1.ベンガルはお世話が大変な猫種?
1-1.性格
1-2.体の大きさ
3.ベンガルを飼育する際のポイント
3-1.コミュニケーションを十分にとる
3-2.運動スペースの確保
3-3.静かな環境
3-4.適切な食事
3-5.子猫の時からお手入れに慣らす
3-6.水周りにも気をつける
ベンガルはお世話が大変な猫種?
ベンガル猫はイエネコでありながら、ヒョウのような野性味あふれる独特の模様を持つ猫種です。
最初のベンガルは、1960年代にアメリカのブリーダーが、ベンガルヤマネコ(アジアンレパードキャット)と、黒毛のイエネコを交配して生まれたと言われています。
1970年代には、猫白血病ウイルス感染症(FeLV)の研究のため、ヤマネコとイエネコが多く交配されました。
これらの猫と他のさまざまな猫種との交配が繰り返され、1980年代にベンガルとしてTICA(The International Cat Association)に公認登録されます。
TICAでは交配に使われたベンガルヤマネコから4代以降をベンガルとして公認しています。
そんなベンガルはよく「飼育が大変」と言われることがあります。
ベンガルのベースの性格や体の成長といった観点から、本当に飼育が大変なのか見ていきましょう。
◆性格
前述の通り、交配を行ったベンガルヤマネコから4代目以降に生まれた個体を「ベンガル」として公認していますが、4代目ともなると野生のヤマネコならではの性質は薄れていきます。
それに伴い野生動物ならではの攻撃性なども減っていくため、イエネコとして定着した今日の「ベンガル猫」は見た目のワイルドさに反して人懐こく甘えん坊です。
また、ベンガル猫は好奇心が旺盛で、やんちゃな子が多いと言われています。
子猫の時はもちろん、成猫になってからも活動的なところがベンガルの特徴のひとつと言えますが、このようなところが「ベンガルの飼育は大変」「初心者には向いていない」と言われる理由の1つと考えられます。
ベンガル自身は意図してなくても、人間にとって「いたずら」になることもありますし、他の猫種に比べて必要な運動量が多いということは、それだけ飼育環境を整えたり愛猫と遊ぶ時間を設ける必要があるということになります。
人によって『飼いやすい』『飼いにくい』の定義は違うと思いますが、他の猫種よりも活発であるという点は『ベンガルの飼育は大変』と言われる所以かもしれませんね。
◆体の大きさ
ベンガルは、「ロング&サブスタンシャルタイプ」と言われます。
他のイエネコより背骨が1つ多いため、胴が長く、体長は55~80cm、体高は23~30cmが平均です。
筋肉質でしっかりとした体格のため、一般的な猫種より大きくなることが多く、成猫になるとメスで3~5㎏、オスで5~8kgまで成長し、大きな個体では10kgになることもあります。
身体が大きく成長するほかにも、引き締まった筋肉質な体を維持するため、ベンガルのごはんには高たんぱくなフードが欠かせません。
ベンガルは他の猫種よりも、食事量が多いので、飼い主さんへの負担を考えると、こういった点も「大変」と言われる理由の一つかもしれませんね。
ベンガル猫は性別より違いがある?
ベンガルは女の子よりも男の子の方が体が大きく成長します。
性格については、オスの方がより遊び好きであったり、甘えん坊であることが多いようです。
自分から甘えるのは好きな一方、必要以上にベタベタされるのは好きではありません。猫らしいツンデレぶりが、魅力的とも言えますね。
また、基本的には穏やかな気質ですが、ベンガルのオスはテリトリー意識が高いと言われている為、多頭飼いを考えている場合は注意が必要です。
メスはというと、オスと比べてクールな性格をしている子が多いようです。
しかし、しっかりと心を許してくれれば甘える様子も見せてくれますので、オスよりもよりツンデレに感じるかもしれません。
オスよりも感情表現は控えめで、自立心が高い傾向がありますので、ベンガルの中でもどちらかというと落ち着いている子をお迎えしたい場合にはメスをお迎えすると良いでしょう。
ベンガルを飼育する際のポイント
基本的に甘えん坊で社交的なベンガルですが、体格が大きいこともあり、飼育に際しては気をつけたいポイントがあります。
◆コミュニケーションを十分にとる
ベンガルは非常にフレンドリーで、人と上手にコミュニケーションを取ることができる猫です。人が話しかけると鳴き声で返事をしたり、いろいろな鳴き声で気持ちを伝えようとしたり、よくしゃべると言われています。
飼い主さんに甘えるのが大好きで、「かまってちゃん」とも言えるベンガル。十分に甘えられなかったり構ってもらえなかったりすると、不満を感じ感じてしまうことがあります。
ひとり遊びもできるベンガルですが、一緒にたくさん遊んであげて、しっかりコミュニケーションを取りましょう。多くの運動量を必要とすることからも、毎日、最低でも10分、できれば複数回、遊んであげるといいですね。猫じゃらしなど、おもちゃもたくさん準備してあげてくださいね。
また、日頃から、たくさん話しかけてあげましょう。言葉自体は理解しなくても、飼い主さんの感情を察してくれますよ。
お手入れも、コミュニケーションのひとつになります。スキンシップを兼ねて、ブラッシングをしてあげるのもおすすめですよ。ベンガルの艶のある美しい被毛をキープできるので、一石二鳥ですね。
このように十分なコミュニケーションを必要とするため、お留守番が長くなりがちな人や、遊んであげる時間の少ない人には向いていない猫種と言えるでしょう。どうしても、という場合には多頭飼いがおすすめです。
◆運動スペースの確保
ベンガルは、しっかりとした筋肉質な体格をしていて、身体能力も他の猫より高いです。また、遊び好きでやんちゃな性格も相まって、活動的で運動量も多いです。
特に子猫の運動量は目を見張るほどで、手に負えないと感じてしまう飼い主さんもいるようです。
そのため、ベンガルを飼う場合には、充分な運動スペースを確保する必要があります。自由に運動できないと、ストレスを溜め込んでしまいがちです。ベンガルには神経質な一面があるため、ストレス性神経障害になってしまう可能性もあります。
猫は基本的に上下運動を必要としますが、ベンガルは特に高いところに登るのが大好きです。天井まで届く大型のキャットタワーの設置は必須で、可能であればキャットウォークを設置すると、なおよいでしょう。突っ張り型のキャットタワーなら天井まで届くので、おすすめですよ。
ベンガル用に広い部屋を確保できない場合には、家具や家電を片付けたり、ドアを開けて部屋を行き来できるようにしたり、家の中のスペースを有効活用するといいですね。ペット用のドアをつけてあげるのもおすすめです。
猫は縄張り意識が強く、縄張り内を自分で確認したい生き物です。野性的な面が残るベンガルは、特に縄張り意識が強いため、家中をパトロールしたがります。その点でも、部屋を行き来できるようにしてあげることをおすすめします。
◆静かな環境
ベンガルは感覚器が優れた猫で、些細なことにも敏感に反応する特徴があります。
特に優れているのは聴覚で、音に敏感だと言われています。
生活音や外からの騒音はもちろん、玄関チャイムの音も苦手なことがあります。チャイムが鳴ると、知らない人間がベンガルの縄張りに入ることになるため、縄張りを荒らされるように感じてしまうのかもしれませんね。
また、家電の音を苦手とするベンガルも少なくありません。音だけでなく、見た目も苦手な子も多く、見ただけで逃げてしまうこともあります。
家電を使うときには、ベンガルは別室に移してあげた方がいいでしょう。また、静音モードや省エネモードなど、音が比較的静かな設定で使うなど、ストレスをできるだけ軽減できるような工夫をしてあげることをおすすめします。
また、音を怖がって逃げたり隠れたりするときに、勢い余って物にぶつかる、家具に飛び乗って倒してしまうなど、事故が起きてしまうことがあります。思わぬケガを避けるため、家具の配置に気をつけたり、家具の角には保護材などをつけたりして、安全な環境を整えておきましょう。
◆適切な食事
ベンガルは、筋肉質でしっかりとした体格をしているため、高タンパク・高脂質の良質なフードを与える必要があります。
特に、子猫の頃に十分な栄養が摂れないと、健康に育ちません。高タンパク・高カロリーのフードを与えましょう。
成猫になると、高カロリーのフードはカロリー過多から肥満につながります。1歳を過ぎるころに、成猫用フードに切り替えてあげましょう。
ベンガルは、一般的な猫種より大型であるため、食事量も多くなります。良質なフードを与えなければならないことも考慮すると、食費が一般的な猫より高くなると考えておきましょう。
◆子猫の時からお手入れに慣らす
猫は全般に、お手入れが苦手な子が多いです。このため、子猫の頃からお手入れに慣らしておくことは、どんな猫にも大切です。
ベンガルは体が大きいので、お手入れを嫌がって逃げようと身をよじるだけでも、コントロールが難しくなります。飼い主さん、ベンガル双方がケガなどをしないように、子猫の頃から慣らしておくことが、他の猫より重要です。
お手入れは、スキンシップにもなり、ベンガルとのコミュニケーションにおすすめなので、ぜひ子猫の時から慣らしておきましょう。
◆水周りにも気をつける
ベンガルは、猫としては珍しく、水を怖がらない子が多いようです。このため、水遊びが好きな子もいます。
また、先述の通り、縄張り意識が強く、自分のテリトリーをパトロールしたいという本能も強いため、お風呂場にも入りたがることがあります。
水を張った浴槽に転落して溺れる事故が起きる可能性もあるので、浴槽には水を溜めておかないようにしましょう。
まとめ
独特な模様や、他の猫より大型で筋肉質の体格から、小型のヒョウのように見えるベンガルですが、性質は温和で愛情深く、人懐こい甘えん坊です。
外見からイメージされる「懐かないから」「凶暴化するから」飼うのは大変、ということはありませんが、十分に運動できる広いスペースや、飼い主さんに十分に甘えることが必要です。
神経質な面もあるベンガルは、これらが満たされないと、ストレス性神経障害になることもあります。
したがって、見た目の美しさだけに注目して安易に飼うと、お世話の大変さに手を焼いてしまうかもしれません。
他のペットでも言えることですが、いったん飼えば、その命に責任を持たなければならないので、この記事も参考に、事前によく考えたうえで覚悟を持ってお迎えしてくださいね。
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