1.ロシア原産の猫は大きい?どんな猫種がいる?
2.サイベリアンフォレストキャット
3.ロシアンブルー
4.クリリアンボブテイル
5.ピーターボールド
6.ドンスコイ
7.メコン・ボブテイル
ロシア原産の猫は大きい?どんな猫種がいる?
ロシアは世界各国の中でも特に猫好きが多く、猫を飼育している家庭も多いと言われています。
一時期では国民の約59%が猫を飼っているといったデータがあるほど、国全体で猫が好きといったイメージが定着しているのです。
また、皆さんは「エルミタージュの猫」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
エルミタージュの猫とは、ロシアのサンクトペテルブルクにあるエルミタージュ美術館に住んでいる猫の総称です。
元々宮殿であるエルミタージュ美術館には猫が元より住み着いていましたが、18世紀に絵画をネズミから守ることを目的に、当時のロシアの女帝が猫を宮殿に飼うように命じ、そこから今日まで猫たちが様々な芸術品の番人としているそうです。
この美術館の中には、猫の食糧を準備するためのキッチンや、小規模ではあるが猫の為の病院も併設されているとか。
ネズミから美術品を守る姿を一目みたいと、全世界から猫好きが集まってくるそうですよ。
このように昔から猫との深い歴史があるロシアではありますが、この国原産の猫種も多く存在していることをご存知でしょうか。
極寒の国のため被毛がモフモフの猫種が多いのかと思いきや、短毛種の猫や無毛種の猫まで産まれています。
一体どのような猫種がロシアで生まれた種類なのか、今回はそんなロシア原産の猫たちを6種紹介いたします。
サイベリアンフォレストキャット
ロシアを代表する長毛種の猫として知られているのが、「サイベリアンフォレストキャット」です。
サイベリアンフォレストキャットは日本でも見かける猫種となりますが、どんな歴史や特徴があるのかを見ていきましょう。
ロシアの東部が起源とされるサイベリアンフォレストキャットは、シベリア(=サイベリアン)由来の名前を持ち、自然発生によって誕生したようですが、その明確な歴史は分かっておらず、10世紀ごろから存在していたとも考えられています。
極寒の地であるロシアで生き抜いてきたサイベリアンフォレストキャットは、「ノルウェージャンフォレストキャット」と、似た環境適応進化を経てきたことが分かっており、比較的近い血縁ではないかと考えられているようです。
国外に輸出されるようになったのは1987年以降となり、日本のペットショップや猫カフェなどでも、比較的目にする機会の多い猫種とも言えますよね。
ロシアに対して東日本大震災の被災地支援のお礼として、プーチン大統領に秋田犬の「ゆめ(メス)」を贈った際に、返礼としてサイベリアンの「ミール(オス)」が、秋田県の佐竹知事に贈られてきたことでも有名になりました。
寒さをしのぐための長毛は珍しいトリプルコートとなり、この被毛の構造を持つ猫種はサイベリアンのみだと言われています。
ビヤ樽形とも言われる丸い体型は愛らしく、足裏には房毛という名の被毛が揃っており、極寒の地でも歩いて行動できるように、トリプルコートとともに備わっていると考えられているようです。
まんまるなフォルムでも素早く機敏に動き、水を嫌がらないといった特徴を持つことから、犬のような猫と言われることがあります。
穏和で従順な性格をしていますが、忍耐強いといった一面を持つ、ロシアを象徴しているような猫であると言えるでしょう。
ロシアンブルー
ロシアでもっとも人気の高い猫種と言われている「ロシアンブルー」は、日本でも人気の高い純血種として知られています。
ロシアンブルーもサイベリアンフォレストキャット同様、ロシアが原産の自然発生種と言われていますが、起源については諸説あり、明確な発生時期ははっきりしていません。
18世紀中ごろにはイギリスや北欧に伝えられていましたが、第二次世界大戦によって絶滅の危機に陥り、戦後にはイギリスなどで「ブリティッシュショートヘアー」や「シャムネコ」との交配によって、血種の回復が行われていきました。
短毛種となるロシアンブルーではありますが、分厚いダブルコートの持ち主です。
フワフワ毛の密な毛のおかげで、寒い土地でも生き抜くことが
被毛は絹のように柔らかくて細く、アッシュブルーの毛並みに惚れ込む猫好きの方は多いことでしょう。
この特徴的な美しい被毛に、ブルー(グリーン)の大きな眼を持ち、引き締まった筋肉質な体つきも、ロシアンブルーならではの特徴と言えますよね。
飼い主に従順な姿は犬のようとも言われますが、相手を選ぶことがあることからも気位の高さがうかがえます。
あまり鳴かない猫となるため、集合住宅でも一緒に暮らしやすい猫種です。
クリリアンボブテイル
日本ではあまり馴染みのない「クリリアンボブテイル」ですが、どんな猫ちゃんなのかを見ていきましょう。
18世紀以前からクリル列島に生息してきたクリリアンボブテイルは、突然変異によって誕生し、1995年に血統登録団体であるWCFに登録されました。
ヨーロッパに愛好家が多かったことからも、アメリカで知られたのはそれよりもだいぶ後だと言われています。
日本の名前が使われている「ジャパニーズボブテイル」と似た容姿を持ちますが、遺伝的な関連性ははっきりしていないようです。
ずんぐりむっくりといった見た目の通り、全体に筋肉質で手足は短く、最大の特徴である丸い尻尾を持つといった、愛らしい純血種となります。
サイベリアンフォレストキャットと同じように、水を恐れない一面を持っていますが、狼のように狩りをする姿や浅瀬で漁をする個体まで存在するらしく、寒い国でも力強く生き抜いてきたことがうかがえますよね。
社交性が高い猫種ではありますが、愛情深いといった性格の持ち主のため、小さなお子さんのいらっしゃるご家庭でも安心して一緒に暮らせます。
ピーターボールド
「ピーターボールド」といった名前の猫種はご存知でしょうか?
あまり日本では聞き慣れない名前の猫となりますが、歴史や特徴を知って理解を深めていきましょう。
ロシア原産の「ドンスコイ」を基礎として、オリエンタルショートヘアーを交配させて誕生した猫がピーターボールドです。
1994年にロシア在住のネコ科動物研究家であるオルガ・マロノワ氏が、ドンスコイとオリエンタルショートヘアーを掛け合わせたことにより、4匹の子猫が誕生しましたが、その中の1匹が後のピーターボールドの起源になったと言われています。
なんといってもピーターボールドの特徴は、無毛に近いその容姿です。
被毛については「ボールド」と呼ばれる無毛タイプと、「ヘアリー」と呼ばれる短く覆われた被毛タイプの2種類に分かれます。
細長い手足を持ち、華奢な体つきはロシア原産とは思えないほど、寒い国では生きていけないような印象も受けますが、猫種として確立されている以上、しっかりとした生命力の持ち主であることがうかがえますよね。
性格は人懐っこく社交性も高いため、別種の動物との同居や、来客の多いご家庭でも安心して一緒に暮らせる猫ちゃんです。
ドンスコイ
ピーターボールドの起源にもなっている「ドンスコイ」ですが、名前からして強そうな印象を持ちますが、どのような猫なのでしょうか?
1987年、ロシア南西部にあるロストフ・オン・ドンという町で、エレナ・コバレーバという名前の女性が見つけた無毛の猫である「バーバラ」が、ドンスコイの起源と言われています。
バーバラが発見された場所の近くに「ドン」と呼ばれる川が流れており、無毛の猫として知られていた「スフィンクス」を掛け合わせて、「ドン・スフィンクス」という名前がつけられました。
1997年には血統登録団体のFIFeでドン・スフィンクスの名前で登録されましたが、2005年にはTICAによって同じ猫種がドンスコイの名前で登録されています。
無毛が劣性遺伝のスフィンクスに対して、ドンスコイは優性遺伝によるものとなります。
ドンスコイは完全無毛タイプと産毛が生えているタイプが存在しますが、産毛が生えているタイプも成長過程で被毛が抜け落ち、冬には特定の部位のみに被毛が生えるといった特徴を持ちます。
猫では例外的に汗腺が体中に存在し、全身に汗をかくといった特徴もあるようです。
穏やかな性格で人懐っこく、飼いやすい猫ではありますが、やや依存心や嫉妬心の強い傾向もあるため、あまり多頭飼育には向いていない猫種と言えるでしょう。
メコン・ボブテイル
ポイントカラーを持つ純血種は何種類か存在していますが、「メコン・ボブテイル」もその一種です。
メコン・ボブテイルのルーツは明確には判明していませんが、2004年にWCFに新種として公認された比較的新しい猫種となります。
東南アジアにあるメコン川流域から輸入された猫が、メコン・ボブテイルの祖先になっており、短い尻尾の持ち主であることからこのような名前がつけられました。
メコン・ボブテイルの特徴は何といっても、キュートで短い尻尾と、シャムネコのようなポイントカラーです。
短毛で光沢のある被毛はそのポイントカラーを際立たせ、とても美しい猫であることがうかがえますよね。
アーモンド形のブルーの眼がとても印象的で、気品漂う猫種となります。
警戒心が強い一方で、遊ぶことが大好きといった活発な一面を持ち合わせており、慣れるまでに時間はかかる場合もありますが、打ち解けることができれば一気に甘えん坊の、かわいらしい猫ちゃんへと変貌を遂げることでしょう。
まとめ
今回は極寒の地である、ロシア原産の猫種についてご紹介させていただきました。
どの猫ちゃんたちもそれぞれ魅力的な純血種となりますが、まだまだロシア原産の猫種は存在しているため、この機会に是非、ほかの猫種についても調べてみてはいかがでしょうか。
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