猫の居眠り「ごめん寝」の理由は?
猫が時々私たちに見せてくれる「ごめん寝」は本当に可愛らしいもの。
猫がこのような体勢で居眠りする理由は、猫の視力の良さのせいです。猫は人間の何倍も動体視力が優れているので、例えば部屋で蛍光灯を使用している場合、蛍光灯のちらつきが気になるのです。さらに蛍光灯の安定器からはブーンという音も出ています。
居心地の良い寝床があるのに、うるさくて眩しくて寝られない!という時に、猫は「ごめん寝」することが多いようです。
「ごめん寝」とは違う「ヘッドプレッシング」
一見微笑ましいこの猫の寝姿が、実はとても一刻を争う危険な状況な場合もあるのです。
オランダの動物愛護団体はFacebookを使って、「犬&猫が頭を壁につけたらすぐに病院へ連れて行ってあげて!!」と警鐘を鳴らしています。動物が何の理由もなく、長時間壁に頭を押し付ける行動は「ヘッドプレッシング(Head pressing)」と呼ばれ、脳に何らかのウイルスが感染していたり中で損傷を起こして、神経系のダメージ、神経疾患、その他の病気に罹っている可能性があるからです。
ヘッドプレッシングの様子
猫の「ごめん寝」とは少し様子が違いますが、飼い主さんにヘッドプレッシングの認識がなければ「うちの子はなんて可愛い姿で居眠りしているんだろう!」と微笑ましく見つめているかもしれません。
しかし、実際のところは猫や犬がとても苦しく感じている可能性もあります。
壁に頭を押し付けるヘッドプレスだけでなく、以下のような異常行動を取る場合も要注意です。
・同じ所を行ったり来たりする
・円を描くように歩く
・床に顔を擦り付ける
・反射神経が鈍い
・視覚障害
・発作
・部屋の端でじっとして動かない
・壁をずっと見つめている
ヘッドプレッシングからわかる病気の可能性
ヘッドプレッシングをする猫の病気の可能性としては、以下のようなものがあります。
・前脳疾患
・脳腫瘍
・門脈体循環シャント
・高低ナトリウム血症などによる代謝性疾患
・毒性中毒(鉛中毒など)
・脳卒中
・脳炎
・肝性脳症
・神経系への感染(狂犬病、寄生虫、細菌、ウイルスまたは真菌感染症など)
・頭部外傷
これらの疾患は放置していても決して治りません。速やかに獣医で治療を受ける必要があります。
可愛らしい姿で居眠りをしている、と安心していては大変なことになってしまいます。
まとめ
オランダの動物愛護団体がSNSを使ってヘッドプレッシングの危険性を発信したことから、みるみるうちに世界中へ情報が広がり、私たち飼い主が早い段階でペットの脳の病気を発見できることに繋がりました。
猫は自分の体調を話すことができません。私たち飼い主は猫の普段の様子をよく観察して、ただの居眠りなのか、遊んでいるのか、それとも猫の身体の中で何か以上が発生しているのかを見極めなければなりません。
今回のことで私たち飼い主も情報を集めることで、ペットの病気の早期発見早期治療が可能になったことを実感しました。もちろん、自己判断は禁物なのですが、ソーシャルネットワークをうまく利用することは大切なことなのではないでしょうか。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
<参考サイト>
dogheirs(英語)
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