子猫が「シャーシャー」と威嚇する心理とは?上手な接し方はあるの?

2022.10.30

子猫が「シャーシャー」と威嚇する心理とは?上手な接し方はあるの?

子猫が威嚇する様子を見たことがありますか? 子猫の威嚇は、実に可愛らしいものです。 しかし、威嚇の頻度が多いときや、ずっと止まらないときは、少し心配になってしまいますよね。 威嚇をする子猫に対して、飼い主さんはどのように接したら良いのでしょうか?

【目次】
1.猫の威嚇にはどんな意味がある?
 1-1.攻撃的威嚇
 1-2.防御的威嚇

2.威嚇は異常な行動というわけではないけれど…

3.子猫が飼い主にシャーシャー威嚇するときの心理とは?
 3-1.信用できない!と思われている
 3-2.嫌なことをするヤツ!と思われている
 3-3.縄張りに入るな!と思われている
 3-4.びっくりさせるなよ!と思われている
 
4.子猫がシャーシャーするときの接し方
 4-1.落ち着くまでそっとしておく
 4-2.ゆったりとした動作で接する
 4-3.怖がらせる、驚かせるような声を出さない
 4-4.ストレスの原因を取り除いてあげる
 4-5.目をじっと見つめるのは避ける
 4-6.先住猫と新入りの猫の対面は慎重に

5.威嚇の多い子猫は大人になってもシャーシャーするの?

6.威嚇はしつけで直るもの?

7.まとめ

猫の威嚇にはどんな意味がある?

猫の威嚇

猫が行う威嚇には「攻撃的」なものと「防御的」なものがあります。

◆攻撃的威嚇

相手を攻撃するときに行うものです。ひっかく、噛みつくなどの行動を伴います。

◆防御的威嚇

相手を遠ざけ、無用な争いを避けるために行います。


威嚇は異常な行動というわけではないけれど…

威嚇は、野生の猫でも行う本能的な行動です。
したがって、おうちの子猫が威嚇をしても、それが、直ちに異常ということではありませんので、どうか安心して下さいね。
猫の威嚇の声といえば、良く知られているのは「シャーシャー」という音ですが、他にも「ウー」、「フー」、「カッ」などの音もあります。YouTubeなどの動画サイトでも、威嚇をする猫の様子を見ることができます。
特に、小さな子猫が必死で「シャー」と声を出す様子は、可愛らしいと感じる方も多いかも知れません。
とは言え、おうちの子猫が頻繁に「シャーシャー」と威嚇をしていると、少し心配になってしまいますよね。
子猫の威嚇にはどんな意味があるのでしょうか。そして、飼い主さんはどのように接したら良いのでしょうか。


子猫が飼い主にシャーシャー威嚇するときの心理とは?

◆信用できない!と思われている

子猫は、慣れていない人に対して、威嚇することがあります。
特に、生まれたばかりの子猫や、飼い主さんと一緒に暮らし始めて日が浅い子猫の場合、警戒心が強いことが多いものです。まだ飼い主さんとの信頼関係が築けておらず「信用できない!」と思われていると、「シャーシャー」をされる機会が比較的多いかもしれません。日々の生活を共にしながら、飼い主さんとの信頼関係が出来上がるにつれ、徐々に収まっていくことでしょう。

◆嫌なことをするヤツ!と思われている

猫は、意外にも記憶力の高い動物です。
子猫の気分が乗らない時に、しつこくスキンシップを試みたり、うっかり、触って欲しくない部位を触ったりしたことはありませんか。
猫の体には、触られて気持ちの良い部位と、そうではない部位があります。「首の後ろ」や「顎の下」などは、比較的どの猫も喜ぶ場合が多いのに対して、「お腹」や「しっぽ」などは嫌がる傾向があるようです(※個体差があります)。
また、たとえ触られて気持ちの良い部位であっても、長時間、触り続けることは良くありません。子猫が嫌がっているときには、しっぽをバタバタさせる、落ち着かない様子を見せるなど、何らかのサインを出しているはずです。それでも構わずに触り続けると、子猫は、ストレスを感じてしまいます。すると、飼い主さんを「嫌なことをするヤツ!」と思って、威嚇をしてしまうかもしれません。コミュニケーションを取る際には、子猫の様子をよく観察し、気持ちに十分に配慮したいものですね。

◆縄張りに入るな!と思われている

威嚇をするのは、猫から人間(飼い主さん)に対してだけとは限りません。
同じ猫同士でも威嚇をすることがあります。猫は、縄張り意識の強い動物です。先住猫が生活している空間に、新入りの猫が現れると「自分の縄張りに敵が侵入してきた!」と感じるようです。
また、子育て中の母猫も、子猫を守るために、威嚇することがあります。目安として、子猫の半径2メートル以内に接近すると、母猫は威嚇すると言われています。

◆びっくりさせるなよ!と思われている

猫は、大きな音が苦手です。大声や、掃除機などの大きな音、急な動きに対して、驚きや不安、恐怖心から威嚇することがあります。特に、子猫をおうちに迎え入れてすぐの頃は、慣れない環境の中、初めての声や音に接する機会が多いため、子猫が不安を感じる場面も自然と多くなるでしょう。生後すぐに母猫と離れてしまった子猫であれば尚更です。新しいおうちに早く慣れてもらえるように、たくさんの愛情を注ぎたいですね。


子猫がシャーシャーするときの接し方

◆落ち着くまでそっとしておく

子猫が威嚇をしたときに、飼い主さんが過剰に反応してしまうと、「構ってくれている」とか「効果がある」と感じて、よりエスカレートする場合があります。
落ち着くまで少しそっとしておき、相手にしないフリをするのも有効な方法かもしれません。威嚇をしても無視され、反応がないことを学習すると、徐々に頻度が減っていくと思います。

◆ゆったりとした動作で接する

素早い動き、急な動きは、子猫に恐怖と不安を与えてしまいます。
できるだけ、ゆったりとした落ち着いた動作で接して、子猫を安心させてあげることが大切です。

◆怖がらせる、驚かせるような声を出さない

突然大声を出したり、大きな音の出る掃除機を使い始めたりすると、子猫はびっくりしてしまい、威嚇することがあります。子猫のすぐそばで大きな声や音を出すことは、なるべく控えたいものです。同居のご家族にも、あらかじめお願いしておきましょう。また、低めの声よりも高めの声の方が、より好まれるようです。

◆ストレスの原因を取り除いてあげる

子猫が威嚇する原因となった出来事や、驚き、恐怖心、不安を感じている対象が明らかである場合には、それを取り除いてあげると、比較的早く収まるかもしれません。

◆目をじっと見つめるのは避ける

子猫が飼い主さんをじっと見つめる様子は、可愛らしいものです。つい嬉しくて、見つめ返したくなってしまいますよね。しかし、子猫の目をじっと見つめると「戦いを挑んでいる」とか「ケンカを仕掛けにきた」と思われて、さらに警戒を強められてしまうようです。時々は目をそらし、ゆっくりと「まばたき」をして、安心してもらうようにしましょう。

◆先住猫と新入りの猫の対面は慎重に

近年では、多頭飼育を行っているご家庭も多いことと思います。先住猫と新入りの猫の対面には、特に注意が必要です。初対面の猫同士をいきなり同じ空間に放すことは、おすすめできません。警戒心を強めて、威嚇をする、飛び掛かるなどの危険があります。最初は、それぞれ別の空間で生活させ、猫のタオルや毛布などを交換して、お互いの「におい」に慣れさせることから始めます。対面させるときも、まずはケージ越しの対面をして、同じ空間で過ごす時間を徐々に伸ばしていくなどの工夫が必要です。
とはいえ、猫は「縄張り意識」が強いですから、どんなに気を使ったとしても、最初のうちは、多少なりともストレスを感じることでしょう。新たな猫との同居に慣れ、お互いを「家族」として受け入れられるまでは、根気強く見守りたいものです。


威嚇の多い子猫は大人になってもシャーシャーするの?

子猫

その猫の性格にもよりますが、驚き、恐怖、不安などを感じたときは、成猫でも威嚇することはあります。ただし、おうちで飼育している、いわゆる「家猫」の場合は、ある程度は人に慣れているため、子猫の頃よりも頻度は少なくなるかもしれません。一方、屋外での生活が長く、成猫になってから保護されたような猫の場合は、非常に警戒心が強く、成猫でも「シャーシャー」を繰り返すこともあるようです。できるだけ刺激せず、ストレスを減らして、安心させてあげることを心掛けましょう。


威嚇はしつけで直るもの?

威嚇を止めさせる(減らす)方法としては、前述の「落ち着くまでそっとしておき、相手にしない」という方法の他に、飼い主さんが両手をパンと叩く、机をトンと叩くなどして、音で驚かせて止めさせるという方法もあるようです。「飼い主さんには効果がない」と子猫が学習すると、徐々に収まっていくことでしょう。


まとめ

猫の威嚇は、驚き、不安、恐怖心、縄張り意識などが原因と考えられています。
それ自体が異常な行動というわけではありませんが、何らかのストレスの原因があるならば、それを取り除いてあげることが望ましいです。
特に、子猫は、成猫に比べると、まだ人慣れが十分でなく、様々なものに不安や恐怖心などを感じることが多いため、「シャーシャー」と威嚇が止まらないこともあります。
子猫の気持ちを第一に考え、猫に安心してもらえるように落ち着いて接することが大切です。
威嚇は、人間に対してだけではなく、猫同士でも行われることがあります。
先住猫と新入りの猫を対面させる際には、「縄張り意識」の強い猫のストレスをできるだけ軽減することを考えてあげましょう。いきなり対面ではなく、少しずつ慣らしていくなどの工夫が必要です。
子猫が威嚇したときの適切な対応としては、落ち着くまで無視する、音を出して驚かせるなどの方法が知られています。子猫が、飼い主さんには効果がないと理解することが大切です。
この記事が、子猫の威嚇について悩んでいる飼い主さんの参考になれば嬉しいです。



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SONAERUわんにゃん

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元保護猫の白茶トラ「ダニエル」と生活しています。 ライターの他に、犬と猫の「切り絵」の制作、ペット保険の仕事もしています。 1級愛玩動物飼養管理士試験合格。


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