猫がしっぽを振る意味6つ!しっぽパタパタはイライラのサイン?

2023.03.22

猫がしっぽを振る意味6つ!しっぽパタパタはイライラのサイン?

ふとしたときに、猫がしっぽを振るのを目にしたことはありませんか?犬ほど感情を出さないことで知られている猫ですが、実はしっぽをパタパタ振ることにより、しっかりと感情を表現しているのです。 今回は、猫のしっぽから分かる気持ちについてご紹介します。猫のしっぽの振り方を熟知し、言葉の伝わらない猫の感情を読み取ってみましょう。


【掲載:2020.03.12  更新:2023.03.22】

猫にとって重要な「しっぽ」

猫の後ろ姿

地球上には様々な種類の動物が存在しますが、その中で脊椎(せきつい)動物に分類される多くの動物には、しっぽが備わっているのをご存知でしょうか。

私たち人間も脊椎動物に分類されますが、しっぽを持っていません。基本的にしっぽというものは、4本足で歩く動物が身体のバランスを上手く保つための役割を担っています。

人間の場合は、進化していく中で二足歩行となり、足で身体のバランスを取ることが可能になったことからしっぽが必要無くなり、衰退していったのではないかと考えられています。

そのため、発生したばかりの胎児にはしっぽが見受けられる上に、その名残として「尾てい骨」もしっかりと残っています。

一方で、猫を始めとした動物の多くにはしっぽが残っており、様々な役割を持つ器官として、現在も重要な役割を果たしています。


猫がしっぽを振る意味とは?

見上げる猫

では、繊細につくられているしっぽをパタパタと猫が振る場合、どんな意味が隠されていると思いますか?

猫のしっぽは、何かを伝えたいとき、感じとった感覚をそのまま表現するときなどに敏感に反応するのです。猫のしっぽは心のバロメーターと言ってもいいほど、様々な気持ちを表現してくれています。

猫がパタパタとしっぽを振っていたのなら、そこにどんな意味が込められているのかを読み取っていきましょう。

◆しっぽを垂直に立てて振る時の意味

しっぽをピンと垂直に立て振っているのは、「かまってほしい」「ご飯ちょうだい」などの嬉しいときや甘えたい気持ちの仕草です。要望をしっかりと察知して、期待に応えてあげるようにしましょう。

そしてこの垂直の状態からしっぽの先を少し前向きにしている場合は、「こんにちは」などの挨拶を表現しています。

◆しっぽをゆっくり振る時の意味

猫が立った状態でゆっくりしっぽを振っているときは、見慣れないものを見つけたときによく見せてくれる仕草です。興味が勝っている気持ちがしっぽに表れます。

他にもリラックスしているときや、考え事をしている場合もあるので、そっとしておきましょう。

◆しっぽを早く小さく振る時の意味

小刻みに早くしっぽを振る場合、落ち着かない気持ちのときが多いようです。不安な気持ちが自然と動きに表れてしまうのでしょう。

何を不安に感じているのかを、しっかりと読み取ってあげるようにしましょう。

◆しっぽを激しく大きく振る時の意味

パタパタと激しく大きくしっぽを振るときは、怒っています。

基本的に大きくパタパタとしっぽを振る場合は、機嫌が悪いときが多いです。イライラして不機嫌な状態なので、かまわないのが得策です。

左右にリズムをつけて振っているときも闘争心の表れなので、そっとしてあげて下さい。

◆寝ているときに小さくしっぽを振る時の意味

眠っているのにしっぽの先だけパタパタと小さく振る場合は、飼い主に呼ばれたり傍を通ったりした際に、反応を示してくれている証拠です。「眠いけど一応反応はしとくか」ぐらいの気持ちで、どうやら動かしてくれているようです。

しっかりと飼い主の存在を気にしている証拠でもあるので、眠りが浅いときは反応を示してくれますよ。

◆ピクピクとしっぽを振る、動かす時の意味

何かに気を取られているときや考え事をしている際に、しっぽをピクピクと振ることがあります。座っている状態で縦にゆっくり振る場合も、何かぼんやり考えていることが多いです。


猫のしっぽから分かる様々な気持ち

他にもしっぽをパタパタと振っていなくても、ほんの少しの動きで感情を表現していることもあります。

大きく動かさずとも様々な気持ちが分かるしっぽの動きには、どんな感情が隠されているのでしょうか。

◆毛を逆立て太くする

遊んでいる最中に急にしっぽが膨らむ姿を、猫を飼っている人なら一度は見たことがあるかと思います。

これは、身体を大きく見せて強気になっている場合や、興奮状態の気持ちの表れです。

他にも驚いたり恐怖を感じたりしたときや、相手を威嚇する際などの攻撃態勢のときにも見ることが出来ます。

また、しっぽを持ち上げるようにして山形にしているときも攻撃態勢の状態なので、急に脅かさないようにしてあげましょう。

◆足の間に巻き込む

しっぽを足の間に挟んだり、身体にピッタリと巻き付けたりしているときは、とても弱気になっている状態です。

恐怖心を感じうずくまって身体を小さく見せることによって、敵に「自分は弱いから襲わないで!」と伝えようとしています。

敵に対して怯んでいるときに見せる姿なので、もし叱ってこの状態になってしまっているようなら、あまり怒り過ぎないようにしてあげて下さい。

◆お腹にくっつける

抱っこをした際に、お腹にしっぽがピタッとくっついている際は、怖がっている証拠です。すぐに抱っこを止めてあげて下さい。

反対に抱っこでリラックスしているときはだらんと垂れ下がり、ゆっくり動かしているのであれば嬉しく、パタパタと早く振るのであれば嫌がっています。

抱っこが好きか嫌いかで動きも変わってくると思うので、抱っこをした際はよく観察してみて下さいね。

◆だらんと下げる

だらんと垂れ下がった状態であれば、飼い主に叱られてしょんぼりしている証拠。猫なりに反省しているのです。

また、身体の具合が悪い場合などにもこの状態になることがあるので、日頃からよく観察しておく必要があります。


猫のしっぽの役割とは?

すりすりする猫

猫は生まれながらにしてしっぽを備え付けていますが、どのような役割を担っているのでしょうか。

◆バランスを保つ

猫のしっぽは、バランスを上手く保つ役割を担っています。バランスが崩れそうになった際には、しっぽをパタパタと素早く振るなどして骨盤の位置を調整することが出来るのです。

バランス感覚の良い猫は、このようにしっぽを使用することによって、バランスを崩すことなく素早い行動も可能としています。

◆気持ちの表現

表情筋が少なく、言葉を使用しない猫にとって感情を表現するために、しっぽは重要な役割を果たします。

同じ脊椎動物である犬と一緒で、パタパタとしっぽを振っているから喜んでいるのでは…といった単純なものではありません。

しっぽの動きを熟知することによって、猫の感情を読み取ることが可能となるのです。

◆寒さ対策

猫は寒いことがとても苦手な動物です。個体によってしっぽが長かったり短かったりする猫がいますが、ある程度の長さがある場合は、防寒具として足首に巻き付け、寒さを和らげるために使用することもあります。

◆マーキング

猫は身体の至る所に「臭腺(しゅうせん)」と呼ばれる、固有のニオイ(フェロモン)を発する器官が備わっています。

しっぽの付け根にも臭腺があるので、飼い主さんにしっぽを巻き付けるようにすり寄ってきた場合は、自身のニオイを付けて安心している証拠なのです。

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猫のしっぽを引っ張るのはNG!

◆猫のしっぽの構造

猫のしっぽは、18~23個の尾椎(びつい)と、前後左右に動かすための4つの筋肉、細かな動きをするための8つの筋肉から構成されています。

個体によってしっぽの長さは違うので、一概にこの構成通りとは言い切れませんが、猫のしっぽは様々な神経が通い部分的に連結されているので、とてもデリケートです。

◆「猫ふんじゃった症候群」に要注意

よく「猫のしっぽは引っ張ってはダメ」と言われていますが、尾骨神経に外力が加わり神経を傷つけてしまうと、様々な障害を引き起こしてしまう可能性があるのです。

このような状態のことを「猫ふんじゃった症候群」と呼びます。

猫の神経には馬の尾のような「馬尾(ばひ)」と呼ばれる、束状の細い神経が伸びています。この神経の束が、膀胱や肛門、後ろ足の神経などを連結しているので、猫のしっぽを引っ張ってしまうと他の部位にも支障を来してしまうのです。

このような繊細な構造をしているからこそ、猫のしっぽから読み取れる意味は奥深いとも言えるでしょう。

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まとめ

普段何となく猫を見ていても、なかなか感情が読み取れないと思ってしまうことはよくあると思います。

猫は犬ほど人間とスキンシップを取りませんし、表情筋も人間ほど発達していないので、気持ちが読み取りにくい生き物として知られています。

言葉が通じない猫にとって、しっぽは人間に感情を伝えることの出来るツールであることは間違いないでしょう。

パタパタと振る姿からは、様々な気持ちを読み取ることが出来るので、
コミュニケーションを取るために私たちは意識して動きを観察していくのも面白いかもしれません。

猫の気持ちが理解出来るようになれば、今まで以上に距離を近く感じ、愛しさも倍増することでしょう。

そして気持ちの意味を知ることによって、より良い関係性が築けると思いますので、お互いを尊重しながら共存していけたら、これ以上ない幸せと言えるのではないでしょうか。



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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。


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