猫はそうめんを食べても大丈夫?与える際に注意すべきこととは?

2022.05.29

猫はそうめんを食べても大丈夫?与える際に注意すべきこととは?

暑い季節になると食欲が落ちてきますので、のど越しの良い麺類を主食にするご家庭は多いことでしょう。 特にそうめんはお中元で送られてくることも多く、夏場に大量消費が必須となる食べ物となりますよね。 そんな私たち人間の食生活に欠かせないそうめんではありますが、猫ちゃんの中には「そうめん泥棒(どろぼう)」と呼ばれてしまうぐらい、そうめんが好きな子が多いことをご存知でしょうか? 猫が食べたくなるような要素が見当たらないそうめんですが、なぜ猫はそうめんを盗んでまで食べたがるのかを考えていきましょう。

猫にそうめんを与えても良いの?

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猫がそうめんを好むという事実は、実際に愛猫がそうめんを食べている姿を見たことのある方でなければ、俄かに信じがたいのではないでしょうか。

塩味を感じる程度で、特別食欲をそそるようなニオイのしないそうめんは、猫が食べたとしても問題がないのかを、まずは見ていきましょう。

◆そうめんに含まれる主な成分

乾麺の状態で売られているそうめんですが、主な成分は炭水化物やたんぱく質、脂質や食物繊維、ミネラル類やビタミン類が含まれています。

ミネラルの過剰摂取は猫にとって懸念されていますが、お湯でゆがいてから水洗いをする際に栄養が流れ出ていきますし、三大栄養素となる炭水化物・たんぱく質・脂質をエネルギーに変えるためには、ビタミンB群などの別の栄養素が必要となります。

これらのことを踏まえた上で、そうめんの成分は猫にとってはそこまで必要な栄養素が豊富なわけではなく、ある意味食べても食べなくても問題がない食べ物と言えるのではないでしょうか。

◆期待できる効果は?

そうめんは食物繊維が含まれていることもあり、身体の中に溜まった老廃物を出してくれる効果があると言われています。

食物繊維が含まれているのであれば、便秘気味な猫ちゃんには、嬉しい効果をもたらしてくれるかもしれませんよね。

そうめんに含まれているミネラルの一種である、セレンやモリブデンといった成分には、抗酸化作用や貧血を予防する効果があります。

また、カロリーが低いことから、ダイエットに向いているとも言われていますが、猫がそうめんをごはんに置き換えて大量に食べることはありませんので、猫には関係のない効果と言えるでしょう。

◆猫に与えるデメリット

そうめんの主な原料は小麦のため、小麦アレルギーを持っている猫ちゃんが口にした場合、皮膚にかゆみや発疹が現れるといった、アレルギー症状が引き起こされる可能性があります。

他にも、元々下痢をすることの多い猫ちゃんであれば、食物繊維の与えすぎには注意が必要のため、いかなる場合も猫にそうめんを与える際には、1本を目安に与えるようにし、その後様子をみるようにしてください。

そうめんは有害な成分が含まれていないにしろ、食物繊維は白米の4倍近くも含まれていますので、食事制限をしている猫ちゃんや高齢の猫ちゃんは、より注意が必要と言えるでしょう。

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そうめんの与え方

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実際にそうめんを与える際には、飼い主さんはどんなことに注意をして、愛猫へ安全に食べさせてあげれば良いのでしょうか?

◆茹でて水洗いをする

そうめんが乾麺の場合には水分を含んでいないので、小麦粉のこうばしい香りがしますよね。

猫ちゃんの中にはこの微かに香る小麦のニオイに反応する子も多く、茹でる前の硬いままの状態で食べようとする子も居ます。

しかし、そうめんは茹でずに食べるものではなく、しっかりとお湯でゆがき、ある程度水分を含ませて柔らかくしてから口にする食べ物ですよね。

水洗いをすることによってヌメりが取れ、のど越しも良くなり食べやすくなります。

愛猫がどんなに硬い乾麺を食べようとしても、そのまま与えるようなことはせず、必ず茹でてから与えるようにしてください。

そして熱いままのそうめんを猫は食べられませんので、水洗いをして粗熱を取ることも忘れないようにしましょう。

◆味付けをしない

そうめんにはほとんど味が無いので、食べるときには漬け汁となるめんつゆが必要となりますが、猫に与える際にはそのような漬け汁は必要がなく、味付けをしないままで与えてあげてください。

めんつゆには出汁だけでなく、醤油や砂糖を多く使用しており、塩分量が猫にとっては多すぎます。

そのほかにも添加物が入っていることもあり、猫に与えない方が飼い主さんも安心できるはずですよね。

また、漬け汁に欠かせない薬味ですが、相性の良い生姜は多少であれば猫が食べても安全ですが、ネギ類は猫が口にすると中毒症状を起こす危険性が高いので注意が必要です。

生姜も大量に与えてしまえば、辛み成分が猫の胃腸に負担をかけ、消化不良を起こして下痢や嘔吐を引き起こすきっかけになることがあるので、そうめんは湯がいた麺のみを与えるようにしてください。


そうめんを与える時の注意点

猫にそうめんを与える際には、そうめん1本程度といった少量を細かく刻み、食べやすくしてから与えるようにすると安全です。

長さのあるそうめんを切らずにそのまま与えてしまえば、猫は噛まずに丸飲みする動物のため、胃に到達する前にどこかに引っ掛かってしまう可能性も否めません。

愛猫の安全を第一に考えるのなら、必ずひと手間を加えてから与えることを心掛けてください。

また、そうめんは小麦粉と塩、水といった原料を混ぜて乾燥させた食べ物なので、乾麺の状態では塩分がかなり多めに含まれています。

猫は人間のようにたくさん汗をかく動物ではないので、塩分を人間のように必要としません。

猫が塩分を多く摂取してしまえば、腎臓などの臓器に負担をかけ、猫にとってもっとも危険な病気である、腎臓病を引き起こす可能性も否めませんので、愛猫に与える際には細心の注意が必要と言えますよね。

人間と異なり猫が必要とする塩分量は、人間の3分の1程度と言われていることもあり、私たちから見れば少量であったとしても、猫には摂取過剰となってしまうのです。

塩分の過剰摂取は腎臓病だけでなく、結石といった泌尿器系の病気の原因にもなるため、このようなことからも、‎猫に食べさせる際には味付けせずに、茹でた素のものだけを与えるようにしましょう。

そうめんの塩分は茹でて洗い流すことにより、9割以上が水と一緒に流れ出るとも言われているので、もちろん欲しがる猫ちゃんには、少量であれば与えてもOKです。

そうめんの茹で汁を舐めてみると塩辛いと感じるように、水分中に乾麺の塩分が溶けだしている証拠ですので、乾麺のままのそうめんにどれだけ塩分が含まれていることが分かるはずです。

茹でてしっかり水洗いしたそうめん100gの中には、0.2%ほどの塩分が残るだけとなり、これぐらいの分量であれば許容範囲内となりますので、猫ちゃんの嗜好に合わせて与えてみてはいかがでしょうか。

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体調を崩した場合の対処法

基本的にそうめんは猫にとって害の少ない食べ物となりますが、最初にお伝えした通り、飼い主さんが食べているそうめんを盗んでまで食べたがる、そうめん泥棒といった猫ちゃんも存在します。

飼い主さんが食べているそうめんイコール、めんつゆなどの漬け汁や、たくさんの薬味を使用しているはずですので、そうめん以外の食べ物を口にする可能性も高いですよね。

漬け汁をいっぱい吸ったそうめんは塩分過多となりますし、薬味に使っているネギは猫にとって猛毒なので、少量でも口にしてしまえば大変危険です。

最悪の場合死に至る危険性もありますので、そうめんを食べる際には愛猫を近づけないなどの工夫をし、危険を事前に回避するように努めてください。

そして、万が一そうめんを猫ちゃんが口にして、体調を崩しているような様子が見られるようでしたら、すぐに動物病院へ連れていくようにしましょう。

そのとき獣医師さんには、愛猫がいつ何をどれぐらい口にし、どのような症状が出たかなどを明確に伝えることにより、獣医師さんも適切な治療を進めることが可能となります。

体調不良の原因がそうめんによるアレルギー反応なのか、薬味のネギによる中毒症状なのか、漬け汁による塩分過多なのかなど、素人では判断が難しいことも的確に診ていただけるはずです。

人間の食べ物を猫に与える際には、食後の様子を必ず確認するようにし、安全に食べさせてあげることを心掛けてあげてくださいね。


まとめ

そうめんは原料に含まれている小麦や、塩分に注意する以外は、成分的には猫に与えても問題の無い食べ物と言えます。

しかし、それはあくまでそうめんを茹でてから水洗いをした素の状態のものとなり、私たち人間が口にする薬味や漬け汁につけて食べるそうめんとは異なります。

猫に与える際には薬味や漬け汁を使用していない、味が無いそうめんを与えるようにしてください。

そして、どろぼうをしちゃうぐらいそうめんを欲しがる子には、少量を与えるよう意識し、特別そうめんを欲しがらない子には、猫に必要な栄養が豊富に含まれているわけでもないので、無理に与える必要はありません。

愛猫の嗜好を尊重し、上手にそうめんを活用できれば、好き嫌いのはっきりした猫ちゃんの食の幅が広がりますし、いろいろ工夫しながら、そうめんを与えてみてはいかがでしょうか。



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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。


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