1.猫の歯磨きをしてないけど大丈夫?
1-1.実はチャレンジできていない人が大多数!
1-2.子猫のころから行っていないとなかなか難しい
2.猫の歯磨きをしてないとどうなる?
2-1.歯周病
2-2.その他の口腔内の異常に気付けない
3.猫の歯磨きの始め方
3-1.まずは歯みがきおやつでもOK
3-2.口周りを触る所から
3-3.歯ブラシは様子を見ながらチャレンジ
4.初めての歯みがきにおすすめのアイテム
4-1.猫用グリニーズ 歯磨き専用スナック
4-2.ペットキッス 歯みがきジェル
4-3.ペットキッス 歯みがきシート
猫の歯磨きをしてないけど大丈夫?
必要性は分かっていても、なかなか行動に移せない猫の歯磨きではありますが、重要なのは歯磨きをしてなくても大丈夫かということですよね。
猫は肉食動物として知られている通り、歯の形状も肉を引き千切りやすい形状をしているため、よく噛んで食べ物を食べるというよりは、ほとんど丸呑みの状態で食事をします。
人間の奥歯は食べ物をすり潰しながら細かくしていきますが、猫と違って咬合面が多い分歯垢も溜まりやすくなり、歯磨きをしないと虫歯になりやすいといった仕組みです。
また、人間の口腔内はpH(水素イオン指数)が弱酸性~中性なのに対し、猫はアルカリ性で保たれていることもあって、もともと虫歯菌が繁殖しにくい口内環境であると言えるでしょう。
虫歯の原因となる細菌は、糖をエサにして酸を排出させるため、口腔内が酸性に傾けば猫も虫歯になる可能性が高くなりますが、猫は人間のように甘い食べ物を食べないこともあり、そこまで虫歯に対して警戒する必要がないとも言えますよね。
しかし、人間の食べ物を日常的に食べさせている場合や、口腔内の清潔が保たれていない場合には、さまざまな病気を患う可能性も高いため、やはり猫にとっても歯磨きは必要であると言われています。
◆実はチャレンジできていない人が大多数!
2021年11月にペットスマイルで行った「猫の歯磨きに関するアンケート」でデンタルケアを実施しているかどうかを訪ねたところ、以下のような結果が出ました。
- バッチリ…9人
- 挑戦したけど上手くできなかった…23人
- してみたいけどチャレンジできていない…16人
- しようと思ったことがない…4人
愛猫の歯磨きをバッチリ行えている飼い主さんが、9人もいらっしゃることに驚きですが、何かしら意識を持って行動に移した、移す気持ちがある飼い主さんが大半を占めていることからも、重要性は感じつつも現実的に難しさを感じていることが伝わってきます。
◆子猫のころから行っていないとなかなか難しい
歯磨きをしてあげたいと思っても、猫はじっとして飼い主さんにされるがままとなってくれる動物ではありませんし、無理にでも口を開いて歯磨きをしようものなら、全身を使って抵抗してくることでしょう。
それぐらい自我が芽生えている成猫への歯磨きは難しいため、嫌がられるぐらいなら…と諦めてしまっている飼い主さんが大半だと思われます。
猫の歯磨きは子猫時代からの習慣にすることが大切で、乳歯が抜け落ち永久歯が生え揃うころまでに慣れさせてあげることが重要となります。
歯にもよりますが3ヶ月齢頃から生え変わりはじめ、永久歯が生え揃うのはおおむね、6ヶ月齢を過ぎたあたりとなるため、この頃から本格的に歯磨きの習慣をつけておくと良いでしょう。
猫の歯磨きをしてないとどうなる?
なかなか難しい猫の歯磨きですが、歯磨きをしてないと虫歯だけでなく、さまざまな病気を併発させることがあるため注意が必要です。
◆歯周病
猫は人間と違って虫歯になりにくい分、歯周病を患いやすいと言われています。人間の場合は歯垢が歯石に変わるまで、20日ほどの時間を要すると言われていますが、猫の場合は1週間ほどで歯石化するそうです。
歯石を放置したままにしておくと歯茎の隙間から細菌が侵入し、歯肉に炎症を引き起こして、歯を支える骨までも溶かしていきます。
歯に違和感や痛みが伴えば、フード(とくにドライフード)を食べられなくなり、食欲不振に陥って健康に被害が出ても不思議ではありません。
3歳を迎える歯磨きしてない猫の約80%以上が、歯周病を患っているというデータもありますので、このタイミングで歯磨きの重要性を再認識する必要があると言えます。
◆その他の口腔内の異常に気付けない
歯磨きをしていない猫ちゃんのほとんどは、口周りを触らせてくれない子が多く、口腔内に何かしらのトラブルが起きている場合でも、飼い主さんが異常に気付いてあげられるのに時間がかかります。歯周病が悪化すれば口内炎ができやすくなるため、歯茎の腫れや出血が起きてしまえば、激しい痛みを伴うため、楽しみな食事がとれなくなってしまう上に、歯茎から侵入した細菌が血液を通って、別の臓器に悪影響をもたらすこともあるようです。
とくに心臓や腎臓は、一度壊れてしまえば修復のできない臓器となるため、愛猫の健康を日常的に考えているのであれば、日頃から歯磨きを心掛け、ある程度のリスクを回避する努力も必要と言えるのではないでしょうか。
また、猫の口腔内は悪性・良性に問わず腫瘍が発生しやすい部位とも言われていることからも、ケアを怠っていると目で見ても分かる異常にさえ気付くことが難しくなります。このようなことから分かる通り猫の歯磨きは必要となり、今日をきっかけとして始めてみてはいかがでしょうか。
猫の歯磨きの始め方
歯磨きが猫にとって大切だと分かっていたとしても、実際に行おうとするとその難しさに直面して、諦めてしまう方が大半だと思います。
大事なことは歯のケアを継続できるかどうかですので、最初はできることから始めていきましょう。
◆まずは歯みがきおやつでもOK
猫に歯磨きの重要性を説いても伝わりませんし、じっとしていてとお願いしても言うことは聞いてはくれません。
無理にでも口を押えて歯ブラシを口の中に入れてしまえば、飼い主さんとの信頼関係は崩壊し、二度と口元を触らせてくれない可能性も十分にありますよね。
子猫の時期から歯磨きの習慣がない猫ちゃんであれば、猫用の歯みがきおやつを上手に活用してみましょう。
歯みがきおやつは歯垢除去効果がある商品となりますが、さまざまな味わいの商品が販売されているため、猫の嗜好に合わせて選べるのも嬉しいですよね。
美味しく食べてデンタルケアができるのであれば、歯磨きに抵抗のある飼い主さんにもぴったりです。
◆口周りを触る所から
歯みがきおやつと併用して飼い主さんがやるべきことは、愛猫の口周りを触るようにし、口元に触れられることへの抵抗を軽減させることです。
口周りに触れられることを嫌がり続けるようであれば、それこそ歯磨きができないため、少しずつ時間をかけて慣れさせてあげてください。
口周りの抵抗がなくなってきた際には、嗜好性の高い歯磨き粉(猫用歯磨きペースト)を染み込ませたガーゼや歯磨きシートなどを指に巻き、前歯や犬歯などの磨きやすい歯から磨いていくようにしましょう。
◆歯ブラシは様子を見ながらチャレンジ
飼い主さんの指に慣れてきたようであれば、猫用の歯ブラシに挑戦してみてください。気に入った歯磨きペーストがあるようでしたら、歯ブラシの先端に少し乗せ、猫自身に舐めたり噛んだりしてもらって、歯ブラシへの抵抗を軽減させてあげましょう。
口の後方に生えている臼歯は本当に難しく、磨けるようになるまでにはかなりの時間を要するはずですので、飼い主さん自身もチャンスを逃さないようにすることが大切です。
ゆっくり時間をかけて磨くというよりは、歯周ポケットに歯垢を溜めないことを重要視し、ブラシ部分が歯に当たる角度を45度程度傾け、汚れを一気に掻き出すことを心掛けましょう。
初めての歯みがきにおすすめのアイテム
どんなに飼い主さんが頑張ったとしても、猫は猫で拒み続け、絶対に自我を通そうとする猫ちゃんは少なくありません。そういうときは気を張らずに、今できることだけに目を向けてみてください。大切なことは事前の準備と、そのタイミングがきたときに瞬時に動けるかどうかです。
タイミングを逃さないためにも、以下のようなアイテムをご家庭で準備しておくことをおすすめいたします。
◆猫用グリニーズ 歯みがき専用スナック
常備しておくと安心なのが、やはり嗜好性の高いおやつでもある、歯みがき専用スナックの「グリニーズ」です。
キブルが大きめでしっかりと噛む必要がある上に、さまざまなフレーバーが販売されているため、グルメな猫ちゃんもきっと気に入ってくれることでしょう。
◆ペットキッス 歯みがきジェル
歯みがきおやつを抵抗なく食べてくれるようであれば、次は歯みがきジェルにもチャレンジしてみたいところですよね。
猫用の歯磨き粉とも言える歯みがきジェルは、すすぎが不要な上に、美味しいフレーバー付きなので、興味を示してくれる猫ちゃんは多いことでしょう。
汚れを浮かせて歯をコーティングする働きが期待でき、歯磨き初心者の飼い主さんにもぴったりです。
◆ペットキッス 歯みがきシート
どうしても歯ブラシを嫌がる猫ちゃんには、拭くだけで簡単な歯みがきシートがおすすめです。
汚れや口臭が気になったときに気軽に使えますし、1回ずつ使い捨てできる点も嬉しいですよね。
無理矢理歯をキレイにするというよりも、口腔内を清潔に保つことこそが目的となるため、無理のない範囲でケアを心掛けてあげてみてはいかがでしょうか。
まとめ
愛猫に歯磨きをしてない飼い主さんはとても多く、そこにはできない理由が存在し、自由奔放な猫に対して無理強いすることを、億劫に感じている方が大半だと思われます。
虫歯ができないとしても歯周病やそのほかの病気のリスクが上がるため、本当なら毎日のケアが理想ではありますが、現実に難しいようであれば、今日からできることをはじめてあげてください。
一番辛いことは、何かしらの異常が出た際に後悔することですし、思い立った日から始めたとしても遅くはありません。
まずは手軽にできるデンタルケアから始め、猫の歯磨き動画などを参考にして、勉強してみることもおすすめです。どうしても難しい場合には、動物病院でも歯磨きのやり方を教えてくれますので、かかりつけの動物病院に相談してみてはいかがでしょうか。
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