1.尾曲がり猫とは?
2.しっぽが変化する3つの原因!
3.長崎で見られる、尾曲がり猫!
4.長崎にくる猫の歴史
5.尾曲がり猫が流行った理由とは?
6.特徴的なしっぽを持つ猫種5選
6-1.マンクス
6-2.ジャパニーズボブテイル
6-3.クリルアイランドボブテイル
6-4.アメリカンボブテイル
6-5.アメリカンリングテイル
7.長崎の尾曲がり猫のしっぽ!
尾曲がり猫とは?
尾曲がり猫とは、しっぽが曲がっていたり、途中で切れたりしているみたいに短かったりと、変わった形のしっぽをしている遺伝子を持つ猫たちのことです。
猫といえば長くて真っ直ぐなしっぽを持つものと思う人が多いですが、長さや折れ方、向きも様々でしっぽも模様同様、その子の個性となり、曲がったしっぽは「かぎしっぽ」とも呼ばれています。
しっぽが変化する3つの原因!
短くて曲がったしっぽは「尾椎の減少」「半椎体」「癒合椎」という3つの変化によって形成されます。
しっぽを短くしているのは、尾椎(びつい)と呼ばれるしっぽの骨の減少と癒合、そしてしっぽをカギ状に曲げているのは、尾椎の半椎体化です。
この、しっぽの短曲化は、ジャパニーズボブテイルと同じ、遺伝子変異によって、生み出されていることが明らかになりました。
最低でも3つの遺伝子が関わっていることが明らかになっています。1つは、マンクスのように、極端に短いしっぽを形成する「T-Box」という遺伝子、もう1つはジャパニーズボブテイルのしっぽを形成する「HES7遺伝子」、そして最後はいまだに発見されていない第三の遺伝子です。
長崎で見られる、尾曲がり猫!
現在、九州の長崎県では、約80%の割合で尾曲がり猫がいるということです。
長崎では尾曲がり猫を当たり前のようにたくさん見かけます。ここに古くから住んでいる方々は、猫のしっぽは曲がっているのが普通だと思っているそうですよ。
そんな尾曲がり猫の聖地である長崎には、「尾曲がり猫神社」という場所あります。
長崎にくる猫の歴史
この尾曲がり猫が多くいる原因には、長崎の出島と、先ほどの「HES7遺伝子」が関係しているようです。
まず、尾曲がり猫は、インドネシアやマレーシア周辺など東南アジアや中国南部の地域が主に原産地ではないかと考えられています。
江戸時代、鎖国中の日本では、長崎の出島において、オランダ東インド会社との交易が特別に許されていました。この会社はインドネシアに支所を持っていたのですが、船で航海する際の保険として「猫を船に乗せること」という決まりがあったようです。
東インド会社は、ネズミ捕りをする猫を現地から船に乗せ長崎の港に訪れ、その猫がいつの間にか長崎に居ついた可能性が高いと考えられます。
長崎における猫の短曲尾は、元々インドネシアあたりに暮らしていた猫が持っていた「HES7遺伝子」の変異によって形成されているという可能性が考えられます。日本に起源を持つ、ジャパニーズボブテイルの短曲尾にも「HES7遺伝子」が関わっていることが明らかになっています。
このようなことから、東南アジアや中国南部の短曲尾猫が長崎に住み着き、長崎の短曲尾猫(長崎猫)となり、ジャパニーズボブテイルの起源となる、という流れで、「HES7遺伝子」が継承されてきたのかもしれません。
これは、インドネシアと長崎県のどちらともにおいて、なぜ猫の尾曲がり率が高いのか、ということの原因にもなります。
尾曲がり猫が流行った理由とは?
しっぽが曲がっていたり短かったりする猫は、江戸時代に多かった、といわれています。
「猫又」という、日本の民間伝承や古典の怪談、随筆、物語などに登場する猫の妖怪がいます。江戸時代に入ると、「人家で飼われている猫が年老いて猫又に化ける」という考えが一般化しました。
猫又は、人の言葉を話す、二本足で歩く、踊る、人を食い殺したりするなど、化け物として恐れられるようになりました。「しっぽの長い猫は、そのしっぽが二つに分かれて猫又に化ける」という迷信も広まり、その反動として、しっぽの短い猫が好まれたのではないかと推察されます。
このようなわけで、しっぽの短い猫を意識的に選択して、繁殖したのかもしれません。そして、その血統は今日、長崎県に生息する野良猫(長崎猫)や、「ジャパニーズボブテイル」という純血種の中に受け継がれていると考えられます。
特徴的なしっぽを持つ猫種5選
「かぎしっぽ」のように変わった形のしっぽを見ると、なんだか「見られてラッキー」な感じがしますよね。世界にはたくさんの猫がいますが、まだまだ変わったしっぽの持ち主が…。
思わず「えっ!?」と二度見しちゃうようなしっぽを持つ猫ちゃんを紹介していきます。
◆マンクス
猫のしっぽは、動くうえでバランスを保つ役割があって猫にはとても大事なもの。そんな感じで、「猫にしっぽがあるのは当たり前」という感覚でマンクスを見たらビックリするかもしれません。
実は、マンクスは「しっぽがない猫」として知られているんです。
ただ、そのなかでも「しっぽがまったくないランピー」「極短のしっぽのランピーライザー」「さらに短いスタンピー」「それより少し長めのロンギー」の4パターンに分けられています。
しっぽがまったく見えないマンクスはわずか数割程度とのことですが、いずれにしても「しっぽがほとんどない」という特徴を持つマンクスはとても不思議で見惚れてしまいそうですね。
◆ジャパニーズボブテイル
猫種名に「ジャパニーズ」がついていることからも分かるように、ジャパニーズボブテイルの起源は日本に古くからいた日本猫。とはいえ、日本ではそれほどなじみがないように感じませんか?
実は、日本猫の魅力を知ったアメリカのブリーダーが自国へ連れ帰り、その猫ちゃんを繁殖に利用したのが歴史のはじまりです。
ジャパニーズボブテイルの最も大きな特徴は、短いしっぽ。お尻の部分に、まるでポンポンがついているかのよう…!体を動かしても短いしっぽですから躍動感はありませんが、後ろから見たときの可愛らしさは必見かもしれませんよ。
社交性が高く頭が良い「空気の読める」優秀な猫ちゃんという魅力も持ち合わせています。
◆クリルアイランドボブテイル
“ボブテイル”つながりで、ジャパニーズボブテイルと同じように短いしっぽを持つクリルアイランドボブテイル。寒いエリア出身のため、肉厚でがっしりした体格が特徴です。
そして、お尻には1.5~8㎝程度と極短のポンポンみたいなしっぽがあります。お尻部分だけを見ているとウサギみたいにも見えることから、ポンポンテイルと言われることもあります。
◆アメリカンボブテイル
こちらもまた、短めしっぽが特徴的な“ボブテイル”の仲間。アメリカ出身のアメリカンボブテイルは、1989年に登録された比較的新しめの猫種です。
ジャパニーズボブテイルやクリルアイランドボブテイルと同じように、くるんと丸まった短いしっぽが最大のチャームポイントと言えるでしょう。
◆アメリカンリングテイル
アメリカンリングテイルは、大人になるにつれてしっぽが曲がる特徴があります。しっぽの根元は普通なのですが、先端の方に向かうと曲がっているので、少し不思議な感じがしますね。
とはいえ、しっぽの長さは短いわけではないので、一般的な猫のようにしっぽを使って感情表現をすることができます。
長崎の尾曲がり猫のしっぽ!
長崎猫のしっぽは、「曲がりしっぽ」「短尾」「お団子しっぽ」の3種類にわけられます。
いわゆる「かぎしっぽ」といわれるのは、曲がりしっぽのこと、「短尾」は太くて短い途中で切れているように見えるしっぽのこと、「お団子」は巻尾とも言われ、短いしっぽがさらに丸くなってお団子のように見えるものです。
猫の毛並みを支配する遺伝子としっぽの骨に異常が生じる遺伝子とは組み合わせが異なるということで、柄としっぽに関しての特徴はないということです。ブチ、ミケ、さび、トラ柄など、いろいろな柄の尾曲がり猫がいます。
尾曲がり猫のしっぽは、「曲がった部分で幸せをひっかけてくる」という言い伝えもあります。長崎に行ったら、尾曲がり猫を見つけてみてはいかがでしょうか。
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