デボンレックスとは?その歴史にせまってみる
◆コーニッシュレックスだと思われていた!?
まずはデボンレックスの歴史についてみてみましょう。
デボンレックスの歴史は、1960年のイギリスから始まります。当時、イギリスのデボン州に住んでいたある一人の女性がくるくるした巻き毛のオス猫を近所で発見したのがきっかけ。発見したのは、ベリル・コックスさんという女性でした。
ベリル・コックスさんは、自分の家で育てていたメス猫とそのオス猫を交尾させてみたところ、そのオス猫と同じようなくるくるした被毛の子猫が生まれたといいます。ベリル・コックスさんはそのオス猫を「カーリー」と名付けて飼育を始めました。そのカーリーこそ、現在のデボンレックスのルーツとなった猫です。
実は、その頃、コーニッシュレックスという巻き毛が特徴的な猫がすでに注目されていました。そのため、ベリル・コックスさんはカーリーのことをコーニッシュレックスだと思っていたとか。そして、カーリーとコーニッシュレックスの交配をしてみたのです。しかし、生まれてきたのは巻き毛猫ではありませんでした…。すべてストレートな毛の猫だったのです。
そこで、カーリーとコーニッシュレックスとは違う遺伝子を持っていると気付き、交配活動を何度も行い、現在のデボンレックスとなっていったのです。
コーニッシュレックスとデボンレックスは、「巻き毛」という共通点を持っています。両者を比較すると、デボンレックスのカール具合の方がやや緩やかな感じです。
◆名前の由来はルーツとなった「デボン州」
名前の由来はもちろん「デボン州」という地名から。イギリスの南西部に位置する「デボン州」は、港に面した小さな町々からなっています。「これだ!」というような目立った観光地はないものの、緑溢れる自然の景色が広がる美しい街並が見られる州です。
イギリスの田舎町という素敵な土地が、デボンレックスのルーツだったのですね。
デボンレックスの特徴について
デボンレックスにはいくつかの外見的特徴があります。
◆緩やかウェーブの巻き毛が印象的
デボンレックスの特徴を語る上では「くるくる」した被毛をはずすことはできません。そのくるくるの被毛が特徴的なことから、巻き毛が特徴のワンちゃんのプードルにちなんで「プードルキャット」と言われることもしばしば。
デボンレックスのくるくるの巻き毛は、それほど強めではなく、どちらかというと緩やかなウェーブ。
それぞれの猫に個体差はありますが、ウェーブがかった巻き毛はとても可愛らしく、撫でた時にもとてもフワフワで触り心地がいいです。
◆大きな耳と大きな目がまるで妖精!?
デボンレックスには、もうひとつ異名が…。それが「ピクシーキャット」。これには、小さな妖精という意味があります。
V字形のほっそりした小さな顔に、大きな瞳とピンと張った大きな耳がまるで妖精のような雰囲気を漂わせています。
また、デボンレックスは大きな耳がエイリアンを連想させるという意見もあり、実は「エイリアンキャット」とも言われることもあります。
◆スレンダーでスリム体型
デボンレックスはスリムでスマートな体つきです。顔も小さいですが、体格も全体的に小ぶり。オスとメスでは若干の差があるものの、体重は2.5~4.5キロ前後と小型猫の部類に入ります。デボンレックスは、スリムでありながら骨格がしっかりしているので、華奢な中にも骨太で筋肉質なことが分かります。
デボンレックスってどんな性格?
ウェービーな巻き毛と大きな目、そして小さい顔が特徴のデボンレックス。その見た目は、ちょっと独特な印象かもしれません。
そんなデボンレックスの気になる性格はどんな感じなのでしょうか。
◆活発で遊ぶのが大好き
デボンレックスはとても活発で元気な猫。好奇心が強い性格なので、飼い主さんと一緒に遊ぶことにはとても興味を示すでしょう。「愛猫とは一緒に遊びたい!」という方にはおすすめの猫種といえます。
また、好奇心旺盛な性格から、飼い主さんが困ってしまういたずら行動をとることもあります。デボンレックスは飼い主さんが構ってあげることが少ないと、ついついいたずら行動をとることも…。デボンレックスと暮らすなら、コミュニケーションはたっぷり取るようにしてください。
愛情豊かな猫なので、にぎやかに楽しく暮らしていきたいものですね。
◆感情表現が豊かな性格
さきほど、巻き毛の特徴から「プードルキャット」と言われるとお話しました。実は、プードルと言われるのには、その外見的な特徴だけではありません。デボンレックスが持つ、まるで犬のような性格も関係しています。
一般的に猫は「マイペースで自由きままな性格」とイメージする人が多いですよね。その奔放さに惹かれて猫好きになる人も多いかもしれません。
しかし、デボンレックスはちょっと犬っぽい性格も持ち合わせています。犬のように元気に動きまわったり、飼い主と一緒にいることを好んだり…。とにかく人間が好きで「一緒にいたい」という感情を表現してきます。犬のように飼い主さんの後をついて歩く…なんてこともあり、デボンレックスは飼い主への愛情表現が分かりやすい猫です。
それに、犬のような行動がもうひとつ。なんと嬉しさを表現する時には、しっぽを振り振りしてくれるのです。基本的に、犬は喜びの表現でしっぽを大きく振ることが知られています。しかし、猫がしっぽを振り振りする時には、「不機嫌アピール」。でも、デボンレックスは犬と同様、嬉しいときにはしっぽを振って表現してくれるとか…。
飼い主さんは、デボンレックスからの愛をたくさん感じ取ることができるのではないでしょうか。
◆神経質なこともある…?
活発で人懐こい犬のような性格であることが分かりました。楽しく賑やかになりそうですね。しかし、実は少し神経質な性格も持っています。そのため、猫種の違う猫との多頭飼いは苦手としています。神経質になって、ストレスをためてしまうかもしれません。
デボンレックスの気になる価格は?
外見的な特徴だけでなく、性格も可愛らしい面が多いデボンレックス。その魅力が気になって、一緒に暮らしたいと思ってしまいそうですね。
そこで気になるのは価格です。
デボンレックスは珍しい猫なので、ペットショップの店頭でたまたま見かけることはないでしょう。ただ、ペットショップで購入できるルートがあるかもしれないので、まずはスタッフの方に聞いてみるのもいいかもしれませんね。
一方、ブリーダーさん経由で購入しようと思っていても、人気猫に名前があがる猫種ほど、流通していないため探す時には手間がかかる可能性も大きいです。でも、いろいろなルートを使って探してみると、おそらく国内でも入手ができるでしょう。
価格には幅がありますが、一般的には、15~30万円前後ほどです。ただ、一般的に言われている価格なので、思ったよりも高いケースもあるかもしれません。それに、ペットショップかブリーダーか、という購入先によって価格は異なることが多いでしょう。珍しい猫であるため、価格については気になる点でしょう。もし、飼いたいと具体的に考えている人は価格情報も含めて問い合わせをしてみるのがいいかもしれませんね。
また、日本全国のブリーダーさんはたくさんいますが、すべてに連絡ができるわけではなく、なかなかデボンレックスのブリーダーさんが見つからないこともあります。
そんなときには、国外からの「輸入」に頼る手もあります。珍しい猫の場合は、海外から入手も可能です。ただ、猫自身の価格にプラスして、「輸入」という手続きなどに予想外に費用がかかることが考えられます。価格があがること以外に、手続きが面倒、事前に猫を見ることができないなどのデメリットもあります。
価格面だけでなく、どこから入手するかという総合的なことを考え、新しい飼い猫と出会いたいものですね。
デボンレックスは飼いやすい?!
デボンレックスは飼いやすい猫と言われています。それは、その愛嬌たっぷりの性格から。周囲の人間に愛を表現してくれる性格なので、人間と一緒に暮らすことにも早く慣れてくれるでしょう。また、「飼い主」ととにかく一緒にいたがります。飼い主のそばで「癒し」をもたらしてくれそうです。
そして、デボンレックスは体が小さいため鳴き声も小さく可愛らしいのも飼いやすい理由のひとつです。あまりうるさく鳴くこともないので、マンション暮らしの方でも安心と言われています。遊びが大好きなので小さいお子様がいる家庭でも好まれそうです。
ただ、人間と一緒にいることを好む性格ゆえ、長い時間の孤独での留守番は寂しさからストレスを溜めてしまいます。家を留守がちにする忙しい家庭では、デボンレックスは少し飼いにくい猫種といえます。
デボンレックスの飼い方のポイント
甘えん坊で元気なデボンレックスとの暮らしは、とても楽しそう。飼い方のポイントを知って、デボンレックスの魅力をキープして長く一緒に暮らしたいものです。
◆その1:被毛のお手入れは定期的に
短毛種のデボンレックスなので、抜け毛がそんなになくお手入れがしやすいと言われています。しかし、抜け毛が少ないといっても被毛のお手入れは重要です。
基本的に、1週間に数回程度でもOKです。実は、子猫時代に被毛のお手入れを頻繁に行い過ぎたため、チャームポイントのくるくる巻き毛がなくなってしまうケースもあります。被毛のお手入れは、少なすぎず、多すぎず…がポイントです。
●おすすめ商品
ソフトなピンを使用したスリッカーです。きめ細かなお手入れのための、便利アイテム!
◆その2:遊ぶスペースとグッズの準備
活発で遊ぶのが大好きなデボンレックスですから、家の中ではたくさん運動させてあげましょう。あまり狭いスペースで飼うと、動きが制限されてデボンレックスのストレスへと繋がってしまいます。
少し広めの飼育スペースを準備し、デボンレックスが喜びそうな「キャットタワー」もあるといいですね。キャットタワーならば、登ったり降りたりと暇をもてあましません。それに、留守番の時にも運動を兼ねて自分で遊ぶことができます。タワーの乗降でかなりの運動量となり、運動不足を回避します。
●おすすめ商品
インテリアにもマッチするキャットリビングタワー、ハイタイプ。つめみがき設置スペースや隠れ家スペース付。
また、甘えん坊で飼い主さんのことが大好きなので、長い時間コミュニケーションを取るようにしたいもの。
それには、デボンレックスが喜ぶおもちゃの準備が欠かせません。ボールや猫じゃらしなど…。好奇心も旺盛ですから、楽しく遊べるおもちゃがいいですね。
デボンレックスは、飼い主さんが遊べない時には、キャットタワーやおもちゃで一人遊びをしてくれます。その姿を見ているだけでも可愛らしく癒されます。飼い主さんのことが大好きな性格ですから、時間を見つけては一緒に遊んであげてくださいね。
◆その3:病気には注意してあげよう
デボンレックスは一般的な猫と同様、寿命は12~15歳と言われています。
一緒に暮らしていると愛情が深くなっていき、長く一緒に暮らしたいと思うはず。一般的に言われている寿命は、飼い方によっては長く延ばすことができます。それには、病気にならないように健康管理に気をつけてあげることが大切です。
特に、この猫種の猫がかかりやすい病気が「膝蓋骨脱臼」です。膝のお皿が少しずれてしまうこの病気は、デボンレックスが持つ遺伝性の病気としても知られていますが、家の中の環境から発症してしまうことも…。家の中の環境を見渡し、猫が危険とならないように配慮も必要です。
また、「肥大性心筋症」も遺伝性でデボンレックスが発症しやすい病気。運動好きな猫ですが、呼吸状態がいつもより苦しそうなどの症状が見られたら、動物病院で適切な治療を受ける必要があります。
早期治療のためには、少しでも早く病院に連れていくことが大切です。そのためには、愛猫の健康観察をふだんから行って、異常が見られたら気づけるようにしておきましょう。
飼いやすく一緒に過ごして楽しい猫
ゆるいウェーブの巻き毛と大きな目と耳というユニークな外見が特徴のデボンレックス。人間と一緒に遊ぶことが好きな愛嬌のある猫なので、一緒に暮らすと楽しい生活を送ることができます。飼い主さんへの愛情表現が豊かなデボンレックスとの生活は、幸せな気持ちをもたらし、毎日が充実しそうです。
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