1.猫に引っかかれた!対処法を紹介!
1-1.ミミズ腫れ
1-2.やや出血有り
1-3.傷が深く出血している
2.猫の引っかき傷から引き起こる病気とは
2-1.猫ひっかき病
2-2.パスツレラ症
2-3.カプノサイトファーガ感染症
2-4.その他
3.猫に引っかかれないようにするには
3-1.しつこくスキンシップを取らない
3-2.猫のお手入れをきちんと行う
3-3.猫を触った後は手を洗う
3-4.野良猫には触らない
猫に引っかかれた!対処法を紹介!

一緒に暮らしている愛猫はもちろん、野良猫に街で出会った際などに、猫好きの方であれば距離を縮めて、仲良くなりたいと願う方は多いのではないでしょうか。
しかし、遊んでいるときや機嫌を損ねてしまったとき、猫は自己防衛のために前足を出して阻止することがあります。
そのときに攻撃をする意思が強ければ、爪を出したまま攻撃してくるでしょうし、ケガをするリスクも高くなりますよね。
猫に引っかかれた際に傷となってしまった場合には、傷の具合によって対処法も異なってくるため、以下の方法を参考にして対処していきましょう。
◆ミミズ腫れ
猫は爪の出し入れを自由自在に行える動物となるため、危険だと感じれば敵を攻撃するために、爪を出したままの状態で手を出してきます。
その対象が人間になってしまうことも少なからずありますし、そのまま爪の出た手で引っかかれたら、傷になってしまうことでしょう。
皮膚の表面が蚊に刺されたあとのように盛り上がり、ミミズ腫れ状態になってしまったときは痒みや赤みを伴うこともあるため、傷口を掻くようなことはせずに、すぐに水洗いをしてください。
そして腫れや赤みが気になるようでしたら、氷水などで患部を冷やすことにより、次第に症状が軽減されていくことでしょう。
数時間から1日程度で症状が収まることがほとんどですが、ミミズ腫れは皮膚に圧力がかかることによって起きる「機械性蕁麻疹(きかいせいじんましん)」となるため、アレルギーの原因とされるヒスタミンが放出されます。
なかなか治らない場合には、抗ヒスタミン薬やアレルギー薬などを内服することも効果的です。
◆やや出血有り
猫に引っかかれた箇所からやや出血している場合は、ミミズ腫れよりも重い症状と言えますので、適切な処置が必要となります。
猫の手足や爪には細菌が付着しているため、放置したままにしたり、消毒もせずに絆創膏を貼ったりすると、感染症を引き起こす可能があるためおすすめできません。
傷口からやや出血している際にはしっかりと流水で洗って、傷口を清潔にしましょう。
その後ハンドソープや石けんで優しく泡立てながら洗い、水洗いしたのちに消毒液を使って傷口を消毒します。
出血が続いている場合は絆創膏を使っても大丈夫ですが、しっかりと消毒ができていない場合には症状を悪化させてしまう可能性もあるため、出血があった際にはしっかりと消毒をすることを心掛けましょう。
◆傷が深く出血している
傷が深く出血も酷いようでしたら、細菌が体内に入り込んで重症化してしまう危険性があります。
重症化させないためにも、すぐに病院を受診することが望ましいですが、そのまま止血処置を行うのではなく、すぐに流水で患部を数分間洗い流してから、清潔なガーゼやタオルなどで15分ほど圧迫しましょう。
猫に引っかかれてから時間が経過し、圧迫するタイミングが遅くなってしまうと、体内に細菌を取り入れてしまうことになるため、いかに早く処置するかが大切となります。
抗生物質の投与で症状が改善することがほとんどではありますが、傷口の深さや大きさによっては縫合処置が必要となることもあるため、たかが引っかき傷と思わないようにし、早急に形成外科や皮膚科などの病院を受診してください。
猫の引っかき傷から引き起こる病気とは

猫に引っかかれた傷が原因となり、そこから引き起こされる病気がいくつかあるため、猫と関わる機会の多い方であれば、知っておくに越したことはありません。
どのような病気があるのかは、以下の通りとなります。
◆猫ひっかき病
猫に引っかかれたことがそのまま病気の名前になった「猫ひっかき病」は、バルトネラと呼ばれる原因菌によって発症します。
この菌はノミが媒介者となり猫から猫に移ることからも、ほぼすべての猫に常在菌として存在しているようです。
引っかかれるだけでなく噛まれることによっても発症しますが、症状が出るまでに数日かかることもあるため、原因が猫に引っかかれたことだと認識できないことも多く、その際には血液検査で発覚することがほとんどです。
症状としては患部の腫れと併せて痒みや痛みが出ることがあり、ほかにも発熱、頭痛、リンパ節の腫れなどが見られるため、猫に引っかかれたあとにもっとも注意すべき病気と言えるでしょう。
◆パスツレラ症
猫に常在している菌の中には、ほかにも注意すべき菌が存在します。
その菌の名をパスツレラ菌と言いますが、100%の確率で猫の口腔内に常在しており、猫に噛まれたり引っかかれたりすることによって、「パスツレラ症」を発症することが多いようです。
原因菌保有率が高いことからも、もっとも注意すべき人獣共通感染症(ズーノーシス)となり、激しい痛みや患部の腫れだけでなく、免疫力が低下している人が感染すると、呼吸器系の症状が現れることもあるため、重篤化させないためにも適切な診断と治療が必要と言われています。
猫に引っかかれるだけでなく、過剰なスキンシップでも発症する危険性が高いため、適切な距離感を保ちながらのスキンシップを心掛けましょう。
◆カプノサイトファーガ感染症
猫の口腔内には、カプノサイトファーガ・カニモルサス菌と呼ばれる細菌も常在しており、この病原菌によって発症する病気を「カプノサイトファーガ感染症」と呼びます。
発症した患者数が猫ひっかき病やパスツレラ症と比べると、圧倒的に少ないようではありますが、猫と一緒に暮らしている方であれば、知っておいて損のない病気とも言えるでしょう。
一般的には発熱や頭痛などの風邪症状が現れますが、重症化すると最悪の場合死に至るケースもあるので注意が必要です。
◆その他
猫にはさまざまな常在菌が存在していますが、劣悪な環境で暮らしている野良猫に引っかかれた場合には、上記以外の病気も懸念しなくてはいけません。
人間が感染すると100%の確率で死に至る「狂犬病」や、さまざまな神経に作用する「破傷風」など、注意すべき病気はまだまだたくさんあります。
身近でかわいらしい存在の猫ではありますが、だからこそ猫が嫌がるようなことはしないようにし、適切な距離を保って付き合っていくようにしてください。
猫に引っかかれないようにするには

猫に引っかかれたり噛まれたりすることがないように、適切な距離を保つことが大切ではありますが、具体的には日常生活の中でどのようなことを心掛ければ良いのでしょうか。
◆しつこくスキンシップを取らない
猫はマイペースで自由気ままなイメージが強い通り、意にそぐわないことが起きると機嫌が悪くなってしまうことがあります。
そのため、飼い猫と飼い主という関係であっても、飼い主さんは愛猫のことを常に尊重し、気持ちを汲み取りながら接していくことが大切と言えますよね。
大好きだからこそたくさんスキンシップを取って、仲良くしたい気持ちも分かりますが、あまりにしつこくしすぎてしまえば、ちょっとずつ機嫌が悪くなって最後には手を出されてしまうことでしょう。
愛猫に嫌われないためにも、しつこいスキンシップは取らないようにしてください。
◆猫のお手入れをきちんと行う
さまざまな常在菌を保有している猫のために、日々のお手入れも欠かさず行うようにしましょう。
どんなに猫がキレイ好きでセルフグルーミングをしていたとしても、部屋が汚れていてその汚れが猫の体に付着してしまえば、知らぬ間に体内へ取り込んでしまうことに繋がりますよね。
室内をこまめに掃除するだけでなく、愛猫が汚れた際には汚れを拭き取るなどをし、常に清潔を心掛けておきましょう。
◆猫を触った後は手を洗う
愛猫とスキンシップを取ったあとは必ず手を洗い、飼い主さん自身も清潔を心掛けるようにしてください。
猫に引っかかれるだけでなく、自覚がなくても指先などに小さな傷ができていることはありますし、そこから細菌が侵入してしまえば、いつの間にか病気を発症する可能性もゼロではありません。
面倒に感じるかもしれませんが、毎日を愛猫と楽しく過ごすためにも、必要な作業だということを忘れないようにしましょう。
◆野良猫には触らない
猫好きな方には酷な話となりますが、野良猫に出会ったとしても、触れ合うことはおすすめできません。
野良猫はイエネコよりも警戒心が強く、さらに多くの菌を保有している確率が高いですし、引っかかれたり噛まれたりすれば重篤化する恐れもあるため、適切な距離を保つことが大切です。
まとめ
猫だけでなくさまざまな生き物は身の危険を感じると自衛本能が働きますし、猫のように引っかいたり噛んだりして自分の身を守ることは、自然の流れであるとも言えますよね。
猫に引っかかれたことが一度でもある方であれば、猫が嫌がることや嫌がられないために、どうすべきなのかをご存知のことかと思います。
大切なのは姿形の違う動物同士であったとしても、しっかりと相手を尊重して気持ちを汲み取ってあげることですよね。
引っかかれたあとの対処法や、発症する可能性のある病気を知ることも必要ではありますが、やはり一番大事なのは引っかかれないためには、どうやって猫と接するべきかを知ることではないでしょうか。
猫にストレスを与えないためにも、猫とは適切な距離を保ち、ストレスを与えないような付き合い方をしていきましょう。
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