む際に口腔内や内臓を傷付けてしまう恐れがあるからです。
骨から出る栄養素を与えたい場合には、鶏肉を茹でた際のゆで汁を活用し、安全な形で鶏肉を与えることを第一優先してあげてください。
◆味付けはしない
猫に鶏肉を与える際には、何も味付けがされていない状態のものを与えるようにしましょう。
鶏肉を使ったお惣菜や調味料を利用した鶏肉料理はもちろん、茹でる際に塩を加えたり、臭み取りのためにネギや生姜などと一緒に茹でたりしたものもNGです。
必ずお湯(水)のみで茹でたものを与えるように心掛け、素材の美味しさを楽しんでもらうことが一番なのではないでしょうか。
◆病気によっては与えることを断念する
食物アレルギーを持っている猫ちゃんは、タンパク質を異物と勘違いしてアレルギー反応を起こすようなこともあるので、鶏肉を与えることを控えた方が良いかもしれません。
また、低カロリーであっても脂肪分の多いもも肉やレバー、皮などを与えてしまえば肥満に繋がりますし、腎臓病などの病気を患っている子であれば、タンパク質が腎臓のろ過機能に大きく負担をかけてしまうため、鶏肉のみならず食事管理を徹底する必要があります。
ほかにもミネラル類が含まれているため、尿路疾患などの病気を患っている際も、素人判断で鶏肉を与えてしまうのは大変危険と言えるでしょう。
愛猫が何かしらの病気を患い、少しでも不安が残るようであれば、獣医師さんに相談するなどをして、安全に食べさせられることが判明した場合のみ、鶏肉を与えるようにしてください。
まとめ
私たちの食生活には欠かせない鶏肉ですが、栄養素が豊富なことからも、是非愛猫にも食べさせたいと思う飼い主さんは多いことでしょう。
キャットフードの原材料にも使われている通り、猫が食べても安全な食材と言えるので、フードのトッピングやおやつとして与えてみてはいかがでしょうか。
少量与える程度なら健康的に食べられる食材ですが、与えすぎや病気の猫ちゃんに与えてしまえば、無駄に健康を損ねてしまうことも否めませんので、飼い主さんが正しい知識を持って与えることが大切です。
そのことを踏まえた上で、鶏肉を効率よく利用するようにし、嗜好性の高い猫ちゃんに美味しく食べてもらってくださいね。
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