猫にスルメはあげない方がいい?食べてしまった時の対処法は?

2022.08.21

猫にスルメはあげない方がいい?食べてしまった時の対処法は?

おつまみなどとして食べる機会も多いスルメですが、猫に与えてもよいのでしょうか?イカやタコを猫に与えてはいけない理由は、チアミンを分解する酵素を多く含んでいるため、多量に摂取するとチアミン欠乏症から後ろ足のふらつきなどが起きることがあるからです。イカを乾燥させたものであるスルメも、与える量など注意が必要な食べ物です。今回は、猫にスルメを与えることについて、詳しく見ていきましょう。

猫にスルメをあげていいの?

スルメ

お酒を飲む飼い主さんは、スルメをおつまみにすることも多いのではないでしょうか。飼い主さんがおいしそうに食べているものに興味を持つ猫ちゃんは、少なくありません。
では、猫にスルメをあげてもよいのでしょうか?答えは「与えないほうがよい」です。

「イカを食べると猫が腰を抜かす」と言われ、イカを含む甲殻類を与えてはいけないことは、多くの飼い主さんが知るようになってきました。
その理由は、甲殻類には「チアミン」(ビタミンB1)を分解する酵素「チアミナーゼ」が多く含まれるため、多量に摂取すると「チアミン欠乏症」になる恐れがあるからです。チアミン欠乏症の症状として、後ろ足のふらつきや麻痺が起きることがあるため、俗に「腰を抜かす」と言われてきました。
チアミナーゼは熱を加えると活性を失うので、焼いたものであればチアミン欠乏症になることはありません。したがって、焼いて食べるスルメを与えてもチアミン欠乏症になることはないでしょう。

しかし、スルメは猫には与えない方がよい食べ物です。

その理由は、次項で詳しくご紹介します。


猫にスルメをあげてはいけない理由

目をつむっている猫

猫にスルメをあげてはいけない理由を、詳しく見ていきましょう。

◆塩分を多く含んでいる

スルメは、保存性を高め、風味を増すために、干す段階で塩分を加えています。
一般的なスルメに含まれる塩分量は、食塩相当量で100gあたり2.3gです(出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂))。

一方、猫が1日に必要とする塩分は、3gとされています。
猫に100gのスルメを与えることはないでしょうが、本来食べるべき総合栄養食のキャットフードを食べていれば、必要量の塩分を摂取しています。これに加えてスルメを与えると、少量でも塩分過多になる恐れがあるのです。
健康な子であれば、過剰な塩分を尿として排出することができますが、腎臓病や心臓病の子の場合、体への負担が大きく、症状を悪化させる可能性があります。

また子猫の場合、塩分の摂りすぎが命に関わることもあります。

◆胃腸に負荷がかかる

イカやタコは、加熱処理をしてチアミナーゼが活性を失ったものでも与えない方がよい食べ物です。これらは、消化に悪いからです。
スルメは、イカを干して乾燥させたものですから、そもそも消化に良くありません。

さらに、乾燥しているため、水分を含むと膨張して10倍もの大きさになるとも言われています。このため、猫の小さな胃の中で食べたスルメが膨らんでしまうと、胃腸に大きな負担をかけることになるのです。ひどい場合、急性胃拡張や腸閉塞の原因になることもあります。

急性胃拡張や腸閉塞は最悪の場合、命に関わることもあるので注意が必要です。

また、猫は咀嚼をしません。固い食べ物は前歯で食いちぎり、奥歯と顎の力で粉砕して飲み込みます。奥歯の臼歯は小さく、また少ないため、ある程度の大きさになると、硬いものでもそのまま飲み込んでしまうのです。
噛まずに飲み込むことも、胃腸に負担をかける原因となります。

◆尿路結石のリスクが高まる

スルメは、ミネラルを豊富に含んでいます。特にリンの含有量は、100gあたり1100mgと非常に多いです。また、カルシウムは43mg、マグネシウムは170mg含まれています。
ミネラル分が豊富な食事は、尿路結石のリスクを高めます。カルシウム、リン、マグネシウムのバランスが悪かったり、過剰摂取したりすると尿路結石ができやすくなるからです。

理想的なバランスは、カルシウム:リン:マグネシウム=1.2:1:0.08と言われています。一方、スルメでは、カルシウム:リン:マグネシウム=0.04:1:0.15で、ミネラルバランスが大きく異なります。

猫は、水分をあまり摂らないため、もともと尿路結石になりやすい動物です。尿路結石になったことのある子や、尿路結石になりやすいオスには、特にスルメを与えない方がよいでしょう。

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◆猫用ジャーキーと人間用のスルメは異なる

市販のおやつとして、「猫用ジャーキー」があります。
ジャーキーとは、本来、肉を干した保存食を指しますが、スルメも海外の食品分類では「イカのジャーキー」として扱われています。
しかし、猫用のジャーキーと人間用のスルメは、全く異なります。
上述のように、人間用のスルメには塩分が多く含まれますが、猫用ジャーキーの場合、塩や香辛料などの味はほとんどついていません。
もし愛猫がスルメを強くねだったり、飼い主さんがスルメを食べるときに一緒に食べたいと思ったりするときには、飼い主さんはスルメを、猫ちゃんには猫用ジャーキーを、とするといいかもしれませんね。


もしスルメを食べてしまったら?

毛繕いしている猫

与えない方がよいスルメですが、飼い主さんが目を離した隙に食べてしまうこともあります。
では、もし愛猫がスルメを食べてしまったら、どうすればよいのでしょうか?

◆どれだけ食べたかを確認する

スルメに限らず、猫が食べてはいけないもの、食べない方がよいものを食べてしまった場合には、まず、いつ、どのくらいの量を食べたのかを確認します。
食べた量が少なければ、下痢や嘔吐をしないか、苦しそうにしていないかなど、様子をよく観察してください。

◆変化が見られればすぐに病院へ

体調に変化が見られた場合には、すぐに動物病院を受診しましょう。
前項で述べたように食べた時間や量を把握していれば、受診の際に獣医師に伝えることで診断の手掛かりになります。
また、食べた量が多い、あるいは分からない場合には、速やかにかかりつけの獣医師さんに相談しましょう。

◆吐かせない

ネット上には、誤飲・誤食をした際の吐かせ方が紹介されていますが、これらの方法を行うことはおすすめできません。
方法によっては猫の体に悪影響を与える恐れがありますし、無理に吐かせようとすることで喉に詰まらせるなど危険な状態になるリスクもあるからです。
かかりつけの獣医師さんに相談して、その指示に従うことがベストです。


猫にあげていいおやつまとめ

猫におやつをあげる人

ここまで、スルメは与えない方がよいとお伝えしてきました。しかし、かわいい愛猫におやつをあげたいと思うのも自然なことですね。
そこで、あげてよいおやつをまとめてご紹介するので、参考にしてみてください。

◆スナック

グリーンラボ 猫草スナック サーモン味 40g

「猫草スナック」は、新鮮な国産大麦若葉(猫草)を配合した愛猫用おやつです。

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ドライフードのように固めの粒状のおやつです。
普段食べるゴハンと同じ食感なので、多くの子が警戒せずに食べてくれるでしょう。
一粒ひと粒食感が異なるタイプも多く、飽きにくく続けやすいです。
小分け包装やジップ付き包装のものが多いので、量の調整をしやすいのもポイントです。あげすぎ防止には、小分けタイプのスナックが良いでしょう。
手から食べさせることもできるので、コミュニケーションを図るのにもおすすめのタイプです。

◆パウチ

チャオ ちゅ~る まぐろ・とりささみバラエティ 14g×40本

人気のフレーバーを集めたバラエティパック。一度与えたらやみつきになるおいしさです。

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固いものが苦手な子におすすめなのは、ウェットタイプやペースト状のおやつです。
スープ状のものからペースト状のものまで、さまざまな形状があり、愛猫の年齢や体調に合わせて選ぶことができます。
水分が多いので、普段あまり水を飲まない子の水分補給として与えるのもおすすめです。
香りが強く、嗜好性が高いので、食欲不振の時でも食べてくれることがあります。普段のゴハンにトッピングしたり、総合栄養食タイプのものを与えたりしても良いでしょう。

◆ジャーキー

ねこ姫 厳選素材 ジューシースティック サーモン 20g

良質な鮭を豊富に使い、独自の製法で風味豊かに仕上げました。おなかに優しいオリゴ糖を配合し、腸内環境を快適に保ちます

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ペットキッス 猫ちゃんの歯みがきおやつ ササミジャーキー 20g

噛むことで歯垢を除去して、歯垢の沈着を防いで息もキレイ。

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魚や鶏肉などを乾燥させたタイプのおやつです。
塩や香辛料などが使われていない点が、人間用のジャーキーとは異なり、安心して与えることができます。
噛み応えがあるので、ガジガジと齧るのが好きな子にぴったりです。よく噛むため満足感があり、ストレス解消にもなるでしょう。

歯磨き効果を期待できるものも多く、歯磨きの苦手な子におすすめです。おやつを食べながら、デンタルケアができるので、飼い主さんも猫ちゃんも負担が少なくて済みます。

◆ミルク

無添加 ぺろぺろなめきり やぎミルク 10g(2g×5包)

無添加で安心安全、高タンパク・低脂肪のミルクです。粉のままでも、溶かしても使えます。

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猫用ミルクや、ヤギミルクもおすすめです。
人用の牛乳は、お腹を壊す子が多いので、避けましょう。特に、子猫は重症化する恐れがあります。
お腹を壊す原因は、牛乳に含まれる「乳糖」を分解する酵素が不足していることです。猫用ミルクは乳糖がカットされているので、お腹を壊す心配がありません。

また、ヤギミルクは、脂肪球が牛乳の約1/6と小さいため、下痢を起こしにくいとされています。
猫用ミルクには、年齢ごとに「子猫用」「成猫用」「シニア猫(老描)用」があります。子猫用は高タンパク質&高カロリー、成猫用は低脂肪で低カロリー&高タンパク質です。
シニア猫には、低脂肪かつ栄養補助に役立つミルクがおすすめです。


まとめ

おやつをもらう猫

飼い主さんがスルメを美味しそうに食べていると、興味津々になる猫ちゃんは少なくないでしょう。
しかし、スルメは「塩分が多すぎる」「消化に良くない」「ミネラルが豊富かつバランスが良くない」といった点から、猫には与えない方がよい食べ物です。

愛猫がスルメを食べてしまった時は慌てずに、いつ、どのくらい食べたかを確認し、体調の変化がないか様子をよく見ましょう。
たくさん食べた場合や、食べた量が分からない場合には、すぐにかかりつけの獣医師さんに相談して、指示に従ってください。

ご自身がスルメを食べる際に、愛猫にも何かあげたいときには、猫用のおやつをあげましょう。猫用のジャーキーも市販されているので、飼い主さんはスルメ、猫ちゃんは猫用ジャーキーというのもいいですね。



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SHINO

SHINO

保護犬1頭と保護猫3匹が「同居人」。一番の関心事は、犬猫のことという「わんにゃんバカ」。健康に長生きしてもらって、一緒に楽しく暮らしたいと思っています。


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