猫が脱走する理由
猫が脱走する理由は、いくつか考えられます。
屋外で暮らしていた猫が飼い猫になった場合や、元々の性格が活発である猫の場合、何かの拍子に脱走してしまうことがあります。特に、広い縄張りを持つオスや、好奇心旺盛な若齢の猫などは、脱走しやすい傾向があります。
窓際で過ごすのが好きな猫もいると思いますが、庭に野良猫や小鳥が来ているときは、特に外の世界に興味をひかれている状態です。
外に出てしまった猫は、家への帰り方がわからずパニックを起こし、迷子になることもあり得るのです。
家の中が退屈だと、猫はストレスを感じやすいです。
特に、新居に引越してきた直後や、保護して間もない猫の場合「以前の生活に戻りたい」という気持ちから、突然脱走してしまうことがあります。
家の中には、猫がくつろげるスペースや、運動ができるキャットタワー、おもちゃなどを用意し、お部屋が猫にとって安心できる空間になるようにしましょう。
引越しの最中や、家の模様替えや大掃除などの際にも、注意が必要です。普段の生活環境と変わったことに強いストレスを感じ、空いた窓やドアの隙間から出て行ってしまうこともあります。
引越しでは、普段とは違う人が家に出入りする場面もあり、猫がびっくりしてしまうかもしれません。
このようなときは、飼い主さんもバタバタとしていて、うっかり窓やドアを閉め忘れてしまう、という可能性もありますので、要注意です。
去勢や避妊の手術をしていない猫は、発情期になると、パートナーを見つけようと脱走してしまう場合があります。
猫の発情期は、1年のうち初春と早秋のころと言われていますが、これは日照時間にも影響されます。室内の明るいところで暮らしている家猫の場合、あまり季節に関係なく、1年に3~4回の発情を迎えることもあります。
猫の脱走防止の基本対策
猫の脱走防止策は、猫と暮らす上でとても重要なことです。
保護猫の譲渡を行っている団体では、猫を譲渡する際の条件の一つに「脱走対策を行うこと」を挙げていることもあります。随分厳しいな、と思うかもしれませんが、猫が脱走してしまうと、運良く見つかることもありますが、残念ながら二度と見つからない場合も多いのです。
また、もし見つかったとしても、屋外でケガをしたり、交通事故に遭ったり、感染症にかかってしまっている可能性もあります。外の環境は猫にとって大変過酷です。猫の健康と安全を守るためには、完全室内飼い、脱走対策の徹底が大切なのです。
では、猫の脱走防止策はどのようにしたらよいのでしょうか。以下では、基本的な対策について紹介していきます。
窓やドアには必ず施錠しましょう。猫がいる部屋の窓やドアは、開放してはいけません。特に夏場の網戸には注意した方がよいでしょう。猫は簡単に網戸を破ったり、引き戸をスライドして開けたりしてしまいます。来客の出入りや、宅配の荷物を受け取る際の、玄関ドアの開放なども要注意です。
様々なタイプの脱走防止用の柵があります。ご家族のライフスタイルやお部屋のサイズに合ったものを選び、脱走対策をより万全なものにしましょう。
玄関、ベランダ、窓など、開閉の多いエリアには、普段から猫を出入りさせない、というのも一つの方法です。
室内環境を改善する
お部屋の中の環境を整えることで、猫が快適に過ごせるようにすることも、脱走対策の1つといえます。
適度な運動は、ストレスの発散、病気の予防に繋がります。上下運動のできるキャットタワーや、キャットウォークは、特に人気の高い商品です。
猫にとって、爪とぎは本能的な行動です。古い爪のお手入れに加え、自分のにおいを付ける効果もあります。家具や壁での爪とぎをさせないためにも、爪とぎは必ず用意したいものです。
「ひも」や「じゃらし」等の様々なおもちゃも、狩りの本能を満足させるのに有効です。猫と遊ぶことで、ストレスをためないようにしましょう。
脱走防止対策をしっかり行った上で、お部屋の中から外の景色を見られるようにするのも良いでしょう。その際は、猫の体に、強い日差しが当たらないように注意しましょう。
猫の脱走対策グッズおすすめ3選
猫の脱走対策グッズの中でも、広く知られており、実用性に優もれたものを3つご紹介します。ご購入前には、商品のサイズなどを確認し、お部屋の作りに合ったものを選ぶことをおすすめします。
突っ張り式のゲートは十分な高さがあり、猫が飛び越えにくい作りです。玄関からの脱走防止に役立ちます。
飛び越えにくい181cmのハイタイプ。 簡単に取り付けられるつっぱり式の片開きゲートです。 |
メーカー | リッチェル | 適応体重 | 5kg以下 | サイズ | サイズ:W72~95×D8×181cm、取り付け幅:72~95cm、扉間口:50.5×174cm |
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猫用ケージには、様々な種類、高さのものがあります。
猫にストレスを与えない大きさのものが良いでしょう。
体の大きい成猫にとっては、2段ケージだとやや手狭かもしれません。
中に毛布や猫ベッドを置けば、寝場所として利用できます。
来客時など、一時的に中に入っていてもらいたいときにも便利です。
ねこドアで自由に出入りでき、しつけにもぴったりなキャットルームサークル。 たっぷり上下運動できるハイタイプ。2段タイプとしても使用可能。 |
メーカー | ペティオ | 製造国 | マレーシア | サイズ | 約W71×D57.5×H170cm ※キャスター取付け時 | 適応体重 | ~8kg |
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キャットタワーは、直接的な脱走防止アイテムではないものの、快適なお部屋づくりのために是非おすすめしたいアイテムです。上下運動ができ、爪とぎや、安心して隠れられるハウスが付属しているタイプのものもあります。省スペースで、お部屋になじむデザインが人気です。
爪とぎ板とゆらゆら気になるおもちゃが付属していてとても豪華♪ 省スペースでインテリアの邪魔になりにくく工具は付属の六角レンチのみで設置簡単! |
メーカー | コジマ | サイズ | W55×D59×H112cm | 適応体重 | (ステップ1段あたり)8kgまで 頭数目安2頭まで |
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猫が脱走してしまった時の対処法
これまで脱走対策についてお話してきました。では、万一、猫が脱走してしまった場合、どうしたらよいのでしょうか。
まずは落ち着いて、冷静になることが大切です。中には、脱走したと思ったら、実はお部屋の中にいたというケースもあります。狭い隙間や、布団の中などに隠れているかもしれません。この時、飼い主さんが過度に大きな声を出すと、猫が怖がって出て来なくなるかもしれません。落ち着いて、ゆっくり探していきましょう。
家の中を探しても見つからず、様々な状況から、本当に脱走したと思われる場合は、お住まいの地域の警察署と保健所に、届出をしましょう。
この届出は、似たような特徴の猫が保護されていないかの確認と、見つかった場合に連絡を入れてもらうために行います。
引き続き、家の近所での捜索は続けながら、関係機関からの連絡を待ちます。
迷い猫ポスターを作成し、近隣の動物病院や商店などにお願いして掲示してもらうという方法も考えられます。(※禁止されている場所や、他人の敷地に、無断でポスターを貼ることはやめましょう)
猫は、脱走してしばらくは、家の近くにいる場合が多いと言われています。近隣住民からの目撃情報は、猫を探すために有効な手がかりとなります。ポスターには、猫の写真、全身の毛色や模様が分かるものを掲載すると良いでしょう。
マイクロチップは、ペットの体内に埋め込む小型のカプセルです。データベースに飼い主の氏名や住所を登録して、マイクロチップの番号と紐づけて管理されます。
マイクロチップの装着は医療行為のため、動物病院に行く必要があります。装着には少し費用がかかりますが、外れる心配がなく、半永久的に使うことができます。
迷子札は、飼い主の連絡先を記した札で、首輪につけることが多いです。様々なおしゃれなデザインの迷子札も登場しています。
まとめ
猫が脱走する理由は、外の世界への好奇心、発情期、環境変化によるストレス、室内の退屈さへのストレス等が考えられます。
脱走対策のアイテムには、飛び出し防止用のゲート、大型のケージ等があります。また、室内でストレスなく過ごせるよう、キャットタワー等の遊具を置くことも大切です。
もし猫が脱走してしまった場合、まずは落ち着いて家の中を探し、それでも見つからなければ、関係機関に届出をした上で、迷子猫ポスターを作り、捜索を行います。マイクロチップや迷子札を装着していた場合、猫が発見されれば、飼い主の元に戻ってくる確率が少しは上がるかもしれません。とはいえ、一度、脱走してしまった猫を再び見つけることは、決して容易ではありません。大切な猫と生涯、幸せに暮らすために、脱走対策はとても大切です。
この記事が「猫の脱走防止対策をしたい」と考えている方の参考になれば嬉しいです。